古代中国の春秋時代、宋の国に狙公(そこう)という男がいた。「狙」とは猿のこと。名の通り猿好きだった。家人の食べ物を減らしてまで、たくさんの猿に餌を与えていた。猿と心を交わすこともできた。「猿回し」だったという説もある
▼やがて手元が不如意になったため餌の量を減らすことにした。「これから、餌は朝に三つ、晩に四つにしたいのだが」と相談すると、猿たちは烈火のごとく怒った。「それなら、朝に四つ、晩に三つにしよう」。すると、猿たちは大喜びした
▼誰もが知る「朝三暮四」の寓話(ぐうわ)。言葉巧みに人をだます意味に使う。コラムでは使い古された四文字熟語だが、あえて引く。どうも野田政権は、国民をこの猿のごとき者と見なしている節があるからだ
▼細野豪志原発相は年明けに原発運転期間を「原則40年」と発表した。原発は40歳で引退か。それでも長いと思っていたら、最長20年の延長を認めるという。合算で60年となる
▼そもそもこれまでも運転開始から60年の供用期間を目安に、30年を過ぎた「高齢原発」は10年ごとに国が審査する体制をとっていた。40年に20年を足しても、30年に10年を3回足しても答えは60年だ
▼曖昧だった「寿命」を定める点を評価する向きもあるようだが、それで安心、納得する人がどれだけいよう。野田首相の「脱原発依存」は虚言で、本音は「原発再稼働・延命」か。
私も、全く同感です。
野田首相の『本心』は、「原発再稼動・延命」と見て間違いありません。
それを「原則40年」といって、あたかも原発から離れていくようなイメージを国民に与え、実は「例外」を設けて延命を図るというのが彼らの手法です。
「消費税増税」や「議員定数削減」においても、本質的なことには触れないようにして、『言葉の言い換え』で国民を欺こうとする・・・。
実に、浅薄な実用主義的方法で乗り切ろうとしてるのですから、彼らに日本の将来を任せることはできません。
こうした指摘が出てくると、今度は細野大臣がアメリカで「修正発言」を行い、またまた国民を煙に巻こうとしています。
まさに、「国民は猿」扱いにする傲慢さです。
原発:40年廃炉、一転「60年」容認へ 政府が方針
政府は17日、原則40年で廃炉にすると公表していた原発の運転期間について「20年を超えない期間、1回に限り延長を可能とする」との方針を新たに明らかにした。今月6日に細野豪志環境相が「40年で廃炉」方針を公表した際には例外もあり得るとの見解を示していたが、年数は明らかにしていなかった。この「例外規定」が適用されれば、国内で今後認められる原発の運転期間は最長60年となる。【江口一】
政府は、24日に召集される通常国会に関連法案を提出し、4月1日施行を目指す。
内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室によると、関連法案では、原子炉等規制法に「40年」の運転期間制限を明記する一方、「環境相の認可を受けて20年を超えない期間、1回に限り延長を可能とする」との規定を追加する。具体的な期間は、20年を上限に政令で定める。
延長の考え方は米国を踏襲したもの。米国では法律で認められた40年の運転期間の後、交換困難な機器類の劣化対策を確認し、原子力規制委員会の許可が得られれば、最長20年の延長が何度でも認められる。
同準備室は「国際的な動向を参考にした」と説明する。
細野氏は6日に「原則40年で廃炉」の方針を公表した際、事業者から運転延長の申請があった場合は
(1)施設自体の老朽化の評価
(2)施設を保全できる技術的能力--を審査し、問題ない限り延長を承認する、との例外規定を示していた。
一方、この規定により、事故リスクが高い老朽化原発を減らしていくという原発安全規制が形式化するとの指摘もあった。
◇「60年」経産省の従来見解に合致 原発の寿命を原則40年と定めながら、その発表から11日後に最長で20年もの延長を容認した今回の原子炉等規制法の改正案は、「60年運転でも十分な余裕がある」としてきた経済産業省の従来見解に合致し、政府の原発規制姿勢が後退した印象を与えるものと言える。
政府は「延長には高いハードルを設ける」と例外を強調するが、具体的な延長基準は示されず、専門家から強い疑問の声が出ている。
内閣官房の担当者は、20年という延長期間の根拠として米国の例を挙げ、「世界的に認められている。(延長できる)可能性として短すぎるのも妥当ではない」と説明。具体的な延長期間や基準は、新たな規制機関となる原子力安全庁で、専門家の意見を聞いて政令などで決めるという。
原発の老朽化問題に詳しい市民団体「原子力資料情報室」の上澤(かみさわ)千尋氏は「米国でも延長基準は緩く、実際に(運転延長が)例外になるかどうか疑問だ。原子炉の劣化を診断する方法が技術的に確立していないことを真摯(しんし)に受け止めるべきだ」と厳しく批判しており、原発の40年運転制限制が形骸化する恐れは依然ぬぐいきれない。【西川拓、比嘉洋】
しかし、脱原発の喫緊の課題のひとつは、たとえ「40年廃炉」にしても、その間、放射性廃棄物が累積してくることではないでしょうか。
もっと酷いことには、以前は60年のメドに30年たった原発は、10年おきに点検されていたのが、今度は30年から40年に延長されているのです。
これは、明らかな「改悪」=「原発延命」路線といわず何と言うのでしょうか!!!
原発そのものの固有の危険性とそこから出される核廃棄物、これらによる被害をこれ以上拡大させないために「脱原発」政策を明確に掲げる政府の樹立を願ってやみません。
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