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今日は第71回日本循環器学会総会からの話題です。
AMIの急性期治療戦略としてのPCIの現状と課題 が内
容のファイアサイドセミナーでの講演です。
急性心筋梗塞患者の急性期治療戦略 〜PCIの現状と
課題 横井 宏佳 先生
小倉記念病院 循環器科
<冠微小循環改善が今後の課題>
横井氏は今回、急性心筋梗塞(AMI)に対する血行再建術(PCI)の効果と限界について紹介した。
AMIの治療には、発症後早期に再疎通を得ることが最も重要である。 数多くの臨床試験の結果、PCIは血栓溶解療法よりも生存率が有意に高いことが明らかになっている。
その為、現在AMIに対する再疎通療法は、PCIが主流となっている。 さらに、PCI施行に際してdoor-to-balloon time(搬入からPCIまでの時間)を短くし、PCIの質を向上させることにより、患者のアウトカムの向上に努めている。
このように、再疎通療法の進歩により正常な冠動脈血流(TIMI3)を得られるケースが増加してきた。
しかし、残された課題の一つとして、PCI施行部位から末梢への血栓の飛散や微小冠血管のスパスム(攣縮)などの原因により生ずる微小冠血管閉塞があると横井氏は指摘する。
そこで、大量の血栓性病変に対する再疎通時の血栓吸引療法や、血小板塞栓の抑制を目的とした糖タンパク(GP)IIb/IIIa阻害薬、梗塞責任血管遠位部の保護を狙った末梢塞栓予防デバイスなどの有用性が検討されてきた。
一例として、末梢塞栓予防デバイスを用いて検討したEMERALD試験があげられるが、その有効性は確認できず、現在のところ、GP IIb/IIIa阻害薬以外の有用性はいずれも明らかになっていない。
さらにわが国では、GP IIb/IIIa阻害薬の有用性も確認できていない。
<心筋組織灌流グレード(MBG)高値は生命予後良好>
冠微小循環が重要視されるようになった背景には、PCIによりTIMI3が得られても、冠微小循環血流が十分得られない群(MBG 0&1)では、十分に得られた群(MBG 2&3)に比べて生命予後が有意に悪いという事実があるという。
冠微小循環のスパスムも、MBGを低下させる要因である。 スパスムに対する有用性を期待されている薬剤が、ニコランジルだという。
本年3月に行なわれる米国心臓学会(ACC)では、横井氏が参画した多施設共同研究にて、ニコランジル注射剤のPCI前からの投与が冠微小循環の改善作用を示したことが報告される予定であり、「今後、期待できる薬剤である」と横井氏は述べた。
<再灌流障害も課題として残っている>
PCI施行時に解決されるべき課題には上述の微小血管閉塞に加え、「再灌流障害」という古くからの問題がある。これに対しては「低体温療法」も期待されている。
しかしその有用性に関しては、まだ統一の見解は得られていない。
「ステント留置の普及などにより、TIMI3を得られる患者が確実に増えた今、MBG2以上をどのようにして得るかが課題である」と横井氏は締めくくった。
第71回に本循環器学会総会・学術ファイアサイドセミナー Care Net.Com http://www.carenet.com/cardiology/jcs2007/text_01.aspx (この紹介では一部改変)

野間仁根 「薔薇」
http://www.shibayama-co-ltd.co.jp/takayamauichi.html
<コメント>
●「わが国では、GP IIb/IIIa阻害薬の有用性も確認できていない」 そうだったんですか。
●冠微小循環が最近この講演のように話題となっています。 昔私自身が「無痛性心筋虚血」に興味をもって研究していたことからも感無量です。 古くて新しい未解決な問題のようです。
●AMIの際の冠微小循環のスパスムにニコランジル投与が有用ということです。 少し前に、このニコランジルに関してはIONA試験というのがあったことが思い出されます。
EMERALD試験関連のサイト すべてのインターベンショナリストが知っておくべきEBMに基づいた薬剤溶出性ステントの臨床成績
http://www.nv-med.com/tct/05/pdf/04.pdf
急性心筋梗塞患者に対する前処置としてのパルス注入血栓溶解療法(PIT)と血栓吸引療法の比較研究:RAPID Trial
http://www2.eisai.co.jp/intl/so_circulation_29/currenttopics_no70/04_ooshima.html
(第70回に本循環器学会での発表)
IONA
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/aha2001/aha200104.html
Rescue PCI とprimary PCIは同等:EMERALD試験デ-タを用いた解析
http://www2.eisai.co.jp/intl/so_circulation_25/acc2005/12_roxana.html
片岡球子 富士に献花(ひまわり)
http://www.shibayama-co-ltd.co.jp/tamakoyuki/tamako_fujinikenka.jpg
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