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< 児童精神科医同士でつながるために。 | メイン | 自閉症スペクトラムと就労のこと・前編。 >
2009.06.20 23:59 |  診療  |  こどもの精神科  |  発達障害  |  NINA  | 推薦数 : 1

いじめられた体験を超えて…。

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「私たち、発達障害と生きてます」
好評発売中です♪ 発達障害をもつ当事者たちの貴重な体験談が満載!
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このblogと連動するサイト児童精神科医NINAの診察室,少しずつ更新中です。
過去記事をテーマ別に振り分けて読みやすくまとめてありますので,
(現在5月2日分までの記事がリンク済みです)
最近こちらに来ていただいた方も過去記事はサイトの方から読み返していただくと便利です♪

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高機能広汎性発達障害をもつ患者さんから聞かれる4つのキーワードの話の続き。


「学校や職場でのいじめが外傷体験」


このテーマは本当によく出てきます。

そして,とても難しいテーマでもあります。


特に学校のこととなると,受診してくださった現在から考えてもう何年も前のできごとということになります。

どれだけ前のできごとであろうと,患者さんがいじめによって苦痛を受けていたことは事実。
客観的にどんなことが行われていたかはもう確かめようがないかもしれないけれど,患者さんが苦しんでおられたことには間違いないわけで。


なんにせよ,いじめを肯定する理由は何ひとつとしてありません。

たとえ,自閉症スペクトラムの特性によって当時の患者さんがまわりのこどもたちとうまくコミュニケーションがとれなかったり誤解を受けやすかったりしたということがあったとしても,それがいじめる理由になってはならない,と私は思います。

だから,患者さんは絶対に悪くない。


だけど,いじめる側にもひょっとしたら事情はあったのかもしれません。
いじめられていた患者さんの特性によることではなくて,いじめる側の要素…いじめていたこども自身が自尊心の低い状態だったとか,なにかストレスを抱えていてはけ口が必要だったとか。

でも,私の目の前の患者さんにとって,今そんなことは関係ないことかもしれません。
どんな事情があれ,他人が不快になったり苦痛を感じたりするようなことをしてはならないと思いますから。


じゃあ,過去に自分をいじめていたこどもたちが謝罪してくれたら問題は解決するのか,というとそれもまた違う気がします。
今さらどう謝られたって,いじめによる苦痛を受けた過去が消えるわけではないし。

同じ理由で,復讐として今から過去のいじめ加害者に報復しても仕方がないとも思うのです。
復讐したいくらい今も憎んでいる,ということもままありますが,お気持ちはとてもよくわかるけれどそれでは何も解決しないと私は思っています。
それに,報復してしまったことにご本人が罪悪感を感じたり,報復せずにいられなかった自分のことを嫌いになってしまったりするかも…という部分も心配です。

とにかく,過去は変えられないのです。


こどばで説明するのはとても難しいのですが,少しでもはやく少しでも楽に「苦痛を超えて今に至った現在の自分」のところへ照準を合わせられるようにお手伝いさせていただきたいし,そしてそこから一歩一歩前に進んでいくためにはどうすればいいかを一緒に考えさせていただきたたいな…と思っています。。

診察室へ来ていただいてお会いすることのできた「私」の立場からの思いを,おひとりずつに丁寧にお伝えしていきたいな。

なかのひと

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>じゃあ,過去に自分をいじめていたこどもたちが謝罪してくれたら問題は解決するのか,というとそれもまた違う気がします。
今さらどう謝られたって,いじめによる苦痛を受けた過去が消えるわけではないし。

そうなんですよね。
ただなんとかするなら、やはり法的手段(民事・刑事)しかないです。
「復讐」は自力救済になり違法ですからさせてはいけません。「人を呪わば穴二つ」ということばがありますが、これは実は「人を呪わば穴二つ掘れ」です。ですから加害者側への呪詛は自分に戻ってくることを覚悟することになります。
ご存知かもしれませんが、いじめが原因で不登校になりうつや統合失調症を発症したとして提訴されることがあります(表に出ているのは一部案件だけ)。
ですが、これまた法廷での対決となると意外と理解されないんですが原告側の負担も-精神的な面も含めて-増えます(「慰謝料とれていいね」と"勘違い"する方もいて困ったものですけど)。
民事で勝訴したり、刑事で加害者が有罪となっても被害者の過去は消せません。ただ、法的手段をとった場合、加害者側への社会的制裁(特に刑事事件となれば立派な犯罪なので)、社会に対するメッセージの発信としては有効なのかもしれません。
難しいですね・・・
written by きどっちょ / 2009.06.21 05:40
「復讐」は私も絶対にしてはいけないと思っていますし,必ず患者さんたちにはそうお伝えしています。でも,特性として「気持ちの切り替えが苦手」な患者さんのなかにはどうしてもその思いから離れられないかたもいらっしゃるので,できるだけ丁寧に繰り返しお伝えするように気をつけています。

法的な決着がつくと幾分すっきりするかもしれないけれど,裁判にあたっていじめられていた場面を克明に語ったりする作業はフラッシュバックの誘発につながる危険性がとても高いので,私としてはそれもお勧めはしたくないなぁ…慰謝料だとか「お金」で解決することじゃないんですよね。

いじめが原因で精神障害を発症した,という主張で裁判に勝つのはとても難しいことだろうと思います。ほとんどすべての精神疾患が,生物学的・心理的・社会的因子がさまざまに重なり合って発症すると言われていますし,「いじめによって発症した」というシンプルな因果関係を証明することはまず無理でしょうから…。

うーん,いろいろと難しいですね。
私としては「未来志向」になっていただけるようお手伝いさせていただくのが精いっぱいという情けない状況です。
written by NINA / 2009.06.21 21:39

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