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児童精神科医NINAの診察室,少しずつ更新中です。
新コーナー「児童精神科医になるには」を公開しました。
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診察室に来てくださった患者さん本人とそのご家族,たとえその場に同席していてもそれぞれが診療に対して求めているものが違う…,そんなことはよくあること。
なので,「ご本人と,心配して一緒に来てくださったお母さん,それぞれ思ってらっしゃることが違って当たり前だと思いますが…」と前置きしてから,いちばんの心配事だったり診療に期待することだったりをそれぞれからお聞きするように意識しています。
でも,これがなかなかうまくいかないのが発達障害,とくに自閉症スペクトラムをもつ患者さんの場合。
本人は積極的にコミュニケーションを取らないことが多いので,お母さんやご家族が本人の思いを代弁して語ろうとしてくださって。
お母さんにとっては,お母さんが本人に代わって話をすることはもうあたりまえのことになっていて,話を伺う私のほうもついあたりまえのようにお母さんの言葉を本人の言葉のように思ってお聞きしてしまうのですが,…
患者さん本人はひそかに「それは違うのに」と思っていらっしゃることもあったりして。
たとえば,お母さんはちょっとしたことでイライラする本人を薬物療法で落ち着かせたい,と思っている。
でも本人は,イライラしやすいことに困ってはいるけど,薬に頼りたくないと思っている。
こんなとき,お母さんのお話イコール本人の希望だと思ってしまうと,本人が飲みたいと思ってない薬を処方してしまうことになる…それで治療がうまく進むわけがありません。
お母さんの心配事もきちんと拾い上げたい,でも本人の本当の思いをちゃんと知らないまま適当に診療を勧めていくのはとても不本意。
初診の場面で,本人の気持ちを語ってもらうことはなかなか難しいこともあると思うのですが,少なくとも「診察に対するあなた自身の希望はお母さんの希望とは違うかもしれない,そして私はあなた自身の希望も知りたいと思っている」というメッセージは伝えられるよう,工夫をしていきたいな,と思います。