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当事者のみなさんはきっと頷き,共感しながら読めて,たくさん勇気をもらえると思います。
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先日のこと,覚醒剤や麻薬などへの薬物依存に関する会議に出席しました。
思春期のこどもたちへの蔓延を防ぐためには,という話になったのですが…都会ではもちろんのこと,私が住む地域でもすでに小学校の高学年くらいから啓発などの介入を積極的に行っていかなくてはいけない,という感じのよう。
さすがに日常の臨床ではほとんど意識することのないテーマではありましたが,そんなのんきな考えをもっていてはもうダメなんだということに気付かされました。
はじめは,ほんのちょっとの好奇心がきっかけだったり,学校とか家庭のこととかでムシャクシャしていて「もう何か“悪いこと”にでも手を出してやれ」みたいな出来心だったり,友人や先輩から勧められて思いきって断ることができなかったり…といった小さなことから使い始めてしまうのかもしれない。
でも,一度始めてしまうと意思の力で抜け出すのはとても難しいことなんですよね。
そして,やめられないうちにどんどん取り返しのつかないことになっていく…心身の依存の状態についても,薬物を手に入れるための環境への依存にしても,経済的なことや生活面への影響にしても…。
危険性についてきちんと知らせて,たとえどんなに魅力的に思えても,どれほど好奇心を刺激されたとしても,絶対に手を伸ばしてはいけないということを早い時期からこどもたちに知ってもらうことはやっぱりとても大切なこと。
性教育についても「早い時期から情報を伝えればそれだけ興味がわいて却って逸脱行為が増える危険性がある」と言われたりもするけれど(もちろん性についてはおとなになれば誰もが普通に体験しうるという意味で薬物依存の問題とは異なるけれど),何も知らないうちに自分の身が危険にさらされるようなことになるよりは,どういうことに気をつけなくてはいけないかを早期から知識としてもっておくことはすごく大事なことなんじゃないかと思います。
小学生から知らせなくてはいけない状況だということはある意味ショックだけど,必要ならちゃんと伝えていかなくちゃ。
私自身ももっともっと今よりも知識を身につけておかなくちゃ,と感じています。
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昨日
講演準備の話を書きましたが。
講演の全体の構成や大枠の流れを決めたり,具体的にどんな細かい内容を盛り込むかといったことを決めたり,これまでは少しずつ原稿を作成しながら同時並行で構成も考えていました。
でも,ふっと「あ~,あの話題のときにあの比喩を入れよう」なんて浮かんだアイデアがちょっと別の部分を書き進めているうちに消えてしまったり,途中まで書いてきて次の展開をどうするつもりだったかを忘れてしまったり,なんてことがよくあって。
…単に私のワーキングメモリの問題なのかもしれませんが。
でも,わざわざあんまり大袈裟に下書きとかするのもちょっとなぁ…と思っていたのです。
そんなとき,先日知り合いの心理士さんがマインドマップという手法を使っていらっしゃることを知って,早速真似させていただくことにしました。
ずっと興味はあったけれど,なかなか実際に使ってみるところまでいっていなかったんです。
マインドマップ,かなり知名度は高いと思うのでご存じのかたも多いと思いますが,関連するキーワードを放射状に連結させながらアイデア出しをしたりメモを取ったり情報を整理したりするような記録方法。
本来は色をたくさん使ったりイラストも入れたりすることで脳を活性化したり発想を豊かにしながら書き進めるもののようなのですが,とりあえず素っ気ないモノクロ簡易版(ごめんなさいっ!)で必要なキーワードを並べたりそれぞれに関連する内容を整理したりするのに使ってみました。
…なるほど,これは案外使いやすいかも!
まだまだ超初心者なので書きながら迷いも生じることがありますが,慣れてきたらこれはとても便利な方法かもしれません。
仕事だけでなく,プライベートや趣味のことにも活かしながら,だんだん使いこなせるようになっていきたいと思います。
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6月も間もなく終わろうとしています。
ふと気付けば,ここでblogを始めさせていただいてからもうすぐ1年。
「できるだけ毎日更新」という方針で続けてきたこの1年。
児童精神科医のひとり(まだまだ駆け出しですが)として,患者さんやご家族にホッとしていただけたり少し元気を出していただけたりするような情報を発信できたらと思っていましたが,意外や意外,自分の臨床に対する姿勢について日々考えてみる機会があったり疑問に感じたことを忘れずに文章に留めておけたりという,自分にとってのメリットがかなり多くあったように感じています。…なんだか申し訳ない話ではあるのですが。
このペースをずっと維持できるかどうかちょっと自信がなくなってきていますが,blog自体はぜひ続けていきたいと考えているところです。
さて,この夏以降,講演の依頼をたくさんいただいています。
もちろんここでは素性を隠したままですので,blogを通しての依頼というのはひとつもありませんけど…。
去年に比べて今年は,発達障害に関する講演を依頼していただく回数がぐっと増えていて,とても嬉しく思っています。
準備に追われるという意味ではちょっとつらくもあるけれど,ひとりでも多くのかたにお伝えしたい,知っていただきたいと日頃から感じていることを,せっかく足を運んでくださるかたにきちんとお伝えできるよう,短い時間のなかにめいっぱい盛り込めたらいいなぁ…と思っているところです。
少しずつ構想を練って準備を進めていきたいな。
当日会場でお会いできる方々との出会いを,今から楽しみにしています♪
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昨日久しぶりに更新をサボってしまいましたが。
今日は,ちょっと嬉しいことをひとことだけ書いておきたいと思います。
以前から,自閉症スペクトラムをもつこどもたちの支援に携わりたいと考えている私。
自閉症特性の説明の部分にも力を入れたいし,二次障害としての精神症状には十分なフォローをしたいと思っているし,そして絶対にはずせないと私がいつも考えているのが学習への支援。
でも,学習の支援だけはどうしても自分自身で提供できる自信がないのですよね。
ということは,私が思うような自閉症スペクトラムへの支援をどこかの場で包括的に行っていくためには,教育関係のプロフェッショナルのかたと連携しないといけないということ。
つい最近,そんなことをある心理職のかたにお話しさせていただいていたところ,教育関係の専門家の方々と連携をする機会を今後作っていけそうな気配がいっぱい感じらる話の展開になって,今とてもHAPPYな気持ちになっています。
こどもたちが少しでも自信をもってや自己効力感や自尊心を保っておとなになってくれたら…。
そんな自分の理想をこれからちょっと長いスパンで具体的な目標に落とし込みながら進めていきたいと考えています。
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(いきなり余談から入りますが,なかのひとの解析データを見ていたら,今日初めて「宮崎ドメイン」からアクセスいただいていることが判明…昨日の記事の関連でしょうか(笑)。こんなblogの記事までチェックしていただいてありがとうございます♪>宮崎県の職員さま。
残念ながら私自身は他県の住民ですが,知事のご活躍はテレビなどで拝見しながらいつもワクワクさせていただいています。
県政をお続けになっても,国政に携わられるようになっても,ぜひ引き続き応援させてくださいませ。)
さて,今日の記事です。
最近,「ひきこもっていたけれど,そろそろ社会復帰したいと思って」と勇気を振り絞って初めて受診してくださる患者さんにお会いすることがなぜか増えています。
初診の予約をいただいた時から,とっても嬉しくなる私。
だって,そんなふうに思って一歩踏み出してくださった患者さんと会えるなんて,本当にすごいこと。
これまでの生活…つらかっただろうけどある意味では慣れ親しんだ生活…を飛び出して「世間の荒波」へ目を向けてみようと思った,そんな意欲のある患者さんに関わらせていただけることはとても幸せです。
きっと,社会復帰しようと決心していらっしゃっていても,内心は不安でいっぱいなはず。
普段一緒に生活している家族以外のひとと会うというのも久しぶりかもしれないし,とても緊張して来てくださるはず。
「がんばってみたいな」というせっかくの意欲の芽を踏みつぶしてしまわないように,「思い切って来てみてよかった」と思っていただけるように…日頃から初診の患者さんにお会いするときに意識することを普段よりももっともっと研ぎ澄ますようにしてお話させていただくようにしています。
不安でいっぱいの患者さんを,たぶん同じくらい不安な気持ちで連れてきてくださるご家族にも,「この病院へ連れてきてよかった」と少しでも安心していただけるように,ということもやはり心掛けています。
「せっかくがんばろうと思って受診したのに,あんな病院に連れて行くなんてひどい!」とご本人からご家族が責められるようなことは間違ってもあってほしくない。もしもそんなことになってしまったら,それは連れてきてくださったご家族の責任ではなくて,ご希望どおりの診療ができなかった私の責任なのですから。
一期一会の真剣勝負。
患者さんがこれまで過ごしてこられたご自宅や自室が中心だった生活に想像を巡らせながら,そのなかから今後につながる何かを見つけ出して引き出していけるように…,そして患者さんの本来の力をこれから少しずつ発揮しやすくなっていただけるように…,
私にできるのはほんの小さな方向づけくらいのことかもしれないけれど,患者さんやご家族にできるだけ苦痛が少ないように,できるだけ丁寧に,そして安心していただける雰囲気を作り出しながら,これからも会わせていただこうと思っています。
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あんまり診療と関係のない話で恐縮ですが…,
自民党から衆議院選に出馬するよう要請された東国原宮崎県知事のお返事に惚れ惚れしてしまっている私です。
もちろん,自民党(古賀選対委員長)の真の狙いも東国原知事の真意も私には想像することしかできない雲の上のできごとのような遠い話ではありますが,私の個人的で浅はかな目線から見るととっても見事な「二重拘束」に思えて仕方がなくて。
政治的な善悪の判断は私にはできないけれど,診察や面接の咄嗟の場面でこんなふうにキレのいい返答をできたらどんなにいいだろう! なんて考えてしまったのです。
患者さんの悩みを丁寧に,真剣に受け止めるのはもちろんとても大切なこと。
でも,がっしり真正面から受け止めるだけでは,解決への糸口を探すことができないまま患者さんと一緒に悩むことしかできなくなってしまうこともあります。
患者さんやご家族といい関係を築きながらも,患者さんが今抱えている問題に対して新しい風を入れたり,これまでにない切り口で迫ったり,そんなちょっとした「思い掛けないこと」や「発想の転換」を取り入れていくことはとても大切だと私は思っています。
そんな場面で求められる臨機応変さと,今回の東国原知事のお返事には,なんだか共通するものがあるかも…なんて。
残念ながら私は東国原知事のように頭の回転はよくないけれど,自分に取り入れられるものは上手に活かしながら成長していきたいな,と考えさせられたニュースでした。
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大好きだった本が,改訂されて再登場したことを知りました!
たくさんの方たちに知っていただきたいのでご紹介しておきます♪
高機能自閉症・アスペルガー症候群
「その子らしさ」を生かす子育て 改訂版
私がとても尊敬している,吉田友子先生が書いていらっしゃる本。
旧版が出版されてもう6年…当時まだまだ不勉強(いや,今もですけど…)だった私が,その頃ご指導いただいていた地元の児童精神科医の先生のデスクの上に置かれていたこの本を見させていただいたとき,パラパラとほんの数ページに目を通しただけでそれまで私が漠然と抱いていた自閉症スペクトラムに対するイメージがガラガラと崩れていったのを今でも覚えています。
もちろん,診断基準にも絡んでくるような医学的説明に関しては,基本的にはどの本を見ても同じ項目が並んでいるはず。
でも,それぞれに対する説明の内容が,私がそれまでに触れたことのある本にはなかったような書きかただった,といえばいいのか…親御さんや学校の先生にお伝えするときにこういう表現を使うとうまくお伝えできるかもしれないな,と思わされるような説明がいっぱいで。
楽観的というわけでもないし,困難さについてはきちんと困難さとして書かれているのですが,うまく言えないけれどちゃんとそこには「希望」があるというか,「大変なこともあるけれど,やりようはある」といったことや「特性はこんなふうにとらえればよくて,だからこういう配慮が得られることがとても有用」といったことをわかりやすく丁寧に盛り込んである…旧版について私はそんな本だと感じていました。なぜだか読んでいてとてもあたたかい気持ちになってくるのが不思議…。
じつはまだこの改訂版を手にすることはできていないのですが(届くのを待っているところです♪),ページ数もかなり増えているようですし,6年前の旧版とはまた違う,新しい何かを得ることができると思ってとても楽しみにしています。
旧版を知っているかたもそうでないかたも,自閉症スペクトラム支援に関わるひとにも自閉症スペクトラムをもつこどもさんを育てていらっしゃる最中の親御さんにも,ぜひ読んでいただけたら嬉しいな,と思います。
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今日は,高機能広汎性発達障害をもつ患者さんから聞かれる
4つのキーワードのうち,
「就労できない/したい」の続きを書いてみようと思います。
(3) それでも仕事をして収入を得たり,社会に参加したり(=誰かの役に立ったり)することは大切。
「好きなことや得意なことが活かせない仕事をわざわざする意味がない」と,就労したいと思っているのに関心のあまりもてない業種の就職先をまったく探そうとしない,という話もよく聞きます。たしかに,好きなことや得意なことが仕事に活かせれば,やりがいとか充実感とかは一見得られやすいように思えるかもしれません。でも,必ずしもそうとは限らないのです。
以前診させていただいていた患者さんの例を書いてみますね。
元々PCでイラストを描くのが好きで,専門学校でコンピュータグラフィックの勉強をしてその系統の会社に就職しましたが,趣味で自分の思うようにじっくりこだわってイラストを仕上げていくのと,仕事で依頼されたとおりの絵を手早く仕上げるのとでは全然勝手が違うということをいざ働き始めてから痛感したと言っておられました。自分としてはうまく描けたと思っても,納期に遅れたことを責められたり,勝手にアレンジしたことを怒られたり…結局職場での居心地が悪くなって退職することになってしまって。
でも,その後もやっぱりどうしても働きたいと思っていたところ,かつての同級生から「仕事を辞めたんなら,今自分が働いてる運送会社で荷物の仕分けをする仕事を一緒にやらない?」と誘ってもらって,あまり気は進まなかったけれどまぁ友達もいることだし心強いから…と試しに勤めてみることにしたのです。別段仕事の内容に関心があったわけでもないけれど,無心で荷物をラベルに従って分けたりまとめたり運んだりする仕事は意外と性に合っていると感じるようになりました。勤務態度も真面目だったので,慣れないうちにミスをしたりしたときも職場の先輩から気遣ってもらったり励ましてもらったりして,「こんな自分を必要としてくれている職場があることが嬉しくて」と診察室でちょっと誇らしそうに話してくれました。
この患者さんの場合,好きなことや特技を活かした仕事が続かなかったときにも「働きたい」という強い意欲を失わなかったこと,自分と同じ職場で働かないかと声を掛けてくれるような友達といい関係を作れていたこと,あまり興味の持てない仕事ではあったけれど真面目に取り組んだこと,そして職場の先輩や仲間の人柄にも恵まれていたことなど,たまたまいいことがたくさん重なった例だといわれればそうかもしれません。
でも,この患者さんに限らず,こういうかたちで趣味や特技とはあまり関連のない仕事を真面目にこなすことで自立することができた自閉症スペクトラム特性をもつ患者さんとこれまでに何人もお会いしています。
大事なのは,「合ってない」「どうせ無理」とやってもみないうちから決めつけて自分の可能性の幅を狭めてしまわないで,まっさらな気持ちでとりあえず真面目に取り組んでみることなのかな,と私は思います。
ひょっとしたらうまくいくかもしれない。そして実際にうまくいったら収入を得ることもできるし,社会のなかで役割をもつことができているという自信にもつながるし,収入や自信は自分のこれからの人生を少しずつ元気なものにしていってくれるはずですから。
このことはご本人にもしっかりお伝えしていきたいけれど,ご家族やまわりのひとから根気よく(でも深刻になりすぎずに)勇気づけたり励ましたりしていただくことも大切なのかな,感じています。
(4) 仕事に活かせないとしても,自分の趣味や特技は自分の人生のなかの大きな強みになってくれる。
先に挙げた例でも,趣味や特技としてのコンピュータグラフィックは直接は仕事の役には立たなかったけれど,自分の大切なリラックス法としてはとても有効だったようで,コツコツと描きためては診察のときに見せてくださったりもしていました。イラスト仲間とインターネット上でやりとりをしたりするのもご本人にとって大切で楽しいコミュニケーションだったようです。
自分が没頭できたり,ほかのひとと共有できたりする楽しみがあるということはとても大事なこと。
たとえそれが仕事に直結しないとしても,趣味や特技を大切にしない手はありません。
仕事ができていない時間にも,趣味や特技があることは自分を元気づけてくれるはず。
そして仕事でストレスが溜まったときやスランプに陥ったときにも,自分を支えるちからになってくれるはず。
「仕事と関係ないし…」と自分のせっかく得意なことを軽んじたりしないで,大切に持ち続けてほしいな,と思います。
…なんだかまとまりがなかったかもしれないけれど,そんなふうに思いながら,そんなふうにお伝えしようと考えながら診療させていただいているところです。うまく私も思いをお伝えできていたらいいのだけど…!
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昨日に引き続き,高機能広汎性発達障害をもつ患者さんから聞かれる
4つのキーワードの話。
「就労できない/したい」
これもまた,とても難しいテーマです。
私が自閉症スペクトラム特性をもつ患者さんたちに就労に関してお伝えしたいメッセージをものすごく大雑把に表現するなら,
(1) 自閉症スペクトラム特性があっても,就労はきっとできる! 自分に向いている仕事はある!
(2) ただし,必ずしも自分のやりたいことや関心のある領域に関連した仕事ができるとは限らない。
(3) それでも仕事をして収入を得たり,社会に参加したり(=誰かの役に立ったり)することは大切。
(4) 仕事に生かせないとしても,自分の趣味や特技は自分の人生のなかの大きな強みになってくれる。
…こんな感じでしょうか。
我ながら大雑把すぎて申し訳ないのですが。
診断がついたばかりで今後自立できるかどうかに強い不安を抱いていらっしゃる患者さんにはぜひ(1)を強調してお伝えしたいところ。
これはご本人に対してはもちろんですが,親御さんにもしっかり聞いていただきたいことです。診断=障害だとか,診断=自立できないとかはどうか思わないで,将来に向けて
希望をもっていただきたいし,必要以上に悲観的になったり自棄を起こしたりはしないでいただきたくて。もちろん,それには診断した側,つまり私からのきちんとした説明が不可欠なのですよね…本当に責任重大な役割だと思って,特に最初の告知のときはいつも気を引き締めています。
自閉症スペクトラム特性をもつかたで(未診断のままの場合もありますが),ある程度就労もできているのに「これは本当にやりたいことではない」「自分には向いていない」「自分にはもっとうまくやれることがある」と不満を感じていらっしゃる場合には(2)をしっかりとお伝えしたいです。
好きなことや得意なことが仕事に活かせれば,それは幸せなことかもしれません。
もっと自分に向いている仕事がほかにあるかもしれません。
でも,必ずしも自分が好きなことや得意なことが仕事に結びつくとは限らないし,「もっと向いている仕事」とか「天職」とかを知る方法があるわけでもないですし,そんな「理想」や「最高のかたち」を追い求めても仕方がないと私は思うのです。ひょっとしたら,自分の好きなことを仕事にしてみても,実際には事業としてはうまくいかなかったりするかもしれませんよね。そんなことは誰にもわからないことです。
そんな危険な賭けのために今の仕事を投げ出すよりは,今できていることを大切にしていただきたいなぁ,とついと思ってしまいます。
それでも,どうしても自分の天職を追求してみたいということなら,今できている仕事で十分な蓄えを得てからでも遅くはないのではないでしょうか。
夢にはリスクが伴うものだということを意識して,堅実に人生を歩んでいただきたいと思っています。
…(3),(4)は後日に続きますね。
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高機能広汎性発達障害をもつ患者さんから聞かれる
4つのキーワードの話の続き。
「学校や職場でのいじめが外傷体験」
このテーマは本当によく出てきます。
そして,とても難しいテーマでもあります。
特に学校のこととなると,受診してくださった現在から考えてもう何年も前のできごとということになります。
どれだけ前のできごとであろうと,患者さんがいじめによって苦痛を受けていたことは事実。
客観的にどんなことが行われていたかはもう確かめようがないかもしれないけれど,患者さんが苦しんでおられたことには間違いないわけで。
なんにせよ,いじめを肯定する理由は何ひとつとしてありません。
たとえ,自閉症スペクトラムの特性によって当時の患者さんがまわりのこどもたちとうまくコミュニケーションがとれなかったり誤解を受けやすかったりしたということがあったとしても,それがいじめる理由になってはならない,と私は思います。
だから,患者さんは絶対に悪くない。
だけど,いじめる側にもひょっとしたら事情はあったのかもしれません。
いじめられていた患者さんの特性によることではなくて,いじめる側の要素…いじめていたこども自身が自尊心の低い状態だったとか,なにかストレスを抱えていてはけ口が必要だったとか。
でも,私の目の前の患者さんにとって,今そんなことは関係ないことかもしれません。
どんな事情があれ,他人が不快になったり苦痛を感じたりするようなことをしてはならないと思いますから。
じゃあ,過去に自分をいじめていたこどもたちが謝罪してくれたら問題は解決するのか,というとそれもまた違う気がします。
今さらどう謝られたって,いじめによる苦痛を受けた過去が消えるわけではないし。
同じ理由で,復讐として今から過去のいじめ加害者に報復しても仕方がないとも思うのです。
復讐したいくらい今も憎んでいる,ということもままありますが,お気持ちはとてもよくわかるけれどそれでは何も解決しないと私は思っています。
それに,報復してしまったことにご本人が罪悪感を感じたり,報復せずにいられなかった自分のことを嫌いになってしまったりするかも…という部分も心配です。
とにかく,
過去は変えられないのです。
こどばで説明するのはとても難しいのですが,少しでもはやく少しでも楽に「苦痛を超えて今に至った現在の自分」のところへ照準を合わせられるようにお手伝いさせていただきたいし,そしてそこから一歩一歩前に進んでいくためにはどうすればいいかを一緒に考えさせていただきたたいな…と思っています。。
診察室へ来ていただいてお会いすることのできた「私」の立場からの思いを,おひとりずつに丁寧にお伝えしていきたいな。
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