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2009.01.31 23:59 |  診療  |  精神科一般  |  デイケア  |  NINA  | 推薦数 : 1

次のステップへ。

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「私たち、発達障害と生きてます」
好評発売中です♪ 発達障害をもつ当事者たちの貴重な体験談が満載!
私も読ませていただきました。
当事者のみなさんはきっと頷き,共感しながら読めて,たくさん勇気をもらえると思います。
支援者のみなさんにとっては,日々の支援活動に役立つ豊富な「活きたヒント」が見つかる1冊です。

このblogと連動するサイト児童精神科医NINAの診察室,少しずつ更新中です。
過去記事をテーマ別に振り分けて読みやすくまとめてありますので,
(といっても,未振り分け記事が2週間分くらいたまってます…すみません!)
最近こちらに来ていただいた方も過去記事はサイトの方から読み返していただくと便利です♪

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いま病院で一緒にはたらいているスタッフのなかには,非常勤採用のひとたちがいます。

私が勤める病院が非常勤スタッフを採用するときには「即戦力」という条件がつくので,新卒者などのフレッシュマンが非常勤として採用されることはありません。

仕事の経験は豊富だけどこどもに手が掛かる時期だったり介護が大変だったりとワークライフバランスを大切にしているスタッフもいれば,今は比較的若手でこの非常勤職でキャリアを積みながら次のステップを目指しているスタッフもいるという感じで,非常勤職を選んだ理由はそれぞれのよう。

今の病院のスタッフは,常勤も非常勤も関係なく,みんな元気があって,明るい雰囲気のなかでもきちんと仕事に取り組む姿勢もあって,本当に一緒にお仕事させていただくのが心地よいメンバーばかり。ずっとこのままの仲間で仕事ができたらいいなぁ,とも思うほど。

だから,非常勤スタッフが「次のステップ」に向けて具体的に動き始めたという話を聞くと,じつはすごく残念な気持ちが…。

でも,やっぱり「次のステップ」にいいかたちで進んでいってほしいな,と願わずにはいられなくて。

一緒に働けなくなることを考えるととても悲しいけど,今お仕事していて人柄も仕事ぶりも本当に信頼できる,そんな仲間が自分の夢をかなえる方向へ一歩進めるのだとしたら,それはぜひ応援したいと思うのです。

働く場所は別々になってもまた何かの機会に連携し合うことだってあるかもしれないし,むしろそんなことができる日が来たらすごく嬉しいかも♪

ちょっぴりアンビバレントな思いをもちつつ,そっとエールを送らせていただこうと思います。


なかのひと

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2009.01.30 23:59 |  診療  |  こどもの精神科  |  発達障害  |  NINA  | 推薦数 : 1

ふたつの視点。

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きわめて個人的なことですが,勝手にあこがれて,勝手に尊敬している児童精神科医の先生とほんの少しやりとりをさせていただく機会に恵まれました。

本当に,言葉のひとつひとつから先生の誠実で謙虚なお人柄がにじみ出ていて,ますます「将来はこの先生のようになりたい!」という思いを強くさせてくれました。

先生から間近に教えを請うことができたらどんなにいいだろう!


…それはまずかなわないであろう夢なのですが,代わりに先生から掛けていただいた言葉を大切にしながら,日々の臨床経験を積んでいこうと思います。


「鳥の目と蟻の目をもって」


つまり,大空を舞う鳥のように全体を俯瞰しながら,地を這う小さな蟻のように足元の細かい事柄に気を払う,その両方の視点をもつことが大切,と教えてくださったのです。


「鳥の目」って,面接場面でのメタポジションに似たイメージ。
そして「蟻の目」って,コミュニケーションのごくごく小さなユニット,たとえばAさんのことばにBさんがある意味づけをして,その意味づけられたメッセージにBさんが反応して…という細かいやりとりのパターンをじっくり観察する視点と似ているかもしれません。

診療にあたりながら,両方の視点をもっておいて,いつでも両方の見方ができるように,これからがんばっていこう! と思いました。


なかのひと

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2009.01.29 23:59 |  診療  |  こどもの精神科  |  発達障害  |  NINA  | 推薦数 : 1

届けたいのは,子育ての知恵。

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昨日の記事で,私の住む地域では都市部以外で得られる発達障害に対する支援がまだまだ少ないという話を書きました。

いや,都市部だってまだまだ不充分ではあるのですが。

こういう状況のなかで私にできることをしていこう! と思うわけですが,通院することのできる患者さんやご家族をただただ自分の診察室の中で待っていてお会いするだけでいいんだろうか,それ以外にできることはないんだろうか,なんて考えてみたりしています。

いくら「郊外の発達障害支援を充実させたい!」と思ってみても,郊外エリアまで私ひとりが何度もひょこひょこ出掛けていくというのは明らかに非現実的。果たしてそれでどれほどお役に立てるのか疑問だし,再々郊外へ出掛けるとして,じゃあ今ある病院での診療業務などはどうするのかという問題もあるし…。


解決方法として,たとえば地域の保健師さんに発達障害支援のエキスパートになっていただいて,発達障害をもつ本人やご家族が困ったときにサポートできる体制を作っていただくとか。保健師さんに専門的な知識をお伝えすることで,保健師さんがが療育そのものや必要時の向精神薬処方を行うことは無理であっても,発達障害に関する専門的な知識を持っていただいて,発達障害の特性に沿ったかたちで本人やご家族の相談に乗っていただく,ということはできるかもしれません。

それから,直接ご家族に対して「家庭でできる発達障害支援」の方法をお伝えするというやりかた。

生育歴や認知・知能検査などを実施して診断がついたケースや,あるいは一度でも受診はしていただけたけどその後の通院は困難という場合には,直接ご家族にご説明しながら家庭でできる支援方法の資料を手渡すこともできるし,あるいは一度も受診しなくても資料だけをネットなどでどこからでもダウンロードできるようにするという方法も可能かもしれません。ネットでダウンロードとなると(1回のみ受診でもそうですが),当事者の方の診断をどう考えるのかという問題も発生するけれど,たとえば発達障害についても簡潔にサイト上で説明しておいて,「うちの子,グレーゾーンには入るかも…」と思われたら資料をダウンロードしていただくということも可能かな。

厳密なことをいえば,ネットのみで配布となると責任の所在が難しいですよね…少なくとも私が匿名で(「児童精神科医NINA」という,どこの馬の骨ともわからない肩書きのみで)そんな資料をネット配信するのは怪しすぎる(笑)。ネットの曖昧な感じを排除するなら,きちんとしたかたちで書籍にまとめるというやりかたもあるかもしれません。

現実的にはたくさん解決すべき問題がありそうですが,でも相談機関などの外部機関のサポートを頼らない,どこの家庭でもできるような支援の方法がもっともっと重要視されたら,支援機関の整備不足の問題は解消できるのかな,とふと思ったのでした。
だって,旧・古川市子育て支援センター(市町村合併で今は大崎市になったようですね)の武川裕子氏も「発達障害児の療育に一番必要なことは,普通の子育ての知恵を,手を変え,品を変えて使っていくことだ」とおっしゃったそうですし(これは先日ご紹介した本からの受売りです)。私自身もこの考え方には大いに共感しています。
もちろん,一見簡単そうに思えて,この「手を変え,品を変え」の部分でいかにその子の特性にあった工夫をするか,普通の子育ての知恵を発達障害をもつこどもたちにも伝わりやすいかたちに変えていくかかというところが最も難しい部分なわけですが…。

…あ,発達障害をもつこどもたちに対する「子育ての知恵」をわかりやすくまとめた資料を地域の保健師さん経由で必要なご家庭に届くようにして,細かいフォローも保健師さんにお願いする,なんて方法もアリですよね。

どんどん連想は膨らみますが,今日はこのあたりで。

思春期以降の支援についてはまた別枠で考えてみたいと思います。


なかのひと

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2009.01.28 23:47 |  診療  |  こどもの精神科  |  発達障害  |  NINA  | 推薦数 : 1

格差を感じる…。

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最近,患者さんや親御さんとお話をしていてしばしば感じること。

地域格差。
それもわれらが県内の発達障害支援に関して。

つい先日,地域の総合病院精神科が次々閉鎖されるという記事を書いたばかりだけど,そもそも発達障害への支援のほうが一般の精神医療サービスよりもずっと整備が遅れているんだし,悲しいけれど都市部と郊外には格差があって当然といえば当然。

むしろ,ようやく都市部から少しずつ発達障害支援のためのサービスが提供され始めた,という段階なんですよね。

お母さんもお父さんもこどもさんの発達の偏りについて理解もされていて,必要な療育やデイケアを利用したいと思っておられて。
でも1時間に1本あるかないかの公共交通機関を乗り継いで片道2時間以上かけて通うようなところでしかそんなサービスは受けられなくて。
本人が自力で通うのは無理そう,ご両親が送迎しようにもほとんどの支援サービスは今のところ公立機関で実施されているので平日しか提供されていない,となると共働きのご両親では送り迎えに付き添うことは無理…。

もちろん,我が子の療育のためなら何をおいても親が送迎するべき,というご意見もあるかもしれません…でも,それぞれのご家庭の事情を伺っていると,私には誰がどうすべきだなんてことはとても言えなくて。親御さんは生活を支えるために一生懸命だし,それと同じくらいこどもさんのことも本気で心配しておられて,だからこそいっぱいいっぱいの状況のなかで仕事の休みをその都度とって私の診察室へ通ってくださっているわけで。

そんな親御さんのことをしっかりねぎらいたいし,私にできるのはほんのちょっとのことかもしれないけれどできる範囲のことを精いっぱい提供したいな,と思いながらお会いしています。

もっともっと,発達障害への支援サービスがどの地域でもあたりまえのものとして提供されるような世の中になることを願いながら,私のできること,やるべきことを毎日きちんと行っていこうと思います。


なかのひと

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2009.01.27 23:59 |  診療  |  こどもの精神科  |  精神科一般  |  NINA  | 推薦数 : 1

安全ネットで受け止めて。

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先日,ふとしたことから私が以前担当していた患者さんのその後を知ることができました。

以前勤めていた職場で診させていただいていた,こどもの患者さん。

治療途中で通院が途絶えたまま私が転勤してしまったので,新しい勤務先もお伝えできないままになってしまって気になっていた方だったので,今きちんと地域の児童精神科の先生のところへ通っておられることがわかって,その先生のもとでの治療経過などもお聞きできたので,すごくホッとしました。

これも,ずっと同じ地域で診療しているからこそわかることなのですよね。


今回のように私が最後まで診ることのできなかった患者さんを助けていただいているケースはきっといくつもあるんだろうな。

もちろん,私自身も「以前○○病院に通っていたことがあります」と打ち明けてくださるこどもさんや親御さんの治療をお受けすることもあるんですけど。


地域でこどもを診る精神科医の数が限られているし,どこかの機関からドロップアウトしたとしても,次につながる先生はきっとお互いに知っている先生。
地域の児童精神科医みんなでカバーし合って,地域のこどもたちを支えていく…そんなふうに手を取り合えたらいいなぁ,と思います。

私が他の先生方に助けていただくことがいちばん多くなってしまいそうですが…ご迷惑をお掛けしないように腕を上げなくてはいけませんね!


なかのひと

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2009.01.26 23:59 |  診療  |  こどもの精神科  |  発達障害  |  NINA  | 推薦数 : 1

あこがれの先生のお話。

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この頃,施設見学をさせていただいたり研修会に参加したり,自分の見聞を広める機会がとても多い日々です。

とっても嬉しいことだし,ありがたいこと。

先日も,本当にステキな児童精神科医の大先輩のお話をお聞きするチャンスがありました。

これまで目にした先生の著書や論文の文章はこどもたちや親御さんへの思いやりや優しさがにじみ出ていて,読んでいる私までなごまされ癒されるような気持ちになるほどだったのですが,実際に直接お話を伺うと本当に細やかな配慮がたくさん感じられて,でもざっくばらんで気さくな先生のお人柄も伝わってきて,ますますファンになってしまいました。

先生のお話にはいろいろ考えさせられることがあったのですが,強く印象に残ったことは
  • こどもを褒めることの大切さ
  • 発達障害をもつこどももその親も支援者も,みんな困っていて,みんな孤独
といったことでしょうか。でも,ほかにも心に残っていることは本当にたくさん。

いつか,先生のような患者さんや親御さんの心をあたたかくするような診療ができるようになりたいな。

もっともっと貪欲にいろんなことを吸収していきたいなぁ,と改めて思いました。


なかのひと

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2009.01.25 23:59 |  診療  |  こどもの精神科  |  発達障害  |  NINA  | 推薦数 : 1

手記の重み。

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昨日はm3のメンテナンスでblog更新を諦めて寝てしまいました…たまには休憩しないとね♪


診療とは直接関係ないのですが,最近患者さん(こどもさん)のお母さんから,それぞれが通っておられる療育機関で作られた文集を見せていただく機会が立て続けにありました。

お母さんたちもご自分の手記をそこに載せておられて,「私が書いたところを読んでいただこうと思って」と見せてくださったのでした。


そんなふうに言ってくださること,本当に嬉しく思います。

私が診察室でこどもさん・お母さんと私が出会う前のこと,その子を身ごもったときや生まれた瞬間のことなど,こどもさんのこれまでの人生まるごとを振り返りながら,お母さんがその過程で感じたこと,迷ったこと,決めてきたことなどがずっと綴られている手記。

こうして診察室でお会いできるまでにも,本当に大変なことがたくさんあったんだな,ひとつひとつ悩みながら乗り越えてこられたんだな…。

診察の限られた時間だけでは絶対にわからないままになっていたであろうたくさんのエピソードやそれに対する親御さんの思いを知り,そしてそのこどもさんが自分自身のペースでこれまでちゃんと成長発達できていることも読み取ることができました。
今までのできごとやこどもさんの育ちっぷりを私にも教えていていただけたことはもちろん今後の診療にも生かせるし,過去のことも含めてお母さんへのねぎらいの言葉もますます掛けたくなってくる…。

この手記の続きにあたるこどもさんのこれからの人生に少し関われるご縁をいただいた私。
せっかく教えていただいたこどもさんの「これまで」をしっかり胸に刻んで,こどもさんの「これから」のために「今」を大切にしながら関わらせていただきたいな,と思います。



なかのひと

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2009.01.23 23:59 |  診療  |  こどもの精神科  |  精神科一般  |  NINA  | 推薦数 : 1

出会いに期待。

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今週は平日に研修に参加したり,イレギュラーなこともいろいろありましたが,なんとか穏やかに過ごすことができました。

来週も平日に出張して研修に参加する予定があったり,自分が講師として研修を行う立場にもなったり,ちょっとバタバタしそう。

でも,診察室を飛び出して研修に出掛けると,たくさんの出会いがあるのでとっても楽しみ♪

この地域で児童精神科医としてお仕事していくうえで,地域のなかでのネットワークづくりは欠かせないことだと思うので,貴重な出会いの機会はやっぱり大切にしたいし。

楽しんで出掛けてこようと思います♪


なかのひと

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2009.01.22 23:58 |  診療  |  こどもの精神科  |  精神科一般  |  NINA  | 推薦数 : 1

医療崩壊の足音?

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ぼちぼちお正月ムードも抜けきったこの時期,来年度の人事のウワサもちらほら聞かれるようになってきました。

早々と聞こえてくるのは,やはり異動よりも撤退の話。

私が住む地域でも,総合病院の精神科が今年度末で少なくとも3つは閉鎖されるよう。

本当に,ごくごく身近なところで医療崩壊の足音が聞こえている…何とも言えない危機感を覚えます。

スーパーローテーション導入の影響は多少あったかもしれないけど入局者がそれほど減っているわけでもないし,やっぱり開業による医師の医局離れが人手不足に拍車をかけているのかな,と思ったり。

もちろん,私自身もいずれは開業しようと考えているのですが,まだ今の自分の実力では開業する勇気はもてません。もっといろんな経験を積みたいし,まだまだ上級医から教えていただきたいし,それにネットワークも広げておきたいし。

今の自分の目標をまっすぐ目指していると,総合病院精神科の人手不足に貢献することはもうないのかもしれませんが(総合病院での勤務,意外と好きだったんですけどね…もしも総合病院内に児童精神科が新設されたら真っ先に希望するかも!),今後の地域での精神科医療のうごきにはしっかり目を向けながら,自分がこの地域でどんな貢献ができるのかを考えていこうと思います。


なかのひと

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2009.01.21 23:59 |  診療  |  発達障害  |  デイケア  |  NINA  | 推薦数 : 0

選んでいいんだよ!

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久しぶりにデイケアの話。

数年にわたるひきこもり経験のある,アスペルガー症候群をもつ女の子が私たちの病院のデイケアに通うようになって約2年。
なかまたちのなかで積極的に振る舞えるようになってきたし,場面によってはまとめ役・リーダー役を果たしてくれたりもするし,とてもうまく適応できてきたんだなぁ,と思って見ていました。

そんな経過だったので,診察の時に「デイケア期間が終了したときどんなふうになっていたいと思う?」「就労のイメージ,描き始めてる?」といった質問をしてみたのですが,彼女の口から意外な言葉が…。

「今までの自分の人生,私自身が決断をして選んできたものは何もなかった。私には自分の将来を決める権利はないと思っている。誰かが決めてくれたらそのとおりにするつもりだし,自分で選ぶなんて考えはないから聞かれても困る」と。

どうやらデイケアへ登録したのも「主治医や両親が勧めるから従っただけ」のようで,ここでそつなくこなしていれば誰かが次の道筋を決めてくれると考えていたみたい。


この日は,今後のことは後日改めてゆっくり話す約束して診察を終えましたが,私の中にはもやもやとした何かがつっかえているような感覚が残りました。


こどもが成長する過程で,小さいときにはまだこども自身の考える力が未成熟だから,親などの周囲のおとながこどものことを思って道筋などを選んであげるのはごく自然なこと。だけど,思春期を迎える頃からこども自身の意思も少しずつしっかりしてきて,親の目から見たベストな選択とこども自身の目から見たベストな選択が食い違ってきたり,親の勧めに反抗してこどもが自己主張してみたりといったことも起きてくるもの。

きっと彼女は,親に反抗したり自己主張してみたりする時期を経験しないままひきこもりに突入して,今を迎えているのだと思います。だから,彼女のなかでは「自分で選ばない」人生があたりまえなんですよね,きっと。

自分の将来は,自分が選んでいいものだし,誰もあなたの代わりに決められないんだよ。
好きなことをしていいけれど,仕事をして収入を得る,というのが自立へのステップになると思うよ。
自分の得意なことが活かせて,自分の苦手なことに悩まされなくてすむような仕事を選べたらいいね。

そういう,あたりまえだけどすごく大切なことを今から改めてきちんと彼女に伝えてあげなくちゃ。

もっとはやく伝えてあげられていればよかったな,という後悔もあるけれど,悔やんでも仕方がない。彼女の気持ちがわかったこれからが支援の再スタートだと思って,主治医の先生とも連携を取りながらサポートしていきたいと思います!



なかのひと

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