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「私たち、発達障害と生きてます」 好評発売中です♪ 発達障害をもつ当事者たちの貴重な体験談が満載!
私も読ませていただきました。
当事者のみなさんはきっと頷きながら共感しながら読めて,たくさん勇気をもらえると思います。
支援者のみなさんにとっては,日々の支援活動に役立つ豊富な「活きたヒント」が見つかる1冊です。
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久しぶりに
自閉症スペクトラムをもつ若い患者さんからの恋愛相談の話。
恋愛って始まりも終わりも当人たちの都合でなんとなくタイミングが決まるものだし,目に見えない複雑で濃密な対人関係のやりとりがあるし,そのなかでどちらがリードをとるかといったことにもルールがないし,自閉症スペクトラムをもつひとたちにはかなり大きなストレスになることだろうと思います。
かといって,恋愛したい気持ちは誰にも備わっているものだし,それを無理やり押さえ込むのも不自然な話。
基本的には,患者さんから恋愛相談を受けたら応援したいと思っている私ですが(もちろん,倫理に反することや,明らかに相手によからぬ意図を感じるときは除きます),自閉症スペクトラムをもつ患者さんの場合はお互いがこの恋を大事にしようと思っていても,それがストレスになって調子を崩すきっかけになったりすることもあるので特に注意しながら見守らせていただいています。
たとえば。
(もちろん
プライバシーポリシーに従ったストーリーです。)
「私のことが好きなら,毎朝7時にはメールで『おはよう,今日も愛してるよ』って言えるはず。絶対メール忘れないでね」といったルールを相手に強要する,自閉症スペクトラムをもつ彼女。相手は必死で早起きしてメールしてくれるようなのですが,どうしても朝起きられなかったり忙しかったりしてメールできない日もありますよね。相手からメールがあったかどうかをスケジュール帳に毎日記録してあって,「今月は3日も送ってくれない日があったんです…もう私たちダメなんでしょうか?」と悲しそうに報告してくれたりして。きっと彼,すごく頑張ってくれてるんだと思うけどなぁ…。
それから,ほんのちょっとでも彼女に対して気に入らないことがあると,話し合って解決しようとせず,理由も告げずに「もうキミとは続けられない」「キミのその態度は僕を愛していない証拠だ,もう別れよう」と別れの言葉を告げずにはいられない,自閉症スペクトラムをもつ彼氏。
自分だって本当はちっとも別れたいわけではないのですが,決定的に腹を立てているんだということを相手に伝えるためにどうしても別れの言葉を出してしまうよう。彼女もその繰り返しに疲弊してきたのか,今度は彼女のほうから「そんなに言うならもう別れましょう」と言い始めて,そこで彼はパニックになってしまった…あくまで彼の予想では,自分が「別れよう」と言うと彼女のほうが謝って関係修復してくれる,というパターンが続くはずだったので,想定外の反応には対応しきれなかったんですね。
お互いの「こだわり」が強くなり過ぎて,相手を束縛しすぎてしまったり自分自身を追い詰めてしまったりして,日常生活や社会生活にあまりにも大きな支障が出てしまっているときには,今ふたりのあいだで起きている難しさや生活への影響の大きさなどを具体的に取り上げながら,今のふたりの関係をもう一度考え直したほうがいいんじゃないのかな,別れることも考えたほうがいいのかもしれないね,などはっきりと言わせていただくようにしています。
付き合っている彼氏・彼女と別れることは定型発達のひとたちにとっても十分つらいことだけど,今までと違うことや変化を望まない自閉症スペクトラムの特性をもつひとたちにとってはこれまで交際を続けてきた相手と別れるという決断をすることは本当に難しいことだろうと思います。
でも,何ヵ月もかけて悩んで奮闘して,最後はきちんとその恋を終わらせることができて。しばらくは後悔したり悲しみに沈んだりするけれど,普段の生活のなかの新しい目標に気持ちを切り替えて少しずつ元気を取り戻していく…そんな彼らの姿を見ていると,本当に強いな,がんばって乗り越えてるんだな,ととても頼もしく思います。
患者さんのプライベートな部分にこちらから土足でずかずか踏み込むようなことはしたくないけれど,自閉症スペクトラムをもつ患者さんたちとの診察では恋愛も含めてプライベートなことも診察で細かく話題にのぼりやすいところがあったりします。
患者さんの悩みをお聞きしても精神科医である私が代わりに解決することなんてできなくて,実際に解決していくのは患者さん自身。それは自閉症スペクトラムの患者さんがプライベートな悩みを相談してくださったときもまったく同じことです。
特に最近は自閉症スペクトラムをもつ患者さんから,診断や患者さん本人の個性をわかっている支援者のひとりとして悩みを打ち明けていただく機会が多くなってきているように思いますが,必要なときに必要だと思う相談をしてみよう! と患者さんから気軽に思っていただけるような,オープンな関係はいつでも築いておきたいな,と思っています。