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 新聞を見ていると、「給食費を払わない親」「学校に子どもを起こして欲しいと頼む親」など、困った親たちの話が最近目につきます。確かに、このような親御さん、私のところでも出会うことがありますが、医療関係では小児科の先生方の方がいろいろと本当に苦労されておられるような気がします。

 でも、私は時々、「困った親」ではなく、「困った親と勝手に思われてしまった親」と出会います。最近も、何人か、こう言ったお母さんと話をしました。

 学校から紹介を受けるときに、「この子は、親に問題があって、親がどうしようも無くて困って居るんです」と言われることがあります。学校の先生の話によれば、すぐに「学校が悪い」「学校に問題がある」と言ってばかりで、とても困っていますと言うことです。事前に連絡があると言うことは、暗に、私に、「この親の言うことを全部真に受けないで下さいね」「親にも家庭にも問題がありますよって、先生の方から言ってやって下さいよ」と言った依頼をしているのです。

 でも、こう言う経過で来られた方のほとんどは、私の前で、学校の悪口を最初から言われません。それどころか、話を聞いていくうちに、多くのお母さんは、「私の育て方がやっぱり悪かったんでしょうか」「この子が幼稚園の時に、会社が倒産して夫婦ケンカばかりしていたせいでしょうか」「この子が小さいとき、私が仕事ばかりしていて、かまってやれなかったのが原因だと思うんです」と、自分を責めたような話をされます。

 一通り話を聞いて、発達障害や精神疾患の有無を判断して、お母さんには、「決して、お母さんの育て方ばかりの問題ではありませんよ、まぁ、しばらく一緒に考えて行きましょう」と言うことで、今後の面接につなぎます。親の失敗も含めて苦労を認めて、それは仕方の無いところがあった、でもそれはこれからでも取り戻せる、そのためにボチボチ頑張って行きましょう・・と言うのが話の流れですね。

 その後の学校からの電話で、「やっぱり、学校の悪口ばかり言われたでしょう」と聞かれることもありますが、「ほとんど学校のことは言わなかったよ」と答えると信じられないという態度を取られることもあります。お母さんが、安心して学校に愚痴をこぼせて、そして必要以上に責められないと言う安心感があれば、きっと、私にしたような話は学校の先生にもされると思います。学校側の方が、その前に、「学校側には問題はありません、何か家に問題があるんじゃないですか?」と切り出してしまえば、逆にお母さんは、「そんなことはありません」となってしまいます。

 多くのお母さん・お父さんは子どもに何か問題があったときに、自分の人生を振り返って、育て方に問題が無かったのかと感じます。素直にそれを表明する人、否認する人、自己防衛に走る人、でも、心の中では、不安に思っています。

 あるお父さんは、学校といつもトラブルになると紹介されてきましたが、「子どもはADHD、お父さんの育て方ばかりの問題じゃ無いですよ」と言うと、「良かったぁ、ずっと、私のせいだと悩んでいたんですよ」と涙ぐまれたこともあります。不登校の子どもについて、学校側とお父さんとの連携がうまく行かないと言うことで、学校、両親、本人を交えて面接をしたことがありますが、話の中心はお母さんと本人と先生と私、育児に関心が無いと皆が思っていたお父さんはほとんどしゃべられませんでした。でも、話が終わって、皆が立ち上がったときに、お父さんがいきなり、「すいません、本当は私がもっとシャンとしないと行けないんだけれども、会社が倒れそうで、すいません、よろしくお願いします」と言われて、とても驚いたことがあります。

 皆、親御さんは、形こそ違いながらも、悩んでいるものなんですね。
 (もちろん、こんな行く日々ばかりじゃなくて、と言うか、それはごくわずかで、なかなかうまく行かない日々を送ってはいますが)

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