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大脳新皮質で生じる顕在意識は次の条件が備わっていなければならない。
1)大脳新皮質の神経細胞がネットワークの機能を持っている
2)脳幹の網様体賦活系からの刺激が届いている
3)視床との刺激が届いている
1)の神経細胞がネットワークの機能をしないと、情報処理ができないことになります。神経細胞に与えられた情報処理するべき情報を持っていないということになります。
2)脳幹の網様体賦活系からの刺激がないということは、大脳新皮質が機能するためのスイッチが入っていないことになります。網様体賦活系からの刺激が存在している状態で、大脳新皮質の神経細胞は機能が可能です。ですからこの網様体賦活系が機能しない状態が脳死の状態になります。
3)大脳新皮質の神経細胞は同一情報を一緒に処理するほかの神経細胞と、情報を並列処理をします。その情報の並立処理には、処理を始め、処理を終わらすタイミングが必要です。それが視床からの情報です。また、すべての感覚情報は視床を経由していますから、感覚情報を処理するためには、視床が機能していなければなりません。
顕在意識を知るには、日経メディカル2007年8月号の62ページ植物状態の意識を探るがいろいろな情報を私たちに与えてくれます。その論文から得られるものを書き出してみます。
植物状態とは、その反応の仕方が植物状態と表現される状態ですが、その脳がダメージを受けていない部分は機能をしていることです。ダメージを受けた部分とは、前頭前野、感覚連合野であり、この領域では神経細胞の活動が行われていないことがPETからわかります。ただし神経細胞の活動が行われていないということは、神経細胞が破壊されたという意味ではなくて(その場合もあるでしょうが、その場合には回復が不可能)、その神経細胞を機能させる刺激が来なくなっているという意味でしょう。
外見からでは植物状態と判断される状態でも、ダメージを受けた部分が回復して機能をし始めた状態が、最小意識状態になります。その際に、神経細胞のネットワーク自体が壊れていたら、神経細胞が機能しだしても今までとは異なる情報処理をしてしまうでしょうから、きっと網様体賦活系からの刺激が届くようになった、視床からの刺激が届くようになったという意味でしょう。つまり網様体賦活系から投射される神経繊維、視床から投射される神経繊維の結合が回復した、神経繊維が再生したことを指しています。
外見では植物状態でも、脳内では情報が処理されている、つまり覚醒をしている部分がありますが、植物状態、最小意識状態では、全体として脳が機能していないのです。つまり脳内では情報処理している部分のその先で情報処理が行われていないから、外から見たら、脳内で何も情報を処理していないように見えるのです。
その脳内のどこでどの程度まで情報処理をされているのかをみたのが、前回の意識レベルです。意識レベルとは脳内のどの部分が覚醒して機能をしているかをみたのであり、脳全体の覚醒の程度をみたのではないです。覚醒して機能をしている脳の部分が脳幹に近いほど意識レベルは低いと考えられているようです。