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2008.08.04 13:08 |  診療  |  研究  |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  office  | 推薦数 : 0

おばあちゃんでなくてお母ちゃん

おばあちゃんでなくてお母ちゃん

 一年ぶりで小さな男の子を連れたあるご婦人に会いました。一年前にお孫さんのことで相談を受けたご婦人です。一年以上前、息子さんのお嫁さんが交通事故で死亡して、幼稚園に通う男の子が残されました。それ以後ご婦人は母親代わりに家事洗濯、男の子の面倒を見続けてきていました。

 けれど男の子は何か少しでも嫌なことがあるとすぐに「おかあちゃ~ん」と言って泣き出しました。幼稚園ではよく喧嘩をして、母親代わりにご婦人は呼び出されて困っていました。男の子はご婦人の靴や身の回りのものを隠したりしたことがあり、ご婦人は男の子を育てる自信をなくしていました。どうにかして男の子を育てられないか相談しに来院されました。

 相談を受けた私は、ご婦人にご自分の一生を犠牲にしても祖母を止めて母親になりきれるかどうかを尋ねました。するとご婦人は自分の命を掛けてでもこの男の子を守り育てたいと答えました。そこで私がご婦人に御願いしたことは、ご自分の実の息子を育てるときのことを思い出して、男の子の母親になりきって欲しいと言うことでした。男の子と生活しているときには、自分のことを「おばあちゃん」と呼ばないで「母さん」と呼ぶようにしなさいと言うことでした。男の子にもご婦人のことを呼ぶときには「おばあちゃん」と呼ばせないで、「母ちゃん」と呼ばせるようにしなさいと言うことでした。

  それから一年たって男の子とそのご婦人に再会したときには、二人はどこから見ても親子でした。ご婦人が高齢になって生まれた子供を育てている姿でした。男の子はご婦人を母親として信頼しきっていました。ご婦人は、男の子が自分を祖母でなく、母親と認識したとき本当に良い関係に変わって、それまでの子育ての問題点が殆ど全て無くなったと言いました。

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