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昨日の、少し続きです。近年、教員にはさまざまなストレスが重なっていますが、傍目から見て、「本当に大変だなぁ」というのが「外部評価」「内部評価」などデス。もちろん、外部評価など、自主的には重要な事ですが、現実は、教育委員会からの指示に対して、渋々行っていると言うところもあるのかと思います。
たくさんの書類の整理やまとめ、報告。、まぁ、割ける時間は、子どもや保護者との時間でしょうか。
ましてや、外部に評価を得るためには、数値の方が分かりやすい、学力テストや入学者数。高校で言えば、不登校の子どもを再登校する努力よりも、それなりの大学に入って頂く数を上げる方が評価が上がるやも知れません。
余分とまでは言いませんが、どんどんと本来の物以外に時間を取られて行くと言う感じです。
もっとも、内部評価を得るために、生徒にアンケートを取って、自分の事を厳しく生徒に書かれて落ち込んでしまっている、「うつ」になっているという先生もおられましたね。
教員の「心の病」過去最多 公立校で4675人(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071228-00000937-san-soci
平成18年度に精神性疾患で病気休職した公立学校教職員は4675人で前年度より497人増加し、14年連続で過去最多を更新したことが28日、文部科学省のまとめで分かった。・・・と言うニュース。
確かに、教員の休職者、増えています。教育委員会の復職審査などに関する仕事もしているので、年間、何人も診察をしています(っていうか、させられています)。
読売新聞などを見ると、理不尽な親が増えているとか、デカデカと書いています。確かに、保護者への関わりがとても大変にはなってきていて、これが誘因で、休職に至った教員もいます(この場合、少なからず、これを担当教員におしつける管理職の問題が絡んでいることも有ります)。
とはいえ、これが、休職者の数の増大のもっとも大きな誘因になっているとは思えません。
あれも、これもの、多忙さ、仕事の量の多さ、質の複雑さ
+(プラス)
本人のこれに対処する能力の問題(一時的な者もあれば、元来の者もあり、量が多すぎて対処不能の場合もあり)
-(マイナス)
管理職を中心とした協力体制(問題が生じたとき、初めて、能力の低さが露呈する管理職もいる)
=(イコール)
メンタルヘルス って、ところでしょうか。
最近は、女の子のグループにスルーされて、PTSD状態(?、まぁ、医学的には違うけど)になって休まれるという先生も、数人いました。
鬱病 働き盛りに急増中 対応遅れで長期化 心も「健康診断」必要(産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071024-00000107-san-soci
30代、40代の働き盛りに増えている鬱病。重症化すると本人がつらいのはもちろん、企業にとっても大きなデメリットとなるだけに、予防や早期発見が求められる。そのため従業員の「心の健康」対策として「EAP」と呼ばれる支援プログラムを導入する企業が増えている。体と同じように心の健康診断を定期的に行い、鬱病などメンタル疾患の重症化を防ぐのが狙いだ。・・・と言うニュース。
職場への早期介入の仕事をしています。心身に不調があったとき、いかに早く介入するか、そして、いかに見立てるかは重要な問題です。
内因性うつ病の場合は、薬物療法が主体になりますが、近年もっとも多い職場環境による反応性の「うつ」の場合には、休養や適度の薬物療法は必要ですが、職場への介入も時には必要になってきます。
単に薬を飲ませて話を聞いていればそれで解決・・なんて時代ではありません。
早期介入は、本人だけではなく、上司の方も望んでいます。ある程度以上「うつ」状態が進むと、そのまま無理して仕事をさせたとしても徐々に能率は低下していき、結局は病気休暇、回復にもより多くの時間が必要になっていきます。
早期にいかに見立てて行くかは、職場のメンタルにとっては重要な課題ですね。
地方公務員に「心の病」急増、背景に職員の負担増(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070820-00000204-yom-bus_all
社会経済生産性本部が全国の自治体を対象に実施したアンケート調査によると、最近3年間で半数近くの地方自治体で、うつ病などの「心の病」を抱える職員が増加傾向にあることが分かった。・・・と言うニュースです。
私の方も、年間30-40人ほど公務員の方を診ています。確かに、ここ3年くらい、心の病→休職者は増えてきています。(同じ公務員で、教員も同じ傾向にあります)
いろいろな理由はありますが、確かに仕事の量の増加と言うこともありますが、仕事の質の多様化の方が、より大きな誘因になっていると思います。
これに、人員削減、成果主義の導入、50歳代以上が少ないのは、そう言う人は早期退職者制度を使って、見切りをつけて(自分自身が、このまま働き続けることへの不安が高く)やめて行っているからかも知れません。
人身削減して、休職者が増えて、それを補充するために、臨時職員を雇用すると言うのも、何だか馬鹿げている話ですね。
とはいえ、公務員だからと言って、のんびりと仕事もせずのほほんとやっていけるなんて言うのは昔の話(まぁ、一部には、働いていない中高年の人もいないわけではありませんが)、これから公務員になろうと思う人は、公務員って、どんな仕事をしているのか、よく知った上で就職した方が良いみたいです。
若い人、中高年の人、それぞれ、いろいろな事がきっかけで、休職になっています。公務員の場合は、休職に至る3要素は、
①仕事の忙しさ、難しさ
②それを処理する本人の能力
この2つのバランスが崩れたとき、メンタルにも問題が生じてきます。そして、このバランスが崩れたとき、それをサポートしてくれるのか、してくれないのか、
③直属の上司の力量(教員の場合は、直属の上司ではなく、校長の影響の方が大)
が、問題となってきます。これまで、たくさん(特に、ここ数年)公務員の方を診て来ていますので、ちょっと、公務員のメンタルについて(今後、公務員になりたい、なりたくないけど生活のためになってみようかと、思っている人にも)、時々書いてみようかと思います。
近年、職場のメンタルヘルスを考えるとき、その大半は、職場のストレスが誘因となっている「反応性うつ」なので、単なる休養や薬物療法だけではなく、職場の環境調整などが重要であると、少し前に書きました。
しかし、一方で、まだまだ職場事情は厳しく、早々簡単に休める職場ばかりではありません。
最初の1か月目は、
「今はゆっくりと休んで、きちっと良くなって、また、仕事に出てこいよ」 ・・・・・なんて言っていた上司も、
2か月目ともなると、
「もう充分と休んだだろう、そろそろ、出られないか?」 ・・・・・なんて言い始めて、雲行きもだんだん怪しくなって、
3か月目くらいになれば、今度は、主治医の方に、
「まだ、出られませんか、出られないようなら、先生の方から、もう職場は諦めて、退職するように勧めてもらえませんか?」 ・・・・・などと言ってこられることも。もちろん、やめるやめないの判断は、状況を見た上で、本人やご家族の判断です。
中には、「休みます」と言えば、「休むのをやめるか、仕事を辞めるかどちらかにしろ」 ・・・なんて事を、暗にほのめかされる人もいます。
だから、民間企業の人とお話しするときは(公務員系の方は、だいたい、制度は把握しているので)、
「休みなさい」 ・・・と、本人に意見する前に、
「あなたの会社って、休めそう?」 ・・・とまず、聞いてみるようにします。これを聞かずに、休みを勧めると、「事情も分からずのんきなものだ」と叱られることがありますから。
私が医者になった頃、
「うつ病の人の自殺は、うつが深いときは、自殺する元気も無いので少ない。むしろ、回復期に自殺が多く見られる」
・・・なんて、ことを聞かされたことがありますが、これは、とんでもない間違いですね。うつ病の人の急性期は、自殺のリスクの最も多い時期の一つです。
特に、経験的には、
じっとしていることのできないイライラうつ病(焦燥感が強いうつ病) や
妄想型うつ病(それも、比較的急速に症状が出てきたもの)は 要注意です。
一方で、確かに、回復期にも、自殺の危険性はあります。うつ病や反応性うつの人に、薬物療法を始めると、イライラや不安、それにゆううつ気分は、徐々に治まってきます。こういうものが治まってくると、家の中では比較的元気に振る舞うことができるようになってきます。
ところが、思考力や集中力の低下、ちょっとしたことに対する疲労し易さやと言ったものの回復にはもう少し時間がかかります。
自宅で調子が良いからと思って、あわてて職場復帰してみたら、会議に出てもちんぷんかんぷん、書類を読んでも字を目で追っているだけ。
こりゃ、早すぎた、でも、今更、もう少し休んだ方がいいなんて、家族にも言えないし、職場にも迷惑をかけるし・・・・・ なんてことにならないように、職場復帰はきちっと症状を見て、職場の協力も得て進めたいものですね。
自殺される方の中の、3分の1は、うつ病になっていると言う話を以前したことがあるかと思います。うつ病の人は、高い自殺の危険性がある、では、前回話をしました「反応性うつ」の自殺の危険性は高いのでしょうか?
経験的に、「反応性うつ」の方の自殺の危険性は高いと思われます。「反応性うつ」の人は、仕事の停滞→渋滞が続き、思考的にも、永遠にこの状態が続くのではないかという閉塞感に追いつめられます。「それならば、いっそうのこと、死んでしまった方が・・・」という思考パターンに行き着きます。
逆に言えば、今、停滞・渋滞している仕事をオープンにして、それから開放することによって、閉塞感は軽減し、強い自殺願望から開放されることも可能です。もちろん、さまざまな状況的な不安などは続きますが、少なくとも、多くの場合は、仕事による閉塞感からの開放で、かなり高率に、その場の自殺の危険性を回避できます。
(内因性うつ病の場合は、仕事場から開放したとしても、内在的な抑うつ気分や思考力の低下、罪業感の存在などがあり、決して自殺の危険性が充分に回避できる訳ではありません)
しかし、なかなか、その閉塞感からすぐに開放できない事があります。それは、専門的な職種に携わっている人です。
医師の場合、その閉塞感から開放するためには、代理の医師が必要であったりするなど、相談を受けた上司も、易々と休んでいいよとは言えません。私も、これまでに何度か、もうこれは絶対に持たないと思った反応性うつの医師に対して、強引に診断書を書いて(口頭で本人が上司に言っても聞き流されるので、診断書を持っていかせる)、上司なりその科の大学の医局長なり教授なりに持って行かせ、医局の方も、それは大変と無理をして、一時的に医師を交替で派遣して、何とか乗り越えたこともあります。もっともそれは数年前までの状況で、今の医局制度では、残念ながら、そう言った支援は望めなくなってきているかも知れません。
技術系の職の人も、その人がトップの場合は、疲れていても、その人がいないと仕事が回らない、代わりの人がいないとなると、まわりも休めとは言ってくれないし、本人も、倒れるまで、それどころか、倒れても休むとも言ってくれません。
反応性うつの自殺予防は、職場の協力体制は不可欠という感じです。
さて、昨日の続きです。教員だけではなく、昨今の職場のメンタルヘルスの問題は、職場環境の大きな変化によるところが多くあります。
私が医者になった20数年前というのは、職場での「うつ」と言えば、内因性のうつ病が大半で、来院されれば、通り一遍の「うつ病について、」「うつ病患者さんへの接し方」などを話して、後は抗うつ薬を処方して3か月ほどすれば、少しずつ職場復帰というパターンでした。
しかし、昨今は、大半の人は、こういった内因性のうつ病ではなく、職場でのダメージが中心となって引き起こされた「反応性うつ」なので、薬を処方して、休養させれば良し、と言うやり方だけでは必ずしもうまくいきません。
ところで、職場のストレスの一番大きな原因となっているのは、人間関係です。では、休職に至った人の一番大きな原因となっているのは何でしょう?やはり、人間関係なのでしょうか?
それは、経験的に違います。人間関係がストレスだけで職場を休むのなら、多くの人は、もっと仕事を休んでいるでしょう。人間関係がストレスであっても、仕事がこなせている間と言うのは、何とか皆さん、頑張って仕事に向かっています。
休職に至る一番大きな原因となるのは仕事の停滞です。それは、本人がいま与えられている「仕事の量・質」と、本人がいま持っている「仕事を消化する能力」に大きなアンバランスが生じ、能力を強く上回る仕事が長期に続き、仕事が消化できなくなる、どんどん停滞する、それどころかどんどん残された仕事が増えてくるとなったとき、ストレスがより増大し、反応性のうつや身体症状が出現してくるのです。
長期に渡る複雑な人間関係は、精神的疲労による本人の能力の低下を招き、仕事の停滞も招いてきます。
こういうことが、様々な職場、教員の場合は学校現場で多くおきています。
(→あと1回くらい、続く)
数年来、教育委員会職員の健康管理審査会の委員をしています。年に数回、審査会が開催され、その前になると、診断書を提出するために、私自身が診ている人の他にも、他の精神科の先生が診ておられる教員の方なども診ることになります(診断書には、2名の精神科医の診断が必要になっています)。
今月は、その月に当たるために、普段診ていない方も来られるので、結構、時間がかかります。
ところで、当県でも、全国と同じように、メンタルヘルスの問題で休職、あるいは退職される教員の方が増えてきています。その多くは、仕事の量の多さだけではなく、複雑さ、多様性、そして生徒やPTAの関わり、余裕の無い日々の仕事の中での同僚との人間関係など、誘因はさまざまです。一見、身体的疲労が問題なようですが、それに加えて、多くのダメージを与えているのは精神的疲労です。
「うつ」で休まれている方の中で、経験的に、純粋な内因性のうつ病は、せいぜい2~3割(それも、反復性のうつ病や躁うつ病がこの中では多い)で、大半は、うつはうつでも、職場のストレスでダメージを受けた「反応性うつ」あるいは「うつ反応」などと呼ばれるものです。
一見、内因性のうつ病と症状は似ていますが、職場から離れた環境においては比較的早期に日常生活レベルの症状は軽快するも、いざ、学校に関係する物に係わろうとすると、さまざまな身体症状(頭痛、ふらつき、吐き気など)や不安・緊張が出てきます。日常生活で随分と元気になったからと言って、急いで職場復帰をすると、実際のところ、十分に回復をしていないので、また、うつに逆戻りをしてしまいます。かなりダメージの厳しかった「反応性うつ」の回復には、じっくりと時間をかけて行く必要があるのですが、まだまだ、職場の理解を得るのは難しい環境にあります。
最近は、学校の先生方も職員室に一人一台ずつパソコンをもたれるようになってきましたが・・・
・・・・・
「最近の高校生は、隣に同級生がいても、そちらとはあまり会話もせず、携帯の画面ばかり見ている。そんなことをしているから、人とのコミュニケーションが出来なくなるんだ」とつぶやきながら、職員室に入った先生、
さっそく、机の上のパソコンを開けて、画面に見入っています。
『おいおい、あなたもお隣に同僚や先輩がいるやン、ちょっとは話をしてみたら。。。。』
(等と言いつつも、私もパソコンを打ってます。高校生と違うところは、しなければいけない仕事がたくさんあるのにかかわらず、打っているところかな)