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不登校の理由は本人も「よく分からない」
不登校(登校拒否)の原因として文部科学省は以下のようなものを上げています。
A.学生生活に起因する原因として、生徒や教師との人間関係といじめ
B.遊び、非行型の親の養育態度による原因として、親自身の教育観が問題。親が子どもを学校に行かせることをあきらめてしまっている。家庭が崩壊状態であり,子どもの面倒を見ない。悪い友人と他罰的な親が多い。
C.無気力型の登校拒否の父母による原因として、父母が自覚に乏しく祖父母任せである。保護者の接し方に工夫が欠ける。
D.情緒混乱型による原因として、父親は接触が少ない。母親は過干渉
E.その他の原因として、意図的拒否など
F.複合型とは、前記の原因が複合的に関与している
G.その他としては原因が全く分からない
多くの大人や教師はこれらの問題点を解決して子どもが学校に行けるようにしようと考えています。「家庭訪問を行い,学業や生活面での相談に乗るなど様々な指導・援助を行った」,「登校を促すため,電話をかけたり迎えに行くなどした」などで1/4以上の不登校の子どもが学校に行けるようになったと報告されています。しかし実際にはこれらの問題点を解決しても、不登校問題を解決できない子どもが多いし、学校に行けるようになった子どもも又その後から不登校になって全く学校に行けなくなっています。
これらの原因は不登校の子どもの例を寄せ集めて、その原因と思われるものを拾い出しただけです。原因と思われたものが原因でなかったのです。どうして原因でなかったかというと、不登校の子どもは不登校になる前に、他の理由で学校に行きづらくなっています。心の中は既に不登校状態になっていても、子どもは無理をして学校に行き続けていますから、周囲の人からは不登校状態だと判断されません。この状態を登校拒否と表現できると思います。
不登校の子どもは心が不登校状態でも、無理をして学校に行き続けていましたが、何かあるきっかけを契機に学校に全く行けなくなる、周囲の人が不登校と気づくようになります。文部科学省のいっている原因は、教師や多くの大人が考えている不登校の原因は、この心が既に不登校状態の子どもが学校の辛さに耐えきれなくなって、実際に学校に行かなくなるときのきっかけの場合のようです。
不登校の原因を知るには、不登校の子どもが学校に行こうとしないときの姿を素直に観察すると分かります。不登校の子どもに学校や学校に関するものを見せたり意識させたりすると、子どもは瞬間的に表情が変わりいろいろな症状を出してきます。まさに瞬間的ですから、その時子どもがいろいろと考えて反応しているのではないことが分かります。
無意識に反応しています。反射的に反応していろいろな症状を出していることが分かります。この刺激に反射的に反応していろいろな症状を出すことを情動と言います。不登校とは学校や学校に関するもので生じる情動反応です。学校に対する一種の感情です。不登校の子どもは学校や学校に関するもので辛くなるという感情を植え付けられたのです。
情動は脳科学的に詳しく研究されています。それによると、情動はほぼ3,4歳ぐらいまでの間に完成して大人と同じように機能をしています。情動が完成してからの情動学習は条件反射という形でなされます。条件反射にはパブロフのイヌのような接近系の条件反射(嬉しいことで学習する条件反射)とお化けを怖がるような回避系の条件反射(辛いことで学習する条件反射)があります。不登校は回避系の条件反射に属しています。
不登校を生じる回避系の条件反射を理解するには、辛さに慣れはなくて、辛さには相乗効果があるという事実を理解する必要があります。教師や多くの大人は、子どもに学校で辛いことがあっても我慢して学校に来続けていると、その辛さに慣れて辛くなくなると考えています。大人は辛いことがあっても、その辛さを自分の意志で調節して辛さを克服できます。けれど子どもはそれができません。それどころか子どもが辛い状況にあるとき、又別の辛い経験をしたときには、その時感じる辛さはその子どもが辛くないときに感じる辛さよりも遙かに強い辛さになっています。それだけ強く恐怖の条件刺激を学習してしまいます。
不登校になった子どもは学校内で辛い経験(例えば先生の学級運営、先生に叱られること、友達からからかわれたりいじめを受けたりする)をしています。その辛さが解消されないうちに次の辛い経験をすることでより強く辛さを感じています。その辛さが解消しないうちに又次の辛い経験をすることでもっともっと強く辛さを感じるようになっています。そのような経験の積み重ね結果、不登校になった子どもは最終的に耐えきれないほどの辛さを感じて、子どもの周囲にある学校や学校に関するものに恐怖の条件刺激を学習しています。
子どもが学校内で経験し続けた辛いこととは、教師や一般の大人、同級生から見たらとても些細なことで、とてもその経験で子どもが辛くなって苦しんだとは考えられない程度のものです。ですから不登校の子どもが学校で経験し続けた辛いことがあまりにも些細なことなので不登校の原因とは考えられません。けれど不登校になった子どもではその些細なことの積み重ねの結果、辛さの相乗効果からとても強く辛さを感じています。
恐怖を生じる条件刺激を学習した子どもは、それでもその時までに身につけてきた習慣から無理をして学校に行き続けています。いわゆるよい子を演じ続けています。そして学校から感じる辛さの中で新たな学校内での辛い経験から、最終的に学校をどうにもできないぐらいに辛いと感じる条件刺激として学習して、それ以後学校を見ただけで、学校を意識しただけで、その時生じる恐怖を生じる条件反射から動けなくなり学校に行こうとしなくなります。子どもが学校に行こうとしなくなったとき、親や教師は初めて子どもが不登校であることに気づき、その不登校の原因として直前に起きた子どもにとって嫌なことを原因として考えるようになります。
不登校は学校や学校に関するものを恐怖を生じる条件刺激として学習した、恐怖を生じる条件反射から生じています。どのような事件で恐怖を生じる条件刺激を学習したのかということに関係なく、学校内で子どもが辛くなった事件を経験したという事実から生じています。学校外で子どもが辛くなるような事件を経験しても、その子どもは不登校にはなりません。事件を経験したときに、学校や学校に関するものが側にないからです。
子どもが不登校になった時点で、学校内で子どもを辛くした事件を解決しても、不登校の問題は解決しません。不登校の子どもの心にある学校や学校に関するもので恐怖を生じる条件反射をなくすると、子どもは学校に行けるようになります。不登校の子どもの心の中にある恐怖を生じる条件反射をなくさない限り不登校問題の解決はありません。
不登校の子どもは学校内でいろいろな辛い経験をしたことを覚えています。しかしそれらの辛い経験を思い出しても、自分が学校に行けなくなるほど辛くはなりません。そして学校や学校に関するものを見たり意識するととても辛くなって学校に行けなくなってしまうことには気づいています。気づいていても、なぜ学校や学校に関するもので自分が辛くなるのか分かりません。それらの事実を子どもが言葉にすることはあまり無いです。それは言葉にして言っても、親や教師、その他の大人には理解して貰えないからです。