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「私たち、発達障害と生きてます」 好評発売中です♪ 発達障害をもつ当事者たちの貴重な体験談が満載!
私も読ませていただきました。
当事者のみなさんはきっと頷き,共感しながら読めて,たくさん勇気をもらえると思います。
支援者のみなさんにとっては,日々の支援活動に役立つ豊富な「活きたヒント」が見つかる1冊です。
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薬物療法,特に抗うつ薬の使い方に関して,私には苦手意識があります。
使い分けるのが下手なのです。
というより,はっきり言えば私が使う抗うつ薬は(よほど特別な事情があるときを除けば)ほぼ1つの製品のみに限定されています。
患者さんが成人でも,こどもでも。
もちろん,これまでほかの先生が主治医をしておられた患者さんを途中から担当させていただくときなどは,経過が順調であればそれをわざわざ自分好みのお薬に置換することまではしません。
でも,私が初診から担当させていただくうつ病・抑うつ状態のケースでは,まずはその私のお気に入りのお薬を処方して,経過をみながら増量します。
もちろん,抗うつ薬以外の薬を併用することはちょくちょくあるのですけど。
で,その抗うつ薬を極量まで増量していく過程で(たいていは極量までいかないうちに)自覚的にも他覚的にも効果が得られてしまうのです。
だから,ますますほかの抗うつ薬を使う機会がなく,ますます使い分けができなくなる…。
そして,抗うつ薬の多剤併用も試してみるチャンスがありません。
私がこの抗うつ薬1種類で間に合ってしまう理由として考えられるのは,おそらく (1) 極期の重症うつ病の患者さんとお会いする機会がほとんどないこと,(2) 患者さんひとりあたりの診療時間をわりとゆっくりとることができること の2点だと思います。
ものすごく重症のうつ病患者さんなら,さすがにこの抗うつ薬を極量使っても歯が立たないかもしれませんね…。
それから,うつ病は薬物療法だけ続けていればよくなるというわけではないと私は思っているので,抗うつ薬をお出ししながら心理的介入や環境調整,家族調整を試みるようにしています。 お薬の処方以外の介入は,少し診察に時間をかけないとできない部分。でも,その効果は抜群だし,その部分を省略してお薬だけを出す治療は自分には絶対できないと思っています。
なぜ,こんな記事を書いたのか。
じつは最近,ある精神医学の専門雑誌のなかで「たくさんの抗うつ薬それぞれに若干の特徴の違いがあることは事実だが,効果に大差のないことは海外の大規模調査でも明らか」「抗うつ薬の使い分けについて執拗に取り上げられているのは日本だけ」といった主旨の記述があったから。
なんだかすごくホッとしたのです。
これまでバカの一つ覚えみたいに同じお薬ばかり使っている自分にちょっとコンプレックスをもっていたのですが,それが決して間違いではないと言ってもらえたような気がして。
それから,患者さんたちにも知っておいていただきたいのです。
自分にピッタリの抗うつ薬にいつか巡り会えるんじゃないか,と青い鳥のように理想の抗うつ薬を追い求め続けている患者さんにときどきお会いすることがあります。
「僕の場合,SNRIが合ってると思うんですけど,トレドミン以外のSNRIを試してみたいんです」とか。
(少なくとも日本で売られているSNRIは現在トレドミンしかないのですけど…。)
「新しいSSRIのジェイゾロフトを使えば,私のうつは治るんじゃないかと思って。この病院でももう出せますか?」とか。
抗うつ薬の種類だけを変えただけでこれまでのうつがウソのように消えるなんてことはまずないんじゃないか,と私は思います。
お薬の種類をコロコロ変えて,その新しい作用への期待と副作用への不安があたまの中をぎっしり占めて,うつの治療にとって本当に大切なことがおろそかになってしまう…そんな治療はもったいない,と思えてなりません。
処方を含めた治療方針を医師に任せっぱなしで治療がまるっきり他力本願になってしまうのもあまりよいこととは思えないけれど,患者さんが最新のお薬のトピックスに振り回されてしまうのも治療的に有益とは思えないし。
気になることは必要に応じて主治医にいろいろ質問しながら,納得したうえでよい治療を受けていただけたらいいな,と思っています。