戯れ言たれる侏儒
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ビタミンDと心・腎疾患

戯れ言たれる侏儒 / 2008.09.08 00:13 / 推薦数 : 0

最近、CKDに関する講演会を聴きに行ってきました。
ある公立病院の循環器部長の講演ということで、いつものような循環器専門医とは違う切り口の話が聴けると思ってのことでした。
その中で、「腎機能とビタミンD濃度の関連」「活性型ビタミンDの機能」「ビタミンDのレセプターは体中にあり血圧、インスリン、前立腺、乳腺などと関係している」「ビタミンDとCVD」「ビタミンDと心不全」「血中ビタミンDレベルと総死亡」などの話題は興味深いものでした。
彼自身も今ビタミンDに一番興味を持っているとのことでした。
(参考 http://blog.m3.com/reed/20080902「自遊時間」)

きょうはビタミンDを少し勉強しました。

「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)
 

ビタミンDの摂取不足はさまざまな死因と関連
グラーツ医科大学(オーストリア・グラーツ)のHarald Dobnig教授らは「大規模研究により,ビタミンD値の低い群では心血管疾患による死亡を含む全死亡のリスクが増加する」との知見をArchives of Internal Medicine(2008; 168: 1340-1349)に発表した。
 
同教授らは冠動脈造影を行う連続3,258例(平均年齢62歳)を対象に25-ヒドロキシビタミンDと1,25-ジヒドロキシビタミンDの値を調査した。
約7.7年のフォローアップ期間中,737例(22.6%)が死亡した。うち463例(62.8%)はCVDによるものであった。
身体活動度や併存症など他の要因を考慮しても,ビタミンD値が低い群で死亡率は高かった。
ヒドロキシビタミンD値が低いことはC反応性蛋白(CRP)などの炎症マーカーとも関連していた。
 
今回の知見から,同教授らは「健康状態を維持するためには,血中25-ヒドロキシビタミンD値20ng/mL以上が推奨される」と結論付けている。
出典 Medical Tribune 2008.9.4
版権 メディカル・トリビューン社


未透析慢性腎疾患の生存率が向上
活性型ビタミンD類似化合物による治療
〔ニューヨーク〕バージニア大学(バージニア州シャーロッツビル)腎臓病学のCsaba P. Kovesdy博士らは,血液透析を受けていない3~5期の成人慢性腎臓病(CKD)患者520例を対象に,経口カルシトリオールを用いた活性型ビタミンD類似化合物による治療と死亡率や透析治療への移行率との関連を調べる観察研究を行い,カルシトリオールにより生存率が有意に向上し,透析治療への移行率は低下するとの結果をArchives of Internal Medicine(2008; 168: 397-403)に発表した。

予後悪化因子あっても好成績
今回の研究では,Kovesdy博士らが検証したサブグループ全員に,カルシトリオールによる効果が表れた。
これらのサブグループには,治療前副甲状腺ホルモン(PTH)低値の症例,高カルシウム(Ca)値の症例,高リン(P)値の症例が含まれていた。
 
同博士らは「カルシトリオール治療を受けた症例には,同治療を受けなかった症例よりも予後が悪化する因子,すなわち高齢,低い拡張期血圧(透析患者の高死亡率に関連),低い推定糸球体瀘過量(eGFR),血清P値の上昇(透析患者とCKD患者の高死亡率におそらく関連)があったにもかかわらず,好成績が得られたのは驚くべきことである」と述べ,これらの悪化因子は維持透析を受けている症例に見られるものと一致すると指摘している。
 
また,CKD患者は二次性上皮小体機能亢進症(SHPT)を頻繁に発症する。
SHPTは骨疾患,尿毒症性痒症,認知機能障害,性機能不全の症例に見られ,心疾患の罹患率や死亡率を上昇させ,他のさまざまな合併症を引き起こす。
SHPTは維持透析を受けている患者にとって深刻な問題だが,初期のCKD患者にも影響する。
同博士らは「SHPTは腎機能の衰えとともに進行する傾向がある」と述べている。
 
今回の試験参加者は米国退役軍人の男性520例で,全員が外来患者。平均年齢は69.8±10.3歳,平均eGFRは30.8±11.3mL/分/1.73 m2であった。

効果はより広範囲に
520例中258例に少量のカルシトリオールを経口投与した。1日当たり0.25μgの一定量を投与し,そのうち23例(9%)には途中で投与量を0.5μg/日に増量した。
投与期間(中央値)は2.1年(0.06?6年)であった。
 
プラセボ投与群に比べて,カルシトリオール治療群は,
(1)高齢
(2)拡張期血圧が低い
(3)P吸着薬を用いる可能性が高い
(4)PTH値が著明に高い(5)GFRが低い(6)血清Ca値が低い―という特徴を有していた。
 
カルシトリオール治療群では,追跡調査中にPTH値が約33%減少した(P<0.001,反復測定分散分析)。一方,プラセボ投与群では有意な変化は認められなかった(P=0.20,反復測定分散分析)。
 
追跡期間中,血清Ca値は両群ともに有意な変化はなかった。血清P値はカルシトリオール治療群にわずかな増加が見られたが,プラセボ投与群では変化はなかった。
 
複数因子を調整したモデル内で治療を受けた症例と受けなかった症例を比較すると,死亡率比は0.35〔95%信頼区間(CI)0.23~0.54,P<0.001〕,死亡と透析開始の複合エンドポイントの罹患率比は0.46(95%CI 0.35~0.61)であった。
 
Kovesdy博士らは,積極的治療を受けた患者の生存率を上げる作用機序について,「初期の死亡率低下はPTH値の低下によってもたらされた可能性がある」と指摘。
しかし,この説明自体は不十分で,活性型ビタミンDの効果はより広範囲にわたるかもしれないとしている。

動脈の石灰化を抑制
Kovesdy博士は「ビタミンD受容体は偏在しており,活性型ビタミンDは動脈における石灰化やアテロームの形成にかかわるサイトカインの産生を抑制し,心血管系に直接的な影響を及ぼすことが明らかにされている」と説明。
さらに,活性型ビタミンD欠乏は血液透析患者における全死亡率および心疾患による死亡率を上昇させ,1,25ジヒドロキシビタミンD3値が低いと冠動脈の石灰化が増悪することから,ビタミンD値と生存率がPTHには独立した関連があることも示唆されている。
「試験開始前のPTH値が低い症例のサブグループでもカルシトリオール治療は有効で,投与量が少ない(PTH低下効果を制限したかもしれない)にもかかわらずかなりの効果を示したことは,これまでおもにin vitroおよび動物実験で説明されたように,直接的な心血管機序が重要な役割を果たしていることを示唆している。
活性型ビタミンD療法は,SHPTの抑制のみに着目して行うべきか,あるいはおもに心血管への効果を通じて生存期間を延長する手段として行う療法になりうるかが,より大きな問題である」と同博士らは認識しているが,これを調べるにはランダム化比較臨床試験を行う必要がある。
 
同博士らは,因果関係を検証するためにランダム化比較臨床試験の実施を推奨するとともに,選択的ビタミンD類似化合物による治療や別の治療計画が同等あるいはより優れた効果を示すか否かを明らかにするために,さらなる研究が必要だと指摘している。

出典 Medical Tribune 2008.9.4
版権 メディカル・トリビューン社

<番外編>
ビタミンDはがんの予防効果も報告されています。

ビタミンDにがんの予防効果
〔米オハイオ州クリーブランド〕 ダナ・ファーバーがん研究所とハーバード大学公衆衛生学部(ともにボストン)のKimmie Ng博士とCharles Fuchs准教授らは「結腸直腸がんの患者では,血中ビタミンD値が高いと死亡リスクは低い」とJournal of Clinical Oncology(2008; 26: 2984-2991)に発表した。

がん化学療法との併用も検討中
今回の研究は,ビタミンDが特定の患者群に有益な効果をもたらしたことを示す初の研究である。
しかし,Ng博士らは結腸直腸がん患者にビタミンDのサプリメントをルーチンに処方するには時期尚早であるとしている。同博士らの研究ではビタミンD値の高い患者は,やせていて身体活動が高い傾向にあり,このことによっても今回示された結果の一部を説明可能だからである。
 
同博士らは長期的な2つの疫学的研究(女性看護師保健研究と医療従事者追跡研究)から,1991~2002年に結腸直腸がんと診断された304例のデータを前向きに分析した。全例で診断の2年以上前に血中ビタミンD値を測定し,2005年まで(それ以前に死亡した場合は死亡まで)フォローアップした。
2005年までに死亡した123例中96例は結腸がんによるものであった。
ビタミンD値が四分位数で最も高い群では,最も低い群に比べて結腸直腸がんを含む全死亡リスクが48%低かった。
 
同博士らは「この研究は,結腸がんと診断される前の血中ビタミンD値が高いほど,診断された後の全死亡を有意に低下させることも示唆している」と述べている。
 
同博士らは,今後の研究では結腸直腸がん患者のビタミンDサプリメントの役割について調査すべきであると指摘。
現在,結腸がん患者が術後にがん化学療法と併用してビタミンDサプリメントを摂取する研究が計画されている。
同博士らは「必要なビタミンDの投与量については医師と相談すべきであるが,1日当たりの標準推奨量は50歳未満で200IU,50~70歳で400IU,70歳以上で600IUである」と述べている。

出典 Medical Tribune 2008.9.4
版権 メディカル・トリビューン社

<自遊時間> その1
ごく最近のMedical Tribune誌のリレーエッセイ「続・時間の風景」に、私の学生時代に心電図の講義をしていただいた先生が投稿されていました。
写真入りということで随分懐かしくエッセイを読ませていただきました。
随分高齢となられた筈ですが、昔の面影も残っています。
そして文面からは、昔と少しも変わらないウイットとユーモア(茶目っ気?)が伝わって来ます。。
性格も含めて、人間ってそうそう変わるものではないんだなあと感じ入った次第です。
<自遊時間> その2
昨日の日曜日は所属医師会の休日診療所の出務でした。
結構長い間やっていますが、患者数が確実に減ってきていることが実感できます。
診察中のことです。
受付の事務員が、「○○という方から先生にお電話です」と言って来ました。
私はこれでも結構カンが働くほうなので、「用件をまず聞いてみて」と返事しました。
先生方もピンと来たと思いますが、どうやら節税や資産運用という名目のマンションなどの不動産か先物取引の勧誘を疑ったのです。
案の定、先方は「後でまたかけ直します」といって電話を切ったとのことでした。
ナースによれば、毎週のようにこんな電話がかかってくるとのこと。
会員名簿が手に入りにくくなって、休日診療所の不特定のドクターをターゲットにし出したようです。
嗚呼。
私は少し前から、同門会や医師会の名簿などに自宅の電話番号は載せないようにしています。
おかげで夕食時の不愉快な電話での勧誘はなくなりました。
しかし、こんな新手が現れるとは。

相手も結構やります。アッパレ。

名簿で思い出しましたが、所属医師会の電話帳のような名簿。
何とかならないでしょうか。
役に立ったためしがないばかりではなく、個人情報が入っているので、捨てるにもまったくもって苦労します。

 

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
 があります。

 

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HORIZONS-AMI試験

戯れ言たれる侏儒 / 2008.09.07 00:04 / 推薦数 : 0

Bivalirudinが心筋梗塞の生命予後を改善
〔ニューヨーク〕心血管研究財団(CRF,ニューヨーク)のGregg Stone会長らは「抗凝固薬のbivalirudinは,標準療法と比べて経皮的冠動脈インターベーション(PCI)後の有害事象リスクを24%低下させ,総死亡リスクも34%低下させた」とNew England Journal of Medicine(NEJM,2008; 358: 2218-2230)に発表した。

出血の減少が生存率改善に寄与
今回のHORIZONS  AMI(Harmonizing Outcomes With Revascularization and Stents in Acute Myocardial Infarction)試験では,ST上昇型心筋梗塞(STEMI)に罹患した3,602例に対して,PCIとbivalirudinまたはヘパリンとGp II b/III a阻害薬を併用し,その成績を比較検討した。
 
同試験は,STEMI患者に対する抗凝固薬と薬剤溶出ステントの適切な使用に焦点を当てた最大規模試験で,2007年の米国心臓協会(AHA)「ベストリサーチトップ10」の1つに選ばれた。
 
コロンビア大学医療センター/ニューヨーク長老派教会病院(ニューヨーク)の内科教授でもあるStone会長は「HORIZONSの急性心筋梗塞(AMI)試験データは,PCIに際して,ヘパリン+Gp II b/III a阻害薬の代わ りにbivalirudinを併用することで,大量出血やその他の合併症を大幅に減らすことができ,その結果,患者の生命予後が改善されることを示すものである。
この試験は心筋梗塞患者の死亡率を減らせることを証明した初めての大規模試験で,われわれは簡便で費用効果の高いこの治療法が,早急に世界中で広く採用されることを期待している」と述べている。
 
さらに,同会長は出血リスクを低下させることの重要性を強調し,「今回の試験では,bivalirudinがAMIの虚血性合併症を効果的に予防する一方,過剰出血やその他の出血性障害が少ないことから,これまでの標準的抗凝固療法よりも安全性が高いことが示された。
出血はPCIを受ける患者の短期および長期死亡率の強力な予測因子の1つである。
したがって,出血リスクの低下が今回の試験で観察された生存率改善に直接関係している可能性がある」と付け加えている。
 
なお,HORIZONS  AMI試験の被験者は,タクサスR(パクリタキセル溶出ステント)あるいはベアメタルステントのいずれかにランダムに割り付けられており,薬剤溶出ステントとベアメタルステントを比較する画期的な試験としても注目されている。
この部分の結果は10月に開かれるCRF主催の経カテーテル心血管治療学シンポジウム(TCT)2008で発表される予定である。

出典 Medical Tribune 2008.7.17
版権 メディカル・トリビューン社


<番外編>
ホルモン補充療法による心疾患リスク
血中コレステロール値で予測可能
〔米メリーランド州ベセズダ〕女性健康イニシアチブ(WHI)ホルモン補充療法(HRT)臨床試験被験者のサブグループを新たに解析した研究「閉経後HRTを受けている女性における治療関連冠動脈イベントの予測因子としての試験開始前脂質とC反応性蛋白の有用性」がAmerican Journal of Cardiology(2008; 101: 1599-1605)に発表された。

リスクは減らない
今回の研究では,血中コレステロールが正常ないし低値の健康な閉経後女性ではHRTを受けても心筋梗塞の短期的リスクは上昇しないことが明らかにされた。
とりわけ心疾患の既往がなく,LDLコレステロール(LDL-C)値とHDLコレステロール(HDL-C)値の比が2.5未満の女性のうち,エストロゲンとプロゲスチンの併用ないしエストロゲン単独のHRTを受けていた女性では,HRTを受けていない対照群に比べ,4年の追跡期間を通して心筋梗塞リスクも心筋梗塞による死亡リスクも上昇しなかった。
 
米国立心肺血液研究所(NHLBI)予防・人口科学部のMichael S. Lauer部長は,このWHIによるHRT臨床試験の解析結果についてコメントを寄せている。
 
同部長が強調しているのは,同試験の一次結果が示すように,全体としてはどのようなHRTを行っても健康な閉経後女性の心疾患リスクを減らすことはなく,エストロゲン+プロゲスチン併用は女性の心疾患リスクを高めるということである。
さらに,エストロゲン+プロゲスチン併用もエストロゲン単独も脳卒中と血栓(これは今回の解析で取り上げていない重大な心血管の状態である)リスクを高める。
併用療法は乳がんリスクも高める。

HRTにより心筋梗塞リスクが増加しやすい女性を十分な情報に基づいて判別することは,HRTの利益がリスクを上回るか否かを決定するうえで,女性患者と医師の双方にとって有益である。
 
しかし一般に,女性は心疾患の予防のためにHRTを受けるべきではなく,更年期症状の治療にHRTを選択する場合は可能な限り少量を短期間用いるべきである。
また,血中コレステロール値の高い女性では,HRTの有無にかかわらず,心疾患リスクが高いため,リスクを減らす治療を受けるべきである。心疾患は米国で男女を問わず第1の死因である。
 
出典 Medical Tribune 2008.7.17
版権 メディカル・トリビューン社

<自遊時間>
昨夜、少し時間的余裕が出来たので久しぶりに番組表を見ました。
土曜日というのに自分に興味の湧く番組が何一つ見当たりません。
番組表をじっくりみるのも久しぶりでした。
ふと、BSデジタルがいい番組をやっていたのを思い出しました。
早速、BSの番組を探していたらNHKハイビジョンで「小澤征爾指揮/サイトウ・キネン・オーケストラ/マーラー/交響曲第一番」のライブの番組が目に飛び込みました。

小澤氏はしばらく腰痛で体調を崩していたという話を聞いていましたが画面には”相変わらず”の指揮ぶりが映っていました。

私はクラシックが大好きです。
音楽評論家はどのように評論するかは知りませんが、「小澤征爾指揮/サイトウ・キネン・オーケストラ」は素晴らしいと思います。
N饗の演奏よりはるかにハートに飛び込んでくるのです。
そして音楽性云々といった評論は私にとってはどうでもいいのです。
昔は「レコード芸術」を定期購読していましたが、あんなものは何の役にも立たないことが齢を重ねるにつれ分かりました。

この「マーラー/交響曲第一番(巨人)」の演奏については元オーボエ奏者の宮本文昭氏(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E6%9C%AC%E6%96%87%E6%98%AD)が、マーラーの交響曲の入門版といった感じの割りと醒めた解説をしていました。
しかし、個人的には中学時代にブルーノ・ワルター指揮/コロンビア交響楽団のレコードで盤が擦り切れるほど聴いた想い出のある曲です。

そして、この小澤/サイトウ・キネンの何より感動する場面は演奏が終わってからにあります。
小澤が(世界中や国内から馳せ参じた)楽団員各々と握手をします。
打楽器の外人は感激して涙を浮かべています。
小澤が退場した後、楽団員同士が満足な出来栄えにお互いに握手を組み交わします。

こんな光景は他のオーケストラでは見られません。

クラシックのOZAWA、ロックのYAZAWA(こちらはよくわかりません)。
世界的にはもちろん・・・。

素晴らしいサタデーナイトでした。

<関連サイト>
OZAWA
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/archive/2007/09/09

ヴェニスに死す ~ マーラー
http://allabout.co.jp/entertainment/classicmusic/closeup/CU20010302/

Death in Venice (Muerte en Venecia)
http://jp.youtube.com/watch?v=4kpJehOi2p4

2008 サイトウ・キネン・フェスティバル松本
http://eplus.jp/sys/web/s/saito/index.html
ブルーノ・ワルター/マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」  
 
http://harukko45.exblog.jp/2297718/
 ブルーノ・ワルターが聴きたくなった(4)マーラー
http://www.yodobashi.com/enjoy/more/i/cat_1107_8081458_8080729/28123346.html

◇ワルター/コロンビア交響楽団◇マーラー:交響曲第1番「巨人」◇
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h58974540
(オークションの説明にはもったいないような内容です。終了後には消えてしまうためコピペしてしまいました。興味のない方はごめんなさい)
■ブルーノ・ワルター(Bruno Walter, 1876年9月15日-1962年2月17日)は、ドイツ出身の指揮者・ピアニスト・作曲家。より正確なドイツ語読みはヴァルターであり、そのように表記される場合もある。
また、本来の苗字はシュレージンガーであり、これは彼がブレスラウの歌劇場の指揮者になったとき、ブレスラウにはシュレージンガー姓のものが多いので、ヴァルターに改めたという。
そのため、ヴァルター・シュレージンガーと表記されることも稀にある。
20世紀を代表する偉大な指揮者の1人で、モーツァルトやマーラーを得意とした。
戦前や戦後間もなくの日本では、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、アルトゥーロ・トスカニーニとブルーノ・ワルターを「三大巨匠」と呼ぶことが多かった。

あまり知られていないが、作曲家として2曲の交響曲、室内楽曲、歌曲などを残している。
ワルターは、19世紀生れの指揮者の中では珍しく録音を多く残しており、録音期間も1920年代のSPレコードから1960年代のステレオ録音に至るまでの長期間にわたっている。
そのレパートリーも得意としていたマーラーやモーツァルトの他、ハイドン、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーなどのドイツ・オーストリア系音楽やベルリオーズ、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、バーバーなど幅広い。
録音には残されていないが、同時代の作曲家の作品も積極的に取り上げていた。
よくワルターの演奏は微笑に例えられ、夢のような幸福感に満ちた美しい演奏、感情を荒々しく出すことのない中庸な演奏をする指揮者として知られている。
確かに、モーツァルトの交響曲や晩年のステレオ・スタジオ録音によるベートーヴェンの交響曲第6番『田園』などの録音は非常に美しい演奏である。
しかし、それは彼の一面を捉えたものでしかない。
壮年期であるモノラル録音時代のライヴ録音などにはニューヨーク・フィルとのベートーヴェン交響曲第7番や、ナチス・ドイツの脅威が迫り来る中で演奏された1938年のヴィーン・フィルとのマーラー交響曲第9番のように何かに憑かれたような熾烈な演奏をしている事例も多い。
ワルター自身、自伝で自分の中にはアポロ的な部分とディオニュソス的な部分が両立している、と述べている。

全体的にテンポは速めだが(緩序楽章ではゆっくりと演奏することも多く、それが他の楽章と好対象となっている)、ところどころでテンポの変化(ルバート)を自然な形でつけ、オーケストラを豊かに響かせながらたっぷりと歌わせるのが特徴である。
特に旋律を「歌わせる」ことに意を用いていたらしく、残されているリハーサル映像や音源でも、オーケストラに向って何度も"Sing!"(歌って!)と指示を出している。
このため、当時の弦楽器奏者の水準の低さ(特にヴィオラ以降の低弦)からくる音程の怪しさも、他の指揮者では気になるが、ワルターの演奏ではさほど気にならない。

残されている映像を見ると、ワルターの指揮は、基本的にタクトを持った右手のみを使い、必要以上に体を動かすことも、左手を使うこともあまりしていない。
それは、長いタクトを使って右手だけで優雅にオーケストラを操ってるように見える。
また、リハーサルでは、文学的な解説や長い演説は余りせず、タクトを振りながら「歌って!」「ディミヌエンド!」「エスプレッシーヴォ!」といった指示を出すのみである。
しかし、その指示だけでワルター独特の節回しやたっぷりした響き、そして歌うような演奏を実現しているのである。

彼は自伝に「自分は教育的指揮者だ」と残している。
それは、つまりワルターが楽員達に繰り返し言って聞かせるうちに、いつの間にかオーケストラが自分たちの意思で行う演奏がワルターの意に沿った演奏になる、という出来そうで出来ない演奏を成し遂げることが出来た稀有な指揮者だったということなのだ。
このことは、ワルターがトスカニーニやフルトヴェングラーのようにオーケストラに対して専制君主として振舞う指揮者ではないことを示しており、ワルターの人柄を良く表している。例えば、ヴィーン・フィルでのリハーサルでは悲しい顔をし「なぜあなた達は美しい音を出さないのですか?もっと歌ってください」と言い、団員達は「あんな悲しげな顔でリハーサルされたら音を出さざるを得ないよ。トスカニーニなどの怒りんぼう指揮者以上に困った指揮者だね」と、言ったという。

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第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会における”リスクマーカー”に関する記事で勉強しました。

その1 高血圧発症リスクと各指標の関係
インスリンとレプチンはリスク増,アディポネクチンはリスク減
血清中の各指標と高血圧発症の関係を検討したナポリ大学(伊ナポリ)臨床・実験医学科のP. Strazzullo氏は,インスリンとレプチンのレベルおよびその経年的変化は高血圧発症リスクの上昇と,アディポネクチンのレベルは同リスクの減少と関係することを報告。
こうした相関は年齢やベースライン時の血圧とは独立して見られたという。

BMIやウエスト径で補正後,アディポネクチンのみ有意に相関
1994~95年(=ベースライン時)にOlivetti Heart Studyに参加した正常血圧男性のうち,2002~04年に再検査を受けた490人(ベースライン時の平均年齢50.0歳)を対象とし,再検時に140/90mmHg以上または降圧薬服用を高血圧と定義した。
 
ベースライン時のSBPと血清レプチン濃度には有意な相関が見られ, DBPは血清インスリン濃度,血清レプチン濃度,血清アディポネクチン濃度それぞれと有意に相関した。
 
8年間の追跡期間中に227人(46%)は正常血圧のままだったが,273人(54%)は高血圧を発症。
ベースライン時の背景を比較したところ,高血圧群のほうが年齢は高く,SBP・DBPが高く,BMIも大きく,血清インスリン濃度と血清レプチン濃度も高く,血清アディポネクチン濃度は低く,これらはすべて有意であった。
 
そこで,ベースライン時における各指標のレベルにより四分位で分けて見たところ,血清インスリンと血清レプチンは濃度が高くなるほど高血圧発症率が有意に上昇し,血清アディポネクチンは濃度が高くなるほど発症率が有意に低下した。
 
年齢とベースライン時のSBPで補正し,ロジスティック回帰分析を行った結果,インスリンが対数変換値で1SD増加すると,高血圧発症リスクが22%上昇。同様に,レプチンでは21%リスクが上昇し,アディポネクチンでは19%リスクが低下した。
ただし,ベースライン時のBMIまたはウエスト径でさらに補正したところ,高血圧発症との間に有意な相関が見られたのはアディポネクチンだけとなった。
 
追跡期間中のインスリンとレプチンの増加は,年齢やベースライン時のSBPとは独立して,高血圧リスクの上昇と有意に相関していた。
また,アディポネクチンの増加も有意差こそ付かなかったものの高血圧リスクを減少させる傾向にあった。

その2 シスタチンC
メタボリックシンドロームの構成因子増えるほど上昇
血清シスタチンCは腎機能評価の指標だが,Mostoles病院(スペイン・マドリード)高血圧ユニットのL. Vigil氏は,高血圧患者ではメタボリックシンドロームの構成因子が増えるほど血清シスタチンC濃度も高かったことなどを報告した。

種々の心血管危険因子とも相関
対象は,高血圧患者619例(平均年齢58.6歳,男性53.1%)。血清シスタチンCを測定し,糸球体濾過量(GFR)はMDRD式で推算した。
患者背景は,糖尿病合併17.5%,現在喫煙者14%,再発予防19.5%,脂質低下薬服用35%,降圧薬の数は2.02±1.33。
 
米国のガイドラインATP-III基準で診断したところ,45.4%がメタボリックシンドロームとなった(メタボ群)。
血清シスタチンC濃度はメタボ群では0.94±0.27mg/Lと,非メタボ群の0.87±0.24mg/Lに比べて有意(P<0.0001)に高かった。血清クレアチニン値や推算(e)GFRには両群間で差は認められなかった。
 
年齢や性,eGFRで補正し,ピアソンの偏相関分析を行ったところ,血清シスタチンC濃度は年齢,BMI,ウエスト径,微量アルブミン尿,C反応性蛋白(CRP),血清尿酸値のいずれとも有意な正の相関を示し,eGFRとは有意な負の相関を示した。
 
また,多変量解析の結果から, eGFR,微量アルブミン尿,血清尿酸値,年齢,CRP,BMIといった心血管危険因子はシスタチンCの独立した決定因子であることが判明した。
 
さらに,メタボリックシンドロームの構成因子の数で5群に分けて,血清シスタチンCのレベルを見たところ,構成因子の数が増えるに従って血清シスタチンC濃度も上昇していた(P for trend=0.001)。
 
 


以上のように,高血圧患者ではメタボリックシンドロームが血清シスタチンC濃度の上昇と関連しており,種々の心血管危険因子も血清シスタチンC濃度の上昇と相関することが明らかとなったことから,Vigil氏は「こうした患者では血清シスタチンCの測定が,腎疾患と心血管疾患のリスク上昇を評価するうえで有用なツールになりうる」と締めくくった。

出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社

 

「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)


<診察椅子>
こんなときはどうしたらいいんでしょうか。

薬疹かも知れない。
しかし服薬が必要な薬剤である。
場合によっては生涯にわたって服用しなければいけない。
腎障害があって将来服薬の継続が担保されない。
BMSとDESの選択はどちらがよいか。
PCIは急がなければならない。

自験例

60歳・男性。
高血圧症、CKDで通院中でしたが、労作時に狭心症症状が出現。
不安定狭心症を疑い、ある大病院の循環器内科へ紹介しました。
(7/26時点で BUN33.8 Creat 1.35  シスタチンC1.21  尿蛋白±  eGFR 40〜45)
8/15にCAGを病院で施行。
結果は3枝病変ということで後日PCIの予定という返書をいただきました。
CKDのため、造影剤の腎への負荷を軽減するために2〜3回に分けてPCIを行うこと、抗血小板剤のコンプライアンスをみるために2週間試験的に投与するとの内容でした。
投与開始後数日して、両手背や前腕の腫れと激しい掻痒感が出現したため、夜の時間外に当院を受診しました。
持参した薬剤情報書の投薬内容は
バイアスピリン1T、パナルジン(100)1T、プレタール(100)1T、アーチスト(10)1T、ノルバスク(5)1T、コバシル(4)1T、アイトロール(20)1T、シグマート(5)2T、メバロチン(10)1T、ガスターD(20)1Tと循環器系薬剤のオンパレード。
薬疹を疑うにしてもどの薬剤でも起こりそうで、コラボレーション(?)もありそうな処方です。
主治医をバトンタッチしたため、服薬の有無についてはコメントができません。
当院としてプレドニン(5)6T、アレグラ(60)2Tを1日分のみ処方しました。
腎障害の患者にこれだけの薬剤。
造影剤より大きな負荷になっているかも知れません。

さてこんなケース。病院の担当医はどうするのでしょうか。

それから、抗血小板3剤の併用。
どれだけのエビデンスがあっての3剤処方でしょうか。
そして、はたして基金は通るのでしょうか。
腎障害患者へのDES,BMSのいづれかの選択。
このあたりも主治医(当面、病院の担当医が主治医)が迷うところだと思われます。

<自遊時間>
セララが発売されてそろそろ1年になります。
昨日、1周年記念シンポジウム(東京)の出欠の最終確認をMRが聞きに来ました。
連休でもあり、午前10時からの開会というのつらいところです。
しかし、取材のため(?)頑張って出席することにしました。
 

 

<セララ関連サイト>
アルドステロン受容体拮抗薬
http://blog.m3.com/reed/20070828/1
セララ新発売
http://blog.m3.com/reed/20071113/1
新規降圧剤エプレレノン
http://blog.m3.com/reed/20080209/1

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高血圧と疫学 2008.9

戯れ言たれる侏儒 / 2008.09.05 00:30 / 推薦数 : 0

第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会における”疫学”に関する記事で勉強しました。

その1 腎機能低下
高血圧患者でのみ心血管死リスク上昇と関係
腎機能が心血管死に及ぼす影響について10万人余りを前向きに検討した結果,高血圧患者においてのみ腎機能低下が心血管死リスク上昇と関係していることが判明した。Manhes病院(仏Fleury-Merogis)腎臓科のAlain Guerin氏が報告した。

HRはCG式で2.83,MDRD式で5.26
対象は,1972~88年にIPCセンター(パリ)で標準的な健診を受けた45歳以上の男女10万2,374人(男性6万1,438人,女性4万936人,平均年齢はそれぞれ53.3歳,53.7歳)。Cockcroft-Gaultの式(CG式)およびMD RD式から推算糸球体濾過量(eGFR)を求め,60mL/分/1.73m2以上(腎機能障害なし)と未満(腎機能障害あり)の2群に分けた。140/90mmHg以上あるいは高血圧治療中の場合に高血圧と定義したところ,男性の59.3%,女性の47.6%が該当した。
心血管死リスクはCox回帰モデルを用いて評価した。
 
平均15.4±4.6年の追跡期間中に,男性の15.1%と女性の8.2%が死亡。心血管死はそれぞれ4.2%,2.1%であった。
 
腎機能障害ありの割合は,CG式を用いると正常血圧群で5.1%,高血圧群で8.0%となった。
一方,MDRD式ではいずれも約1%と少なかった。
 
15年間の心血管死率をeGFRのレベルで分けて見ると,CG式,MDRD式ともに60mL/分/1.73m2未満で著しく上昇することがわかった。
 
CG式による腎機能障害なし群に比べて腎機能障害あり群の補正後心血管死ハザード比(HR)は1.13〔95%信頼区間(CI)0.97?1.32〕だが,その腎機能障害あり群をさらに高血圧の有無で分けたところ,正常血圧群のHR 1.02(95%CI 0.70~1.49)に対し,高血圧群ではHR 1.23(同1.04~1.46)となり,腎機能障害と血圧状態との間には有意(P=0.04)な相関が認められた。
また,今回の対象ではMDRD式による腎機能障害ありの割合が少なかったため,70mL/分/1.73m2を腎機能障害の閾値として見たところ,CG式と同様の結果が得られた。
 
正常血圧群の心血管死リスクを1とした場合,高血圧群のHRは,CG式で60mL/分/1.73㎡未満では2.83(95%CI 1.87~4.26),MDRD式で70mL/分/1.73㎡未満では5.26(同2.45~11.30)となった。
 
以上から,Guerin氏は「腎機能障害は高血圧患者においてのみ心血管死リスク上昇に独立して関係している」と結論付けた。


その2 ウエスト径増大
高血圧患者における総死亡リスクに
IPCセンター(パリ)のBruno Pannier氏らは,ウエスト径増大や血圧上昇が死亡にもたらすリスクについて,6万人余りのコホート研究から検討。
一般集団においてウエスト径の増大や高血圧が死亡リスクとなりうることや,血圧別の検討では高血圧患者においてウエスト径増大が死亡リスク上昇となりうることが示された。

正常高値と死亡リスクの関係は認められず
対象は,1999年から2004年にIPCセンターで標準的な健診を受けた45歳以上の男女6万7,166人(男性4万3,691人,女性2万3,475人,平均年齢はそれぞれ54.8歳,56.7歳)。2006年の調査終了時点までに男性510人,女性182人の死亡が確認された。
年齢,性,糖尿病,喫煙,LDLコレステロール,運動,職歴,SBPの各因子を調整後,Cox回帰モデルで総死亡のハザード比を見たところ,高血圧(SBP 140mmHg以上もしくはDBP 90mmHg以上),ウエスト径の増大(男性102cm超,女性88cm超)によりリスクの有意な上昇が見られたが,正常高値血圧(SBP 130~139mmHg,もしくはDBP 80~90mmHg)については,上昇が認められなかった。
 
全対象を血圧レベルで分けると,正常血圧63.4%,正常高値血圧10.3%,高血圧26.3%となった。
各群の死亡率は,正常血圧,正常高値血圧でともに0.86%,高血圧で1.51%だった。
男性のほうが高血圧の割合が多く,死亡率も高い傾向にあった。
各血圧分類におけるウエスト径増大の割合は,正常血圧12.4%,正常高値血圧13.8%に対し,高血圧では25.5%と高かった。
 
さらにPannier氏らは,正常血圧,正常高値血圧,高血圧におけるウエスト径増大の死亡リスクへの影響を検討した。ウエスト径増大がない場合に比べて増大ありの補正後死亡ハザード比は,高血圧の場合のみ有意な上昇が認められた。
 
以上から,一般コホートにおいてはウエスト径や高血圧が総死亡リスクとなりうるが,血圧別の検討では高血圧の場合にのみ,ウエスト径増大が総死亡リスクとなることが示された。

出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社

 

<自遊時間>


 

昨日、ある医療機器業者が「ワイヤレス12誘導心電計」の紹介をするためにやって来ました。

当院は、エルゴメーターやトレッドミルはありません。
もっぱらマスター2階段負荷です。
紹介された装置は大学レベルに少しずつ採用になっているとのことで、基幹病院での採用もされつつあるという説明でした。
常々、運動負荷中の心電図変化を知りたいと食指も少し動きました。
12誘導というのも魅力です。

しかし、GEの心エコー装置を購入したばかりです。

話をしながらこんなことを思いつきました。
2誘導という限界があるにしても、狭心症を疑われる患者にホルター検査をする際に装着直後と翌日の取り外し直前にマスター負荷をやってもらうというアイデアです。
(以前から、装着中は神社の階段なんかを探して上り下りするようには説明していましたが・・・)
あたかも、マラソンの陸上競技場での出発とゴールインのごとくマスター負荷を使うということです。
まあ、そんな話をして業者を煙に巻いて帰っていただきました。
でも、何だか後ろ髪を引かれるアイテムではあります。

http://www.goodcare.jp/products.html


http://www.kuronowish.com/~davinci333/oldpc/


http://homepage2.nifty.com/medicalteknika/duna2/


http://www.goodcare.jp/link.htm

 

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ESC2008 で発表された”PRoFESS”の記事で勉強しました。

徐放性ジピリダモール・アスピリン併用とクロピドグレルは同等
PRoFESSの結果-脳卒中再発予防効果
2008年5月、フランスのニースで開催された第17回欧州脳卒中学会(ESC2008)のLarge clinical trials のセッションで、脳卒中再発予防の評価を目的とした大規模臨床試験PRoFESS(演題名;Prevention Regimen For Effectively avoiding Second Strokes)の結果が発表された

PRoFESS試験は、脳卒中再発予防の薬物療法として、徐放性ジピリダモール(ER-DP)・アスピリン(ASA)の併用とクロピドグレル(CP)の比較、加えてARBのテルミサルタン(Telmi)の効果をプラセボ(Plac)との比較によって検討している。

ちなみに、欧州脳卒中機構(ESO)のガイドラインでは、脳卒中再発予防では抗血栓療法が推奨されており(Class I、Level A)、抗凝固療法を必要としない患者では抗血小板療法が推奨されている(Class I、 Level A)。
抗血小板療法としては、アスピリンとジピリダモールの併用、クロピドグレル単独、それらの代替としてアスピリン単独、トリフルサル単独が推奨されている(Class I、Level A)。

本試験の対象は、世界35カ国(北米、ヨーロッパ、アジア、南米、アフリカ・中近東、オーストラリア)、695施設の50歳以上の脳卒中患者2万332例。

対象を(1)ER-DP+ASA+Telmi、(2)CP+Telmi、(3)ER-DP+ASA+Plac、(4)CP+Placの4群に分けて検討している。

当初、CP群にもASAの投与が行われていたが、CP・ASAの併用群で出血リスクが増加したMATCH (Management of Atherothrombosis With Clopidgrel in High-Risk Patients Study)試験の結果に基づいて、CP群におけるASAの併用は途中で中止された。

本セッションでは、最初にER-DP+ASA群(1万181人)対CP群(1万151人)の結果が、同研究グループの米マイアミ大学教授Ralph L. Sacco氏によって報告された。

本試験の抗血小板療法の比較における1次アウトカムは脳卒中再発、2次アウトカムは脳卒中、心筋梗塞、あるいは血管死とされた。

本試験はnon-inferiority(非劣性)試験で、ER-DP+ASA群がCP群と比較して6.5%のリスク減少効果(ハザード比0.935)を有すると仮定し、95%信頼区間の上限が1.075未満であれば優位にあるとする基準を使っている。
なお、追跡期間は2.4年(中央値)である。

その結果、1次アウトカムに関しては、ER-DP+ASA群がCP群に対して劣っていない(non-inferiority)とする基準は達成されず(HR 1.01、95%CI 0.92-1.11、 p=0.783)、脳卒中再発と主要血管イベントの発症率は両群間で同等だった。

頭蓋内出血を含む主要出血イベントの発症率は、ER-DP+ASA群の方が高かったが、その絶対発症率は低く、虚血性イベントの抑制によってそのリスクは部分的に代償された。

これらの結果から演者らは、ベネフィット・リスクを合わせて評価すると両群は同等と結論した。

(日経メディカル別冊)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/ATT08/hcp/topics/200807/507180.html

<関連サイト>
PRoFESS試験
http://blog.m3.com/reed/20080524/PRoFESS_
PRoFESS脳卒中再発予防効果
http://blog.m3.com/reed/20080723/PRoFESS__
PRoFESS脳卒中再発
http://blog.m3.com/reed/20080901/PRoFESS___

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<自遊時間>
昨日の夕方、久しぶりに街へ出ました。
超音波関連の医学書を買いに行くのが目的です。
ぶらついていて、「デジャブ感覚」を覚えました。
いわば、何だか昔の自分に逢っているような妙な懐かしさです。
郊外と違って、町中は意外と何十年も大きな変化がないためです。
大袈裟に聞こえるかも知れませんが、10年以上一人で町中をこんな目的でぶらついたことはなかったような気がします。
全国区のM書店と食材のM屋。
この両方をハシゴするのが私流の昔からの街のぶらつき方です。
都会の雰囲気と文化の香りが一度に満喫できるような気がする、一種の刷り込み現象です。
さて、久しぶりに医学書コーナーを見て違和感を覚えました。
アカデッミックな書籍が何だか減ってしまったような気がしたのです。
くだけた(親しみ易い)タイトルの、研修医向けの「ハウツーもの」の実用書が多いためだというのがしばらくして分かりました。
私はスカパーの医学番組「Care Net TV」の視聴契約をしています。
なかなか見る機会はないのですが、その番組の講師が「山ほど」、彼ら向けの書籍を出して(儲けて?)いるのには驚きました。

ただ大学時代の友人が監修した書籍が平積みになっていたのは嬉しい収穫でした。
私は買わなかったのですが、今度彼と逢った時の話題が出来ました。

<追加>
私は翻訳本は買わないことを原則にしてきました。
原著の方が安いこと、誤訳や熟(こな)れていない訳があること、せっかく英語の勉強が出来るのにそのことを放棄することになるなどがその理由です。
そんな中で「オピーの心臓生理学」が気になりました。
でも開業医がそんな本買うのは・・・。
http://mbc.meteo-intergate.com/bookcenter/public/item/mbc/item75741.html

 

読んでいただいてありがとうございます。
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ふくろう医者の診察室
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CHHIPS Pilot Trial

戯れ言たれる侏儒 / 2008.09.03 00:02 / 推薦数 : 0

第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会に関する記事から”CHHIPS Pilot Trial”について勉強しました。
従来、脳卒中の治療では血圧のコントロールが意外と疎かにされていたような気がします。
とくに脳梗塞ではその傾向が強いような気がします。

話は少しそれますが、私は以前から諸外国の論文を読んでいて疑問に思うことがありました。
それはStrokeという医学英語です。
日本語では脳卒中と訳されるようですが、今回の報告でも
その内訳は脳梗塞または脳出血と説明されています。
本来、「詰まる」と「切れる」は病態的に違うはずなのに同一の「くくり」となっているのです。
特にMRが持ってくる日本語訳では脳卒中と訳されており、このあたりを訊いても答えられるMRはいません。
当然といえば当然で、最後の<関連サイト>の学会発表風景で今までの疑問が氷解しました。
要するに平然とStrokeという用語でひとくくりにしているのです。
何だか近頃流行りの(病態を考慮しない)”CKD”を連想してしまいます。
CKDは意識的に病因を無視した概念ですが、Strokeはどうなんでしょうか。

最近の諸外国での大規模臨床試験の紹介でも、専門家はそのことに触れませんが、いつも隔靴掻痒の感があります。

昔と違って画像診断で容易に両者の区別が出来る時代に、あえて両者をひとくくりにする意味がはたしてあるのでしょうか。
逆に分ける必要があるかという意見もあるでしょう。

先生方はどのようなお考えをお持ちでしょうか?

脳卒中急性期の降圧治療
36時間以内の治療開始で3か月後の死亡が半減
脳卒中急性期の高血圧管理については十分なエビデンスがなく,治療の開始時期や降圧薬の種類などについて,論議を呼ぶところとなっている。
East Anglia大学(英ノリッジ)のJohn Potter氏は,発症36時間以内の高血圧を伴う脳卒中患者を対象に,ACE阻害薬リシノプリル,β遮断薬ラベタロールによる降圧療法の有用性をプラセボと比較するCHHIPS Pilot Trialを実施。
ランダム化後2週間の降圧治療により,プラセボ群に比べて3か月後の死亡が半減したと報告した。

短期評価項目には改善認めず
対象は,18歳以上,症状持続が60分を超え発症36時間以内,SBP160 mmHg以上―などの条件を満たす脳梗塞または脳出血患者179例。
(1)血栓溶解療法施行例
(2)高血圧性脳症
(3)原発性脳内出血でSBP200mmHg以上かつまたはDBP 120mmHg以上
(4)意識レベルの障害〔米国立衛生研究所脳卒中尺度(NIHSS)Section 1aスコア ≧ 2〕
(5)治療薬の禁忌
(6)modified Rankin Scale(mRS>3)
―などは除外した。
 
対象を,
(1)リシノプリル
(2)ラベタロール
(3)プラセボ〔嚥下障害がなければ各経口薬,伴う例では i)リシノプリル舌下錠/プラセボ静注, ii)ラベタロール静注/プラセボ舌下錠, iii)プラセボ舌下錠/同静注〕
―の3群にランダムに割り付け,降圧目標をSBP145~155mmHgまたはSBP15 mmHg以上の低下として,ランダム化から2週間治療を実施した。
 
降圧目標の達成率は24時間後にはプラセボ群46%,リシノプリル群65%,ラベタロール群57%と実薬群で高く,プラセボ群とリシノプリル群に有意差(P ≦ 0.05)が認められた。
 
しかし,72時間後の神経学的悪化(NIHSSスコア4以上の増加または死亡)はプラセボ群10%,リシノプリル群12%,ラベタロール群2%に認められ,プラセボ群に対する実薬群の相対リスク(RR)は0.89と有意な変化はなく,降圧の影響は反映されなかった。
 
1次評価項目の発症2週後の「死亡または身体的依存(mRS>3)」の発生は,プラセボ群59%,リシノプリル群,ラベタロール群ともに61%で,プラセボ群に対する実薬群のRRは1.03と有意差はなく,悪化も改善も見られなかった。
 
これに対して,Potter氏も驚いたとしたのが2次評価項目の3か月後の生存率で,実薬群に対するプラセボ群のハザード比は2.2(95%信頼区間1.0~5.0,P=0.05)と,実薬群で死亡が半減することが判明した()。


 
以上から,同氏は「今回のデータが再現されうるか,フルスケールの試験の進行に期待を持たせる結果だ」と述べた。

なお同試験では,脳卒中急性期の低血圧に対する治療も別途検討されており,同試験には約2,000例が登録される予定であるという。
薬剤間に差異が認められるのか,結果が待たれる。

出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社

 「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)

<参考サイト>
Control of Hypertension and Hypotension Immediately Post-Stroke (CHHIPS)Pilot Trial
http://www.scienceondemand.org/stroke2008/lbs/sessions/player.html?sid=080201100.4626&searchQ=undefined
(学会での発表風景がそのままスライドとともに収録されています。臨場感あふれる珍しいサイトで医学英語の勉強にもなると思います)

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地方に比べて都市部の壮年男性では血清総コレステロール(TC)レベルが高く,1980年代の終わりごろから冠動脈疾患(CHD)が増加していることが報告された(J Am Coll Cardiol 2008; 52: 71-79)。
一般住民の観察研究によりCHDの増加が確認されたのはアジアでは初めてで,今回の知見は,欧米の生活様式が浸透しつつあるアジアの都市部を中心に,CHDが増加する予兆を示唆しているものと考えられる。

高血圧や糖・脂質代謝異常の増加が背景
コホート研究の対象は,大阪府八尾市M地区(2000年人口2万3,552人),秋田県I町(同6,116人)の40~69歳の地域住民。
2つのコホートは,全国でも有数の長期観察期間を有し,それぞれ都市部と地方のコホートとして,1964?2003年の循環器疾患の発症動向が明らかにされた。
 
冠動脈インターベンション(PCI)施行を含む心筋梗塞,心臓突然死をCHDと定義して発症率を調べたところ,都市部の男性では,CHDの年齢調整発症率(人口10万人対/年)が1980~87年の56から96~2003年は127に有意に上昇したことが判明した()。


一方,都市部の女性と地方の男性と女性についてはCHD発症率に一定の傾向は見られなかった。
 
男性のCHDは都市部,地方ともに1970年代まで増加傾向にあったが,80~87年にいったん減少し,88年以降は都市部のみで増加に転じている。
今回の分析をまとめた大阪府立健康科学センター健康開発部の北村明彦部長は,脳卒中予防対策が成果を上げた70~80年代に血圧が低下したことでCHDも減少したが,その後,都市部の男性で血清総コレステロールレベルが過度に上昇し続け,さらに高血圧,糖・脂質代謝異常などのリスク要因が集積してきたために,喫煙率の減少のみではCHD増加を抑制し切れなくなったのではないかと見ている。

管理職に多いイメージは過去のもの
従来は管理職に多いとされてきた心筋梗塞であるが,現在では一般住民にも珍しくなくなったことも注目点だ。
都市部男性の生活様式として,高カロリー・高脂肪食,身体活動の低下,職場での過重なストレスなどが一般化してきたことがうかがわれる。
 
対象地域は45年前から疫学研究が行われているため,行政や住民の健康意識が高く,周辺地区より健診受診率が高いことを考慮すると,都市部での平均的なCHD発症率はさらに高い可能性がある。
北村部長は「都市の生活環境下における心血管疾患対策として,個人の生活習慣に焦点を当てた従来の予防対策に加え,都市生活者が健康的な生活様式を選択しやすい環境整備など,集団に対する予防対策を強化する必要があるのでは ないか」と述べている。


わが国で実際に心筋梗塞が増加しているのか,社会的にも医学的にも大きな関心事であったが,その発生動向に関するエビデンスは乏しかった。
今回,大阪府立健康科学センター健康開発部の北村明彦部長らは,都市部において壮年男性の冠動脈疾患(CHD)発症率が増加しつつあることを明示した。
かつて東北や北関東の農村を中心に脳卒中が多発したように,CHDの発症動向にも地域特性があり,特に都市型の食・労働環境と密接に関係して発症することを物語っている。

地方は血清脂質上昇が緩やか
1964~2003年を5期に分け,健診データを用いて心血管リスク要因の推移を検討すると,都市部男性で,1988年以降CHDが増加に転じた背景が浮かび上がってくる()。


2期に比べ,2000年以降の5期では,喫煙率が3割近く減少し,収縮期血圧が有意に低下傾向にあるものの,血清総コレステロール(TC)値,拡張期血圧,BMIが有意に上昇する傾向にある。
高トリグリセライド(TG)血症,高血糖の比率は,いずれも3期から5期にかけて有意に増加し,5期ではいずれも22%に達した。
 
これに対し,地方男性では,血清コレステロール値は増加しているものの,5期においても平均値が198mg/dLと都市部男性の約20年前のレベルにある。
女性については,地方に比べて都市部でCHD発症率は高いものの,男性よりもはるかに低いレベルにあり,増加傾向も認められていない。

危険因子への社会的介入を
北村部長は,CHD増加に歯止めをかけるため,集団を対象とした予防対策を検討する必要性を指摘する。
米国心臓協会は,7月に集団を対象とした肥満対策をより重視する声明を発表し,高脂肪食や糖分の多い飲料の供給制限,飲食店の立地や地域デザインなどを検討し,より好ましい食品選択や運動の習慣化を支援する環境整備を呼びかけている。
 
日本ではこのような対策はまだ耳慣れないが,深夜も多くの店舗が営業する都市の生活環境は,知らず知らずのうちに食品選択に影響を与えている。
同部長は「例えば,大盛りブームに乗って,昔に比べて大きなデザートや惣菜が多く売られるようになった。
大きなサイズの食物を当たり前と思って食べ続けた子供たちが,将来脂質異常症になっても,これを自己責任と捉えるのには,もはや限界を感じる。
集団を対象とした予防対策は,規制と受け止められて物議をかもすかもしれないが,疾病対策の観点から社会的な議論を深めて,国レベルの対策につなげることが求められる」と述べている。

出典 Medical Tribune 2008.8.28
版権 メディカル・トリビューン社

<コメント>
このような、どちらかというと地道な疫学研究がJACC誌にaceptされることに驚きを感じます。

 

<自遊時間>
「お互い顔の見える医療」については、先日
末梢血管インターベンション
http://blog.m3.com/reed/20080830/1
で触れました。

それに関連したお話を少ししたいと思います。

私は現在、多発性嚢胞腎(PCKまたはPKD)の姉妹(実は母親も同病)の症例を診察しています。
妹さんは腹満感と腹痛で悩んでみえます。
彼女の場合は巨大肝嚢胞の合併があります。
ある病院の泌尿器科へ紹介したのですが、けんもほろろの扱いで戻ってみえました。
そんな中、数日前に某病院の腎臓内科部長の講演会を聴きにいきました。
その部長とは面識はありません。
講演後の懇親会の席で、その症例について思い切ってお話しました。
腎臓専門の先生だけに数多くの症例を経験してみえました。
早速、紹介できる病院があること、脳卒中合併が多いから血圧コントロールをきちんとすること、脳MRAを検査する必要があることなどを親切にご教示いただきました。
早速その先生に紹介し、紹介状を書いていただくようにお願いしました。
患者と意思疎通が図れた時はもちろんうれしいのですが、医師同士で心が通うこともとてもうれしいものです。
それは医師になってよかった思う瞬間でもあります。
そんな瞬間があまりないのは寂しいことですが。

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PRoFESS 脳卒中再発

戯れ言たれる侏儒 / 2008.09.01 00:04 / 推薦数 : 0

第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会の記事でPRoFESSの勉強をしました。

標準治療へのARB上乗せ
脳卒中再発の有意な抑制示せず
エッセン大学(独エッセン)のH. Christoph Diener教授は,2万人を超える脳卒中既往例を対象に,標準治療へのARBテルミサルタンの上乗せによる脳卒中再発抑制効果を検討した大規模臨床試験PRoFESSの成績を報告。
平均2.4年の追跡で,プラセボに比べてテルミサルタンにより脳卒中再発リスクが5%減少したものの,有意差は認められなかったことを明らかにした。

認知症発症にも有意差なし
PRoFESSには日本を含む世界35か国695施設が参加。2×2ファクトリアルデザインで,
(1)低用量アスピリン+徐放性ジピリダモールの合剤とクロピドグレルの2種類の抗血小板療法
(2)テルミサルタン80mg/日とプラセボ
―の脳卒中再発予防効果を二重盲検で同時に比較しており,今回は後者の成績が報告された。
 
対象は,50歳以上で,登録前120日以内に脳梗塞を発症した2万332例。テルミサルタンまたはプラセボの2群にランダムに割り付けた。
 
脳卒中発症後ランダム化までの期間は中央値15日で,10日以内が39.9%を占めた。
ベースライン時の平均年齢は66歳,血圧は144/84mmHg。
追跡中の血圧はテルミサルタン群で1か月後には5.4/2.8mmHg,追跡中の平均で3.8/2.0mmHg低かった。
 
1次評価項目の脳卒中再発は,プラセボ群の9.2%に対してテルミサルタン群では8.7%と,5%のリスク減少を示したが,有意差は認められなかった。
2次評価項目については,テルミサルタン群で「脳卒中,心筋梗塞,血管死,うっ血性心不全」が6%(P=0.107),糖尿病新規発症が18%(P=0.101)のリスク減少を示したものの,ともに有意差には至らなかった。
Mini-Mental State Examination(MMSE)スコアを用いた検討では,両群の認知症の発症にも有意な差は認められなかったという。
 
一方,事後(post-hoc)解析では,脳卒中再発・複合イベントともに,追跡6か月以内には有意差はないもののテルミサルタン群でイベント発生が多く,6か月以降はテルミサルタン群で有意な抑制が確認された。
 
これらの成績からDiener教授は,試験は事前の設定イベント数に達して終了されたものの平均2.4年と追跡期間が短かったことや,服薬遵守が適切でなく,他の降圧薬の併用率が異なった点などが結果に影響した可能性を指摘し,「経時的にはテルミサルタンによる利益が増す可能性が示唆された」と述べた。
 
最近,基礎データからARBの脳保護作用が注目されていただけに,予想外の結果となったが,ACE阻害薬ペリンドプリル±利尿薬インダパミドの実薬群が,当時の標準治療に比べて28%の脳卒中再発リスク抑制を示したPROGRESSでは,両群の血圧差は9/4mmHg,脳卒中再発率はプラセボ群14%,実薬群10%であり,PRoFESSの結果には併用薬などの影響により,対象のリスクが低下した影響もありそうだ。
ただし,
PROGRESSでもACE阻害薬単独群では有意な再発リスク減少は認められず,脳卒中再発抑制における厳格な降圧の重要性が明らかになっている。

出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社

<コメント>
とにもかくにも確実な降圧が重要ということのようです。
CASE-JでもARBはCCBと同様の降圧を得るにはより多くの他剤併用が必要であるということが、後の論文発表で明らかになりました。

CASE-J
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002499.html

ARBにこだわるあまり降圧が不確実になる愚だけは避けたいものです。

<関連サイト>
PRoFESS試験
http://blog.m3.com/reed/20080524/PRoFESS_
PRoFESS 脳卒中再発予防効果
http://blog.m3.com/reed/20080723/PRoFESS__
PRoFESS 血小板療法の比較
http://blog.m3.com/reed/20080718/PRoFESS___

「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)

 

読んでいただいてありがとうございます。
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CASE-Jサブ解析

戯れ言たれる侏儒 / 2008.08.31 00:39 / 推薦数 : 0

CASE-Jは
「高リスク高血圧患者において,AII受容体拮抗薬candesartanとCa拮抗薬amlodipineの長期の心血管イベント抑制効果に有意差は認められず。左室肥大,新規糖尿病発症はcandesartan群で有意に低かった。」
といったような内容でした。
今回、このCASE-Jのサブ解析の記事が出ていました。

第22回国際高血圧学会/第18回欧州高血圧学会特集    CASE-Jサブ解析

糖尿病やCKD,左室肥大を有する患者では130/80mmHgレベルからイベントリスク増加
日本人の高リスク高血圧症に対してARBカンデサルタンとCa拮抗薬アムロジピンの有用性を比較した大規模臨床試験がCASE-J(前回のISHで主要結果発表)である。
同試験のサブ解析から,糖尿病や慢性腎臓病(CKD),左室肥大を有する患者では130/80mmHg以上で心血管イベントリスクの増加が見られたと,大阪府立急性期・総合医療センターの荻原俊男院長が発表した。

イベント発生の血圧閾値がシフト
サブ解析の対象は,CASE-J試験の主要解析対象と同じ4,703例。
到達血圧は最終来院時(心血管イベントを起こした患者はその発生前6か月以内に測定したもの)と定義した。
 
糖尿病,CKD,左室肥大の有無で分け追跡期間中の血圧推移を見ると,いずれもベースライン時に比べ最終来院時に有意に低下していた。
 
到達血圧のレベル別に心血管イベント発生率を見ると,ほぼすべての血圧レベルにおいて糖尿病群のほうが非糖尿病群よりもイベント発生率が高かった。
SBP130mmHg未満を1とすると,イベント発生の相対リスク(RR)は,非糖尿病群ではSBP 130~139mmHgで1.14だったのに対し,糖尿病群では1.46。DBPも75~79mmHgを1とすると,80~84 mmHgでのRRはそれぞれ1.38,1.51となった。
CKDも同様で,各血圧レベルで非CKD群よりCKD群のほうがイベント発生率が高く,SBP 130?139mmHgでのRRは非CKD群の1.11に対し,CKD群では1.47。DBP 80~84mmHgでのRRはそれぞれ2.13,1.22。左室肥大もある群のほうがない群より各血圧レベルでイベント発生率が高く,SBP 130~139 mmHgでのRRは非左室肥大群の1.03に対し,左室肥大群は2.21。DBP 80?84mmHgでのRRはそれぞれ1.14,2.28であった。
 
以上のように,糖尿病やCKD,左室肥大の有無にかかわらず,到達血圧が高いほど心血管イベントは増加したが,いずれの到達血圧レベルにおいても,これらの危険因子を持つ患者では持たない患者に比べて心血管イベント発生率が高かった。
危険因子がある患者では,ない患者に比べて心血管イベントが起こる血圧閾値がより低いレベルにシフトしており,130/80mmHg以上からリスクの増加が認められたため,荻原院長は「2型糖尿病やCKD,左室肥大を有する高血圧患者の心血管イベントを予防するには130/80mmHg未満に下げることが重要だ」と結論した。

腎機能高度低下例でより有益
同じくCASE-J試験のサブ解析から,腎機能低下が著しい症例ではカンデサルタンのほうが心血管イベント抑制に優れていたと,慶應義塾大学の猿田享男名誉教授が報告した。
 
対象は,ベースライン時に推算糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2未満であったか,または蛋白尿が認められ,CKDと診断された2,720例。

対象例の試験期間中の血圧の推移は,カンデサルタン群とアムロジピン群で差はなかった。
また,心血管イベントの発生率も両群で差は認められなかった。
 
そこで,CKDのレベルで分けて検討したところ,腎機能高度低下のステージ4(eGFR 15~29mL/分/1.73 m2)では,カンデサルタン群で心血管イベント発生率が有意(P=0.043)に低いことが判明。
イベントのなかでもとりわけ腎イベント発生が同群で少なく,両群間の差は有意(P=0.003)であった。
 
同名誉教授は「腎機能低下が著しい高血圧患者に対して,カンデサルタンはアムロジピンよりも心血管イベント予防のうえで有益である可能性が高い」と述べたうえで,「CKD合併の高血圧患者におけるカンデサルタンの効果を明らかにするには,適切にデザインされたランダム化比較試験を行う必要がある」と結んだ。

出典 Medical Tribune 2008.8.7
版権 メディカル・トリビューン社

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制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)

<関連サイト>
CASE-J ISH2006
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/ish2006/caseJ.html
CASE-J
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002499.html
candesartan群の方が明らかに多くの降圧薬を併用していることが明らかになったことの意味は大きい。すなわちcandesartanは他の薬剤をたくさん併用しなければamlodipine群と同等の降圧が得られないことを証明しているのである。
またエンドポイントの内訳をあらためて見直してみると,candesartan群が優位なのは狭心症,TIAといった客観性に乏しいエンドポイントばかりであり,脳卒中などの客観性のあるエンドポイントはむしろamlodipine優位に傾いているのである。狭心症やTIAが試験薬群に優位という傾向は JIKEI- HEART試験でも同じように認められ,ここに企業支援によるPROBE法の問題点が明瞭に浮かんでくるのである。
トライアル初期から中期にかけてcandesartan群の方の脱落例が明らかに増えており,candesartan群はハイリスク症例で早期にイベントを起こしていることを示している。このような試験ではtime to eventまでの期間を比較するべきであり,その意味ではamlodipine群の方がcandesartan群よりもハイリスク症例のイベント発症をより先送りさせることができたことを示している。amlodipine群の方が治療中の血圧が低かったことが早期のイベント発症抑制に効果があったと考えられる。
(桑島先生の読み応えのある、相変わらずの辛口コメントです)
 

<CASE-J関連ブログ
全国CASE-Jサミット・・・日本人の日本人による・・・
http://blog.m3.com/Aget-KNKblog/20061104/_CASE-J_
(私もこの会に参加しました)
降圧薬の治験:CASE-Jの勉強会
http://blog.m3.com/DrTakechan/20061104/_CASE-J_
(この先生も参加してみえました)

読んでいただいてありがとうございます。
コメントお待ちしています。
他に
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) 
「井蛙内科/開業医診療録(2)」
http://wellfrog2.exblog.jp/?2008.5.21
「井蛙内科/開業医診療録」~2008.5.21 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
 があります。

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きょうは、技術の進歩の著しい「末梢血管インターベンション」について勉強しました。
われわれ開業医にとって、これらのup to dateな勉強ももちろん大切です。
しかし、これらの病気の患者さんを紹介する際にどの病院に紹介すればよいかという現実があります。
紹介先によって患者さんの運命が変わる場合も当然ありうることです。
最先端の技術があることを(習得ではなく)勉強しても、手近なロケーションにやっていただける施設があるかどうか、また複数の選択肢があればどちらがよいか。
そのあたりの情報(?)の方が大切かも知れません。

先日、ある病院から病診連携の案内が届きました。
国立病院機構の某病院です。
近くに救急医療にも力を入れている大規模病院があって、(まったくもって失礼ないい方ですが)「終わっている」病院です。
内容は「お互い顔の見える医療を目指して懇親会を持ちましょう。ついては会費・・・」というものです。
いろいろ、苦しい事情はよくわかります。
発起人の先生もよく知っている先生ですでに「顔」はよくわかっています。

私のスタンスはこうです。
(幸い都会に住んでいるというとメリットを生かして)出来るだけ多くの講演会に出席して、近くの病院の医師が演者の場合には、「力量」と「顔」を実際インプットする。

会費まで払って「顔」だけみる会はもちろん欠席しました。

 

 

 「Heart and Kidney - 私たちの近くにあるもの」
制作 Heart and Kidney制作委員会
(シオノギ製薬 配布物)

ガイドワイヤやステントの改良で安全性,成績が向上
末梢血管インターベンションを安全に施行し成績を向上させるため,デバイスや施行法は年々進歩を遂げている。
郡山市で開かれた第16回日本心血管インターベンション学会(会長=星総合病院心臓病センター・木島幹博副院長)のシンポジウム「末梢血管インターベンションの最近の進歩」(座長=大阪大学先進心血管治療学・南都伸介特任教授,社会保険小倉記念病院循環器科・横井宏佳部長,スペシャルコメンテーター・伊Gruppo Villa Maria Endovascular・Giancarlo Biamino氏)では,ガイドワイヤ,ステント,アプローチ法に改良を加えることにより,腹部大動脈瘤,粥状硬化性腎動脈狭窄症,浅大腿動脈慢性閉塞などに対するインターベンションの安全性,成績が向上していることが明らかとなった。

腹部大動脈瘤に対する血管内修復術
ステント改良によりエンドリークが減少
わが国では昨年から今年にかけて,腹部大動脈瘤(AAA)に対する血管内修復術(EVAR)に用いられる企業製作のステントグラフトが 2 種類保険収載された。
大阪大学心臓血管外科の倉谷徹准教授は,同科においてカスタムメードのステントグラフトを使用したAAAに対するEVARの成績を検討し,「同術は良好な長期成績が得られる安全で有効な治療法で,ステント改良によりエンドリーク発症を減少できた。同術は企業製作のステントグラフトによりさらに普及すると考えられる」と述べた。

5年エンドリーク回避率は83%
対象は,同科で1995年 2 月~2006年12月にカスタムメードのステントグラフトを用いたEVARを施行した563例(胸部大動脈瘤,胸部腹部大動脈瘤,AAA)のうち,AAA 74例(男性58例,女性16例;平均年齢76歳)。
術前合併症は,冠動脈疾患が約 5 割,脳卒中が約 3 割など,高率に存在した。
ステントは, Spiral Z(1995~2000年31例)またはGiantruco Z(2003年以降43例)を,グラフトは薄いポリエステル製を使用した。
手術法は,Straight type 15例,腹部大動脈~片側性腸骨動脈type(片側性腸骨動脈ステントグラフトに大腿~大腿動脈バイパス術を施行)を55例,分岐typeを 4 例に施行した。
 
早期成績を見ると,成功率は全体で86.5%,Spiral Z使用例で80.7%,Giantruco Z使用例で97.5%だった。
入院死亡率は2.7%。
合併症は,一過性脳虚血発作(TIA)が2.7%に認められた。
 
中略

以上から,倉谷准教授は「カスタムメードのステントグラフトを使用したAAAに対するEVARは良好な長期成績が得られる有効な治療法であり,ステントの改良によりエンドリークの発症を減少させることができた。企業製作のステントグラフトの保険収載によりさらに普及すると考えられるが,そのためには心血管外科医と心血管インターベンションを行う循環器内科医の連携が重要である」と述べた。


粥状硬化性腎動脈狭窄症に対する経皮的腎動脈ステント術
ロープロファイルシステム使用で安全に良好な成績が
粥状硬化性腎動脈狭窄症(ARAS)は動脈硬化症患者に高率に認められ,高血圧,腎不全,不安定狭心症,肺水腫と関連し,特に心血管疾患患者の予後を悪化させる。
最近,ARASに対する治療法として,経皮的腎動脈ステント術(PTRS)が行われているが,施行するうえで安全性が問題となる。菊名記念病院(神奈川県)循環器科の宮本明部長は,ロープロファイルステントシステムを用いることで,ARASに対するPTRSを低侵襲,簡便,安全に施行でき,良好な急性期,中期成績が得られることを示した。

急性有害事象発症率は0%
PTRSの適応は,血管造影による狭窄率50%以上,圧較差20mmHg以上の腎動脈狭窄(RAS)で,原因不明のうっ血性心不全または不安定狭心症,治療抵抗性高血圧,両側性または孤立性RASを伴う進行性腎機能不全となっている。
 
今回,PTRSを安全に行う方法として,宮本部長は6FrガイドカテーテルとロープロファイルPalmaz-Genesisステントを用いたPTRSの効果を検討した。
 
現在わが国でARASに対して承認されているステントはPalmazステントのみであるが,同ステントは,8Frガイドカテーテルが必要で, 80cm長のシャフトのみのため大腿動脈からのアプローチしかできず,柔軟性がないため挿入が難しいなどの問題がある。
 
一方,ロープロファイルPalmaz-Genesisステントは,
(1)80cmと135cm長のシャフトがあり経大腿動脈,経上腕動脈,経橈骨動脈アプローチが可能
(2)小径の0.018インチガイドワイヤを使用
(3)より柔軟で6Frガイドカテーテルが使用可能
―であることから,従来のPalmazステントよりも使用しやすくなっている。

対象はARAS患者17例(男性11例,女性 6 例;平均年齢73.3歳)18病変。
そのうち17病変は腎動脈口から 3 mm以内に位置し,病変長は平均11.8mm,対照血管径は平均5.1mm,最小血管径(MLD)は平均1.92mm,狭窄率は平均62.1%だった。

中略(詳細は)

浅大腿動脈慢性閉塞に対するナイチノール製自己拡張型ステント留置術
小プロファイルガイドワイヤの双方向性アプローチで成績向上
浅大腿動脈(SFA)慢性閉塞例に対する血管内治療はまだ確立されておらず,その成功率,慢性期開存率はいまだに低いという問題点がある。
最近開発された末梢動脈閉塞病変治療用の小プロファイルガイドワイヤと従来のステンレス製よりも破損しにくいナイチノール製自己拡張型ステント(NSES)を用いることにより急性期手技成功率の向上とともに慢性期開存率の改善が期待されている。
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)循環器科の宮下裕介医長は,SFA慢性閉塞に対する小プロファイルガイドワイヤを用いたNSES留置術は,双方向性アプローチで逆行性にバルーン拡張を行うことで成功率と慢性期開存率が改善したと報告した。

成功率88%,1年開存率82%
対象は,2004年 9 月~06年12月に同科で小プロファイルガイドワイヤ(0.018インチのTreasure,0.014インチのRubyまたはCruise)とNSES(SMART,Luminexx)を用いて血管内治療を施行したSFA慢性閉塞例64例(平均年齢71.2歳),68病変(入口部病変37病変,中位病変31病変)。
分岐部から 5 cm以内に存在する病変を入口部病変,5 cm超に存在する病変を中位病変と定義した。対象の約20%は人工透析患者であった。
 
成功率は全体で88%,入口部病変で78%,中位病変では100%だった。

中略

 

急性期の合併症は,Blue toe症候群が入口部病変の 1 例に,急性閉塞が入口部病変の 1 例に,血栓による遠位部塞栓が中位病変の 1 例に認められたが,ワイヤによる血管穿孔,血管破裂,出血性の合併症などは認められなかった。
 
当初,同科では小プロファイルガイドワイヤを順行性アプローチのみで閉塞病変の通過を試みていた。
その際の手技成功率は入口部病変で60%であった。
そこで,膝窩動脈穿刺を加え双方向性アプローチに変更したところ,成功率が入口部病変でも82%に上昇し,さらに逆行性にバルーンを拡張することで手技成功率を入口部病変でも100%にすることができた。
 
中略
 
以上から,宮下医長は「小プロファイルガイドワイヤを双方向性にアプローチし,逆行性にバルーンを拡張してNSESを留置する血管内治療は,SFA慢性閉塞例の入口部病変,中位病変に有効であることが示唆された。今後は血管内超音波法(IVUS)を用いた多施設の前向き試験で同法の効果を明らかにする必要がある」と述べた。