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2008.07.14 21:57 |  診療  |  発達障害  |  NINA  | 推薦数 : 0

広汎性発達障害について考えてみる。

おとなの精神科臨床をしていると、
「こどものときから適切な対応ができていたら、今の状況は違ってただろうな…」
と思える患者さんに出会うことがよくあります。

その多くは広汎性発達障害に二次障害として精神症状を併発している患者さん。

今でこそブームのように広汎性発達障害やアスペルガー症候群に注目が集まっているけれど、ブーム到来前にこども時代を通り抜けてきた患者さんたちのなかにはやっぱり適切な支援が得られず、うまく社会に適応できずに育ってきた広汎性発達障害をもつおとなの患者さんが本当にたくさんいらっしゃいます。

それも、驚くほどたくさん。

理由もわからないまま、どうしても職場に馴染めなかったり仕事が続かなかったりしてそんな苦しい状況から気分が落ち込んだり、人ごみが怖くなったり、強迫的になったり。
そうなってから初めて精神科・神経科の門を叩いてみると、主治医の先生はうつ病とか不安障害とか強迫性障害とかの診断をつけて、薬物療法や精神療法を始める。…

その診断自体は、決して間違っていないのです。

でも、背景にある発達障害の部分は見過ごされていることが今はとても多いんじゃないのかな。


二次障害の精神症状を主訴に精神科を受診した患者さんから、背景の広汎性発達障害を見つけ出すことは、広汎性発達障害の特徴を意識して診察したり生育歴を聴取したりすれば比較的簡単なこと。

でも、見つけるだけじゃ意味がないと思うのです。

どうすればこれからの人生をもう少しうまく、もう少し楽に過ごしていけるか。
そこを支援できるようにならなければいけない、と私は考えています。

二次障害だけを軽減させても、広汎性発達障害を見つけ出して告知してみるだけでも、患者さんの根本的な部分にはしんどさが残ったままになるはず。

おとなになってからの広汎性発達障害の「育ち」を支援する方法を見つけるか、こどものうちに発達障害をもつひとたちの育ちを適切に支援できる人材を増やすか。

そう考えると、児童精神科医はますますたくさん必要なんじゃないかな、と思えます。
いずれは、もっともっときちんとこどもを診ることができるようになりたいな。
そして今は、おとなの精神科臨床をしながら、おとなの広汎性発達障害への関わりかたもいろいろと模索してみたいと考えています。

毎日が貴重な経験です。

 

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