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ひきこもりと言うのは、病名ではなく、一つの症状のようなものです。明確な定義付けはありませんが、数か月にわたって、自宅からでない、あるいは出たとしても、コンビニや書店など、それ程感情的な会話を必要としない場所のみであり、対人関係も、同居している家族以外とはほとんど無いというものです。
私が医者になった20数年前は、ひきこもりと言うと、統合失調症などの人が多かったのですが、今頃は、そう言った(内因性の)精神疾患でない場合の方が増えてきています。
当時は、統合失調症の人は、社会的偏見も強く、かつ、仮に外に出ようと思っても、統合失調症の人を受け入れてくれる場所は、ほとんどありませんでした。
しかし、最近では、社会的にも、統合失調症の人が行くことのできる場所が病院以外にも随分と増えてきました。(まだだだと言えば、まだまだですが)
近年、こういった、精神疾患が無いにかかわらす、ひきこもりの状態が続いているものを、社会的ひきこもりと呼んでいます。
数年前から、厚生労働省がこの問題にとり組んでいますが、何となく、中途半端で、NEET対策の中に(本来は、異なった問題なのに)組み込まれた感じにもなってきています。
社会ひきこもりに関しては、まだまだ、社会的支援が不足している状態にあります。
福島の高校男子生徒の母親殺害事件などがあると、ひきこもりの子どもをもたれているご家族から、
「うちの子は、大丈夫でしょうか」
・・・などと話されることが増えてきます。
「まぁ、あまり、ああいうような事件とは関係づけて考えなくても、いいんじゃないですか」・・とお話しておきます。
あのような不幸な事件では、一つの要因ではなく、いくつかの要因が重なって起きてきます。また、ひきこもりの場合においても、いくつかの状況が重なってきています。
例えば、孤立化です。日常から、ほとんど話をしない、周囲から話しかけてもあまり応じない、と言うことはよくあります。問題となるのは、その逆に、普段はそうであっても、いざ自分自身の方から話をしたい、援助を求めたいと思っても、その相手がいないという孤立化です。
もう一つは、逃げ道の無さです。ひきこもりの場合は、本人も周囲も何らかのストレスを感じながら生活をしていますが、それが高くなりすぎ、追いつめられた形になって、逃げ道が無くなった(あるいは、逃げ道をふさがれた)場合です。
このような状況が続くと、時として、家庭内暴力などの問題が出てくることもありますが、やはり、一つ一つの状況に関して、端的に、何が悪い、何が原因と論じるのは難しいですね。
・・・まぁ、時々、ひきこもりの話もしてみたいかなと。