厚生労働省は2009年度から、コンビニエンスストアなどでも風邪薬や鎮痛剤を一定の条件で販売できるようにする。改正薬事法の省令を整備し、来年4月の施行を目指す。インターネットやカタログを使ったビタミン剤の販売も解禁する。医薬品の効き目や副作用の強さが一目でわかるように、製薬会社には3段階の区分で表示することも義務づける。消費者にとっては医薬品の購入が便利になり、安全性の評価もしやすくなりそうだ。
コンビニやスーパーで風邪薬・鎮痛剤の販売が可能となれば、少なくとも薬剤師からのチェックや説明はなくても済むようになります。
今回から講習を経た「管理販売員」を設けて、自由販売となるのです。一見、消費者にとって便利になるようですが、いくつかの重大な問題が内在しています。
1) 薬を購入する事自体を「自己責任」と言い張るにしても、薬につきものの副作用についての責任も不明確になり、これも自己責任とされてしまう可能性があります。しかも、販売される薬は、これまでの一般薬よりの数段薬効の強いものなのです。
2) また、本来病院へ行くべき疾患を「買い薬」で済ませ、重大な病気を見逃し、手遅れになる可能性も否定できません。これで犠牲となるのは、売薬に手をつけた患者・国民なのです。
3) これは、国民に対して、「軽い病気は、まずコンビニの薬、それで治らなかったら病院へ」と明らかな受診抑制を進めていることです。
4) そして、利益を得るのは、薬を製造販売する製薬会社となるのです。
5) また、こうしたことは、将来の「軽症疾患の保険外し」につながる危険性もあります。
以上の様に、今回のコンビニ販売は、「医療費削減政策」「国民皆保険崩し」「混合診療の解禁」などと同一もののとして、監視してゆく必要があるのではないでしょうか。
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日本看護協会(久常節子会長)はこのほど、4月からスタートした後期高齢者医療制度に関し、今回の診療報酬改定で訪問看護に対する報酬が充実した点について評価する声明を発表した。
多くの国民の中で怒りが沸騰している「後期高齢者医療制度」をめぐり、日本看護協会は、「後期高齢者終末期相談支援療養費」を取り上げて評価する声明を発しました。
この「療養費」なるものは、終末期を迎えそうな高齢者の方に対して、そのご家族も含めて、在宅で死を迎える様な「合意書」を作成すれば診療報酬がつくというものです。
これは、体裁の良い「終末期患者さんの病院追い出し」を促進しょうとする厚労省の医療費抑制政策のいっかんにすぎません。
患者さんが、自分の死を迎える場所を前もって決めて、「合意書」まで作成する必要なんてありません。ましてや、それに診療報酬までつけて・・・・。
人間が死を迎える形は、多種多様です。また、その時期、病態、周りの環境によりずいぶん変わるものではないでしょうか。
今回の「後期高齢者医療制度」の強制で、お年寄りの生活状態は、ますます貧困化するのは目に見えています。
そうした逼迫した経済状態のなかで、ゆったり医療費の自己負担分を負担することがでず、また扶養してもらう家族への「迷惑」に遠慮して、「入院をあきらめて、お金のかからない在宅死」を選択させられる高齢者の増加が危惧されます。 そして、在宅死に送られる方は、確実に死期を早める事になります。
いわば「早期在宅死」への道を公式に認める通行手形みたいなものです。
なにが何でも「医療費削減」を推し進めようとする政府・厚労省が、そうした経済的弱者のお年寄りにやむなく病院での治療をあきらめさせることを狙っているのが、今回の「後期高齢者終末期相談支援療養費」ではないでしょうか。
「在宅で死を迎える」という美名のもとに、実は、「早期在宅死を誘導する」今回の処置に大きな疑問を持たざるを得ません。
また、「終末期のあり方」は、75才以上のお年寄りに限られる事ではないことは、「自明の理」です。
にもかかわらず、「早期在宅死を誘導」する、今回の「後期高齢者終末期相談支援療養費」は、「医療費削減のためには、命も削る」厚労省の魂胆を明らかにしています。
生命と健康を守る医療従事者の中にいる看護協会がこうしたとんでもない政策に賛意を表明するとは・・・・・・、開いた口がふさがりません。
「後期高齢者医療制度」全体への評価をもっと明確にすべきではないでしょうか。
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「事故調第3次試案」に対して、多方面から異議が唱えられています。
今回は、法律の専門家である河上和雄弁護士が、インタビューに答えて問題点を明快に指摘していました。
弁護士(医療と法律研究協会副協会長)・河上和雄氏に聞く 警察はあくまで医療事故を独自に調査“事故調”第三次試案に異議、厚労省の権限強化にすぎず 橋本佳子(m3.com編集長)
先週、厚生労働省は医療事故の原因究明などを行う第三者機関の創設に向けた「第三次試案」をまとめた。医療関係者が注目している第三者機関と刑事手続について、同試案では「新たな仕組みでは、警察・検察が専門的な調査を尊重する仕組みになる」と強調する。だが、東京地検特捜部長・最高検公判部長を歴任し、現在は弁護士の河上和雄氏は、「これは法律を無視したものであり、到底受け入れられない」と問題視する。(2008年4月7日にインタビュー)
――最も医師が懸念しているのは、医療安全調査委員会と刑事手続の関係ですが、この点について問題があると。
厚生労働省の医療安全調査委員会(以下、調査委員会)の議論自体には、法務省も警察庁も関与はしていますが、十分に詰め切れていません。第三次試案では、調査委員会がまず医療事故の調査を一括して行い、故意などの事例は警察に通知し、そこから捜査が始まるという仕組みを想定していますが、果たして警察や検察は了解しているのでしょうか。
こうした仕組みを作るためには、刑事訴訟法の改正が必要ですが、第三次試案では触れることができなかったのでしょう。刑事訴訟法上では、警察や検察が捜査権を持つと定めています。第三次試案では、調査委員会の通知がないと捜査ができないような書き方をしていますが、これは法律を無視するものであり、到底受け入れられないでしょう。
――第三次試案では、「別紙3」という形で刑事手続との関係を補足説明しています。「捜査機関は謙抑的に対応する」「刑事手続については、委員会の専門的な判断を尊重しつつ対応」などと書かれています。
謙抑的に対応するのは当たり前の話です。また、警察・検察が捜査を進めるにしても、調査委員会の意見を尊重することは考えられます。ただそれは、どれほど信頼できる組織を作るかにかかっています。これまでは医師同士のかばい合いなども見られたわけです。本当に信頼できる権威のある組織を早急に作ることができれば、いずれは厚労省が考えたように、警察・検察がその調査結果を尊重する時期が来るかもしれません。さもなければ、全然相手にしないことになります。
――調査委員会の調査結果が信頼できる意見であるかどうかは、実績の積み重ねで判断するのでしょうか。
そうだと思います。ただし、それまでの間に、医師や医療者が何らかの問題を起こすと、捜査機関はそれを放置していいのかということになります。結局、捜査機関は独自に動くわけです。
さらに第三次試案では、遺族が告訴した場合にも、「警察は、調査委員会の専門的な判断を尊重し、調査結果や委員会からの通知の有無を十分に踏まえて対応することが考えられる」としていますが、「考えられる」だけであって、「考えられない」場合もあるわけです。
要するに前述のように、厚労省は警察や検察と議論はしたのでしょうが、それが第三次試案に全然入ってきていないのです。
――それはどの辺りから読み取れるのでしょうか。もう少し教えてください。
この第三次試案は、医師の故意や過失に基づいて、患者の死亡もしくはそれに近い医療事故が起きた場合に、厚労省は「今後の医学の発展のために」という大義名分を掲げて死因の調査を行うというものです。しかし、故意などを犯した医師について、その責任を追及する姿勢が全然ありません。「俺たちに任せろ、われわれの調査結果を見て、俺たちが言ったことだけを捜査しろ」という書き方をしていますが、前述の通り、刑事訴訟法を改正しない限り、それはあり得ません。
――第三次試案では冒頭に「調査委員会は、責任追及を目的としたものではない」と掲げています。
それは当然の話です。厚労省には、責任追及、つまり刑事罰や民事罰を課す権限がないからです。法体系を変えない限り、あり得ないことを、あり得るように書いているのは、非常にミスリードさせるものではないでしょうか。
行政処分にしても、「現在、医師法等に基づく処分の大部分は、刑事処分が確定した後に、刑事処分の量刑を参考に実施されているが、委員会の調査による速やかな原因究明により、医療事故については、医療の安全の向上を目的とし、刑事処分の有無や量刑にかかわらず、医療機関に対する医療安全に関する改善命令等が必要に応じて行われることとなる。行政処分は、刑事処分が確定した後に、刑事処分の量刑を参考に実施されているが」とあります(別紙3)。
厚労省は行政処分の独自の権限があるにもかかわらず、今まで実施してこなかったこと自体をまず問題視すべきです。調査委員会を作ったからといって、厚労省が新たにできるようになるのでしょうか。
――刑事処分はどう適用すべきだとお考えですか。
医師や医療関係者から刑事罰から解放して、医学の発展のために医療事故の原因究明などを行う。そういう考え方を進めていくと、医師や医療関係者が何をしようと、犯罪にはならないことになります。しかし、それでは世論の支持は受けられません。特に医療過誤で家族を亡くした遺族にとっては納得できないわけで、あり得ないことです。
厚労省が医学的な観点から調査などを行い、医療事故を客観的に評価して、医療の透明性を確保する、それは結構なことです。しかし、刑事責任や民事責任を追及するのは別の話で、厚労省の仕事ではありません。
――それでは先生は第三次試案をどう見ているのでしょうか。
厚労省が医師の立場に立つことは必要でしょう。それはいいのですが、医師の立場に立ち、刑事罰や民事罰から医師をできるだけ遠ざける、調査委員会が一手に引き受けるという形で厚労省の権限を強化する方向性を出したのが第三次試案だと思っています。それも法律を無視して、厚労省の力が及ばない警察・検察に対して、調査委員会の言うことを聞かなければならいないとしています。
第三次試案の「おわりに」の部分に、「本制度の確実かつ円滑な実施には、医療関係者の主体的かつ積極的な関与が不可欠となる」とあります。この試案は、関係省庁の権限を奪う内容なのですから、「厚生労働省の広い視野からの検討と、関係省庁との十分な連絡が必要」と書くべきです。けれども、こうした観点が欠如しています。
――そのほか、第三次試案の問題点があればお教えください。
遺族のことにほとんど言及していないのも問題です。例えば、「解剖や診療経過の評価を通じて事故の原因を究明し、再発防止に役立てていく仕組みが必要である」とあります。医師と遺族が全く異なる話をすることは多々あります。医学的に調査するならば、医師の一方的な言い分だけはなく、遺族からも話を聞くべきでしょう。
そのほか、医療事故の届け出範囲を明確化するとありますが、果たして明確化できるのでしょうか。さらに、死亡事故ばかりを想定しているのですが、身体障害を伴う事故も当然考えなくてはいけないのではないでしょうか。(異状死の届け出を定めた)医師法第21条を中心に考えているから、このような案になったのだと思います。
――現行制度についてお伺いします。「医療に詳しくない警察が捜査する」などと問題視する声が多いのも事実です。
確かに医師法第21条の届け出先は、警察の刑事課にしているので、初めから「犯罪か」という見方をせざるを得ない現在の仕組みは問題だと思います。いきなり「犯罪だ、捜査だ」というのではなく、届け出に客観性を持たせるために、犯罪捜査を目的としない組織がまず受ける。そして警察は、調査委員会の意見を参考にしたり、警察が独自に抱えている医師の意見、さらには遺族の意見などを幅広く聞いて、捜査に入るか否かを決めるといった仕組みがいいのではないでしょうか。
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所詮、DPCは、厚労省がアメリカのDRG・PPSを見習い、それをとりあえず「日本風」にアレンジしてものです。
「医療費削減」を目的に、調整係数なる、彼らにとって都合のよい手段を駆使してまずは「急性期包括医療」を浸透させようとしています。そのためには、短期的に「経営的メリット」も強調してきました、ちょうど馬の目の前ににんじんをぶら下げるようにです。
DPCは、クリニカルパスによる「医療の質の向上」と抱き合わせて、実は、「国民医療費の総額抑制」にための道具として使われることは誰もが予想しているのではないでしょうか。
そして、DPCを用いた医療内容の国家統制への道が待っているのです。
つまり、将来、梯子がはずされるのを知っていながら、短期的な経営を追い求めざるを得ない状況に、医療界が経営的に追い込まれているのかもしれません。
そして、小山先生が指摘するように、結果的には、「自分の首をしめる」事になりかねません。
DPC病院にならざるを得ない場合でも、DPCにはそうした狙いがあることを肝に銘じることが必要と思われます。
経済財政諮問会議からは、「DPCでは、生ぬるいので早くアメリカ式DRGを導入せよ!!」との突き上げを食っている始末です。
後期高齢者医療制度で、「外来包括医療」が導入され、DPC病院では「入院包括医療」が着々と準備されているのです。
もう一度、日本医療のあり方の原点に立ち返り、「国民皆保険制度とは」 「診療報酬の出来高払い制度とは何か」などを検討する必要がありそうです。
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「業務範囲拡大の阻害要因は何か」と舛添大臣
医師不足と医師の長時間過密労働に対して、看護師の業務範囲の拡大で対応しょうとするのは、全く姑息的な手段でしかありません。
「医師不足」と言う非常に大きな課題が提起されると、それへの解決の方法として、「医療費削減政策」や「医師過剰を決めつけた閣議決定」の撤回、「医師の働条件改善」や「医学部定員の抜本的増加」を抜きにして、あたかも看護師が援助し助けるかのような動きが出てきました。
ところが、当の看護師でさえも、決して有り余っているわけではありません。
そもそも、医師、看護師の区別なく、医療従事者が全体的に不足しているのはいうまでもありません、介護職の現状を見ても明らかではありませんか。
そうした、大局的、本質的な事を抜きにして、当面の実用主義的な発想は、医師・看護師の増加を実現する上で有害になることもあります。
そうしたことに与する看護協会の幹部の考えは、「この危機」に乗じて自らの「権限」の拡大に走ろうとしているように見えてなりません。
「医師が足りないから、看護師が代わりに・・・・」は、「医師が足りないから、衛生兵でも・・・」と言う様な論理に似てはいないでしょうか。
さて、もう一つ、こうしたことで、患者さんとの関係が良くなるのでしょうか。
今まで医師に診て貰っていたことが、今度は看護師だけが対応するようでは、患者さんの側からすると満足できるものなのでしょうか。
こうした、医学と医療の基本をわきまえた上で、医療業務のあり方を検討すべきなのです。
ところで、舛添会議なるものを主導している、舛添厚労大臣に「問責決議」が突きつけられる状況になりました。
「年金問題」も3月末日までの公約がほごにされてしまったのですから、当然かもしれません。
医療現場や患者と医療従事者の実態と心を知らない「タレント大臣」は、そろそろTVのバラエティー番組に戻った方がいいかもしれません。
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イラク戦争がアメリカの侵攻で開戦されて以来、5年目が立ちました。
今では、ブッシュアメリカの開戦の過ちは、衆目の一致するところです。
しかし、荒れ狂うテロの被害は、イラク人と弱者に集中しています。
今日から私は、「遅い夏休み」が取れたので、シリア・ダマスカスとヨルダン・アンマンへ1週間ほど出かけてきます。
目的は、200万とも言われるイラク難民キャンプの訪問や障害児に車椅子を届けるボランティア活動が中心です。
同時に、イラク難民の実態と中東がの雰囲気に触れることができれば・・・・と考えています。
3月14日に帰国の予定です。その後、何回かに分けて報告したく思います。
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今度は、日本産婦人科学会から故意や悪意などの場合を除いて、事故調査委員会の報告書を刑事手続きに利用しないようと言う要望書が出されました。
産婦人科と言えば、医療訴訟の多い分野で、救急医療の中でも現在もっとも困難なところであります。
「軽度でも、重度でも」第3者機関の判断で刑事事件にされてしまうのが、現在の第2次試案ではないでしょうか。
一部に「直接、警察が介入するよりは,マシ」などという意見も散見されますが、問題なのは、第3者機関の判断になると、「公的なお墨付き」の刑事訴訟となることなのです。
そして、その「公的結論」は、その後に続く「刑事裁判」に引き継がれてゆくのです。
医師が、患者さんのと病気の治療をも目的に診療行為を提供し、不幸にして予期せぬ結果になったとしても、それを「医師の過失」として処分すべきではありません。
第2次試案で提案されている内容の公的な第3者機関の判断ではなく、まずは、専門家の自律的検討機関のなかで、再発の予防を充分視野の中に置きながらの検討が大切ではないかと思います。
さらに、多くの学会から、第2次試案への疑義や反対意見をあげて、早急な第三者機関(医療事故調査委員会)の創設にストップをかける
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東京消防庁などによると、女性は胸の痛みを訴え、8日午後9時34分に通報があった。救急車が通報の3分後に女性宅に到着し、病院の選定を始めたが、清瀬市や小平市などの病院から「満床で対応できない」などと断られ続け、選定開始から38分後に12番目の病院に決定。病院に到着したのは午後10時26分だった。女性には心疾患の既往症があったという。 受け入れを断った病院の一つの公立昭和病院(小平市)は、生命の危険のある患者を処置する3次救急医療施設だが、「要請があった時は担当の医師が別の患者の処置中で、待たせては命にかかわると判断し、他の病院への搬送を求めた」と説明している。
日本の救急医療機関は、開業医らが軽症患者を診る「1次(初期)救急」▽入院や手術の必要な患者を治療する「2次救急」▽救命救急センターなど重篤患者に対応する「3次救急」に分かれ、中でも、多くの市にある公立・民間の2次救急病院が地域医療の中心的担い手となっている。調査は、救急医療計画を策定する各都道府県を対象に、05年10月~07年10月の増減状況を尋ねた。
全国の2次救急病院は05年10月時点で4170カ所あったが、2年後には3996カ所となり、174の純減。救急対応をやめた235カ所に加え、21カ所が3次救急に移行するなどした一方、新たに82カ所が2次救急病院になった。04年以前のデータがある自治体の多くで、05~07年の年間減少数がそれ以前を上回り、減少率が高まっている。
2次救急病院の減少数トップは福岡県の26カ所。県東部の京築地区で市町村の補助金が打ち切られた結果、当番制で急患を受け入れる「輪番制度」がなくなり、10病院が一気に救急から外れたのが響いた。東京都の15カ所、大阪府の14カ所がこれに続き、診療報酬の改定に伴う収入減などで、診療体制を縮小する病院が都心部で増えている実情を裏づけている。当直の確保で人件費がかさむ救急が不採算部門になっている例も多く、東京では、5病院が破産や廃院に追い込まれていた。
地域別では、四国の落ち込みが著しく、全体の11%にあたる22カ所の減。北陸・甲信越でも8%(22カ所)減少し、激務などから救急勤務医の退職が相次ぐ地方病院の苦悩が際立っている。
こうした状況を背景に、各地で救急患者の搬送先探しが難しくなっており、兵庫県姫路市では昨年12月、吐血して搬送された男性が17病院に受け入れを拒まれた後に死亡。大阪府富田林市でも下痢や嘔吐(おうと)で搬送された女性が30病院に断られた翌日に亡くなった。福島市では同11月、交通事故に遭った女性が4病院に計8回搬送を拒否された後、死亡している。
このほか、2次救急に指定されている診療所も同時期に57カ所減り、404カ所になった。2年間で12%が消えたことになる。
調査と並行して、救急対応をやめた235病院のうち、自治体が公表しなかった病院などを除く227病院に撤退の理由(複数回答可)を聞き、204病院から回答を得た。
最多は「医師や看護師の不足」で66病院。次いで「診療所への変更」(40病院)が多く、「療養型病院などへの転換」も28病院あった。「地域の輪番制度がなくなった」が24病院、「倒産・廃院」は20病院だった。
スタッフ不足を挙げた病院は地方に顕著で、「大学の医局による医師引き揚げで常勤医が10人以上減った」「医師が半減し、当直態勢が取れなくなった」などと事情を説明。「看護師が給与の高い都市部へ流れ、夜間の救急体制が築けない」との声も多かった。
都市部では、人手不足を訴える病院が多い一方で、「救急での収益が期待できない」「病院の収支が厳しい中で続けるメリットがない」など、経営上の理由も目立った。中には「当直医の専門外の患者が来る救急は、訴訟リスクが高い」と回答した病院もあった。