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「私たち、発達障害と生きてます」 好評発売中です♪ 発達障害をもつ当事者たちの貴重な体験談が満載!
私も読ませていただきました。
当事者のみなさんはきっと頷き,共感しながら読めて,たくさん勇気をもらえると思います。
支援者のみなさんにとっては,日々の支援活動に役立つ豊富な「活きたヒント」が見つかる1冊です。
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ちょっと前に,私の診察室へ通ってくださっているこどもさんのお母さんからお聞きした話にちょっと驚き,憤ってしまいました。
その私の患者さんにはお兄さんがいて,すでに大学も卒業していらっしゃるのですが,発達障害の診断で別の病院の医師にかかっているのだそう。
「兄のほうも今就職先を探しているところなんですが,主治医から『このひとは一生仕事はできないでしょうね』って言われていて…なんとかこの子だけは自立させたいと思っているんです…」
と,お母さんが涙ぐみながら話をされました。
「一生仕事はできない」って?
そんなことを主治医が言ったの?
もちろん私はそのお兄さんにはお会いしたことはないけれど,主治医がそんなことを患者さんのご家族に言ってのけるなんてとてもビックリしてしまって。
私だって,発達障害をもつおとなのかたの就労が難しいことがあるというのはわかっているつもりです。
でもそんなこと,まだまだ若くて本人に就労意欲もある状態で,主治医から親御さんに言うべきこと?
うまく言えないのですが,主治医が患者さんやご家族に提供すべきいちばん大切なものは「希望」じゃないかと私は思っています。
患者さんやご家族に「希望」を持ってもらわずに,どうして本来もっているはずの力を発揮していただくことができるのでしょう?
…きっとうまくいく,なんとかなる,と思えるからこそ,患者さんもご家族もがんばる意欲がわいてくる。
…この先に「希望」があるから,患者さんもご家族も,本来もっている力を思いっきり出してくださる。
私はそんなふうに思っています。
私が患者さんやご家族に対してできることなんてほとんどないのです。
患者さんやご家族がご自身でがんばることができるように,がんばってみようと思っていただけるように,ほんのちょっとお力を貸すことくらいしかできません。
だからこそ,患者さんやご家族の希望を打ち砕いたり,本来の力を挫いたりするようなことだけは私は絶対にしたくない。
叶いもしないような夢物語ばかり並べて現実味のない診療になってはいけないとは思うけれど,現実のなかに散りばめられている希望はどんなに小さなものでも見逃さずに「ここにもありますよ」「こっちにもありますね」って見つけて患者さんやご家族と共有したい。それが,患者さんに元気を取り戻してもらうためのいちばんの原動力になると思うから。
お兄さんのことまでは私には手が回らないかもしれないけれど,私の患者さんとそのお母さんには希望を持っていただけるような診察を心掛けたいと改めて思いました。