「生物と無生物のあいだ
」(福岡伸一著、講談社現代新書)を読みました。
息子に、父親がお医者さんの友人がいます。その先生が、この本は面白いから読みなさいと息子さんに送ってきたのがこの本です。先生はしばしばそうやって息子さんに良書を送るらしいのですが、「親の心、子知らず」で、全然読まずにうちの息子に渡すのだそうです。
ということで、その本が巡り巡って私のところにやって来た次第です。
さっそく読みました。面白いので一気でした。著者は分子生物学者として世界の一流ですが、情緒ある文章は詩人か文学者です。息子さん思いの先生が息子さんに勧める訳です。
著者は1959年生まれで私と同じです。昔は昆虫少年だったらしく、これも私と同じです。ただし著者は高名な分子生物学者、私は田舎の勤務医ですが・・・。
分子生物学というと生き物の研究というよりも化学反応や電子顕微鏡の世界といった冷たい印象があるのですが、同じ時代を昆虫少年として過ごした共通体験があるためか生き物に対する深い愛情みたいなものが感じられ共感した次第です。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
「猫のエイズ
」(石田卓夫著、集英社新書、2001年)を読みました。
猫にもエイズがあることは、絶滅危惧種ツシマヤマネコにも感染が広がっていることが報道されたりして、かなり知られるようになりました。しかし、ではどんな病気なのかといった正確な知識となると、私を含めて猫が好きな人でもちょっと怪しいものがあるようです。
この本によると、猫のエイズウイルスは人のエイズウイルスと同じ種類に属するが、猫のウイルスは人には感染しないとのことです。また、病気の進行は、だいたい人間のエイズと同様のようです。
さらにこの本には、エイズウイルス感染の予防方法、あるいは、もし自分の飼っている猫がエイズウイルスに感染していることが分かったらどのように対処すればいいか、といったこともユーモアと愛情を込めて記載されています。発行から7年経過した本ですが、興味深く読むことができました。
猫好きにはオススメです。なお、犬君にはエイズはないそうです。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
「日本語をさかのぼる」(大野晋著、岩波新書)を読みました。
15年も前の本ですので、日本語タミール起源説には触れていませんでした。でも万葉集や源氏物語といった古典を材料にしたり日本語を語根に分解したり地方の方言と比較した研究成果を紹介しています。
昔は母音が8つあったそうです。あいうえおの50音で、ワ行にはワとヲしかない理由も分かりました。次回はタミール起源説に挑戦したいです。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
「共生の生態学」(岩波新書、1998年)を読みました。著者の栗原康氏は牛の腸内細菌が専門のようです。牛の胃袋には細菌が住んでいて、牛が食べた牧草のセルロースを消化してくれることは以前から知っていましたが、本の前半はそれについて詳細に解説しています。
後半は、前半で述べた牛と細菌やら原虫との共生から一歩進めて、生態学について記載しています。生態系にはサイクル系とフロー系があること、とか、例えば干潟の水質浄化機能はどうなっているか、といったことを実例とともに分かりやすく解説しています。
明日からの魚釣りに直接役立つ知識は得られませんが、海や川や山を見る視野が広がった気分です。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
「クローンの世界」(中内昭著、岩波ジュニア新書、1999年)を読みました。
私としては、ヒトや哺乳動物のクローンに関する知識を期待したのですが、ホヤとかゾウリムシとか全然違う生き物の話ばかりでした(汗)。著者は海洋生物の研究者ですので当然ですね。でも、自然界ではクローンで繁殖する生物がたくさんいることを知り驚いた次第です。
一応最後のほうに哺乳動物やヒトについても記載されています。著者はこの分野における科学技術の応用に関してもっと議論するべきであると警鐘を鳴らしています。確かにその通だと私も共感した次第です。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
先日ニュースで、古代エジプト女王ハトシェプストのミイラが同定されたと報道されました。ちょうどタイミングよく、「古代エジプトを発掘する
」(高宮いづみ著、岩波新書、1999年)を読んでいたので驚いた次第です。
高宮さんは、早稲田大学エジプト発掘隊(隊長吉村作治教授)の隊員です。読書途中まで女性であることを知らなかったのですが、調査隊の日常生活の紹介は女性らしい視点で興味深かったです。
吉村教授の一般向け著作も読んだことがあります。そのなかでカエムワセト王子の遺跡を発見したことを紹介していました。しかし教授の本では王子の歴史的重要性が記載されていなかったので、突然王子の話題が出てきてなにか唐突な印象を受けたことを記憶しています。
高宮さんの本にはカエムワセト王子の活躍がユーモアを交えて紹介されており、一発で王子と高宮さんのファンになった次第です。
さて、エジプト政府は寛大です。極東の異邦人に王家の墓々や古代の遺跡を発掘させてくれます。それに対して日本国では歴代天皇や豪族の古墳発掘を外国人どころか日本人にさえもなかなか許可しません。なにか明らかにされると困るような国家の重要機密でも隠されているのでしょうか?それとも単に、前例がないから、という小役人らしい理由からでしょうか。
固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)
先日、セミナーのためMSオフィス(パワーポイント)が必要になりました。医局のパソコンにオフィスが入っているのですが、各医者が様々なファイルやソフトを無秩序に入れているのでパソコンの動作が非常に重たい、おまけに入れた医者の半分は大量退職している(笑)、したがって削除してもいいのかどうか不明、セキュリティソフトが期限切れでライセンス失効、我が部長室で仕事をしたい、でも私のパソコンにはオフィスが入っていない・・・。
ということで、自分のパソコンにキングソフトオフィス2007の試用版をダウンロードしてみました。MSオフィスと互換性があり、しかも3ヶ月無償だそうです。
これで作成したスライド43枚をMSオフィスで確認しました。行の崩れ等問題発生なし。十分使えます。先日セミナーは無事終了した次第です。
なお、キングソフトオフィス2007のワードやエクセルもMSオフィスそっくり。価格は4980円と格安なので、試用期間が終了したら正式ユーザーになろうかと思案しています。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
一応医者をしていると、勉強が欠かせません。病院に図書室がありますが、それだけで必要なもの全てをカバーするのは不可能です。そこで文献複写サービスを利用します。
検索サービスで必要な文献を掲載している医学書なり医学雑誌を見つけ出す、その書籍の題名と掲載ページを図書室の担当者にお願いする、その文献を所有している病院や大学の図書室に連絡が行く、コピーが郵送されてくる、こんな流れです。
先日文献をお願いしたところ、なんと1週間もかかりました(涙)。当院は日本医師会の文献複写サービスを利用しているとのことです。たしかに差出人は東京の日本医師会です。
明日の臨床に必要な情報を入手するのに1週間は長過ぎます。前任病院は翌日にはコピーが届いていました。さっそく前任病院の美人秘書嬢に電話で問合せしました。
彼女の教えてくれたところでは、新潟県病院図書室研究会に入会すると、迅速に文献複写を調達できるとのことです。会費は年数千円とのこと、さっそくこのシステムを採用するよう提案した次第です。これも、カイゼンですね。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
DNAから見た日本人
を読みました。2005年3月発行、著者は国立遺伝学研究所教授、斎藤成也氏です。
この本では、PCR法を用いた古代DNAの研究成果が紹介されています。ネアンデルタール人や縄文人の遺骨(化石?)からDNAの塩基配列を調べることができるとのことです。数千年前のDNAがそのまま温存されているとは、にわかには信じがたいことですが、興味深い話です。
昔、人類学で、頭骨計測による頭示指数を目安にして、人類を長頭、中頭、短頭に分類すると習いました。しかし人類全体が短期間に短頭化現象を起こしていること、そしてDNA研究成果と頭示指数による分類に矛盾があることから、もはや骨計測は無意味であるとのことです。覚えて、損した・・・。
ところで古代DNAが安定した試料であるかどうか、どうやって調べるのでしょう。例えばたった今遺体のDNAを調べる、この遺体を埋める、100年ごとに掘り起こしDNAを調べ直す、5000年後までこの作業を繰り返す。その結果DNAが全然変化しなかったら、たしかにDNAは5000年間安定だと結論できます。かなり気の長い話ですし、あまり現実的ではありません(汗)。
いずれにしろ、私のご先祖様はやっぱり魚獲りや野歩きが好きだったに違いない、したがって私のDNAはたぶん縄文人の系統が色濃く残っているに違いない、と想像しています。
興味のある方はDNAから見た日本人
をお読みください。
固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
| 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
| 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |