知覚過敏の中で、聴覚過敏は、アスペルガー症候群の多くの人が持っている症状です。一つは、よく聞こえる、もう一つは、聞こえてくるものを選択できない、つまり勝手に耳に入ってくるというものです。

 よく聞こえるなどの症状は、一見、役に立つようですが、時には、小さな音でも聞こえてしまうと言うことがあります。このため、特定の音に敏感であったり、強い不快感を感じることがあります。また、ざわつきが苦手で、教室が余り落ち着きがなく、ざわざわしていると強い不快感がつづき、その教室の中にいると言うこと自体に強い苦痛や疲労感を感じることがあります。

 また、自分が叱られていなくても、先生が他の子どもを強く叱ると、本人も不安感が高まってきて、その教室にいるのに強い苦痛を感じることもあります。

 ある男子児童は、小学校3年の秋から不登校になりました。3年になった5月くらいから教室の中に落ち着きがなくなり、数人の児童が授業中もバタバタするようになりました。それに対して、担任の先生は厳しく怒鳴っていました。本人が叱られていたと言うわけではありませんが、その中にいることが苦しくなって、何とか我慢はしていたものの、ようよう秋には、学校に行けなくなってしまったのです。

 ある女子生徒は、他の騒ぐ生徒がいると、「静かにしよう」といつも皆に注意をしていました。先生からすると、真面目な生徒と思っていたようですが、本人は、先生が皆を叱る声を聞きたくなかったからでした。

 ある男子児童は、毎週火曜日、学校に行くのを嫌がりました。その火曜日は、給食がバイキング形式になっている日です。まわりの同級生が、いつもザワザワしていたり、話をしている中にいることがとても苦痛だったのです。

 ある男子生徒は、「教室に入ると、同級生が自分の悪口を言っている」と担任に訴えてきました。しかし、話を聞いても、彼のまわりには誰もいなかったと言います。あたかも、幻聴(聞こえていないものが聞こえているように感じる)かと思われたのですが、よくよく聞くと、実際に教室の隅の方で話をしている声が、彼の耳に聞こえてきていたのです。最も、同級生は彼の悪口を言っていたと言うわけではなかったのですが、その話の内容の一部が、非常に彼の気にしていることだったので、悪口を言われているかのように感じているようでした。

・・・まずは、本人がどの様な事を苦痛に思っているのかを知るところから。そして、できるだけ、苦痛と感じている事を減らしていくことが課題です。

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