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前回、日本とアメリカの医師養成・医療事情を比較しながら、「エビデンス」について考察しました。 さて、ではあなたは「エビデンス」=EBM(evidence-based medicine)の概念の歴史と定義を説明できるでしょうか??
例えば、「エビデンスに基づいた」のキーワードでググると、
・「エビデンスに基づいた感染制御」
・「エビデンスに基づいた抗菌薬適正使用マニュアル」
・「エビデンスに基づいた脳科学の研究」
・・・・・
要するに、「方法論」や「マニュアル」、「ガイドライン」の枕詞として、はげくの果ては「基礎研究」にまで、「エビデンス」が多用されています。
例えば、ある大学の研究室のHPには、「近年、科学的根拠 (エビデンス) に基づく薬物治療 (EBM; evidence-based medicine) や・・・(中略)・・・、現在、テーラーメード薬物療法のためのエビデンスは急速に蓄積しつつあります。しかし、それらのエビデンス(研究成果)を医療の現場に適用し、・・・・・」などとあります 。
・・・・これなどが、誤用の典型例です・・・・
断っておきますが、ちなみに、基礎研究の成果を臨床で確認することを医療業界では「エビデンス」ではなく、「proof of concept(POC)の証明」と言いますので、くれぐれもお間違いなく。
しかし本来は、エビデンス=EBMの意味と目的は、マニュアルや規約を作るためでも、方法論を確立するためでもなく、むしろこれらを過大解釈することは厳に慎むべき事、とされているのを知らない人が意外に多いようです。
この辺りは、中川仁先生のHPに詳しく、
「EBMは臨床疫学に基礎をおきながら、91年にカナダMcMaster大学のGordon Guyattによって提唱された概念である(http://homepage2.nifty.com/ebm-main/joisebm.htm)」とされており、特に「6.EBMについての誤解」に重要なポイントがまとめられています。
それによれば(少し整理して記載すると)、
1)エビデンスの医療現場での適応には、「Clinical Expertise(医師の経験・能力)」と「Patient Preference(患者の価値観)」が統合されなければならない。従って、エビデンスの適応において、医師の経験に基づく自己裁量は重要な位置を占めること。
2)RCT(randamized-controlled trial)のみがエビデンスではないこと。
3)ガイドラインはあくまで推奨度Aの論文をもとに作成されたものであって、通常、それを適応できる患者は60%程度であること。EBMを提唱した“McMaster大方式EBM”では、ガイドラインとEBMは基本的に関係がないこと。
4)医療費削減のために提出された概念ではなく、患者への不利益が最小になるように構築された概念であること。
5)統計に支配されてはならないこと。数字に支配されるのではなく、あくまでも数字(統計)は利用していくべきものである。
・・・・
どうですか?
あなたの「エビデンス=EBM」の概念への理解は正しかったでしょうか??
では次回、また考察を進めていきます!
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