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 ADHDの多動には、よく、リタリン(一般名:メチルフェニデイト)が使われます。

 私自身は、あまり積極的に使いませんが、決してリタリンを否定しているという訳では全然ありません。私の場合は、とりあえず環境調整(ADHDに対して、だけではなく、症状の基本にアスペルガー症候群があるかどうかも見立てる必要があると思います)、主に学校現場への介入を行います。今頃は、学校からの紹介が多いのでそれ程介入に困ることは少なくなっています。

 もっとも、最初から、リタリンで押していった方が良いと思った場合は、最初からリタリンを使うこともあります。

 ただ、リタリンを使うにあたってのいくつかの注意が必要です。投薬に関しての本人・家族への説明の重要性はありますが、それでも、内心、わが子にそのような薬をできれば飲ませたくないと思っている親御さんも少なくなく、この心情は当たり前の反応です。

 そんな時、焦って、投薬を勧めすぎるとご家族からの拒否にあってしまい、結局、良好な治療関係を結ぶことができなくなります。

 このようなとき、一番困るのが、

 「多動ならリタリンが良く効く、本人のためにも飲ませた方がよい」と早急に決めつけている関係者です。

 「多動で(周囲が)困っているなら、リタリンを飲ませればいい」

と考えても、すぐには親は了解しません。すると、

 「リタリンを飲ませれば良くなるのに飲ませない親はけしからん」
 「病院に行って、リタリンを飲んだ方が良いと言ってもらおう」
    ・・・なんて構図ができあがって、

 「リタリンを飲ませない親はけしからん 」
    ・・・と言う、ひどい議論が出てくることがあります。

 リタリンは、ADHDを治療してくれる薬ではありません。あくまでも、症状の多動などを一時的に抑制してくれるだけです。多動によって、勉強に集中できない、人間関係において本人に不利益が起きるなどの問題が生じた時、その対応の一つとして、リタリンを服用するという手段があると言うことを情報提供します。

 そのためにも、家族自身が、子どもに多動があること、それが本人にとって不利益が生じていること、多動を改善することができれば、その方が好ましい状況にある。。と言うことを自覚してもらった上で、リタリンの話を勧めていくようにしています。

 ただし、リタリンを服用しても、環境調整や周囲への理解を得るための努力は、同様に行っていきます。

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