国民医療とも通じる社会的共同資本としての日本農業==それを投げ捨てる菅政権の「亡国政策」==それほどまでにアメリカに従属する菅政権==
一昨日に続き、宇沢弘文氏の論考を紹介致します。
なかなか示唆に富むべきもでありますが、この宇沢氏が「TPPから日本を守りたい」宇沢東大名誉教授が代表になり「TPPを考える国民会議」が発足しました。
http://www.jiji.com/jc/p_archives?rel=j7&id=20110224202734-0502402
また、3月15日の札幌では、
特別寄稿(下)】菅政権のめざすことと、その背景
宇沢弘文・東京大学名誉教授、日本学士院会員
菅首相はTPP参加による「平成の開国」と農業の再生は両立可能だと繰り返し強調している。しかし、そもそも「農の営み」や農村とは、人間と社会にとってどのようなものだろうか。宇沢教授は改めてその意味を強調し、今は「人々の血と汗によって守られきた」日本の農村が消滅する危機的な政策選択をしようとしていることに強く警鐘を鳴らす。
社会的共通資本の視点に立って日本の農業を守る
◆農の営みのもつ重い意味
農の営みは人類の歴史とともに古い。むしろ人類を特徴づけるものとして農の営みが存在するといってもよい。
農業は、自然と直接的な関わりをもちつつ、自然の摂理にしたがって、自然と共存しながら、人類が生存してゆくために欠くことのできない食料を生産し、衣料、住居を作るために必要な原材料などを供給する機能を果たしてきた。
しかも人々が農業に従事するとき、概ね各人それぞれの主体的意志に基づいて、生産計画をたて、実行に移すことができる。
農業のもつ、この基本的性格は、工業部門での生産過程と極めて対照的なものである。工業部門で生産に従事する人々の大部分は、それぞれ特定の企業組織に属して、その構成員として、企業の経営的な観点からの指示にしたがって、生産に関与する。
このような状況のもとでは、商品化された労働力と、労働者の人格的主体との間には、厳しい緊張関係が形成されるのが一般的である。
資本主義的な分権的市場制度のもとで企業活動が行われるときにも、社会主義的な中央集権的経済計画にしたがって生産が行われるときにも、このようなかたちで形成される自己疎外は、例外的な現象ではなく、広く一般的な性格をもち、現代社会の病理現象を特徴づけるものとなっている。
◆日本列島の豊かさを活かす これに反して農業部門では、そこに働く人々が自らのアイデンティティを維持しながら、自然のなかで自由に生きることが可能となる。
農業部門における資源配分の非効率性を惹き起こす主な要因は、自然的条件の予期せざる変動に基づくものか、投機的な誘因に基づく農産物の市場価格の異常な変動、あるいは政策的要因に基づく生産条件の攪乱である。農業の生産にかかわる内在的要因に基づくものではない。
さらに、農業における生産活動の特徴として挙げなければならないのは、自然環境の保全に関わるものである。農業部門における生産活動は基本的には、自然的条件に大きな改変を加えることなく行なうことができる。
とくに日本農業の場合、水田耕作を主としているため、大きな保水機能をもつとともに、夏季における温度調整に重要な役割を果たしている。
さらに日本の水田耕作は、耕作者が絶えず水田に入って撹拌するため、メタンの発生を最小限に止め、地球温暖化の防止という点からも優れた効果をもつ。
日本は、極めて特異な地理的構造をもつ。とくに河川の急勾配と多雨地域の存在によって、森林の保全が自然環境の維持のために不可欠な要件となっているだけでなく、文化的、社会的な面からも重要な役割を果たしてきた。
森林を良好なかたちで保全、維持するためには、林業との関わりが重要となる。林業に従事する人々が絶えず森林に入って、作業を続けることによって初めて、森林を良好なかたちで保全してゆくことが可能となる。
このことはとくに日本の森林の場合、重要な意味をもつ。林業経営が可能となるような条件が整備されていないときには、森林の保全、維持は極めて困難となる。
◆農こそ人間的な営み
また、日本は海に囲まれて、豊かな水産資源に恵まれた国である。それはもっぱら、海の生物の多様性について、世界で最も高い国の一つだからである。
温度差が20度もある暖流と寒流が日本列島を守るように囲んでいて、複雑な海岸線がつくり出す多様な海岸環境が、生物の多様性を持続的に保全している。
内湾の奥深くには干潟、岬の突端には磯があり、その間に砂浜、岬と岬の間には礫浜がある。加えて川の流入が海岸の生態系の多様化に貢献している。
さらに赤道太平洋の西部、琉球諸島からオーストラリア北部にかけての海域は世界で最も海の生物多様性の高いところである。これはもっぱら、琉球諸島の豊かなサンゴ礁の存在による。
この日本列島の海の生物多様性は、第二次世界大戦後の六十有余年の間に決定的に壊されてしまった。干潟は、半分以上の面積が、埋め立てや浚渫によって失われてしまった。
大都市の周辺では、干潟そのものが消滅してしまった所が多い。藻場の沖にある砂堆の消滅は、海砂採取によって破壊的な規模をもって進行してきた。これらの海砂は、コンクリートの骨材として、高速道路や高層建築物の建設に使われ、陸上の自然のエコロジカルな均衡を破壊し、都市を醜悪な姿に変えていった。
農の営みに重要な役割を果たす自然環境は、人々が生き、人間的な営みを行なうためにも重要な、不可欠な役割を果たす社会的共通資本である。その大切な自然環境をコンクリートの固まりによって無惨に破壊しつくしてしまった。
◆社会的共通資本としての農村
農業の問題を考察するときには、農の営みが行われる場、そこに働き、生きる人々を総体として捉えて、農村という概念的枠組みのなかで考えを進めなければならない。
一つの国が、単に経済的な観点からだけでなく、社会的、文化的な観点からも、安定的な発展を遂げるためには、農村の規模が安定的な水準に維持されることが不可欠である。
とくに、農村で生れ育った若者の人数が常にある一定以上の水準を保って、都市で生れ育った若者と絶えず接触することによって、すぐれた文化的、人間的条件を作り出すことが肝要である。
しかし、資本主義的な経済制度のもとでは、工業と農業の間の生産性格差は大きく、市場的な効率性を基準として資源配分がなされるとすれば、農村の規模は年々縮小せざるを得ない。さらに、国際的な観点からの市場原理が適用されることになるとすれば、日本経済は工業部門に特化して、農業の比率は極端に低く、農村は事実上、消滅するという結果になりかねない。
◆農村の最適規模を維持する このような状況のもとで、まず要請されることは、農村の規模をある一定の、社会的な観点から望ましい水準に安定的に維持することである。
政府の役割は、農村における経済的、社会的、文化的、そして自然的環境を整備して、農村での生活を魅力的なものとして、実際に実現される農村の規模が最適水準に維持されるようにすることである。
それは単に農業の生産活動のために必要な生産基盤整備だけでなく、快適な生活を営むことのできる住居や学校、病院、さまざまな文化的施設、さらには道、公共的交通機関などという社会的インフラストラクチャーをも含む。つまり、農村を一つの社会的共通資本と考えて、人間的に魅力のある、優れた文化、美しい自然を維持しながら、持続的な発展を続けることができるコモンズを形成するものである。
しかし、このような経済的、環境的条件を整備するだけでは工業と農業との間の大きな格差を埋めることはできない。
何らかのかたちでの所得補助が与えられなければ、この格差を解消することは困難である。差し当たって考えられる手段は、農家に対する所得補助である。それは農家単位当たり一定額の給付のかたちをとるべきで、農家の規模あるいは生産量に無関係でなければならない。
◆コモンズとしての農村を守る これまでの日本の農政は、農業を一つの資本主義的な産業として捉えて、農業に従事する人々を単なるホモエコノミクス(一介の経済人)とみなして、効率性のみを追うという偏見にあまりにも大きくとらわれてきた。
農の営みという最も本源的な機能を担ってきた人々がもつ、すぐれた人間性とその魅力的な生き方が、日本社会の社会的安定性と文化的水準の維持という視点からこれまで大きな役割を果たしてきたし、またこれからも果たしうることが忘れられてしまっている。
農業基本法は、一戸一戸の農家を一つの経営単位と考えて、工業部門における事業所ないしは企業と同じような位置付けを与えた。自立経営農家という概念に示されるように、一戸一戸の農家が、それぞれ主体的に生産計画を立て、雇用形態を決め、投資にかんする決定を行ない、その農業所得を基準として行動するという点で、工業部門の一企業と同じような役割を果たすものとされてきた。
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今さら、アメリカの声明が・・・・==以前は支持し、中東・北アフリカを支配してきたアメリカの「変身」?==今後のオバマ外交を注目==
米国:オバマ大統領、リビア制裁示唆…武力弾圧を非難
【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は23日、ホワイトハウスでリビア情勢についての声明を読み上げ、反政府デモへの武力弾圧でリビア国民が殺害されたことを「言語道断で許し難い」と厳しく非難した。さらに国家安全保障担当チームに対して「この危機に対応するため、あらゆる選択肢を用意するように指示した」と述べ、リビアへの経済制裁など具体的な措置に取り組む姿勢を示した。
カダフィ大佐らリビア高官の米国への渡航禁止や資産凍結などを念頭に置いているとみられる。 大統領の声明に先立ち、クローリー国務次官補(広報担当)は23日、米国の選択肢としては「米国とリビアとの間だけでなく、多国間での制裁の検討が含まれている」ことを明らかにした。
リビア情勢に関して大統領は18日に暴力を非難する声明を発表したが、見解を直接述べたのは初めて。カダフィ政権について「(暴力は)国際的規範を侵している」と指摘し、人道支援の受け入れに応じなければ「人権侵害の代償に直面する」と警告した。
リビア情勢が極めて不透明な中、オバマ政権は在リビア米国人の保護を「最優先事項」(大統領)にし、カダフィ政権を刺激する言動を避けてきた。23日までに在リビア米国人を乗せたチャーター船がトリポリを出港するめどがたったことで、非難のトーンを強めたようだ。
大統領はまた、クリントン国務長官が28日にジュネーブで開催される国連人権理事会の会合に参加することや、バーンズ国務次官を欧州などに派遣し、リビア情勢を協議することも明らかにした。
・・とオバマアメリカ大統領は言うが・・・・・・
これまでアメリカが中東・北アフリカで実施してきた外交政策は、今回の「民主化」で打倒の対象とされている独裁政権ではなかったでしょうか。
もちろん、今日のリビア・カダフィが行っている市民への弾圧を黙視することはできません。
かといって、手を返したようなアメリカの声明にも違和感を感じざるを得ません。
アメリカの中東支配政策の基本は、その政権が王制であれ、独裁政権であれ、その政権を使って国民からの不満を抑えてきました。
かつてのイラクフセイン大統領のように、反米になると容赦なく軍事介入していたのも事実です。
パレスチナでも、自治政府(PA)を立ち上げ、イスラエルとともにアメリカ言いなりの「PA」に変質させ、本来のパレスチナ人の要求を押さえにかかっている感じもしています。
今回のオバマ声明以後のアメリカの中東政策の推移を注目してゆきたいと思います。
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「平成の売国」となる浅薄な菅内閣のTPP路線==アメリカ議会ではすでに過去のもの??==大切な宇沢弘文氏の論考==
管内閣は、「平成の開国」などと、明治維新と比較できるかのように、いかにもそれが「歴史的大事業」なのような偽りを宣伝しています。
それに対して、あの宇沢弘文氏が歴史に基づいて完膚無きまで、その「売国」的内容を明らかにしています。
TPPは、一説によるとすでにアメリカ議会では、過去のものになりつつあり、アメリカとしては個別国家との間のFTAかEPAなどでアメリカ貿易を考えている節も出てきました。
ここで、菅内閣が「平成の開国」などと、日本の歴史も知らない浅薄な知識で日本の進路を誤らせる事の犯罪性を今一度、宇沢氏の論考に基づいて考えてみようではありませんか!!!
多少長くなりますが、宜しくお願い致します。
パックス・アメリカーナの惨めな走狗となって宇沢弘文
(農業協同組合新聞 2月23日号)
◆TPP参加が意味するもの
日本が現在直面している最も深刻な問題は、菅直人首相自ら「平成の開国」と叫んで、積極的に進めているTPP参加に関わるものである。
TPPは、2006年5月、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国の間で締結された自由貿易協定を広く環太平洋地域全体に適用しようとする。2015年までに工業製品、農産物、金融サービスなどすべての商品について、関税、その他の貿易障壁を実質的に撤廃するだけでなく、医療、公共事業、労働力の自由化まで含めて、究極的な貿易自由化を実現することを主な目標に掲げて、政府間の交渉を進める。
これまでオーストラリア、ペルー、米国、ベトナム、つづいてコロンビア、カナダが参加の意向を表明してきた。米国政府は東アジアにおける経済的ヘゲモニーを確保、維持するために、米国の忠実な僕として仕えている日本政府に対してTPPへの参加を強要している。
貿易自由化の理念は、参加各国が同じ土俵に上って、同じルールにしたがって市場競争を行なうものである。このことが何を意味するのか、米国とベトナムを例にとって、農業に焦点を当てて考えてみよう。
◆ベトナム戦争がもたらしたもの
ベトナム戦争の全期間を通じて、米国は、歴史上最大規模の自然と社会の破壊、そして人間の殺戮を行なった。米軍がベトナムに投下した爆薬量は、第二次世界大戦中を通じて全世界で使用された量の、じつに3倍を超えている。その上、ダイオキシンを大量に撒布して、森林を破壊し、すべての生物の生存を脅かす枯葉剤作戦を全面的に展開した。
戦争が終わってから30年以上経った現在なお、奇形をともなった幼児が毎年数多く生まれている。広島、長崎への原爆投下にも匹敵すべき、人類に対する最悪、最凶の犯罪である。また20%近い森林はダイオキシンに汚染されて、竹以外の植物の生育は難しい。農の営みに不可欠な役割を果たす森林の破壊は深刻な傷跡を残している。
他方米国は、英国植民地時代から何世紀にも亘って、先住民族の自然、歴史、社会、文化、そしていのちを破壊しつづけた。米国の農業は、先住民族から強奪した土地を利用して、氷河時代に蓄積された地下水を限界まで使って行なわれている。そして米国の都市構造、輸送手段、産業構造は極端な二酸化炭素排出型であって、人類の歴史始まって以来最大の危機である地球温暖化の最大の原因をつくり出してきた。
◆「開国」とは何だったか?
このような極端な対照を示す米国とベトナムが、農産物の取引について、同じルールで競争することを良しとする考え方ほど、社会正義の感覚に反するものはない。
米国とベトナムほど極端ではないが、同じような状況が世界の多くの国々について存在する。このことが、現行の平均関税の格差になって現われている。各国は、それぞれの自然的、歴史的、社会的、文化的諸条件を充分考慮して、社会的安定性と持続的経済発展を求めて、自らの政策的判断に基づいて関税体系を決めているからである。
関税体系は、それぞれの国の社会的共通資本と私的資本の賦与量の相対的比率に密接な関わりをもち、経済的諸条件、とくに雇用に大きく影響を与えるだけでなく、資本蓄積の具体的な構成、さらに経済成長率にも影響を及ぼし、将来の経済的諸条件に対しても不可逆的な影響を与える。
菅直人が「平成の開国」と叫ぶとき、「安政の開国」を念頭に置いてのことであろう。1858年井伊直弼によって締結された日米修好通商条約は、治外法権、関税自主権の放棄、片務的最恵国待遇からなる極限的な不平等条約である。
「安政の開国」の結果、日本の経済、社会は、とくに農村を中心として、致命的なダメージを受けることになった。農村の窮乏、物価騰貴、それにともなう社会不安が、桜田門外の変、明治維新を経て、不平等条約改正への大きな流れを形成していった。しかしその道は厳しく、関税自主権の完全回復は1911年になってようやく実現した。
その後も、日本の国民の多くには、列強に対する強烈な被害者意識が心の深層に厳しく残っていて、暴虐な軍国主義の台頭を許し、つぎつぎとアジアの隣国を侵略し、無謀な太平洋戦争に突入し、そして敗戦の苦しみを嘗め、挙句の果てにパックス・アメリカーナの惨めな走狗となってしまった。
菅直人が虚ろな顔をして「平成の開国」と叫ぶとき、日本の首相としてこの歴史をどう考えているのだろうか。
◆自由貿易は人間を破壊する
自由貿易の命題は、新古典派経済理論の最も基本的な命題である。しかし社会的共通資本を全面的に否定した上で、現実には決して存在し得ない制度的、理論的諸条件を前提としている。生産手段の完全な私有制、生産要素の可塑性、生産活動の瞬時性、全ての人間的営為に関わる外部性の不存在などである。
この非現実的、反社会的、非倫理的な理論命題が、経済学の歴史を通じて、繰り返し登場して、ときとしては壊滅的な帰結をもたらしてきた。ジョーン・ロビンソンがいみじくも言ったように、自由貿易の命題は支配的な帝国にとって好都合な考え方だからである。十九世紀から二十世紀初頭にかけての英国、二十世紀後半の米国に象徴される。
その結果、世界の多くの国々で、長い歴史を通じて大事に守られてきた社会的共通資本が広範に亘って破壊されて、図り知れない自然、社会、経済、文化、そして人間の破壊をもたらしてきた。
◆社会的共通資本を守るのが政府の役割
社会的共通資本は、一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような自然環境や社会的装置を意味する。
山、森、川、海、水、土、大気などの自然環境、道、橋、鉄道、港、上・下水道、電力・ガス、郵便・通信などの社会的インフラストラクチャー、そして教育、医療、金融、司法、行政、出版、ジャーナリズム、文化などの制度資本から構成される。とくに自然環境は、それぞれの国、地域の人々が長い歴史を通じて、聖なるものとして大事に守って、次の世代に伝えつづけてきたものである。
社会的共通資本の管理について、一つの重要な点にふれておく必要がある。社会的共通資本の各部門は、重要な関わりをもつ生活者の集まりやそれぞれの分野における職業的専門家集団によって、専門的知見に基づき、職業的規律にしたがって管理、運営されなければならない。
社会的共通資本の管理、運営は決して、官僚的基準に基づいて行なわれてはならないし、市場的条件によって大きく左右されてもならない。社会的共通資本は、それ自体、あるいはそこから生み出されるサービスが市民の基本的権利の充足にさいして重要な役割を果たすものであって、一人一人の人間にとって、また社会にとっても大切なものだからである。
政府の経済的機能は、さまざまな社会的共通資本の管理、運営がフィデュシァリー(社会的信託)の原則に忠実に行なわれているかどうかを監理し、それらの間の財政的バランスを保つことができるようにするものである。政府の役割は、統治機構としての国家のそれではなく、日本という国に住んで、生活しているすべての人々が、所得の多寡、居住地の如何に関わらず、人間的尊厳を守り、魂の自立を保ち、市民の基本的権利を充分に享受することができるような制度をつくり、維持するものでなければならない。
◆パックス・アメリカーナと新自由主義、市場原理主義
第二次世界大戦後、パックス・ルッソ=アメリカーナ、一方ではロシアの力によるロシアのための平和、他方ではアメリカの力によるアメリカのための平和がお互いに厳しい緊張関係を形成しつつ、世界中いたるところで、自然、歴史、社会、文化、そして人間を破壊してきた。
1945年8月、日本軍の無条件降伏とともに始まったパックス・アメリカーナの根幹には、新自由主義の政治経済的思想が存在する。新自由主義は、企業の自由が最大限に保証されるときにはじめて、一人一人の人間の能力が最大限に発揮され、さまざまな生産要素が効率的に利用できるという一種の信念に基づいて、そのためにすべての資源、生産要素を私有化し、すべてのものを市場を通じて取り引きするような制度をつくるという考え方である。
水や大気、教育とか医療、また公共的交通機関といった分野については、新しく市場をつくって、自由市場と自由貿易を追求していく。社会的共通資本を根本から否定するものである。
◆国民の志をうち砕くな
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【カイロ時事】
中東の衛星テレビ局アルアラビアによると、リビアの最高指導者カダフィ大佐は21日深夜、国営テレビに短時間登場し、「私はベネズエラではなく(リビアの首都)トリポリにいる」として、一部で流れた海外逃亡説を否定、反体制デモ激化で混乱が拡大する中、退陣せず、あくまで政権にとどまる意思を強調した。
AFP通信によれば、カダフィ大佐はトリポリの自宅前で「(同市中心部にある)『緑の広場』にいる若者たちと話したい」と語り、雨の中、傘をさしながら車に乗り込んだ。同大佐の発言が伝えられたのは今月15日に反体制デモがリビア東部で始まって以来初めて。
中東と北アフリカでの民主化を求める市民による「革命」は、その広がりと深さが急テンポで進行しています。
カダフィの牙城と目されていたリビアでもカダフィによる独裁体制が崩壊し始めました。
40年以上も続いてきた言論弾圧と一族による独裁体制に対して、市民からの反撃が一歩も後に引かない形でカダフィを追いつめています。
さて、世界のその他に目をてんじると・・・・・
イスラエルによるパレスチナの軍事占領・・・、
先日訪れたパレスチナでは、パレスチナ人による集会すら許さず、デモでもしようものなら催涙弾攻撃は目に見えている感じでした。
その前に、インターネットが監視され集会そのものが開けなくされてしまうかもしれません。
そうした「監視」が国家が公然と行っているのが、お隣の中国です。
中国では、言論弾圧が激しく政府見解に反する意見は「原則禁止」です。NHKニュースでも、中国当局に都合の悪いことは、黒画面となり市民の聴取は不可能です。
さらに、言論どころか市民生活そのものが「抑圧と弾圧」の渦中に置かれている北朝鮮がすぐ近くに存在しています。
こうして、パレスチナや中国・北朝鮮など、言論弾圧と市民生活の抑圧が続いて、近い将来の「解放」が困難と思われる国々があります。
しかし、今回の中東・北アフリカの『民主化運動』は、『それらの国々でも不可能ではないのだ』という勇気をもたらしています。
私たちが、直接医療支援を行うパレスチナにおいても、イスラエルによる軍事占領、弾圧、土地剥がし、貧困と無権利状態などが続き、押し込められている「反発のエネルギー」は、いつでも爆発する状態かもしれません。
この中東の民主化は、その流れが究極的には中東問題の震源である「パレスチナ問題」へ向かうことにならざるをえないでしょう。
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中東和平へのアメリカの「本気度」==崩れゆくか、アメリカの中東政策==中東問題の根本は、民主化とパレスチナ問題の!!==
米、イスラエル入植非難に拒否権を行使 オバマ政権で初
(2011年2月19日11時0分 朝日新聞)
【ニューヨーク=丹内敦子】
国連安全保障理事会は18日、イスラエルによる入植活動を「違法」と非難する決議案を採決した。米国がオバマ政権になって初めて拒否権を行使し、廃案になった。オバマ政権はパレスチナ和平を重要課題としているが、拒否権行使で、イスラエル寄りの姿勢を示す形となった。
決議案はアラブ諸国が主導して提出した。東エルサレムを含むパレスチナ占領地でのイスラエルによる入植活動を「違法」と断定。包括的な平和への主たる障害になっていると非難し、「即刻、完全な停止」を要求していた。採決では、15安保理理事国のうち14カ国が賛成、常任理事国の米国だけが反対した。
米国は今週以降、水面下でパレスチナ自治政府などと交渉、イスラエルを名指しして入植活動の凍結を要請する議長声明などの妥協案を示していた。しかし、パレスチナとイスラエルの双方がこれらの妥協案を拒否した模様で、アラブ諸国が結局、決議案を採決に持ち込んだ。
中東での民主化の動きが弓をつげているとき、中東和平の根本であるパレスチナ問題で、アメリカは重大な後退姿勢を示し始めました。
国連安全保障理事会では、アメリカ以外がイスラエルによる東エルサレムへの入植活動を「違法」と断じているのにです!!
現在、中東で多くの市民から批判され、民主化の対象となっている「独裁政権」の多くをアメリカが支援してきたのも事実です。
ご存じのように、イランは別格ですが・・・・。
いや、その反米イランを包囲するのが目的の一つかの如く、その他の中東諸国の「独裁」と手を結んできたのではないでしょうか。
今まさに進行している「中東民主化」の波は、イスラエルを中心にアメリカの同盟国対イランという「構造」がまさに崩れかけようとしているのかもしれません。
この結果、中東・アラブ世界に、イラン容認・反イスラエル・パレスチナ支援国家がいくらかでも増えてくることになれば、アメリカのこれまでの中東政策に大きな狂いを生じることが予想されのです。
こうした時期に提案された「イスラエル入植非難決議」でしたが、こういう時期だからこそ、アメリカの中東和平への本気度が問われているのですが・・・・・。
一方で、ICAなどアメリの『陰の政府』が、アメリカ言いなりの「政権」作りに奔走している可能性も否定できません。(あの、中南米で仕掛けてきたような)
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中東に広がる「民主化の波」==トルコ・アンカラでも反政府デモが・・==イスラエルの軍事独裁が続くパレスチナでは、集会そのものが軍事弾圧の対象==さて、日本の若者たちは・・・・・・。
中東各国でデモ緊迫 バーレーンでは強制排除に乗り出す
【マナマ=有賀信彦、カイロ=内田康】中東各国は16日から17日未明にかけて、反政府デモや警官隊との衝突が相次ぎ、緊迫した状態が続いている。
AP通信によると、バーレーンの首都マナマでは17日未明、中心部「真珠広場」で占拠を続けていた反政府デモ隊に向け警官隊が催涙弾を発射し、強制排除した。少なくとも2人が死亡、多数の負傷者が出ている。デモ隊は16日夜になっても、7千人が首相の退陣を訴えていたが、警官隊の襲撃によって解散したもようだ。
反政府デモが続くヨルダンでは16日、労組関係者や反政府活動家ら数十人がアブドラ国王の宮殿前で、政治改革を要求した。王室批判がタブーとされる中、不満の矛先が国王へ向かうのは異例。参加者は政府の失業者対策などが不十分だと訴え、現行は国王が任命する首相についても民主的な選挙で選ぶよう憲法改正を求めた。
一方、AFP通信によると、イエメン南部アデンで16日に起きた反政府デモで、治安部隊によってデモ参加者2人が射殺された。アデンでは当時、数百人がサレハ大統領の退陣を求めて集結していた。イエメンでは、首都サヌア、南部タイズでもデモが起きた。
イラク南部クトでは16日午前、州の貧困な行政サービスに抗議する2千人が、州知事の辞任を求めてデモ。州庁舎や知事公舎などに放火した。AFP通信によると、治安当局との衝突による負傷者は、少なくとも27人に上った。
AP通信によると、エジプト保健省は16日、ムバラク政権を崩壊させた一連のデモで死者が市民だけで少なくとも365人に上り、5500人が負傷したと明らかにした。
チュニジアに発生し、エジプトでは政権打倒から新政権樹立へと動く中で、ヨルダンでの集会から今度は、イラン・バーレーンへと広がっています。
私は、1月下旬から2月上旬にかけて、パレスチナ・ヨルダン・トルコと回っていた中で、エジプトの反政府デモ勃発と同時期に中東にいました。
どこのTVニュースもエジプトのニュースが流れており、それを食い入るようにしてみている人々が印象的でした。
パレスチナ人を軍事抑圧しているイスラエルはもとより、中東諸国は、多かれ少なかれ「政治的独裁」「市民的自由への抑圧」「貧困と格差」などが一様に進行しているのが見えています。
それに、宗教問題が絡んでくるので事態がいっそう複雑になるのは避けられません。
しかし、問題の本質は、21世紀の今日、市民生活の中に「政治的自由」が確保されていない前近代性のあることではないでしょうか。
それをこれまで、宗教やオイルによる「経済的繁栄?」で隠されていたのが、それも不可能な時代になってきたのだと言うことかもしれません。
私の滞在中、トルコの首都アンカラでも反政府でもが発生し、放水車でデモ隊を鎮圧するYVニュースが差かんい流れていました。
トルコ市民の中にも反政府意識のあることを十分うかがわせることでした。
今後、トルコを巻き込んで中東一帯の民主化の動きから目を離すことはできません。
しかし、いくつかの疑問が・・・・・
今回の民主化運動と「中東和平」の震源地であるパレスチナ問題はどう関連するのか・・・・。
パレスチナにいて感じた事は、もしパレスチナでイスラエルに反対して集会やデモを決行すると直ちに催涙弾のみならず、実弾で撃ち殺されてしまうでしょう。
それぐらいイスラエルによる「軍事支配」が徹底しておるのを感じざるを得ませんでした。
いや、その前に、インターネットでの連絡さえもがイスラエル当局の取り締まりの対象になるのですから。
事実、エジプトの事態を受けてイスラエル当局がパレスチナの活動家を拘束したニュースが流れていました。
さて、3月にも崩壊しそうな菅政権が右往左往している日本では経済や労働・福祉、民主主義がどうなっているのか・・・。
どうも日本では、国民、特に若者の政治に対するエネルギーを感じ取ることができないのは私だけなのでしょうか。
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市場原理主義に突き進む菅政権==すでに「医療分野」で破綻したPFI方式を福祉分野で「復活」か==
政府は2月15日、総合特別区域法案を閣議決定した。
法案では、老人福祉法の特例措置として、PFI方式(民間資金の活用)による特別養護老人ホームの民間運営を認める。
また、建築基準法の規制を特区内で緩和し、工業用地内でも病院を建設できるようにする規定も盛り込んだ。同日夕に衆院に提出する。
総合特区制度は、まず「総合特別区域推進本部」(本部長=首相)が基本方針を策定。地方自治体が指定を申請し、この基本方針に適合する区域が「国際戦略総合特別区域」か「地域活性化総合特別区域」に指定される。特養の民間運営は、このうち地域活性化総合特区内で認める。
総合特区法案は予算関連法案の一つ。年度内に成立した場合、4月に基本方針を策定して地方自治体から申請を受け付ける。最短で7月の特区指定を目指す。
アメリカの政策請負でTPPを推進する管政権と民主党にとって、「総合特区法案」などは、枝葉末節というかもしれません。
しかし、市場原理主義者顔負け(民主党政権自体が市場原理主義にどっぷりつかっている)の構造改革路線で突き進む菅政権の暴走を止めるためには、その一つ一つを正確に検討する必要があります。
何故なら、あの小泉政権下で破綻した「構造改革路線」がどれだけ国民を苦しめ、医療と福祉を崩壊の瀬戸際まで追いつめたことを忘れることができないからです。
さて、今回の「特区」構想のなかで、老人福祉法に特例措置を設けてPFI方式(民間資金の活用)による特別養護老人ホームの民間運営を認める事になっています。
このPFI方式は、医療民営化の一方式として、高知医療センター設立に際して用いられましたが、経費増大を理由に病院経営本体からの出費を強いてきたのではなかったでしょうか。
医療では導入に失敗したPFI方式が、今回は特別養護老人ホームの運営という福祉分野で復活を果たそうとしているのが明らかです。
その基本は、医療や福祉の分野にいかにして「民間」を導入し、そこでの利潤拡大を目論でいるかと言うことです。
アメリカでの実例を挙げるまでもなく、老人福祉分野において、公的責任を放棄する「民間活力導入」は、そこに暮らすお年寄りと家族の方々に非人間的な負担を強いることは明らかです。
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TPPをはじめ、「売国政策」を進める菅内閣==「医療営利化」を公然と進める行政刷新会議==「小泉構造改革」もびっくりする「規制改革」路線==
政府の行政刷新会議「規制・制度改革に関する分科会」のライフイノベーションワーキンググループ(WG)による改革案への反対提言を行うため、四病院団体協議会(四病協)が設置したプロジェクトチーム(PT)の会合が2月14日に開かれた。この中で、緊急声明や集会を通じて、政府の規制・制度改革案への反対提言を行っていくなどの活動方針が決まった。
PTは、政府が規制・制度改革案を閣議決定する3月末までに四病協としての行動や提言を行うことを目的に、期間を限って活動する。
この日の会合では、PTの正式名称が「医療の営利化を阻止するプロジェクトチーム」と決まり、同PTとしての活動の方向性などが話し合われた。
その結果、四病協としての考えや方針をアピールする声明を取りまとめるほか、緊急集会を開いて政府の規制・制度改革案への反対提言を行う方針が決まり、23日に予定されている四病協の総合部会に諮ることになった。
PTが問題視しているのは、ライフイノベーションWGの改革案のうち、「医療法人の再生支援・合併における諸規制の見直し」についての部分。営利企業による再生支援や、与信、融資を認めるべきとする内容について、反対提言を行う。また、医療法人の合併について都道府県医療審議会の意見聴取義務を廃止すべきとする改革案についても、反対の立場を明らかにする方針。
会合ではこのほか、営利・非営利の観点から医療の在り方をじっくり検討する場を設けるべきという意見が上がり、これについても総合部会の意見を仰ぐことになった。
会合後、PT委員長を務める伊藤伸一・日本医療法人協会副会長は記者団に対し、「医療の営利性については、自民党政権時代にいったん否決されたにもかかわらず、再び浮上している。これによって国民はどんな利益を得、不利益を被るのか、医療提供者側から全体を俯瞰して提言したい」と述べた。( 2011年02月14日 21:09 キャリアブレイン ) =====================================================-そもそも、民主党が主導する菅政権と行政刷新会議が、小泉構造改革路線をさらに上回るスピードと内容で、「規制緩和路線」を突っ走っていることは誰もが指摘するところです。
医療関係では、国民皆保険制度を守り抜くために、「混合診療」の全面解禁は封印されてきました。
しかし、菅内閣が宣言しているTPPへの参加が、万が一実現でもすると「混合診療全面解禁」はあっという間に寿いっこうに移されてしまうのではないでしょうか。
「混合診療」だけではありません。その背後には、アメリカの民間医療保険会社がその利益に預かろうとして日米両政府に大きな圧力をかけているのも当然な事です。
そして、今度は「医療の営利化」をもくろむ「株式会社」の参入です。
これがまさに「医療法人の再生支援・合併における諸規制の見直し」についての部分なのです。
病院が倒産した後を「諸規定の見直し」により株式会社や投資機構が病院再建という名目で経営参加し、実権を握る・・・・・。
いや、ひどいときには、「実験を握るために病院を倒産させる」・・・こんなのとは、株式やM&Aのプロにとっては、まさに朝飯前の一仕事に違いありません。
日本の医療制度を経営システムの面から崩壊させようとするのが今回の「規制緩和」です。
国内経済に行き詰まっているアメリカが、そのもうけ口を「成長豊かなアジア」に求め、その仕組み作りがTPPだということは、もはや常識となっています。
その医療版の一部が、今回の規制緩和だとしても、そんなアメリカ経済へ救いの手をさしのべる菅内閣は、まさに「亡国内閣」といっても差し支えありません。
それは、当時の自公内閣もびっくりするような「売国政策」を推し進めているのですから・・・。
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