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< カルシウム拮抗剤(1) | メイン | 急性心筋梗塞患者の急性期治療戦略 >
ACE阻害薬(ACEI)とARBの併用について少し勉強しました。
教材は下記の通りで執筆者は熊本大学の光山勝慶先生です。(一部改変)
ACEIとARBの併用は、高血圧、心不全、血管リモデリング、腎症などの治療戦略として有用であることが期待されている。
併用の薬理学的利点
1)ACEIの利点
ブラジキニン(注1)の分解抑制によるブラジキニン蓄積作用
(注1)
NO遊離促進
血管拡張作用による降圧作用
臓器リモデリング抑制作用
をもつ
2)ARBの利点
ACEIでは抑制できないAⅡの作用を受容体レベルでブロックできる (注2)。
(注2)
ヒト組織においてはAⅡはACEだけでなくキマーゼというセリンプ ロテアーゼによっても産生される。
重要な点として
ARBを投与するとフィードバック機構の抑制により、血中レニン濃度が増加するために血中AⅡ濃度が増加する。
この増加した血中AⅡがAT2受容体を活性化することが注目されている。
もうひとつ考えるべき作用として、増加したAⅡがAT1受容体レベルでARBと結合して,ARBとAT1受容体間の結合を阻害する。
以上のことから両者を投与すれば(すなわちACEIを併用すれば)、ARBによる血中AⅡ濃度増加が抑制される。
その結果ARBがより強力にAT1受容体をブロックできると考えられる。
結論として
1)組織でのブラジキニン増加
2)より協力なAT1受容体抑制効果
が同時に発揮できる利点がある。
<使用教材>
ファーマナビゲーター ARB編 メディカルビュー社
(2004年発行)
具体美術協会 堀尾 貞治 「ドローイング」
http://page19.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x19359486
以下は 米国心不全学会(HFSA)実地ガイドライン http://www.lifescience.jp/ebm/sa/2000/0008/index2_4.htm
からの抜粋です。
『ACE阻害薬とARBの併用療法 』
心不全患者においてACE阻害薬とARBを併用することの有用性に大きな関心が高まってきた。
初期の報告では,いずれの単独投与よりも併用療法でより強い血管拡張と,血圧低下が生じることが示された。
ACE阻害薬にロサルタンを併用した場合は,ACE阻害薬単独に比し,運動耐容能により大きな改善がみられた。 RESOLVD試験の予備データでは,併用療法によって心室の拡張と神経体液系の活性は著明に改善したが,他のエンドポイントには明確な変化がみられなかったことが報告された。
現在,複数の臨床試験で,レニン-アンジオテンシン系をさらに完全に遮断した場合の安全性と有効性が検討されている。
Val-HeFT試験は,ACE阻害薬とバサルタンの併用が収縮機能障害により心不全を来した患者の罹病率および死亡率に及ぼす影響を検討する大規模臨床試験である。 CHARM試験の目的の一つは,ACE阻害薬が投与されている症候性の収縮機能障害患者でカンデサルタンの併用効果を検討するものである。
RESOLVD試験の予備データでは,β遮断薬との併用療法のほうがさらに有効性が高いことが示された。
今後,Val-HeFTおよびCHARM試験でβ遮断薬の投与を受けた患者の結果から,この治療法に関するさらに詳細な情報が得られるであろう。
併用療法は,重症高血圧または他の血管収縮に対する治療法として理に適ったものではあるが,現在の段階では,ACE阻害薬単独療法より明らかに有効であるという証拠がないため,日常的な治療法としては推奨できない。』
さて現実的に戻ります。 開業医レベルで併用したレセプトを基金に出せばバサッと抗薬価の方のARBがカットされるのは目に見えてます・・・・よね。
病院なんかでは注釈をつければ通るんでしょうか。
下世話な話ですいません。
先生方で併用処方された方はおみえになりますか?
コメントいただけると有り難いです。
<参考>
ブラジキニン
http://www.miyazaki-u.ac.jp/~itokt/PDF/RAS.pdf
(スライド形式の図があってわかりやすい)
アンジオテンシンの働きと受容体について
http://www.gik.gr.jp/~skj/ht/ht-arteriosclerosis.php3
ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)の作用機序
http://www.gik.gr.jp/~skj/drug/acei.php3
(いつみてもアカデミックな内容には感心します)
キマーゼと腎臓疾患
http://plaza.umin.ac.jp/JPS1927/fpj/topic/topic_123_305.htm
キマーゼの心血管病態における役割
http://www.med.nagoya-u.ac.jp/obgy/cpipt/6-6.html
キマーゼ:その奇妙なる多様性
http://www.nacos.com/sfbj/pages/mokuji/pdf/8507/8507_biomidia_01.pdf
(エッセイ風。難しい内容をとっつきやすいようにと書かれた努力がうかがわれる)
セリンプロテアーゼと細胞応答
http://www.tech-jam.com/academy/kennkyuu/06/index.phtml
(かなりマニアックな世界です)
アンジオテンシンII受容体拮抗薬
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/search/keywords/000790.jsp
(ドドーッと循環器系薬剤のオンパレード)
アンジオテンシン受容体
http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?アンジオテンシン受容体
(日本薬学界の解説)
心筋酸化ストレス:アンジオテンシン受容体とβアドレナリン受容体の相互作用
http://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/126/4/126_251/_article/-char/ja
(個人的には興味があります)
どんどん併用療法からは離れていってしまうので今日はこの辺で失礼します。
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