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子どもの心に寄り沿って(5)
不登校の子どもを育てた経験のある親が、子どもから学んだこととして、「大人達が子どもの心の声を丁寧に聞き、子どもに寄り添う必要がある」と言いました。子どものあるがままの姿を認めた発言です。言葉では確かに子どものあるがままを認めようとしていますが、実際にどうしたらよいのかよく分かりません。子どもの心の声とは具体的に何を指しているのでしょうか?子どもが発した言葉なら、子どもの知識を表現した場合と、自分の姿や感情を認識して、その説明をしている場合があります。
子どもの知識を表現した言葉なら、それは大人から与えられた知識ですから、子どもの本心を表現していません。大人の思いと同じですから、大人にはわかりやすいですから、子どもは良く分かってくれていると判断してしまいます。しかしその言葉に沿って対応をしたときにはますます子どもが苦しくなってしまいます。
子どもが自分の姿や感情を認識してその説明をしている場合には、かなり子どもの本心を表現しています。しかし子どもの本心は潜在意識にあるので、子ども自身も自分の本心がわかりません。また、子どもの認識の仕方も、大人から与えられた知識を利用している場合が多いですから、子どもの本心と異なっている場合が多いです。素直に自分を認識して表現している場合は少ないです。たまたま子どもが素直に自分の本心を認識して表現している場合、その言葉に沿った対応を大人がすることで、子どもが元気になる場合があります。
このように大人が子どもの心の声を丁寧に聞いたつもりであっても、実際の子どもの言葉は子どもの本心を表現していない場合が多いです。子どもの言葉を子どもの心の声と考えて対応をすると、ますます子どもを苦しめてしまう場合が多いです。子どもの方では子どもの言葉を信じて大人に寄り添われても、その大人を拒否せざるを得なくなります。