アスペルガー症候群の子どもの育児で、どうして良いか分からないときは、難しいことを考えずに、何かできるようになろうという前に、とにかく、小中学校時代がとてもつらかったなぁ、嫌だったなぁと言う思いが残らないようにしましょう、・・・・と言う話の続きです。
そのためには、できるだけ不快な体験を少なくすることが第一です。しかし、不快な体験と言っても、大きく分けて2つあります。
一つは、誰から見ても不快な体験です。イジメに遭っている、ひどい叱責にあっている、集団から無視されている、などです。
一方で、もう一つは、一見不快な体験だとなかなか周囲が気づかない、他の子どもは同じ環境であってもそれ程不快に感じていない場合です。
例えば、ざわついている教室は、同級生は平気でも、聴覚過敏の強い本人にとっては極めて苦痛で我慢を強いられる環境で合ったり、
抽象概念の苦手なアスペルガー症候群の子どもにとっては、「昨日の続きをしまよう」「好きなことをしましょう」などと言った具体性に欠く指示ばかりの毎日は、何をして良いのか分からず苦痛であったりします。
このタイプの不快感は、本人がアスペルガー症候群であり、そして、本人がどの様なことで不快を感じるのかを周囲が理解していないと、本人は、知らず知らずの間に不快な毎日を送ることになります。そして、本人がそれを頑張って我慢していると言うことにも、周囲がなかなか気づかないと言うことが少なくありません。
アスペルガー症候群に関して、小児期~中学生の発達障害の子どもを持つ親の会に参加しながら、一方で、思春期・青年期以降のアスペルガー症候群の子どもを持つ親の会を開催しています。それぞれ、現在抱えている問題が異なるので、別個の開催と言う感じです。
ところで、小児期~中学生の親の会に出ると、「将来のためにどの様なことを今の間にしておけばよいのでしょうか」と尋ねられるのですが、人それぞれなので、あまり明確な回答はありません。
ただ、経験的に話をさせてもらうことがいくつかあります。その一つですが・・、
青年期で、なかなか対人関係がうまく行かない人の場合、まぁ、アスペルガー症候群の特徴そのものによるものはともかくとして、これに加えて大きな要素となるのは、学校時代の嫌悪体験です。
なかなか、集団生活がうまく行かない、対人不安や対人恐怖が強いという人の多くは、大なり小なり小中学校時代に不快な体験を重ねています。
と言うことで、どうして良いか分からないときは、難しいことを考えずに、何かできるようになろうという前に、とにかく、小中学校時代がとてもつらかったなぁ、嫌だったなぁと言う思いが残らないようにしましょう、できるだけ2次的な学校嫌い、集団嫌い、人間嫌いにならないようにしましょう、と話をします。
(→→ この話、つづき)
不登校の子どもの中には、昼夜逆転をしている子も少なくありません。昼過ぎまで寝ていて、日中は何となくゴロゴロして、夕食をとってから部屋にこもり、夜な夜な、ゲームをしたり、インターネットをして、朝方寝入ると言うパターンです。
すると、「何とか、学校には行けないにしても、まず、生活リズムを直しましょう。朝は、キチッと起きて朝食をとって、夜は早く寝て生活パターンを戻しましょう」・・・なんてことを指導される先生も少なくないのですが、現実にはうまく行きません。
朝、起こしたとしても、朝食をとってからすることがないので、結局、2度寝をしてしまったり、皆が学校に行く時間なので何となく罰が悪いので、外にも出ることも出来ず、窓も閉め切って、。。結局は、努力はするものの、もとの生活に戻ってしまいます。
経験的に、不登校をしていた子どもが、再び登校するようになったと言うことは山ほどありますが、生活リズムを直してから行くようになったと言うことは余りありません。むしろ少しずつ気分が安定してきて、外に目がいくようになると自然と昼夜逆転は改善されてきます。
昼夜逆転と言う一つの症状だけにとらわれてしまうと、返って本来の抱えている問題が分かりにくくなってしまうこともあります。
→まぁ、まれのまれに、ナルコレプシーや睡眠相遅延症候群なんてこともありますが、まれのまれですね。
アスペルガー症候群の子どもが、新しい学年になり、4月、5月で不登校になったとき、新しい学年になって何か問題があったのではと周囲の人は考えます。
もちろん、新しい学年になってからのストレスがきっかけとなっている場合も少なくありませんが、必ずしも、それだけとは限りません。
小学校4年になる男児は、4年の5月頃から不登校になりました。しかし、本人は、4年の新しいクラスや担任の先生が決して嫌と言うわけではありません。
よくよく聞くと、彼は、アスペルガー症候群の子どもが良く持っている聴覚過敏が見られました。人一倍、音に対して過敏なので、特にざわついた環境や突然の大きな声がとても不安だったのです。
小学校3年のクラスは、落ち着きが無く、再三、先生の怒鳴り声が聞こえていました。彼自身が叱られると言うことは無かったのですが、ざわついた雰囲気の中でストレスを感じる上に、周囲の子どもが叱られているのを聞くと、自分自身が叱られているかのように強いストレスを感じていたのです。こういった環境で1年間頑張って、我慢して過ごして来ましたが、3年の終わりには、もう精神的にはクタクタの状態になっていました。
4年になって、ようやく新しいクラスになって落ち着いてきたのですが、随分とエネルギーが枯渇していたのか新しい環境への適応にも疲れて来てしまいました。
彼の不登校は、4年次の問題ではなく、3年次の疲れと言うところでしょうか。今後としては、しばらくの間、のんびりとした環境の中で過ごしながら、様子を見ていくこととなりました。
久しぶりに、アスペルガー症候群の子どもの話ですが。
この時期になると、5月、6月頃から不登校や学校内でもさまざまな問題が生じて、その事で相談に来られる方が出てきます。それらの子どもの中には、少なからず、アスペルガー症候群をはじめとする発達障害の子どもさんがおられます。この中で、これまで発達障害の存在そのものを疑われておらず、一方で、学校や周囲の理解が不充分なために不登校や問題が起きている場合は、本人や家族の了解を得て、学校側と発達障害や本人の理解に向けての連絡や勉強会を行ったりします。
こういう連絡をすると、学校の先生方の中には、
「やっぱり、そうですか。実は、私もそう思っていたんです」とうすうす感じていた先生もいれば、
「どこかの病院への受診を勧めた方が良いかと思っていたんです、受診されて良かったです」と安心される先生もおられます。
一方で、普段から発達障害への理解や経験の少ない先生の中には、
「そうなんですか、そうは見えないですけれども。クラスの中でも人一倍気を使うし、言葉遣いも丁寧だし、教員にも取って気を使ってくれますよ」・・っていわれたりします。
小学校中学年くらいまでは、人一倍他人に気を使って普通に、いや普通以上に振る舞うと言うのは、アスペルガー症候群の子どもに取っては良くあることです。(もちろん、そうでないパターンもたくさんあります)
その分、家の中では、機嫌が悪くて、それで無理が来たから不登校になったんですよ・・って、解説を加えたりします。
成果主義が多くの職場で議論されてきていますが、学校の現場でも、さまざまな評価がはじまっています。学校が、閉鎖主義にならないようにと言うことで、外部評価が行われると言うことは重要ですが、一方で、外部の人間が、何を基準にそれを評価していくのかは難しいところです。
ある高校生が、無事、名門T大学に合格しました。今年は、T大合格者も例年以上に多く・・・となれば、その高校の評価は高まると言うところでしょうか。
ところが、その高校に通うある女子生徒、夜遊びばかりして、夏休み前は遅刻の連続でした。家庭的な問題もあったのですが、自宅での勉強もおろそかになり、学校もさぼりがちになってきました。でも、一人の先生(もちろん、それを取り巻く先生も)が熱心に女子生徒と関わり、時間はかかったものの、最後は本人自ら頑張って学校に通うようになりました。
さてさて、先生の評価はどうなるんでしょうか。私は、後者の先生の頑張りをとても賞賛しましたが、きっと、外部評価では、T大合格者数が上がったことの方がより高い評価を与えられることでしょう。
でも、T大学に入った高校生は、はっきり言って、もしかしたら学校の先生がそれ程一生懸命にかかわっていなくても、合格していたかも知れません。でも、後者の女子生徒は、頑張ってくれた一人の先生がいなければ、絶対に、元気に学校に通うことは無かったと思います。
学校の評価、先生の成果と言うのも、難しいところですね。
千葉県の調理師 記憶喪失男性・博多署判明
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070622-00000040-nnp-l40
福岡市の公園で5月、記憶喪失として博多署に保護されていた若い男性は、同署の調べで、千葉県在住の調理師(21)と分かった。・・男性を取り上げたテレビ番組を見ていた母親が「息子ではないか」と博多署に連絡。・・・身元が判明した。・・・男性は公園に1人でいるところを保護された。「自分が誰か知りたい」と話し、心因性健忘症と診断された。・・・と言うニュースです。
ちょっと、ローカルな記事が目につきましたが、ある日突然、家を出たと思ったら、会社にも出勤しておらず、行方不明になり、数日後に遠く離れた場所で発見された・・・、と言うのは時々ある話ですが、これに、発見されるまで、どうしてその場所に来たのか覚えていない、それどころか自分がどこの誰だか分からないし、家族を見ても誰だか分からないと言う、生活史の健忘が見られれば、診断的には、解離性遁走(とんそう)、あるいは心因性遁走などとつけたりします。
それ程多く出会うと言うわけではありませんが、まれに見ることがあります。最初に診たのは、医者になって2年目の頃でしょうか、器質性や外傷性のものではないととりあえず確認。当時の上司からは、外傷性だったら、最近のことから忘れていくことが多い。一方で、こういった心因性のものは、そう言った忘れ方をしないので、テレビの使い方やサッカーの仕方は知っているのに、それ以前に知り得た母親の顔を忘れていたりするのが特徴・・と聞かされたことがあります。
これまで何例か経験はしましたが、抗不安薬を少量使いながら、無理せずに過ごしていくと、一部の記憶を残して、多くは時間とともに回復していきます。
家族の中には、「火曜サスペンスドラマ」的な発想で、「何か頭に強い衝撃を与えたら戻るってことは無いのですか?」
・・・と聞いてくる人もいましたが、「頭が痛いだけなので、やめましょう」と答えた覚えがあります。
<寛仁親王殿下>アルコール依存症で長期入院へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070622-00000033-mai-soci
宮内庁は22日、寛仁親王殿下がアルコール依存症のため、今後1カ月以上、宮内庁病院に入院すると発表した。久里浜アルコール症センターの樋口進副院長を中心とした医療チームが治療にあたる。・・・と言うニュースです。
寬仁親王殿下と言えば、以前は、日本てんかん協会にもよく顔を出されていました。ある大会で、寬仁親王殿下が来られると言うことで、なぜだか私も関係者スタッフに紛れ込んでしまったときのことです。
宮内庁のスタッフ(だっけ?)が、事前の打ち合わせの時、
トモひとしんのう ですよ、くれぐれも、 ヒロひとしんのう と間違って言われないように絶対に注意して下さいよ。漢字も、『寛』ではなく、『寬』ですからね・・・
と、厳しく注意されました。そして、会が始まり、来賓で来られた某議員さんが、最初のご挨拶で、
「本日は、ヒロひとしんのう をお迎えしまして・・・」 って、
・・・・間違いよった・・・・・と言う出来事がありました。
身体の病気とか、いろいろとありますが、早く元気になって欲しいですね。
ちなみに、樋口進先生は、長年にわたって未成年者のアルコール予防などにもとても熱心にとり組んで来ておられる先生です。
7月のボーナス時期が近づいてくると、毎年、職員の査定が行われるようになりました。要は、その人の半年間の成果(能力とはちょっと違って)を上司が査定して、ボーナスの内容に何らかの上下をつけましょうと言うもので、すでに、多くの機関で取り入れられていると思います。
表向きは、適正な成果評価に加えて、職員のやる気の向上を促す・・となっていますが、実際の所は、人件費の抑制、ましてや後者は怪しいものです。やる気の向上だけを考えれば、成果に対してプラスの報酬が与えられれば良いだけの話です。それ以上に、評価をする側、される側、ともにストレスなものです。
早急にこういった成果主義が多くの場面で取り入れられることによって、必ずしも良い結果が生まれて来ているとは限りません。当初はそうかも知れないが、徐々には経験を踏まえ安定してくるとも言われますが、現実には、多くの部署や職場での休職や退職が増えてきていることも否めません。これらの原因が、必ずしも成果主義に基づくものでは無いにしろ、成果主義の導入により、(私の知る限り)これらが改善してきていると言うことはありません。(成果主義を利用して、退職を余儀なくさせていけば、数値上、休職・退職は減るかも知れませんが)
ましてや、良く言われるように、専門職の仕事を、成果として評価するのは難しいのもです。この評価尺度を事務職の人が作るには無理があり、かといって、専門職に、評価尺度を作れと言われても職種間の違いもあれば、それ以上に、どの時間を割いてそれをするのと言うのが正直なところです。
成果主義導入後の、成果はどのように測るのか、成果主義の成果を見てみたいものです。
思春期や青年期のアスペルガー症候群の人と話をすると、自分の状況を、本人なりに的確に説明されるので、私たちとしても、とても教えられることがたくさんあります。
特に、若い人は、パソコンを良くしている人が多いので、パソコンの機能を例に取って話をしてくれます。
●他の人は、情報を一旦、メモリーに保存しておいて、その中から必要なものだけをハードディスクに保存するのかも知れませんが、僕は、直接、ハードディスクに、それも、選択無く保存していきます。
●ハードディスクの中に、年代別(人によって違う)のフォルダがあって、そこにしまっています。必要があったときに、そこのフォルダを開きます。
●ハードディスクは、とても大きいんですよ。
●一応、ケーブルを通って外部情報が入って来るんです。何かに集中しているときは、そのケーブルをふんだんに使っているので、それ以外の情報はなかなか入って来ませんが、集中していないときは、ケーブルをあまり使っていないので、勝手にいろいろな情報がケーブルを通って保存されています。
●記憶が言いと言うよりも、Delete(削除)キーが無いだけで、結構、これが困るんですよ。
・・・などなど。もちろん、個人個人によって、状況や症状が違うので、すべてのアスペルガー症候群の人がこういうシステムになっていると言うわけではありません。
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