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ついに、再生医療で副作用!

よね様 / 2009.10.01 03:07 / 推薦数 : 7

久しぶりに更新したかと思えば、連続投稿でごめんなちゃい!

ついに、再生医療で副作用発現!

さっき気付いたんだけど、この論文。

Amariglio, N, Hirshberg, A, Scheithauer, BW, Cohen, Y, Loewenthal, R, Trakhtenbrot, L et al. (2009). Donor-derived brain tumor following neural stem cell transplantation in an ataxia telangiectasia patient. PLoS Med. 6: e1000029.

Openなんで、興味のある方はご確認を。

ざっとしか読んでいないけど、胎児脳から神経幹細胞を分離して、血管拡張性失調症(ataxia telangiectasi)患者に移植したところ、4年経って神経系に多発性のグリア系腫瘍を形成したとのこと。

イスラエルの病院からの報告です。

まあ、胎児からの幹細胞分離だなんて、日本では絶対に許可されないだろうけど、大事なことは、動物で見られていた現象が、やはり人間でも起こることが分かったこと。

やはりlineage committmentしているとはいえ、未分化な細胞を移植すると、腫瘍をつくることが確認された訳だ。
もっと基礎研究が必要、だね。

ところでこの論文、今年の2月に公開されて、既に半年経過している。
しかもPLoS Medicineは、Impact Factor15もある、また誰でも閲覧できるオンライン雑誌だ。

何で、マスコミも再生医療学会も官庁も、これを全く取り上げないの?

あのオピニオンリーダーを自負する、日経BPはどうした?

遺伝子治療で白血病(フランス)が起こったとき、あんなに大騒ぎして、類似の臨床試験を止めたのに・・・。
おかげで遺伝子治療は、関係の無いベクターまで同一視されてしまって、既に国のグラントの対象からも外され、研究費の捻出も出来ないであっぷあっぷしているのに。

これまでにも研究費がざくざく付いているiPS細胞のプロジェクトに、今年またどかーんと2700億円プロジェクト研究費(の一部)を付けても、幹細胞による遠隔期の副作用の問題を解決できなければ、結局臨床応用はできないんじゃないの??

研究って、ホントにこんなにお金がいるの?

オレ様は、年に3千万もあれば、立派な研究できるんじゃい! と思っていますけど、何か・・・。

貧乏人のひがみはともかく、この論文、もう少し一般に広める必要ありと思うのですが・・・。

皆さんのご意見は、如何に??

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西安より〜

よね様 / 2007.11.11 14:58 / 推薦数 : 0


「楊貴妃の石像:一緒に写っている中国人女性は、通りすがりの観光客で私と関係ありません。あしからず」

秋の学会シーズンもようやく大詰め。
今回、西安でのIDDST(Drug Descovery)での講演を済ませ、今から帰国します。
ラボを随分空けていて、准教授以下、皆さんには随分ご迷惑をお掛けしており、申し訳ないと思っています(てか、いない方がいいのかも・・・泣!)。

ここ数年中国によく縁があるのですが、初めて来たこの西安は、また独特の都市です。
紀元前に中国はここから始まり(秦)、シルクロード、蒋介石の西安事変など、様々な歴史を見てきた街なのですが、今は北京に遅れてようやく開発され掛かっている都市だとか。

ガイドさんの話では、中国50年を知るには広州、100年を知るには上海、500年を知るには北京、そして5000年を知るには西安、という言葉があるそうです。

6000年前の新石器時代に、既に青銅器を作っていた文明が、この西安にあったというから驚きです。

秦の始皇帝の遺産を、項羽が破壊した後も残っています。

また蒋介石が捕らえられた時、撃たれた銃弾の後が、いまだ壁に生々しく残っていました。

このように歴史に、そしてその時代に生きた人たちの想いに、心を馳せることは、何とも言えず不思議な気持ちになりますね。

ヨーロッパとはまた違う、そして歴史の浅いアメリカでは決して味わえない歴史が、そこにはあります。

今回はシルクロード関係は時間が無くて観光できませんでしたが、次に機会があれば、是非行きたいものです。

国、そして国柄とは、やはり歴史と文化を大事にして、初めて成り立つものだ、とつくづく思った西安出張でした。

ではまた!

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輝く国って? 〜イギリスの例

よね様 / 2007.03.13 03:53 / 推薦数 : 4

「日本って、どうしてこんなに雑用が多いんだろう・・・」
なんて考えながら、真夜中に久しぶりの更新です。

Keystoneから帰って、全く余裕無し。今週なんか、ありがたいことに8回も飛行機に乗せて頂いています(先週4回・・・)。明朝一番の学会ワークショップでお話しするため、慌ててスライド調整中。どうやら一段落です。

最近、飛行機の中で「シティが活況」という新聞記事を読みました。英国を知らない人は「シティ? 街? 市?」なんて思うかもしれませんが、英国に留学していた私にとっては、懐かしい響きです(もう10年前)。

英国・ロンドンでの暮らしは、私は大嫌いだったのですが(とにかく食べ物がまずい!)、その社会と成り立ちは、日本と比較して色々と考えさせることが多い。
誤解を恐れずものすごく単純化してお話しすると、ロンドンはもともとシティを中心とした商人の街でした。今の王室の祖先である海賊が、まずウェールズに住み着き、そのうちに「リッチなシティが欲しいなぁ・・・」と思いつきます。ただしシティはお金はあるは、ギルド(互助会みたいなもの?)を作って力も持ってるし、潰すより仲良くした方が得だな、と判断した王室の祖先は、「オレ様がお前たちシティを護ってやる」と厚かましくゴーマンかまして、ウェストミンスター地区へ政治の拠点を移しました。そしてテムズ川を上ってくる外敵からシティを護るため、あの虐殺で有名なロンドン塔を作り、政治を始めたのです。ちゃんちゃん。
従って、英国領土での王室の起源はウェールズなので、亡くなったダイアナ妃は「プリンセス・オブ・ウェールズ」というのだ。どうですか、勉強になったでしょう。
本当かどうか見たことはないが、聞いた話では、今でもエリザベス女王がシティの敷地内に入るときは、ちゃんとシティメイヤー(市長さん)が出向き、剣(?)の交換の儀式をしてから入るそうな。
(ちゃんと知っている人は教えて下さいね!)

どうでもいいですが、これは私が多感な青年時代を過ごした博多の成り立ちと似てて、博多商人のいるところに岡山から出てきた大名(黒田さん)が福岡城を建設し、博多商人を護ったそうな。ちなみに岡山に福岡って場所があるそうです、知ってた?

さて前置きが長くなったが、英国で研究をしていて考えさせられたのは(私はロンドン大学、といっても建物はなく、実際はそれを構成するカレッジの一つ、インペリアルカレッジで遺伝子治療の研究をしていたのです)、委員会などの考え方の合理性。
また少し脱線しますが、英国の研究者は、実は多少ひねくれています。これはアメリカに対して。
アメリカという国は「英国の落ちこぼれが作った国」という意識は当時でも(恐らく今でも)根強く、「世界中で一番英語がヘタなのは、なまった英語を厚かましく堂々としゃべっているアメリカ人。」と平気でゴーマンかまします。でも、アメリカのダイナミズムとパワーには、多少忸怩(じくじ)たる感覚があるらしく、私のボスも「研究のマテリアルに、アメリカ人が作り出した技術は採用しない。だから私は日本と組むのだ。」などど堂々と言っていました。

このような英国人だから、例えアメリカがシステムを作っても、それをそのまま採用しません。遺伝子治療の審議で言えば、アメリカではIRB〜RAC/FDAという経過をたどり1年以上掛かります。日本もシステム上はアメリカに準じていますが、どうしても委員会の権限と議論が「あいまい」になりがちです。さらに省庁とのやり取りのプロセスが極めて煩雑(とにかく要求される紙の量が半端じゃない)であり、またFDAがwebでオープンにしている詳細なガイドラインや文例などのように、具体的にいざ書類を作成するときに参考にできる基準がないので、その時々と担当者により状況が変化し、現場にいる人間としては、正直に言って閉口します。私の経験では、IRB1年、省庁3年半。この話をすると、アメリカ人、英国人の研究者は、目を丸くします。
ところが英国では、明確に委員会の役割を分割し、科学的側面を議論するGTAC(Gene Therapy Advisory Committee)、安全性を審査するMCA(Medicines Control Agency)、そして倫理を審査するIRBが、それぞれ必ず半年以内に結論を出します。ラボに出入りしている研究者(医師)に「英国の審議システムは合理的に出来てるね。」と言いましたら、「システムをハイ・スループットにすることで、医師・研究者に対する負担を最小限にし、質を保ちつつ合理性を最大に発揮するという配慮だろう。アメリカと同じ土俵ではアメリカには勝てないのは明らかだ。英国は英国の土俵で勝負する。この場合土俵を作るのは国であり、国も私たちと同じ認識だということだろう。」と言っていました。

最近、我が国でも「国策」という言葉は頻繁に出てきますが、本当に日本という国は国策を考えているのか? 前例主義の落とし穴に陥っていないか?

英国の例は、それを考えさせるものです。

・・・・以下、次回。

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