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2007.07.25 06:58 |  診療  |  研究  |  生活 / くらし  |  office  | 推薦数 : 0

脳内での情報処理 (12)

 顕在意識という概念は認識という概念と密接な関係があります。受けた刺激とその分析、その刺激についての反応とその分析、呼び起こされた記憶(一時記憶や陳述記憶)、その記憶の分析と加工、その結果の分析、それらを認識することが顕在意識です。

  認識とは、認識する対象について注視する仕組みが働いている状態です。視覚についての注視の仕組みは、現在でもかなり解明されてきています。それとほぼ同じ注視の仕組みが他の感覚や記憶内容について行われていると考えられます。注視すると、その注視した対象について、陳述記憶から必要な記憶が呼び起こされて、その記憶についての反応の仕方、反応の結果が陳述記憶から呼び起こされて、それらが情動評価されて、それらのうちで一番接近系の機能が高いものが選び出されます。そして反応が必要な場合には、その選択された反応が、運動連合野(反応の心)の中の具体的な反応の仕方の情報により、運動野から実際に行われます。

 注視の仕組みの大本は大脳辺縁系の前部にあります。注視をするためには大脳辺縁系の前部がしきりと活動をしなくてはなりません。その大脳辺縁系前部からの情報は眼科常会を経て前頭前野にあるそれぞれに相当する概念が選択され、それぞれの概念について遂時陳述記憶が呼び起こされて、記憶していた陳述記憶(思い出した知識)について注目をすることになります。。または、受けた情報を感覚連合野(知識の心)で処理されて前頭前野に作られた概念が選択されて、そのとき受けていた刺激についての情報を認識することになります。認識とはとても複雑な陳述記憶の思い出し方、受けた刺激の情報の処理の仕方と考えられます。類人猿では陳述記憶を注視するという形での認識は行っていないけれど、受けた刺激が情報処理されてできた概念に注視するという形の認識は行っているように思われます。

 顕在意識とは自己の概念とこの認識とが組み合わされたものだと考えられます。すなわち自己という概念ができあがっていると、自己という概念に注目することができます。陳述記憶に注目している自己、受けた刺激を情報処理してできた概念に注目している自己、その結果生じている情動を感じ取って生じたに注目している自己、この自己に注目したときが顕在意識(明瞭な意識が働いている)の状態であり、顕在意識という概念を持っている人は、自分が意識的な活動をしていると反応することになります。人間では言葉を介して「意識をしている」と表現することが可能になります。 

人間の脳内における自己という概念は他のものの概念と違った概念のようです。自己という概念以外の概念は、前頭前野におけるその概念に相当するいくつかの概念細胞から成り立っていますが、自己という概念は自己という概念と、自己に関するあらゆる陳述記憶、その瞬間瞬間に体中に受ける刺激の感覚情報から励起される感覚情報の概念、そしてその瞬間瞬間に生じている情報を統合したもののようです。自己という概念についての論文は日経サイエンス「」にその一部が書かれています。

 最後に脳内での統合について触れておきます。テレビではある短い時間についての点の集まりを一つの画面として人間を含めて動物は反応をします。つまり脳内では瞬間瞬間ごとに一つずつ関係する前頭前野にある概念細胞が励起されて、それを構成する陳述記憶が呼び起こされます。ある瞬間にはある概念細胞が励起されてそれを構成する感覚連合野(知識の心)にある情報(神経細胞のネットワーク)が励起されます。次の瞬間には同一の、または別の概念細胞が励起されて、それを構成する情報が励起されます。また次の瞬間にはというように、時系列に概念細胞がそしてそれを構成する情報が励起されていくことが脳内での情報の統合になっています。そして時系列に概念細胞が励起されていく仕組みも前頭前野に一つの概念として存在していて、その時系列にどのような概念細胞が励起されていくかという概念を選択するのも情動のようです。

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