ところで、平成1年頃、精神障害者の家族会が、本人たちと一緒に(当時は、まだまだ、当事者活動と言うのが盛んでは無かった)何か活動をしようと計画して、身体障害者などが利用している「市町村立福祉センター」等を使おうと思えば、どうなったでしょうか。
実は、多くの地域では、規則通りに行けば、使うことはできませんでした。
「え、精神障害者が、どうして障害者の福祉センターを使うことができないの?」
って、理由は簡単です。精神障害者は、当時は「障害者」では無かったのです。
障害者施策の基本理念を定めている「障害者基本法」は、平成5年に、その前の「心身障害者対策基本法」から改正されたものです。実は、この法律における「心身障害者」とは、知的障害と身体障害だけを定めていました。
つまり、平成1年当時は、精神障害者は、この「心身障害者」として、定義されていなかったのです。そして、各地域の「市町村立福祉センター」などの福祉施設を障害者が利用する際の規則は、この「心身障害者対策基本法」に基づいて作られていました。そのため、当時の多くの福祉施設は、「心身障害者」ではない精神障害者は、利用することはできなかったのです。
それどころか、いくつかの福祉施設の利用規則の末尾に、「精神病者は入れません」と書いてあったりしました。つまり、身体障害者・知的障害者は利用できるが、精神障害者は利用できません、それどことが、入ることもできません、という感じでした。
この「心身障害者対策基本法」は、平成5年に「障害者基本法」に改正され、この法律の中で、精神障害者は、身体障害者・知的障害者とともに、ようやく法的に「障害者」と定義されたのです。つまり、精神障害という言葉は以前からあっても、障害者と法的に認められたのは、まだまだ10数年前の話なのです。
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