戯れ言たれる侏儒
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Doctors Blog

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NEJM2007年6月21日号の論文からです。
非侵襲的とはいえ被爆という問題をかかえる心臓CTをこれだけの女性に施行したことに驚嘆します。
米国のトライアルの背景はどうなっているのかいつも不思議に思います。
この文献でCTにおける石灰化の臨床的意義、Agatston スコア少し勉強できました。
冠動脈石灰化についてはまた機会を改めてアップしたいと思います。


Volume 356:2591-2602  June 21, 2007  Number 25
背 景
冠動脈内の石灰化プラークは,粥腫性プラークの程度を示す指標であり,将来起りうる心血管イベントのリスクを予測するものである。エストロゲン療法と冠動脈石灰化の関連を,無作為化臨床試験において検討した.
方 法
子宮摘出術を受けた女性を対象に,結合型ウマエストロゲン(0.625 mg/日)とプラセボを比較した「女性健康イニシアティブ(Women's Health Initiative、WHI)試験」の補助試験として,無作為化の時点で 50~59 歳であった女性 1,064 例の心臓 CT 検査を行った.
CT 撮影は,40 施設のうち 28 施設において,平均 7.4 年間投与を行い試験終了後 1.3 年(無作為化後 8.7 年)の時点で行った.
無作為化の状況を知らない中央の読影センターにおいて,冠動脈石灰化スコア(Agatston スコア)を測定した.

結 果

略(下記の英文抄録を参照下さい。)
 
結 論
試験登録時に 50~59 歳であった女性において,試験終了後の石灰化プラークの冠動脈内沈着度は,エストロゲン群のほうがプラセボ群よりも低かった.
しかし,エストロゲンは複雑な生物学的作用を有しており,さまざまな経路で心血管イベントリスクやそのほかの転帰に影響を与える可能性がある.


NEJM -- Estrogen Therapy and Coronary-Artery Calcification
http://content.nejm.org/cgi/content/short/356/25/2591
(英文ですが抄録です。)


岡田久美子 油絵6号「花」
http://page19.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x22841509

 

Estrogen May Lower Younger Women's Heart Risk
Findings differ from prior HRT study involving those over 60
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=605720
NEJMの論文に対してコメントしています。

エストロゲン療法を受けている50歳代の女性では、冠動脈へのカルシウム沈着が少なく、心疾患リスクの低いことが、新しい研究によって示唆された。
この研究結果は、更年期障害を緩和するためにエストロゲンを服用している女性にとっては不安を和らげるものであるが、「ホルモン補充療法(HRT)が心疾患予防のライセンスとなるものではない」と専門家はくぎを刺している。

研究は、米国で健康な50-79歳の閉経後女性約16万2,000人を対象に実施された大規模研究「女性健康イニシアチブ(WHI)」のサブスタディ「冠動脈石灰化研究(CACS)」として行われたもの。
WHIでは、エストロゲン単独療法(子宮摘出者)群とエストロゲン+プロゲスチン併用療法(子宮保有者)群においてそれぞれプラセボ(偽薬)群との比較試験が行われたが、併用群では心疾患リスクの上昇などが認められ、安全性の面から2002年7月に併用療法試験が中止された。
エストロゲン単剤療法試験も2004年3月に終了、2010年まで被験者の追跡調査が行われている。

今回の冠動脈石灰化研究の責任者である米ハーバード大学医学部(ボストン)教授のJoAnn Manson博士らは、子宮摘出術を受けた50~59歳の女性1,064人を、エストロゲンまたはプラセボ投与群に無作為に割り付け、平均7.4年間投与。さらに1.3年間の追跡調査を行った。

その結果、エストロゲン群ではプラセボ群に比べて重度の冠動脈石灰化を生じる可能性が30~40%低く、薬物療法を80%以上遵守した女性では、重度の冠動脈石灰化リスクが60%低かった。

Manson博士は「エストロゲンの使用に躊躇(ちゅうちょ)している(閉経前後の)女性にとって心強い結果だが、心血管疾患予防のために使用すべきというわけではない。
下肢での血栓などのリスクがあるからだ」と述べている。

国際更年期学会(IMS)は「今回の研究結果により、エストロゲン療法の年齢および期間について新しい『安全域』が示唆された」とコメント、別の専門家は「更年期症状のある50歳代女性がエストロゲン療法を開始する際に、リスクがほとんどないことを再確認した結果だ」と述べている。

米テキサスA&Mヘルスサイエンスセンター大学医学部准教授のFarida Sohrabji氏は「閉経後早期と後期の患者には異なる治療を行うことが重要であり、ホルモン療法の使用は更年期症状を軽減させる場合に限るべき」としている。
米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)のSuzanne Steinbaum博士も「いつの日か、心疾患予防に使用できると言えるかもしれないが、現時点では予防目的で使用すべきでない」と述べている。
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=694

 

<コメント>

ホルモン補充療法(HRT) は循環器内科医は結局手を染めないと思うのですが。

相変わらず評価がはっきりしない治療です。

 

閉経後の更年期障害の諸症状の改善はもちろんのこと、骨粗鬆症、高脂血症 、冠動脈疾患予防がすべてHRTで可能という素晴らしい一面がありながら乳がん発生の危険性も考えられてきました。

最近の産婦人科の先生の評価や治療状況 はどうなっているんでしょうか?

 

ホルモン補充療法に関する見解 

http://www.jsog.or.jp/about_us/view/html/hrt_2sep2002.html 

 (平成14年9月時点での日本産婦人科医会ならびに日本更年期医学会との統一見解です。)

 

 

最後になりましたが

井蛙内科開業医/診療録(2007.9.23)
http://wellfrog.exblog.jp/d2007-09-23

をクリックしていただけるとうれしいです。

 

読んでいただいて有難うございました。

コメントお待ちしています。
 

 

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