新任地の図書室を探検していたところ日本の母体死亡
という本を発見、さっそく読みました。この本は、厚生省心身障害研究費「妊産婦死亡の防止に関する研究」の補助を受けた調査の症例集です。
対象症例は平成3年、4年に日本国内で死亡した妊産婦170例です。若干古いかもしれないという印象を抱きつつ一気に読みましたが、そういった懸念は不要でした。最近報道された母体死亡3例(福島県1例、奈良県2例)の類型もこの症例集に求めることが出来ます。
この本は、わが国の産科医療システムの特徴として1施設あたりの産婦人科医師が1.36人(米国6.69人、英国7.1人)と極めて少ないこと、さらに緊急時に全身管理を担当する麻酔科医師も0.21人(米国4.95人、英国2.99人)と少ないことを指摘しています。そして妊産婦死亡を減少させるためにはマンパワーと設備の充実が重要で、それには分娩施設の集約化が必要であると提案しています。
本来なら、集約化は周産期医療の向上を目的に、積極的かつ合理的に推進すべき事柄です。しかし現状は、勤務が過酷であるとか訴訟が多いといった理由から産科医がどんどん減少し、やむなく自然消滅的に集約化しているといった感じです。なんか、皮肉めいていますね。
さて、朝のジョギングでもするか・・・・。
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コメント
コメント一覧
循環器内科医のDr. Iと申します。
具体的な数字を見てしまうと、更にショッキングですね。
もしかしたら、今度この数字を引用させて頂きたいんですが、よろしいでしょうか。
TBもさせて頂きました。
今後ともよろしくお願い致します。
ブログをご覧下さり、ありがとうございます。
数字の件ですが、私のデータではなく本からの引用です。私が「どうぞ、ご自由に」と言うのも変ですが、どうぞ、ご自由に。
以前、米国は訴訟が多くて産婦人科医が分娩取り扱いをどんどん止めていると聞き、「へー、訴訟大国って大変なんだなあ」と、対岸の火事の如く呑気に思っていました。それが一気にわが国にも波及し、戦々恐々としています(汗)。
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