先々週アメリカ出張した際に、留学先の恩師がぼそっと言いました。
「21日月曜日の朝、そっちに行くので、入院中の恩師に会う段取りを組んでほしい。」
「へっ? 日本来るの?」
「学会に出るために東京にね」
というわけで、連れて行きました。
日本にいる彼の恩師というのは、現在入院中で意識がもうろうとした状態なのです。
せっかく日本に来たのだから、時間を作って会いに行きたい というのです。
私は、意識がもうろうとしているのだから、アメリカから来たのが解るかな? とちょっと不安だったのです。
到着するやいなや、留学先の恩師は、静かに眠っている日本の恩師に話しかけました。
恩師に関わった海外にいる弟子が、こんなことをやっている、来年学会長をやるよ といったことを、一つずつ丁寧に話しかけたのでした。
日本語でないと、たぶん解らないだろうから、通訳をするように、と、私は日本人の恩師に枕元でひたすら訳して話をしたのでした。
その時です。一瞬、ぱっと目を覚まし、言葉はしゃべらなかったものの、うんうん と、うなずいたのです。
留学先の恩師の目が輝きをまし、来た甲斐があったと、大喜びしました。
私の留学先の恩師は、彼の分野では、それなりの地位も名声もある有名な方で、私を含め多くの弟子を持っているのですが、
その彼が、わざわざ会いに行った恩師に対し、尊敬のまなざしで、自分の業績ではなく、その恩師が育てた弟子が世界でそれぞれ活躍していることを報告した ということもすごいと感じたし、
なによりも、意識があろうがなかろうが、聞いてくれているだろうと信じて、静かに語りかけた という姿勢に、感動しました。
Mentorという言葉の重みを感じた一日でした。
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