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2010.08.23 16:12 |  診療  |  研究  |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  office  | 推薦数 : 0

子どもの心に寄り添って(17)

子どもの心に寄り添って(17)

ある中学三年生からの相談です。

 「親は、せめて高校を出ないと就職できないから生きていけないと言います。僕も高校ぐらい卒業しておかないと、誰も雇ってくれないだろうと思います。しかし高校進学のことを考えただけで、頭が痛くなり、気持ちが悪くなります。

 僕はいつもびくびくしていて、人の目が怖くなってしまって、怒られたり否定されることが怖いです。自分の意見を担任や親に言えません。それでも、高校が気になります。将来が気になります。気にするとますます気分が落ち込みます。どうしてだが分からないのですが、かえって体調不良があると心が安らぎます。

 僕が体調が悪いと訴えても誰も信じてくれないので、黙って耐え続けて学校に行き続けました。けれどゴールデンウィークを契機に、学校に行こうとしても、学校に向かって体が全く動かなくなりました。学校などどうでも良い、高校などどうでも良い、このまま死んでしまいたくなりました。」

 私が子どもの頃、中学卒で就職する子どもは金の卵だと言われました。現在でも中学卒業で就職ができないわけでもないです。現実に多くの企業が海外に出て行ってしまい、中卒の子どもが就職できるような企業は限られていることも事実です。多くの企業ではより能力の高い人をという意味で、高校卒業の資格を要求するようです。このような事実を子どもはよく知っています。子どもの方でも高校に行かなくてはという思いがとても強いです。これは子どもが持っている知識です。言葉にできます。

 子どもの潜在意識にある情動は学校を拒否しています。学校で辛い経験を何度かした結果、学校を拒否する反応を起こすようになっています。この学校を拒否する反応は潜在意識ですから、子どもは言葉で表すことができないし、なぜ学校を拒否するのか子どもも分かりません。学校を考えただけで、進学を考えただけで、理由もなく頭が痛くなり、気持ちが悪くなり、学校に向かえなくなります。

 知識では学校に行かなければならない、しかし情動が反応して、辛い症状が出て、体が学校に動かない。その状態を葛藤といいます。葛藤状態は情動に辛さの反応を表現しますから、子どもはよりいっそう辛さを表現するようになります。自分を取り巻くもの、自分を否定するものに、ますます過敏に過剰に反応してしまいます。辛さに耐えかねると死にたい想いになります。

 この悪循環が生じる辛さを解消するには、病気として理解するのが便利です。病気だといろいろな症状を出していても、病気が原因でいろいろな辛い症状を出していると、周囲の人に理解され、それ以上責められることが無くなります。実際に学校に行く必要もなくなります。その分、心が楽になり辛い症状が軽くなります。

 病気と理解したとき、重大な問題点があります。子どもの学校に行かなければならないという想いはつきまといますから、完全に辛い症状は取れません。病気として薬を飲まなくてはなりません。薬は症状を軽くしますが、学校に対して辛い反応する情動を解消しません。学校に反応しなくなりそうで、一向に辛さが解消しません。

 それだけでなく、学校に反応して辛くなっている事実を忘れて、薬を飲めば病気が治ると考えるようになってしまいます。それは学校に反応して辛くなっているという事実を忘れてしまい、一生病気として薬を飲み続けることになります。元気な大人として社会に出る機会を失ってしまいます。


不登校の子どもの心の理解に
つらい子どもの心の本 白日社 1050円

子どもの心の理解に
頭が良い子に育つ   風詠社 1000円

読んで下さい。

赤沼

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2010.08.16 15:02 |  診療  |  研究  |  生活 / くらし  |  趣味  |  その他(一般)  |  office  | 推薦数 : 0

子どもの心に寄り添って(16)

子どもの心に寄り添って(16)

 僕は中学三年生でした。校則が厳しく、成績がよい生徒がひいきをされて、授業に不満をい感じていました。それでも休み時間や放課後、友達と遊ぶのが楽しかったので、学校にきちんと行っていました。だから質問をされれば、学校は楽しいと言っていました。

 夏休みが近づくと、だんだん友達と遊ぶのがつまらなくなりました。友達が内申点を気にしだして、塾などに忙しくなったからです。なぜか分からないのですが、僕は学校で息苦しくなって、それから気持ちが悪くなって、吐き気がして、最終的に頭痛になります。これは本当なのですが誰一人として信じてくれません。担任は頭痛ぐらいで学校を休むのは甘えだと言いました。気の持ちようだから、気合いを入れろと言いました。

 僕は学校へ行こうとすると、辛さがどんどん強くなって、耐えられなくなって、学校に行けなくなりました。でも担任や親は、昼間寝て、夜起きて、テレビや漫画やビデオばかりを見ている僕に対して、「怠けているだけだ。今から甘えていると大人になって社会で働けない。」と考えているようです。

 この少年は既に中学で学校に行けない心の状態でした。学校を少年が辛くなる条件刺激として学習してしまっていました。しかし学校での辛さを打ち消す楽しさが学校に存在している間は、学校に行きました。この状態を先生や親たちは、少年が元気で学校に通っていると理解していたのです。

 学校での楽しさが無くなり、この少年が学校に行けなくなったときに、先生や親たちは、少年が学校に行けなくなった原因を探し求めました。けれど原因が見つからないのです。原因が見つからなければ、学校に行かない少年に原因を求めて、少年が学校に行かないのは、怠けていると判断してしまっています。

 この少年もなぜ自分が学校で辛くなったのか理解できませんでした。この少年にはっきりと理解できることは、少年が学校に行ってみると体に辛さを生じて、耐えられなくなるという事実でした。親や先生はこの事実を信じようとしなかったのです。親や先生は、学校が子どもを苦しくするはずがない。だから学校で子どもが苦しくなるはずがないと信じているのです。

 不登校とは子どもは理由がなく学校に行こうとしないのではなくて、行こうとしても辛くなって行けないから、学校に行こうとしないという事実を、多くの人に知ってもらいたいと願っています。

つらい子どもの心の本 白日社 1050円

頭が良い子に育つ   風詠社 1000円
(この本は既に、今までの子育ての問題点を改善する本として注目され始めています。)

を読まれて、お子さんの心を理解してあげて下さい。

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2010.08.05 19:38 |  診療  |  研究  |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  office  | 推薦数 : 0

子どもの心に寄り添って(15)

子どもの心に寄り添って(15)

 子どもの閉鎖病棟で、心に傷を抱えた子どもが、いろいろな精神症状を出しています。傷を癒したくて、辛さから逃げ出したくて、その子どもなりの方法を試みています。それは他の子どもから盗みをし、他の子どもと喧嘩し合い、閉鎖病棟から脱出しようとしました。閉鎖病棟が子どもの心の傷を癒せるところになっていないばかりでなく、痛みを繰り返させるところになっていました。いまでも何かにつけて思い出し、思い出すと辛くなり、一向に楽になりません。

 統合失調症として子どもだけの閉鎖病棟に収用された子どもの話です。この子どもは精神症状を出していて、医者より統合失調症と診断されたけれど、自分は統合失調症ではなくて、心の傷が疼いていたと気づいていました。同じ閉鎖病棟に入院させられている子ども達も統合失調症ではなくて、心の傷の疼きで苦しんでいる子ども達だと気づいていました。

 閉鎖病棟の中で子ども達は苦しみ、その苦しみから逃れるために、問題行動をしてしまい、その問題行動が他の子ども達を苦しめ、自分もまた余計に苦しむ場所になっていて、子ども達の辛さを癒す場所になっていませんでした。病院はその事実を押し隠して、子ども達のために変わろうとしていなかったのでしょう。

 本来なら子どもを守り救う病院が、かえって子どもの心の傷を広げ深めていました。この子どもはそのときの辛さが何かにつけて思い出し、今もこの子どもを苦しめ続けている事実を訴えています。

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