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2009.06.17 23:05 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  こどもの精神科  |  NINA  | 推薦数 : 1

児童精神科医不足を考える。

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4つのキーワードの話の続きがなかなか書けないでいますが,近々必ず…。


今日は久しぶりに児童精神科医の話。

精神障害への早期支援が大切といわれながら,少なくとも私の住む地域では成人を主に診ている精神科医の先生方から「中学生以下はうちでは診られない」と言われた,と患者さんからお聞きすることがちょくちょくあります。

児童精神科診療を行う医師が地域に少なすぎるのです。


ずいぶん前のことですが,私が妊娠・出産を契機にそれまでいた職場を離れるとき,後任の医師から「高校生はがんばって診るので,中学生以下の患者さんは他の医療機関に紹介して,僕が引き継ぐ患者さんのなかに残さないでください」と言われて,紹介先探しにとても苦労しました。

紹介できるところといえば,児童精神科の看板を掲げている数少ない病院・診療所のみ。

私よりずっとご年配のベテランの先生方ばかりで,患者さんをご紹介させていただくのにものすごく勇気が要りました。

私の度胸の問題はさておいても,予約してから初診までの期間が短くても3ヵ月程度なので,私が職場を去る何ヵ月も前から紹介先を段取りして,とにかく初診予約を患者さんにとっていただいて,初診日ギリギリまで自分の外来でフォローできるように余裕を持たせたりして。


そして私自身も,同じく妊娠・出産のために離職する児童精神科診療をしていらっしゃる小児科の先生から患者さんを紹介していただいたことがあります。

その先生も小児科の外来にその患者さんを残して後任の医師に任せるわけにはいかなかったということですよね。

小児科医にも,児童精神科診療をしたい医師,できる医師がたくさんはいないということなのだと思います。

正直なところ,当時の私はその先生とそれほど親しい間柄ではありませんでした。むしろ,お名前を聞いたことがあるといった程度。先生のほうからも「ほかに頼めそうなところを思いつかなくて…申し訳ありません」ととても恐縮して紹介してくださったことが印象に残っています。


その小児科の先生も私も,離職まで勤めた職場は児童精神科の専門機関ではありませんでした。

でも,偶然その先生は私が児童精神科に関心があることを知ってくださっていたし,偶然私も小児科のなかに児童精神科診療に一生懸命取り組んでおられる先生がいらっしゃるということは知っていたので,このやりとりが奇跡的(?)に成立したのです。


こんなことがあってから,「職場の事情などでおおっぴらにはできないけれど児童精神科診療に取り組んでいる」とか「職場の事情でなかなか患者さんと出会えないけれど児童精神科診療に興味がある」といった医師同士が,精神科とか小児科とかの診療科の枠を超えて普段から気軽にコミュニケーションが取り合えるような場があればいいのにな…と考えるようになりました。


長くなってきたので,後日に続きます。

なかのひと

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コメント一覧

出入りしている大学病院の先生のお話では、児童精神科医は10万人に対して2,3人(確たる根拠はないと仰っていました)。仮にこれくらいの児童精神科医の先生が日本にいるとすると、不足は明らかでしょうね。
例えば注意欠陥多動性障害だけで考えると、その有病率は約3%(違っていたら教えてください)ときいたことがありますので、そうだとしたら児童精神科医1人で1000人以上を診る!?ことに。。。さらに広汎性発達障害等他も含めるともう現実的ではない子どもたちを1人の児童精神科医が診ることに。。。
全ての子どもたちが継続的に治療を要するわけではないでしょうから、上の数字をそのまま現状とするには疑義が残りますが、北欧の子ども10万人当たりの児童精神科医数が12人以上であることを踏まえると、やはり日本は不足ですね。
児童精神科は未だ正式な標榜科ではない?ということもあるのでしょうか。現状を変えるには、児童精神科医の育成や関連施設の整備なども考えないといけないのでしょうね。大変。

NINA先生、お疲れ様☆ミ
written by きどっちょ / 2009.06.18 06:23
小生自身ADHDでわかるのですが、自分のこどもも知人のこどもさんも程度は違うものの、一度専門家に診て欲しいなあ、と思うことがあります。

知人のお子さんは親御さんが決意されて受診されたらしいのですが、専門家かどうかはわかりません。

小生の嫁は「絶対そんなことはない」と言って聞き入れてくれません。

専門家が少ないので今は無理でしょうが、本人よりも親が気兼ねせずに相談できるようなシステムがあったらいいのになあ、とつねづね思います。

これは成人のメンタル疾患の場合も同じでしょうけど、親がからむと受診までの道のり障害がどれほど長く大きいことかと....
written by Paul Carpenter / 2009.06.18 08:36
> きどっちょさん
本当に少ないんです代ね,日本の児童精神科医。
児童精神科の標榜自体は昨年度だったかもう1年前だったかに認められるようになったのですが,なにしろ時間と手間が関わるわりに実入りが少ないので,あまり誰も診たがらないのですよね。悲しいことですが…。
本当はこどものうちに介入して自尊心を保っておとなになれるようにすることでかなり医療費を削減できるんじゃないかと思うので,もっと国にそのあたりへ力を入れていただければいいのに,と思うのですけど。
written by NINA / 2009.06.19 23:53
> Paul Carpenter先生
やはり精神科は敷居が高いというか「精神科にかかってみる=病気,異常,障害」ということに直結してしまうと思われてしまうこと,よくあるんですよね。
特にこどもさんの精神科に関しては,親御さんが「子育て相談」みたいな気軽な感覚で来ていただけるようにしたいと思うのですが…。これからの課題ですね!
written by NINA / 2009.06.19 23:59

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