原発への攻撃、極秘に被害予測 1984年に外務省
(7月31日 朝日新聞)
外務省が1984年、日本国内の原発が攻撃を受けた場合の被害予測を極秘に研究していたことがわかった。
原子炉や格納容器が破壊された場合に加え、東京電力福島第一原発の事故と同じ全電源喪失も想定。
大量の放射性物質が流出して最大1万8千人が急性死亡するという報告書を作成したが、反原発運動の拡大を恐れて公表しなかった。
欧米諸国は原発テロを想定した研究や訓練を実施しているが、日本政府による原発攻撃シナリオの研究が判明したのは初めて。
81年にイスラエルがイラクの研究用原子炉施設を爆撃した事件を受け、外務省が財団法人日本国際問題研究所(当時の理事長・中川融元国連大使)に想定される原発への攻撃や被害予測の研究を委託。84年2月にまとめたB5判63ページの報告書を朝日新聞が入手した。
18年前に電源喪失対策検討 「重大性低い」安全委結論
(7月13日 朝日新聞)東京電力福島第一原子力発電所が東日本大震災時に全ての電源を失い炉心溶融を起こした問題で、国の原子力安全委員会の作業部会が1993年に、全電源喪失対策を検討しながらも「重大な事態に至る可能性は低い」と結論づけていたことがわかった。安全委は13日、当時の報告書をウェブで初めて公開した。今後詳しい経緯を調べるという。
報告書は安全委の「全交流電源喪失事象検討ワーキング・グループ」が作った。専門家5人のほか東電や関西電力の社員も参加。安全委の作業部会はどれも当時は非公開で、今回は情報公開請求されたため、公表した。
18年前に、国の原子力安全委員会の作業部会が原発の「全電源喪失』についての検討をしながらも、実際にはその可能性を無視していたことが報じられていました。
しかし、今回は、1984年(TMI事故の5年後)に外務省が原発への外部からの攻撃による「原発破壊」とそれによる『被害』をすでに想定していました。
① 全電源喪失、②原子炉建屋の破壊、③格納容器そのもの破壊、の三段階に分類して、その被害の予測、特に人命に対する放射の被害をシミュレーションしていたのです。
その中でも、①の全電源喪失は、まさに今回の福島原発事故の基本そのものではないでしょうか。
もし、その時点でこの情報を公開していたならば、今回の事故があったとしても今よりももっと事態への対応は変わっていたことが予想されるのです。
こうした情報隠しの裏にあるものは・・・・当時も言われていたことは、「これを報告すると反原発運動へ国民をおいやくことになる」といった、国民の世論誘導です。
事実を正確に公開しないで、原発推進派の都合だけに合わせて世論を誤った方向に持ってゆく・・・・
まるで、今回の国と電力会社、地方自治体が一体となってやっている「やらせメール」と発想ではないでしょうか。
また、政・官・業・教・学が一体となって作り上げた「原発安全神話」を守り抜くために、それに反する事実は、決して日の目を見ないようにされていたのです。
この「原発安全神話」が一度出来上がると、こんどは虚構の『安全神話』を基準にして、「原発に事故は起こらない」という『妄想』 が一人歩きして国民の頭に刷り込まれてきたのです。
反することを決して許されないこの「原発安全神話」を考えていると、戦前にあった侵さざるべきもの「天皇陛下」を想起するのは私だけではありません。
それに、電力会社の利潤追求方針とそれに従属した経産省・原子力保安院が結びつき、国民の前から「原発の危険」が消し去られようとしてきたのです。
しかし、それに抗して『原発の危険性』を訴え続けてきた小出裕章氏ら一部の良心的科学者と反原発運動を地道に継続してきた人々もいました。
さて、「原発」の是非を考えるにつけ、こうした情報隠しや「やらせメール」など、世論を欺く非民主主義的な日本の現状では、「原発」そのものを保有する資格がない国家と考えます。
「事故」が起きて、今の科学技術では解決方法のない「原子力発電」を認めるには、日本の国民意識や政治・民主主義の成熟度など、現時点では全く不可能ではないでしょうか。
勿論、将来的も原子力エネルギーの出番は、衰退の一途になることは間違いありません。
ただし、それは、「原子力発電」が核兵器製造との関係を清算できるか否かにかかっているのも事実です。
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世論監視する経産省が、今度は「やらせ」を連発==住民無視、原発の危険を裏打ちするもの==保安院を解体し、新たな規制機関の創設を==
四国電の原発シンポでも保安院から要請 参加や発言など
四国電力(高松市)は29日、2006年6月に愛媛県伊方町で国が主催した伊方原発3号機のプルサーマル発電に関するシンポジウムで、伊方原発や関連企業3社の従業員10人と地域住民19人の計29人にプルサーマル関連の質問や意見をするよう例文を示した上で依頼していたと発表した。原子力安全・保安院から「多くの参加者を募り、質問や意見が多く出るようにしてほしい」との要請を受けたという。
シンポの会場では15人が質問したが、そのうち10人が四電が依頼した人だった。内訳は社員2人、関連会社員3人、そのほかの住民が5人だった。
例文では、「プルサーマルは燃料のリサイクルであり、資源が乏しい日本は、再利用できる有益な資源は積極的に活用すべきではないか」「プルサーマルはプルトニウムの特性や性質をきちんと把握して行うとのことなので安心した」などで、10人中7人が例文に近い発言をしたという。(島脇健史 朝日新聞 7月29h)
中部電力は29日、2007年8月に、国主催で静岡県御前崎市で開催された浜岡原子力発電所のプルサーマル計画に関するシンポジウムで、質問がプルサーマル反対派一色になるのを避けようと、経済産業省原子力安全・保安院の依頼を受け、同社社員や関連企業などに参加を呼びかけたとの内部調査結果をまとめ、同省に報告した。
同社は「社員らに特定の意見表明の強制はしなかった」と、やらせ質問の要請は断ったとしているが、原子力規制側の保安院が、推進側の世論誘導にかかわっていたことを示すもので、今後、論議を呼びそうだ。
調査は、九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働を巡る「やらせメール」問題を受け、同省が29日までに各電力に回答を求めていたもの。中部電力の発表によると、8月26日のシンポの前に保安院から、〈1〉会場の空席が目立たないように参加者を集める〈2〉質問が反対派のみにならないよう質問を作成し、地元の人に質問してもらう――との口頭依頼があった。同社は、社員、関連企業、地元に参加を呼びかけたものの「任意の呼びかけで参加人数の割り当てや参加報告などの強制的な方法はとっていない」とした。
シンポは、保安院や資源エネルギー庁などが企画し、プルサーマル発電の安全性が説明された。同社によると、参加者は524人で、このうち同社社員は150人前後だった。関連企業の参加者は把握していないという。シンポではプルサーマルの必要性などに関するアンケートを実施。「理解できた」「だいたい理解できた」との肯定的な回答が8割を占めたが、同社本店で記者会見した寺田修一法務部長は、「参加の呼びかけは空席が目立つと良くないとの目的が大きい。アンケートをよく見せようという意図はない」と述べた。
シンポに、当時原子力発電安全審査課長として出席し、記者会見でスポークスマンを務める保安院の森山善範・原子力災害対策監は「(保安院からの依頼は)記憶していない。あってはならないこと」と話した。
九州電力のみならず、中部電力や四国電力でも、公聴会における「やらせ」の実態が明らかになっています。
この「やらせ」は、73年の福島第二原発建設に時の公聴会から始まったそうです。
しかも、原子力発電所の安全を「担保」する機関であるはずの保安院が主導していたのですから、原発の安全など最初から確保されてはいなかたのです。
これまで経産省は、原発推進機関である資源エネルギー庁により、脱原発世論を監視し、保安院では、電力会社に「やらせ」を強制し、権力ぐるみで「原発推進」世論を捏造してきたのですからその罪は計り知れません。
こうした保安院の姑息なやり方は、原発の危険性や住民の意思を無視する反民主主義的体質を裏付けるのもでしかありません。
まず、歴代政府・経産省の関係者が自ら名乗り出て、国民に謝罪すべきではないでしょうか。
また、保安院の反国民的腐敗体質が明らかになっている現在、保安院を組織として分離独立させるだけでは意味がないどころか、これまでの体質が温存引き継がれる可能性が大です。
従って、一日も早く、保安院を解体し、構成員の横滑りをい許さず、全く新たに「原子力規制機関」を作り上げ、実効のあるものとしなければなりません。
公聴会の成り立ちそのものが不正に満ちていることが解かった現在、該当する原発の公聴会をもう一度やり直した上で、原発に対する地域住民や立地自治体の合意を確認する必要があります。
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(07/26 北海道新聞)
経済産業省資源エネルギー庁が2008年度から、報道機関の原発関連の記事を監視する事業を行っていたことが26日までに分かった。本年度は東京電力福島第1原発事故を受け、短文投稿サイト「ツイッター」やブログなどのインターネット情報を監視するための補正予算を計上している。
これまで、政府・官僚・企業・御用学者らにより成り立ってきた「原子力利益共同体」(原子力村)の中で、マスコミも原子力の「安全神話」つくりに大きな役割を果たしてきました。
反原発の記事を掲載すると企業からの広告・宣伝費か削減されるのは当たり前でした。
しかし今回、その一端が解かったのは、政府のエネルギー庁自身が、原発関連記事を監視していることです。
しかも、国民尾税金を使って反原発の記事を詳細に調べ、それを『原子力村』の関係に流し、報告する。
その反原発を主張する「報告者」には、陰に陽に圧力をかけ、『安全神話』を犯すものへの『攻撃』を準備する・・・・
こんなこと、今日の『民主主義社会』では到底許されることではありません。
一方で、『民主主義社会でなければ、原発は許されない』ということが論じられている現在です。
つまり、原子力をめぐり正確な情報を国民の前に明らかにする体制と、透明性がなければ、これだけ危険で人類が、制御不可能な原発を使用する資格がないということなのです。
こうした中でのエネルギー庁による「言論監視」です。これだけからしてでも、政府・電力会社には、原発を推進する資格はありません。
菅内閣は、直ちにエネ庁による『言論監視』を止めさせるべき!!
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(07/21 北海道新聞)
関西経済連合会や大阪商工会議所は21日、「安定的な電力確保に関する緊急要望」を福山哲郎官房副長官に提出した。西日本の経済について「(東日本大震災後の)再成長に向けた大事な時期に電力不足が足かせとなっている」と指摘。定期検査後の原発の速やかな再稼働などを求めている。
要望は「具体策なき原発依存度の引き下げが国民生活・産業活動に及ぼすダメージは計り知れない」として菅直人首相の「脱原発」方針を批判し、このままでは企業の海外流出による産業空洞化を招くと懸念を表明。
(07/26 北海道新聞)
民主党の成長戦略・経済対策プロジェクトチーム(PT、座長・直嶋正行元経済産業相)がまとめたエネルギー政策に関する政府への提言素案が26日、判明した。安全対策実施を前提に定期点検を終えた原発の早期再稼働を求めた。
半面、菅直人首相が打ち出した「脱原発」方針について言及はなく、温度差がにじむ内容だ。
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は27日午前、長野県松本市で開幕した国連軍縮会議で基調講演した。
天野氏は「福島第一(原子力発電所事故)にもかかわらず、原子力の世界的な利用はこれから数十年間にわたって増え続け、多くの国にとって重要な選択肢のまま残る」と述べた。菅首相は「脱原発」を唱えているが、世界的には原子力の平和利用推進が今後も継続するとの認識を示したものだ。
また、「原子力の安全は個々の国の責任だが、IAEAは世界における原子力のより安全な未来を形作るうえで、先導的役割を果たす」と強調。事故を教訓とする国際的な努力の一環として、日本がIAEAと共催で2012年後半に原子力安全に関する国際会議を開催することを歓迎した。
さらに、財界や民主党にとどまらず、、原子力の国際監督機関であるIAEAまでもが、「原子力の平和利用」の理屈で原子力利用推進への合唱をはじめました。
福島原発事故をひとつの契機として、多くの国民の中に「脱原発」の意見と感情が広まる中で、原発推進は、相当な危機感を抱いているに違いありません。
福島原発事故の放射の被害が、食物を通しても全国に広がる中、産業活動の推進とは別に、国民の健康と命、地域社会と暮らしとの側面から、根本的に考えてゆくことが大切ではないでしょうか。
それにしても、国の権力と産業経営を握っている「原発推進派」の巻き返しを侮ることは出来ません。
多くに国民の「脱原発」の思いを質量ともに強化する全国民運動が
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原子力発電所の運転や安全対策に関与できる「地元」とはどこまでなのか-。 放射能汚染が広範囲に及んだ福島第1原発の事故は、多くの自治体にこうした疑問を突きつけた。
北電泊原発で言えば、現在の「地元」は北電と原子力安全協定を結んでいる道と後志管内泊、共和、岩内、神恵内の4町村だ。
だが、福島の事故以来、原発への不安は後志管内の他の町村、さらに札幌市などにも広がっている。
「地元」をとらえ直す必要がある。道が全道的な視点に立って、その旗振り役を務めなければならない。
北海道新聞社が原発から30キロ圏内の後志管内13町村で行った世論調査では、泊原発の安全性に「不安」を感じる人が9割近くに達した。北電が進める安全対策にも8割が不安を訴えている。
泊原発の安全が、もはや4町村だけの問題ではなくなっていることは明白だ。 ところが、高橋はるみ知事の対応はこうした住民の不安に正面から向き合っているとは言い難い。
知事は先の定例道議会で、定期検査で停止中の原発について、運転再開の是非を判断する際の協議対象を、泊など半径10キロ圏内の「地元4町村」とする方針を示した。
圏外の自治体にも何らかの配慮をする姿勢は示しているものの、こうした線引きに、協議対象外の町村は強く反発している。当然だろう。
知事は視野を広げ、原子力安全協定の締結範囲拡大なども含めて、4町村以外の声をくみ取る仕組みを早急に整備するべきだ。
政府は、原発事故に備えて防災対策を重点的に充実する地域(EPZ)を、現在の「原発から半径8~10キロ圏」から拡大する方向で検討に入っている。 だからといって政府が新たな指針を示すのを待つことはない。道は、原発事故が道民生活全体を破壊しかねないことを、あらためて肝に銘じてほしい。
道が「地元」の拡大に消極的な姿勢をとり続けた場合、その影響は泊原発周辺にとどまらない。
函館市は一部が、電源開発が青森県大間町に建設中の大間原発の30キロ圏内にかかっている。
凍結を求める函館市の危機感は募っているが、現状では「地元」として意見を反映させる仕組みがない。
事故の際の放射能汚染の可能性を考えれば、函館市や道は決して部外者とは言えない。
今回の福島原発事故の経験から、原発殻影響を受ける自治体を半径8~10Kmにしていることが、もはや実態にそぐわないことが明瞭になっています。
泊原発から60~80Kmの距離にある札幌に住む私たちにとっては、原発事故はもはや200万都市札幌の問題でもあります。
それを知って、以前から非核都市宣言をしている札幌市と上田市長は、泊原発の凍結を北海道電力に申し入れ、市としても必要な対策を講じているのです。
それに引換え、経済産業省出身である高橋はるみ北海道知事の動きは鈍いとしか言いようがありません。
鈍いだけでなく、泊1号機の試験運転から営業運転へのゴーサインの責任を崩壊の危機にある菅内閣に預けて、プルサーマルの3号機も含めて再稼動に入ろうとしているのです。
これは、「原発再稼動」という自己の責任を菅内閣に転嫁しつつ、北電と大企業の「希望」に答えるという、いいようのない、狡猾なやり方ではないでしょうか。
現に、福島を中心に進行している原発事故を参考に、北海道の大地と道民の生命と生活を守り、日本国土と世界中への影響を回避するためには、北海道は、まず泊原発の停止、廃炉を決意する必要があります。
そのためにも、北海道は北電との原子力安全協定を結ばなければならない自治体の範囲を近隣の大都市札幌まで拡大すること、その先頭に立つのが高橋知事の役割ではないでしょうか。
また、それは、下北半島に予定されている大間原発から30Kmの函館にも適応されることは論を待ちません。
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ノルウェーが生んだ画家エドワルド・ムンク(1863~1944年)は、19世紀末の不安や孤独を表現した作品を残した。有名なのは不気味にうねる夕空を背に、やせ細った人物がおびえた顔で大きく口を開け、橋の上で両耳をふさぐ「叫び」だろう
▼ムンクの回想などによると、絵は、この人物が叫んでいるのではなく、どこからともなく聞こえる叫びに恐れおののく姿を描いたという
▼美術史家高階秀爾氏は「叫び」を含むムンク作品は、<いっさいの日常的な音は遮断され、かぎりない沈黙のなかで、ひそかに運命の糸が紡がれている>(「近代絵画史」中公新書)と説く。幼くして次々に肉親を失い、死に向き合った画家は、その筆で魂の叫びを伝えようとしていたのか
▼「白夜の国」から恐怖と怒りの叫びと慟哭(どうこく)が聞こえてくる。ノルウェーの首都オスロとその郊外のウトヤ島を襲った連続テロで、多くの命が奪われた
▼乱射事件があったリゾートの島では与党労働党青年部のサマーキャンプが標的にされ、10~20代の若者が犠牲になった。暮れやらぬ夏の夜を徹して政治討論にとどまらず、将来の夢や希望、恋を語り合っていただろうに-
しかも、ノーベル平和賞が授与されるオスロにおいてです。
自らの意見を暴力で押し通そうとするテロリストの「論理」で、100名を超す犠牲者を出してしまいました。
テロリスト達は、あえて平和のシンボル都市、オスロを狙っていたかのようでもあります。
それも犯行者が右派・キリスト教原理主義者とも言われています。
であれば、その対象・標的となるのは、すでに報道されている「イスラム世界」だったのでしょうか。・・・。
これからの推移を見ながら、どうか「報復の連鎖」が起きないように、ノルウエー当局による厳正な捜査と審判が望まれます。
再発を防ぎ、世界中への伝播を阻止するために!!!
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In Japan, nuclear bestsellers reflect new debateBy Chico Harlan, Tuesday, July, 19《日本のベストセラーが新たな論争を反映している》チコ・ハーラン 7月19日火曜日 東京: 40年にわたる世に知られぬ活動の歴史を印す一人の原子力研究者が、つい何週間か前に
関西国際空港の中を歩いていた。そのとき彼は一つの書店でベストセラーの表示を見つけた。ちらりと目を下ろしてみると、そこにあったのは、彼の顔が表紙の隅を飾るその最新の著作「原発のウソ」だったのだ。 小出裕章にとってそれは、関心の埒外にあったものが主流へと向かう変化を確信した瞬間だった。四半世紀で最悪の原子力危機のさなかにあるこの4ヶ月間、日本の官僚たちと電力業界の責任者たちが原子力政策を巡って大混乱を繰り広げる一方で、少なくとも一つの業界が卸売りの調整に向かって先を争ってきた。書籍販売のウエッブサイトによると、出版社は1日につき1冊を超える割合で原子力に関する本を出版しているのだが、かつてあまりの読者の少なさに驚いていたような著者たちに、その就筆を依頼しているのである。 それらの本は原子力政策に関する日本の新たな国民的議論を惹き起こす。それらはまた世論の傾向を反映しているのだが、最新の世論調査での大まかな数字によれば、それは原子力反対の声の方に4対1の割で傾いているのである。本の一部は図表を掲げて冷静に書かれたものである。一部は怒りをにじませたもの。一部は悲しみにくれるものである。しかしそれらはおしなべて、政府の情報に対する信頼喪失が増大する一方の社会を反映しているのだ。 著者のリストは多方面にわたる。学術界の人々、ジャーナリスト、産業界のエキスパート、元インサイダー、そして反逆する政府官僚。以前の福島県知事である佐藤栄佐久は一つの本(「福島原発の真実」注1)を著した。福島第一の建設にかかわったエンジニアの一人である菊池陽一も同様である(「原発を作った私が原発に反対する理由」注2)。ある経産省官僚が「日本中枢の崩壊」注3と自身で呼ぶインサイダー情報を語って物議をかもした。しかしこの古賀茂明がベストセラー著者となった1ヶ月ほど後に、彼は退職を求められた。それは彼がもはや抵抗できない要求である。注1:佐藤栄佐久「福島原発の真実」
注2:菊池陽一「原発を作った私が原発に反対する理由」注3:古賀茂明「日本中枢の崩壊」 この危機の引き金を引いた3月11日の地震と津波以降に出版された原子力に関する書籍はこれだけではないのだが、アマゾンジャパンのサイトは過去30日の間にほとんど100にのぼる新刊をリストアップしている。東京の法政大学教授、川村湊はその流れに歩調を合わそうとしている。彼は最近出版された150の原子力関連の本に2500ドルを費やしているのだが、その中には100にのぼる復刻版がある。 川村の原子力に関するあらゆる専門的知見は、彼自身が原子力問題の本 - 最初の15日間の緊急事態についての日常的なスタイルの評論注4
を書いて以後に身につけたものである。福島第一原子炉建屋でメルトダウンが始まったときに、彼は戦時中の日本による満州占領についての本を執筆中だったのだ。 注4:川村湊「福島原発人災記-安全神話を騙った人々」川村は語った。「私は編集者を呼んでた
ずねました。『あのう、本のテーマを変えてもいいですか』って」。 この何十年間も日本の出版業界が、東京の官僚たちの宣伝する細部にいたるまで原発推進のメッセージで打ち固められた政策に付き従ってきたと、原子力の専門家たちは指摘する。
「原子力に関連した本は売れないと、そんなふうに言われてきました」。日本原子力研究所の元研究員、館野淳はこのように語る。彼は2003年に本を著したが注5ほとんど売れなかったのだ。 注5:館野淳「原子力のことがわかる本:原子爆弾から原子力発電まで」 この分野での科学者と研究者、特に原子力の利用に反対する者たちは、世に知られず埋もれる運命を甘んじて受け入れる以外の選択肢をほとんど持ち得なかった。京都大学原子炉実験所の助教である小出は、原発反対の訴訟を助けまた少人数の市民グループへの講演活動で、その経歴を過ごしてきた。彼はまた、数多くの充実した本を書いたが、それは「放射能汚染の現実を超えて」注6と題する1992年に始まる彼の講演の大部分を集積したもので、売れたのは3000部だったと小出は語った。 注6:小出裕章「放射能汚染の現実を超えて」 3月11日の災厄は小出の専門知識に対する必要性を押し上げた。いま、彼の講演会は1000にのぼる人々を引き寄せる。インタビューを求める電話は平均して1日に2回かかってくる。テレビにも登場する。しかし彼に及んでいるこの変化について、彼は満足よりもむしろより大きな悲しみであると考えている。 「私はこの本が多く売れていると聞きました。でも私はこれには複雑な気持ちです」。彼の新著は20万冊も売れているのだが、それについて彼はこう話した。「事故が起こったから売れているのです。この40年間、私はこの分野で、こういった事故が起こらないようにと願って働いてきました。いま恐ろしいことが起こり、だから私の本は有名になっています」。話と本の中で、彼は責任について語る。
原発事故自体については、彼は政府および原発を運営する東京電力の両者を非難する。規制する立場の者たちと稼動させる者たちの間にある腐敗した関係を非難する。しかし同時に、彼は傍観していた人々をも非難する。実際にこの国の大多数の人々は原子力が安全だという考えを支持していたのだ。 「騙された人たちもまた騙されことに責任を負っているのだ」。小出はこのようにその著書に書いた。彼はその最初の部分で、過去と比較してます
ます多くの人々が彼の声を聞くようになっていると書いた。「人々は原子力が危険なものだと気づき始めている。たぶん今が、この社会をはっきりと方向転換させようという決定を我々が下すときではないかと思う」。 これは特派員ヤマモト・アキコとイワタサチコの報告によるものである。 長い紹介となりましたが、まだ、未読の方は、是非『原発の嘘』(扶桑社新書 777円)
をお読みになることをお薦めいたします。なお、本年6月11日、札幌で開催された「小出講演会」のDVDがありますので、ご希望の方はご一報ください。
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畜産農家 「全頭検査を」 県内で高濃度の放射性セシウムに汚染された稲わらが肉牛に与えられていたことが明らかになり、県南部の生産者や県の担当者からは、政府の責任を問う声が相次いだ。
肉牛農家約30戸が集中する藤沢町黄海(きのみ)地区で、約40年間牛を育てている千葉隆一さん(62)は、「わらを食わせられないと、牛も死んでしまう。国の責任で補償してもらいたい」と憤った。飼育している120頭のうち5、6頭は来月に出荷時期を迎える。「出荷できなければ値も下がるし、牛の健康状態も心配。本当に影響があるのか全頭検査して調べてほしい」と話した。
県が今回調査したのは、牧草から国の暫定許容値を超える放射性セシウムが検出されていた県内7市町村の431戸。このうち宮城県と県境を接している一関市と藤沢町で、稲わらから高濃度の放射性セシウムが検出された。汚染された稲わらを牛に与えていた農家は、刈り取った稲わらを田んぼなどの屋外に積み上げて保管していた。原発事故で飛散した放射性セシウムが付着したとみられる。
県は20日、県内全域の農家に対して、原発事故後に屋外から取り込んだ稲わらを牛に与えないことや、与えていた場合には肉用牛の出荷を自粛するよう、市町村を通じて改めて求めた。全畜産農家を対象に稲わらの管理について調査を進めており、22日にも結果を公表する方針だ。
徳山順一・農林水産部農政担当技監は記者会見で「今回の大きい原因は国と、原子力行政だ。農家が経営できなくなることがないよう、十分な補填(ほてん)対策を国に強く要望していく」と話した。
JA県中央会(盛岡市)は県の調査を待って、肉牛の出荷を自粛するかどうか検討する。担当者は「まさか稲わらまでも汚染されているとは。風評被害を解消するためには、全頭検査が必要になるのではないか」と不安そうに話した。
福島第一原発事故以来、放射能汚染の拡大はとどまるところを知りません。
これも、核分裂への制御技術を持たないままに核兵器開発の流れの中で原子力発電に応用してきた人類へのしっぺ返しとも考えられるものです。
政府は、福島原発事故へ正確、俊敏な対応と同時に、汚染被害者に対して、あらゆる分野での社会的、経済的保障を直ちに実施し、生活、地域、産業が倒れることの無い様に、全力で支援を発動すべきです。
一度倒れてしまったら、それを立て直すには、何倍もの資金と労力が必要とされるのですから・・・・。
さて、今は、汚染稲わらによる肉牛汚染ですが、その範囲の拡がりはわれわれの予想を超えるものであることは間違いありません。
小樽港から輸出される中古車についても「放射能汚染」が指摘され、輸出先のロシアから返品される始末です。
車体に付着した放射性物質が輸入中古車と伴に国内に持ち込まれるのを嫌ってのことです。
ロシアの人々は、チェルノブイリ原発事故以来、放射能汚染に敏感なのかもしれません。
輸出業者によれば、いくら除染しても内部での汚染を取り除くことは困難とのことです。
今後、日本からの輸出品のほとんどは、放射の測定を合格しなければ、輸入されない事態になる可能性が大きいと思います。
さて、こうして、国民の生命や産業の減退まで多大な影響を与えている原発=エネルギー政策に対して、それを推進してきた自民党は、依然として「原発維持」を掲げている始末です。
自民、原発は当面維持 中長期政策、将来の存廃は触れず
自民党の国家戦略本部(本部長・谷垣禎一総裁)は20日、中長期的な基本政策をまとめた「日本再興」と題する報告書を発表した。当面のエネルギー政策については再生可能エネルギーの促進とともに「安全強化策を施した上で既存原発の稼働維持」を掲げた。核兵器の一時的な持ち込みを容認する「非核2.5原則」への転換も打ち出した。
昨年9月から「成長戦略」「社会保障・財政・雇用」「地域活性化」「国土保全・交通」「外交・安全保障」「教育」の6分野で検討を進めてきた。同報告書が自民党の次期衆院選の選挙公約の土台になる。
これなで通りの「安全神話」にしがみつき、国民の生命や生活をよりも財界の意志を代弁する自民党であることをここでも告白しています。
そして、これだけ核問題が国民絶望の縁に追いやっておきながら、それを反省するどころか、核兵器を一時持ち込みを許す「非核三原則の見直し」を提案しているのです。
許すことはできません!!!
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北海道の高橋はるみ知事は13日、調整運転中の北海道電力・泊原子力発電所3号機について、国に求めていた道からの質問への回答がなくても、通常運転を容認する可能性を示唆した。
「(道は)3号機について定期検査中という認識だったが、国は稼働中といっている」と述べ、国と見解が異なると説明。国の認識を確認し、道の考え方をまとめる方針だ。
道はこれまで泊原発1号機、3号機を再稼働する条件として、国に出した「福島第1原子力発電所の事故原因に地震が影響したのか」などの質問への回答があることを挙げていた。
高橋知事は13日、国の返答がないと原発の再稼働を判断できないとの従来の考えを繰り返し表明。ただ国が泊原発3号機を定期検査中ではなく稼働中と認めれば、3号機に再稼働の条件を適用する必要性自体がなくなるとの認識を示した。
これまでも、原発推進派として泊原発の稼働に便宜を与えていた高橋北海道知事が試験運転が延長している3号機の営業運転再開へ動き始めました。
経産省出身の高橋はるみ氏が知事選に立候補する時、道北地方の幌延町での使用済み核燃料廃棄施設建設への「GO サイン」や泊原発増設のためなどと、地元北海道では指摘されていました。
確かに、それ以前の堀知事や横道知事の時代には、幌延の「核」関連建設のための調査さえも許可しませんでした。
それが高橋知事の時代になり、早速、「幌延調査」が強化される始末でした。
3.11の福島原発事故以来、表向きには「慎重姿勢」を見せていた高橋知事であっても、ここに来てやはり原発推進として、「背に腹は代えられぬ」となっているのかもしれません。
そして、ついに・・・・「泊を早く急ぎなさい!!」というような焦りにも似た態度になりつつあります。
(2011/7/20 6:01 日本経済新聞 電子版)
調整運転中の北海道電力・泊原子力発電所3号機の通常運転に向けた動きが慌ただしくなってきた。道は国の判断を待って、通常運転への移行を認める見通し。
ただ、道議会に慎重論があるほか、「脱原発」を表明する道内自治体も相次ぐ。通常運転への移行には十分な説明が欠かせない。消費電力がピークを迎える冬に備え、道は難しいかじ取りを求められる。
こうした高橋知事の動きと軌を一に刷るように、菅内閣は、「再稼働1次評価」からの除外を方針としました。
あたかも、高橋知事、原発推進派からの催促があったようにです。
(2011/7/20 12:17 日経新聞)
枝野幸男官房長官は20日午前の記者会見で、定期検査後の「調整運転」段階にある北海道電力泊原子力発電所3号機について「現に稼働中、再稼働している原発だ」と語った。政断するための「1次評価」を実施する方針。泊原発は事実上、運転中であるとの判断から対象外とする方針を示したものだ。
これも全く理屈のならない理由です。
「現在稼働しているから」というのであれば、稼働中のものは「安全」という、これまでの「安全神話」の延長線上でしかありません。
現に調整運転していた大飯原発は、原因不明のままとりあえず手動停止になったのはつい最近の事ではないでしょうか。
虚偽の「電力不足」と「安全神話」をもてあそんで、国民の命や生活以上に危険な原発を優先させる原発推進派の動きを軽視することはできません。
高橋知事が道民の「脱原発」への思いに添えないのであれば、知事リコール運動が起きてくるかもしれません。
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底なしに広かる「放射の汚染」の脅威==人命はもとより産業と地域を破壊する「原発推進政策」==菅内閣は、総意として「脱原発」宣言を発するべき==
汚染わら調査、全都道府県に拡大 農水相発表
(7月19日 朝日新聞)
放射性セシウムに汚染された稲わらが宮城県から福島、新潟、山形の3県に流通して肉牛のえさに使われた実態を受け、鹿野道彦農林水産相は19日、閣議後の会見で、畜産農家での稲わら利用状況を調べる緊急点検を全国47都道府県に広げると発表した。
15日に1都10県で始まった緊急点検で、原発事故後に収集された稲わらが、宮城県から福島、新潟、山形の各県の畜産農家に渡っていたことを各県が発表。汚染わらが広域に流通する実態が明らかになった。
今回の出来事は、放射汚染を受けた稲わらを摂取した牛が「放射能汚染牛」となり、各段階の販売経路をくぐり抜けて、人体に放射能汚染をもたらすことが大まかな経過です。
肉牛が汚染物質を口にしたように、人間も経口的に汚染された牛肉を摂取することになります。
ここまでくれば、肉牛とか人間とかの問題ではなく、自然界全体における「放射能汚染」として対策を立てる必要があります。
稲わらが汚染されたということは、汚染対象として、自然界に生育しているもっと様々な品目の「食品材料」が被害にあっていはいないかということです。
さらに、これまで対象とされてきた地域だけでなく、もっと広範囲に「危険地帯』を設定すべきです。
こうして、放射による「食品汚染」を最小限に食い止めることが現時点の政府の義務であることは言うまでもありません。
しかし、問題は人体的影響に留まりません。
稲わらや肉牛を出荷した業者さんはもとより、それを販売したお店や料理として出した「焼き肉店」、そして何よりもそれらに全く汚染の疑いを持たずに口にした消費者・・・・・・・。
そして、大切なことは、これらが畜産業者の問題だけに留まるものではないということです。
地域的には、福島は勿論、東北地方全体やさらには、遠くはなれた地域からも「放射能汚染レポート」が報告されるや否やその地方全体の一次産業に及ぼす『負』の影響は計り知れないものがあります。
こうして出てくる『原発被害』は、止まるところを知りません。
「産業・地域振興』をうたい文句にしてきた「原発推進」が、いまや人命軽視と「産業・地域破壊」の代名詞となりつつあります。
政府が、本当に国民の生命や暮らし、産業振興に精勤を持つというのであれば、その根源となる「原発推進」政策の転換を一日も早く宣言すべきです。
菅首相の「個人的見解」ではなく、国民と内閣の総意として・・・・。
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