親など保護者が国民健康保険の保険料を滞納したため医療費がいったん全額自己負担となるなど「無保険」の状態になった子どもについて、厚生労働省は2日、全国の地方自治体を通じて実態調査を始めたことを明らかにした。
保険料を1年以上滞納すると、保険証を返還して代わりに資格証明書を交付され、医療機関で受診すると窓口で医療費をいったん全額支払うことになる。経済的に苦しく滞納している世帯では、子どもが病気になっても医療費が払えず受診を控える恐れがあり「責任がない子どもに犠牲を強いるのはおかしい」と見直しを求める声が上がっている。
2007年6月現在で資格証明書を交付されたのは約34万世帯。厚労省は今回、この中に乳幼児と小学生、中学生がどれだけいるか9月末までに報告させ、10月中旬にも調査結果をまとめる予定。
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大阪府内の公立病院、不良債務246億円超
2008年8月25日18時43分
公立病院改革を考えるセミナー(朝日新聞社など後援)が24日、大阪市内であり、大阪府内の公立病院の不良債務が07年度見込みで246億円を超える実態が報告された。全国の2割を占め、北海道に次ぐワースト2。06年度より約49億円増加した。参加した自治体担当者らからは「このままでは、病院のために自治体がつぶれる。民間も含めた再編が急務」との声があがった。
セミナーは、総務省が昨年12月に策定した「公立病院改革ガイドライン」に基づき、府の実情にあった「改革プラン」を考えるのがねらい。ガイドラインは、3年後の経常黒字達成や、病床利用率が70%を下回った場合の病床数削減などを求めている。
総務省公立病院改革懇談会の長隆(おさ・たかし)座長は「府内の大半の病院で、経常収支比率、医業収支比率などが目標値に届いていない。大阪市立4病院の不良債務は128億円、一般会計からの繰入額は年116億円。はっきり言って夕張より厳しい状況だ」と指摘した。経営改善のために、独立行政法人化や民間譲渡など経営形態の変更を求めた。
大阪府私立病院協会の田口義丈さんは「民間病院の数が多く、公的な役割も担っているのが大阪の特徴」とし、公立病院再編の議論に民間を加える必要性を訴えた。
同様のセミナーは8月2日(土)に札幌で『公立病院改革セミナー』~北海道の地域医療―再編・集約・ネットワークの構築へ~として開催されました。
それについて、8月4日のブログにアップしておきました。http://blog.m3.com/northcosmos/20080804/1
当日は、長隆氏も出席されていました。
今後、この種のセミナーが全国で開催されてゆくものと思われます。
北海道、大阪と・・・きっと、不良債務の大きい都道府県の順に開かれるのかもしれません。
私は、以前ブログしましたように厚労省の栄畑 潤審議官の居丈だかな、そして医療関係者をあしらうような姿勢に大変な違和感を覚えました。
しかし、問題は、そうした感情問題に終止する内容ではありません。
公立病院の経営問題を論ずる時には、そこに課せられた『深刻な医師不足と診療報酬の引き下げ、地方自治体の財政難』の三重苦を同時に考えなければ、真の解決はありません。
いくら、地方自治体とそこに所属する公立病院の「経営的処置」だけでは、根治治療(根本的解決)にはならないことだけは明白ではないでしょうか
勿論、病院自体の「自立的経営努力」に努力することは言うまでもありません!!!
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「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会(座長=高久史麿・自治医科大学長)は8月21日、第4回の会合を開いた。医師とコメディカルのスキルミックスについて議論するため、東大大学院生体管理医学講座麻酔学の山田芳嗣教授らから麻酔科医の現状などについてヒアリングした。舛添要一厚生労働相は、歯科医を麻酔科医として活用することについての意見を求め、山田教授は「全身的な診療の基盤のない歯科医師を使うのは慎重に考える必要がある」などと答えた。
厚労相はフリーディスカッションの中で、山田教授に対し、「歯医者さんはみな麻酔ができるから、歯科医を麻酔科医として活用してはという意見があるのだがこれはどう考えればいいか」と尋ねた。 これに対し、山田教授は、次のように回答した。
「慎重に考えるべきで、まず医師と歯科医師の根本的な違いを考える必要がある。歯科医師が担当する部分は、歯や口腔領域。医師は専門領域において体全体、全身。麻酔は外科的な侵襲に対する全身管理の側面が非常に強く、単純に、患者が麻酔状態、意識を失った状態になるということだけを意味しているのではない、ということをはっきり分かっていただきたい。全身的リスクが非常に重大であり、(危機的偶発症例の)頻度も高い。特に重症患者や高齢者、救急手術など。全身的な診療の基盤のない歯科医師を使うのは慎重に考える必要がある。欧米で言う、『フィジシャン・アシスタント』に対応する位置付けで、チームの一員として使うのは可能。歯科麻酔は、歯の治療に対する全身麻酔も含むが、関連した麻酔技術を持っている」
■チーム医療体制が必須
山田教授は会合の最初に行ったプレゼンテーションで、欧米に比べて国内の麻酔科医の数が少ないことを指摘。「今後の高齢化社会で高齢者を中心とした手術の増加を考えると、現状の養成数では厳しい」との見方を示した。また、麻酔看護師については、「麻酔科医がいない状態で麻酔をすることを認めると、アウトカムが下がる。よほど考えた制度を構築しないと手術の質の低下につながる」と述べた。その上で、麻酔の知識を持ったコメディカルによるチーム医療体制の構築が必須として、周術期を管理する「周術期看護師」の養成を求めた。
■医療メディエーター設置はトップの意識変革を
このほか、和田仁孝委員(早稲田大学大学院教授)が、「(スキルミックスなどで)権限委譲ができてくると、今まで以上に患者にとって分からないことも増えるので、患者に分かりやすいコミュニケーションが必要。これがうまくいかなければ訴訟リスクが増えるということも理解しておくべき」と指摘。医療事故や患者と医療者間での意見の食い違いなどが起こった場合、仲介(メディエーション)役となる、『医療メディエーター』を医療機関内に設置するよう求めた。病院長の指示で、医師やコメディカルが医療メディエーター研修を受けている北里大学病院の例を紹介し、「上がサポートして初めて(医療メディエーター)が生きる」と述べた。
また、「個々の病院で医療メディエーターを置こうとしてもゆとりがなく、医療安全管理者が兼務して疲弊していく。何らかの財政的インセンティブが必要」と要望した。
大熊由紀子委員(国際医療福祉大大学院教授)も、「メディエーターが燃え尽きないように、院長や病院の体制が変わらなければならない。院長を先頭に、すべての真実を患者に話すことが必要」と後押しした。
更新:2008/08/22 21:40 キャリアブレイン ====================================
医師不足を「解決」方法として、看護師に簡単な医療判断をゆだねたり、今回のように歯科医を「代用麻酔医」にすることを考え出してくるのが、政府・厚労省や官僚のやり気方です。
これで、彼ら政府の『やる気』を見せたり、とりあえずの『成果』を得ることを狙っての事としか思えません。
現在の医師不足による医療崩壊は、「医師数の絶対的」、「強労働科への敬遠」、「地域格差」など多面的な要素が絡んでいます。
そうしたことへの根本的な取り組みも本格化する前に、看護師や歯科医に「代用医師」の役割を与えようとする発想自体に「医療再生」への姿勢の不充分さが見て取れるのです。
「医療の安全と質」が重要視され、医師の資質向上がもくされてる今日、「代用医師」の拡充は、それに逆行する医育政策ではないでしょうか。
これは、しいては医療を受ける患者さん側には、大きな否定的影響が出てくるのです。
もし、厚労省が、医師の労働軽減を図ろうとするのであれば、医療現場で働く人的保障を充分できるような、経済的保障をすべきではないでしょうか。
具体的には、医師の技術料の引き上げや医師のペーパーワークなどを補助できるコメディカルスタッフを雇用するぐらいの診療報酬の引き上げが必要だと思います。
政府・厚労省の猛省を求めなければなりません。
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「外来管理加算」については、4月の診療報酬改定で、その算定要件として「おおむね5分を超える診察(“5分ルール”)」が導入された。
厚労省は、“5分ルール”に伴い、診療所全体の減収を約200億円と想定していたが、日本医師会や全国保険医団体連合会などの試算では800億円前後となっており、厚労省の予測と医療現場の実態が大幅に乖離(かいり)している。
この“5分ルール”に関し、厚労省は21日、「『外来管理加算』を算定するに当たっては、医師は丁寧な問診と視診、聴診、触診など詳細な身体観察を行い、患者に病状や療養上の注意点などを懇切丁寧に説明する」などの「通知」を示した。
この中では、「(患者に)提供される診療内容の事例」として、▽「今日伺った話では、『前回処方した薬を飲んで、熱は下がったけれど、せきが続き、たんの切れが悪い』ということですね」▽「診察した結果、のどの腫れなどは良くなっているし、胸の音も問題ありません。前回に比べて、ずいぶん良くなっていますね」-など、医師が患者に伝えるべき内容を“セリフ仕立て”で例示している。
“5分ルール”の影響については、同協会も神奈川県内の2826の診療所と181の中小病院(200床未満)を対象に実施。診療所では、58.4%で算定率(再診時に外来管理加算を算定できた割合)が減少し、平均減収額が約163万円に、中小病院では、72.8%で算定率が減少し、平均減収額が約336万円になっている。
これまでいわゆる「5分ルール」は、医療現場から大きな不評を巻き起こしていました。
実際の診療現場での医療者と患者さんのやりとりはとうてい5分などと言う「時間」で計ることはできません。
そうしたことを無視して、医療費削減に走る政府・厚労省の官僚達が、医療費削減のためだけに考え出した「妙案?」でした。
その結果、日医や神奈川保険医協会の試算では800億円に上る医療機関の減収になっているのです。
これは、診療報酬を「5分以上だと増やす」のではなく「5分以下だと減らす」内容だったことは明らかです。
医療内容の向上のためには、各医療者が、患者さんと十分な時間をとりながらお互いが納得できるまで面談する時間を確保されることが最低限の保障です。
1)政府・厚労省は、「5分間」がどうかではなく、ゆとりある医師労働を保障するために、医師の大幅な増加をはかること。
2)そして、1人1人の患者さんと充分な時間をとって診療できるような、診療報酬の引き上げを行うべきではないでしょうか。
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帝王切開死 医師に無罪 胎盤はく離継続『妥当』 福島地裁判
(2008年8月20日東京新聞)
福島県大熊町の県立大野病院で二〇〇四年、帝王切開で出産した女性=当時(29)=が手術中に死亡した事件で、業務上過失致死などの罪に問われた産婦人科医加藤克彦被告(40)=休職中=に対し、福島地裁(鈴木信行裁判長)は二十日、無罪判決(求刑禁固一年、罰金十万円)を言い渡した。
故意や明白なミスでなく通常の医療行為で医師が逮捕、起訴された事件は「刑事司法の不当介入」と医療界の猛反発を招き、全国的な産科医不足に拍車を掛けたとされる。
現場医師の裁量を認めた今回の判決は、医療過誤をめぐる刑事責任追及の在り方や医療界にも影響を与えそうだ。
公判では、子宮に胎盤が癒着した極めて珍しい症例に対し、胎盤をはがす「はく離」を被告が続けた判断の是非が最大の争点となり、鈴木裁判長は「標準的な医療措置」と妥当性を認めた。
検察側は「癒着を認識した時点ではく離を中止して子宮摘出に移るべきだった」と主張。弁護側は「最後まではがす方が子宮収縮による止血が期待できた」と反論した。
鈴木裁判長は女性の死因についてはく離継続で出血が増えたことによる失血死と判断。癒着の程度や位置関係をめぐる検察側証人の鑑定結果を「疑問がある」と信用性を否定した。
その上で「手術中、手によるはく離ができず癒着胎盤と認識した段階で、はがし続ければ大量出血すると予見できた」と被告に予見可能性があったことは認めた。
今回の無罪判決の報を聞いて、私の病院医局では、「極めて当然の判決」との受け止めが殆どでした。
しかし、その「極めて当然な事」に対して、警察が医療現場に介入し、執刀医を不当逮捕・拘留し、刑事罰に処しようとしたことは、誠に「異例中の異例」でした。
これが医療界にもたらした、「負の影響」はあまりにも大きかったのです。
全国で雪崩を打つ、「産科医療の返上」「救急医療の現場からの医師の立ち去り」・・・・まさに地域医療の崩壊の大きなきっかけになったことは間違いありません。
また、当事者として不当逮捕され、公判に振り回された加藤先生の苦しみは、計り知れないものではなかったでしょうか。
ですから「判決は当然」としながらも、「こうした不当な事件」が二度と起こらないような医療界を再生することが、私たちに課せられた大きな責任でもあります。
医学・医療の発展と共に「医療事故」や「医事紛争」などが決して皆無になるのが困難なことを前提にしながらも、医師などの専門家集団と患者さんと家族、そして、それらを真に尊重する行政が緊張と協力関係の中で、医療再生を図らなければなりません。
これからが本番です!!
そのためには、まず、検察側は、控訴をしないことが第一です。
一方、今回の「大野病院事件」でも「全国医師連盟」の果たしてきた役割は大きなものがあります。これからも「全医連」の存在価値を大いに発揮してゆきたいものです。
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福島・大野病院医療事故:あす判決 医師の裁量、どう判断
◇04年、帝王切開中に妊婦死亡
福島県立大野病院(大熊町)で04年、帝王切開手術を受けていた女性(当時29歳)が死亡した医療事故で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた同病院の産婦人科医、加藤克彦被告(40)=休職中=の判決が20日、福島地裁(鈴木信行裁判長)で言い渡される。
手術中の判断を巡り医師が逮捕・起訴された異例のケースで、全国の医療関係者が「医師の裁量に捜査機関が介入している」と反発する中、司法の判断が注目される。【松本惇】
加藤医師は04年12月17日、帝王切開手術中、はがせば大量出血するおそれのある「癒着胎盤」と認識しながら子宮摘出手術などに移行せず、クーパー(手術用はさみ)で胎盤を剥離(はくり)して女性を失血死させ、医師法が規定する警察署への異状死体の届け出をしなかったとして起訴された。
検察側は「基礎的な知見による基本的な注意義務に著しく違反し悪質」と禁固1年、罰金10万円を求刑。弁護側は「施術に過誤はなく、臨床医学の水準に即して可能な限りの医療を尽くした」と無罪を主張している。
女性は発生率0・01%とされる極めて症例の少ない癒着胎盤だったが、「胎盤剥離を中止し子宮摘出手術等に移行すべきだったか」が最大の争点。
「福島大野病院事件」の判決がいよいよ明日、福島地方裁判所で判決が言い渡させます。
医療現場の実際を全く無視して、手術執刀医師を逮捕・拘留した警察当局の「強権姿勢」には、医療従事者からの反対はもとより、多くの国民からも疑問の声が出されていました。
「医療事故」における責任医師の逮捕に前例を公認すると、検察当局の「事故」への対応が刑事責任追及のみが肥大化され、医療界に大変否定的な影響が出てきます。
その最たるものが「萎縮診療」の広がりではないでしょうか。
標準的な医療行為であっても、何かの原因で「事故」が発生すると、直ちに医師の刑事責任が追求されることから、「可能な医療」にも関わりを持つのを避ける傾向が出てくることは、明らかです。
それでは、「助かる患者さんでも医療の対象から外されてしまう」ことになるのです。
こういうことは、結局は患者さんへの医療を制限することになり、患者さんの不利益になるのではないでしょうか。
これまで「全国医師連盟」が中心になり、広範な取り組みを展開してきました。
明日の判決は、これからの日本の医学と医療に大変影響の及ぼす内容であります。
是非、加藤克彦先生への無罪判決が出されることを心から願っています。
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能登半島の付け根にある富山県氷見市の中心部。古びた病院の外壁に真新しい「金沢医科大学氷見市民病院」の金文字が光る。市立病院の運営を同大に委託する「公設民営」体制は4月にスタートしたばかり。医大が直接、公立病院の立て直しに乗り出す全国初のケースだ。
「火中のクリより大変なものを拾ってもらった」。堂故茂(どうこ・しげる)市長は隣県からやって来た新たなパートナーに、経営効率化と医師確保という一石二鳥の効果を期待する。しかし、医師を派遣する側の"学閥"のあつれきは大きく、改革は冒頭から足踏みしている。
民営化前の病院は新医師臨床研修制度の影響で医師不足に見舞われていた。2004年に40人いた常勤医は次々に派遣元である地元の富山大などに引き揚げられ、06年4月には33人に。
さらに収益源の脳神経外科医の引き揚げ通告が追い打ちを掛けた。医師残留の陳情で大学の教授室へ何度も足を運んでいた堂故市長は「従来のような大学との連携はもはや限界」と判断、07年春に民営化を決める。半年後、能登半島全域をカバーする新しい病院経営を検討していた金沢医大を管理者に指定した。
ところが皮肉にも、医師確保を目指した改革が医師不足を加速した。富山大出身の医師ら20人が「金沢医大」と冠した病院名や、新人事制度に反発、新体制への移行と同時に退職してしまう。
富山大出身の加藤弘巳(かとう・ひろみ)前院長は「名称問題を話し合うはずの協議会も開かず、病院に尽くしてきた現場に赤字の責任だけ押し付けた」と怒りを隠さない。
金沢医大からの補充はあったが、常勤医は民営化前の数を下回り、脳神経外科も欠員のまま。民営化を嫌った看護師の退職も相次ぎ、一部の病棟は休止している。
金沢医大から赴任した高島茂樹(たかしま・しげき)院長は「医師の欠員は1年以内に解決する。実績を示し、看護師や住民の信頼を取り戻したい」と「生みの苦しみ」を強調するが、安定した医師確保のために必須の富山大との関係修復は見通しが立っていない。
入院中の男性(86)は「どこの医師だろうと関係ない。病院が残れば」と語った。新体制はこれから正念場を迎える。
▽新臨床研修制度
新臨床研修制度 免許取得後の医師に病院での研修を義務付ける制度。従来は出身大学での研修が通例だったが、2004年の制度改革後、症例の多い都市部の民間病院を研修先に選ぶ医師が増加。研修医を確保しづらくなった大学病院が地方の公立病院などに派遣していた医師を引き揚げる動きが相次ぎ、地方の医師不足の一因となった。(2008年8月19日 共同通信) ===========================
こうした実態を「学閥のあつれき」として、見ることは一面的ではないでしょうか。 医療界での「学閥」なるものは、今となっては過去の遺物になりつつあります。
医師不足・経営難を抱えた氷見市立病院の再建策として行われた金沢医科大学による「公設民営化」路線は、赤字公立病院再編の「積極例」として総務省が乗り気になっていたものです。
公立病院が赤字に陥る三重苦(医師不足・診療報酬引き下げ・地方交付税の減額)に手を付けないで、「民間に移行すれば経営が好転する」という、いまや時代遅れの「新?自由主義」的発想で強行されているところに問題があるのです。
経営第一主義が幅を利かせてくると、医療現場の意見が十分くみ取られず、病院運営も官僚主義的、上位下達のやり方横行してくるのではないでしょうか。
そういうことが、現場で苦労しながら働く医師・医療従事者から「希望と情熱」を抜き取り、結局は彼らを病院からの退職に追い込んでいるのです。
私は、富山大学と尾金沢医科大学の「学閥のあつれき」という見方では本当の解決の道に初ながらないと思います。
北海道でも、地域や働く医師の実情を無視して、経営的利益を中心にした公的医療機関の再編が成功せず、残されたのは、医師の退職と病院収益の減少だった事例があります。
しかし、よく考えてみると、こうした「公的病院の再編」が失敗して、結局は病院が破綻してゆくと、政府厚労省が狙う全国的な「病床削減」がジワリと実行されているものと考えられます。
医療現場を締め上げ、病院の中に「内紛」を起こさせ、医師には「苦渋の選択」を迫り、その結果病院がつぶれ、病床削減を達成してゆく・・・・狡猾な官僚たちが計画しそうなやり方です。
こんなことに負けて入られません!!
住民・自治体・医師・医療従事者たちが一緒になって、地域の実情に合わせた地域公立病院のあり方を、確立する時期ではないでしょうか。
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今回のインドネシアからの看護師・介護士の受け入れには、看護や介護現場からも大きな批判が出ていました。
低すぎる診療報酬や介護報酬のもとで、日本の看護介護職が満足な待遇を得ることができずに、「離職」せざるを得ない状況があります。
政府のやり方には、そうしたことに充分な手当をせず、外国人労働者でその不足分を補おうとする政策がみえみえです。
そうした「経済的安上がり」だけを主な目的とした、今度の強引なやり方に、インドネシア国内からも「その後どうなるのか・・・」と言う不安が出てきたものではないでしょうか。
日本の医療を充実させるためには、まず第一に、日本の医療労働者が充分に働ける条件を作ることではないでしょうか。
そうしたことを抜きにして、安易に外国人を利用しょうとすることを当のインドネシアの人々に見透かされているのかもしれません。
日本の外交の貧弱さが顔を出したと言うことです。
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特例債は、病院会計の悪化で財政が悪化し再生団体入りなどが懸念される市町村が、財政改善のために本年度に限り発行できる。二〇〇三年度以降に増えた不良債務が起債の対象で、希望する市町村は九月末までに収支計画書などを国に提出することになっている。
道は七月、〇七年度の決算見込みを基に不良債務を抱える市町村を調査。委員会では公表しなかったが、赤平市が十三億五千万円分の特例債発行を希望しており、小樽市、美唄市なども申請する方針。道内では公表された最新の〇六年度決算で八割以上の六十九病院会計が単年度赤字。不良債務は二十四市町で計二百二十億円に上り、市町村財政を圧迫している。
「公立病院特例債」の発行による公立病院と赤字自治体の救済(?)=総務省の管理団体化が現実味を帯びてきました。
『救済』といえば、聞こえは良いのですが、その狙うところは、総務省が提案した「公立病院改革プラン」の実行・押しつけではないでしょうか。
「公立病院特例債」の発行は、医師不足などによって03年度以降に発生した不良債務を長期債務に振り返るため、08年度に限って認められるもので、償還期間は7年となっています。
分かり易くいうと、特例債は今ある不良債権の始末を先延ばしにするだけなのです。自治体にとっての借金そのものが処理されるわけではありません。
そもそも、自治体財政の悪化の原因のひとつが小泉改革の中で行われた「三位一体改革」による自治体財政の締め付けでありました。
また、公立病院の赤字の主要な原因のひとつは、診療報酬の引き下げと「政策的医師不足」であることは、多くの指摘があるところです。
そうした原因に全面的に手をつけないで、特例債発行容認は、「謝金返済引き延ばし」と引き替えに地方自治体と公立病院のあり方を政府・総務省の言いなりにしょうとする、『官僚達』の意図がみえみえではないでしょうか。
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厚労省改革、官邸主導に 有識者懇を移管 首相方針
(2008年8月5日 朝日新聞)
福田首相は年金記録問題などで失った厚生労働省の信頼回復に向けた改革を、首相官邸主導で行う方針を決めた。社会保障の「五つの安心プラン」で、厚労省内に設置するとした有識者懇談会を官邸に移すほか、鴨下一郎前環境相の起用を内定した厚労副大臣の権限拡充を検討する。
厚労省改革は、首相が6月に「政治のリーダーシップのもと、組織を含め行政のあり方の総点検を行う」と指示。7月末に公表された安心プランでは具体案は示されず、厚労省内に設置する「厚生労働行政在り方懇談会」で議論することになった。座長には奥田碩・トヨタ自動車相談役が決まっている。
だが、不祥事が続く厚労省の見直しを、同省内に置く懇談会に委ねることには批判が出ていた。首相は内閣改造を受け、官邸主導で改革に取り組む姿勢を明確にするため当初の方針を転換。懇談会メンバーの拡充も検討している。 =======================
厚労省内に設置することになっていた「厚生労働行政在り方懇談会」が、舛添厚労相の熱意(?)にもかかわらず厚労省からはずされて、官邸にもて行かれるとのことです。
社会保険庁をはじめ数々の不祥事が続く厚労省内に、その改革を目指す組織を作っても全く実効性がありません。
こうした懇談会の実際を仕切るのは「事務局」機能です。
その中心軸となる事務局が厚労省の官僚に支配されていては、改革そのものが彼らにつぶされる対象でしかないのです。
しかし、「懇談会」を首相官邸直属に持っていくと問題の解決になるかどうかは別問題です。
前記したように、その懇談会を仕切る「事務局」に厚労省からの出向官僚が入り込めば、『懇談会』がどこにあろうと同じです。
また、座長に指名された奥田碩・トヨタ自動車相談役は、あの「小泉改革」で経済財政諮問会議の座長をつとめ、財界の要求で「民営化」「市場原理主義」を日本の政治経済路線に持ち込んだ中心人物です。
となれば、これからの厚生・労働行政を彼ら「市場原理主義者」の活躍しやすい、そして財界が利益を追求しやすいような方向に持ってゆかれる危険性が大きいのです。
厚労省に限らず、財務省の「居酒屋タクシー」や防衛省の汚職、ODAにまつわる贈収賄事件などなど、霞ヶ関の腐敗ぶりは、底なしの状況です。
ここまできたら、個別の省庁の「改革?」もさることながら、政権交代を実現して、官僚・行政組織に抜本的な変革をもたらさなければ、行政組織の刷新はないと思っています。
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