大阪、「釜ヶ崎」・あいりん地区、2010年4月24日(土)午後・・・
高知で開催された学会の帰りに、大阪、「釜ヶ崎」・あいりん地区に足を運んだ。
大阪環状線新今宮駅で下車。
西口へ向かう渡り廊下からあいりん労働公共職業安定所と大阪社会医療センター付属病院(看護師募集)の大きな建物が目に入る。
そのまま西口から外へ出るとそこが「釜ヶ崎」、職安の大きな建物が迫ってくる。
歩き出すと、ある独特な『臭い』を感じる。 町全体は、物理的にはこぎれいな感じだが、どことなく作られた「清潔さ」。
舗道上に、中古の小物売りの露天が三軒、店を出しているが、お客はあまりなく、店主は、退屈そうに携帯電話をいじっている。
幹線通りのホテルは、安全そうで、時々外人のバックカッカーが出入りしていた。料金は、2000円ぐらいから・・・・。自動販売機は、最低50円のものから120円で様々。
幹線道路には立派な「アパート」と一時預かりがあり、「生活保護」取り扱いの勧誘あった。しかし、裏路地ではそうとは行かない古びたアパートも。
時々、制服警察の自転車パトロールある、しかし、女性は殆どいない。
おそい昼食のため「200円の素うどん」に唐辛子をたっぷり入れて、腹の足しにした。付け足しの一品おかずは全て追加料金。立ち食い、料金先払い食堂で「おばさん、ご馳走様」「は~い、ありがとう!!」こんなやり取り。一瞬、それまでの緊張感が薄れていった。
所々の道端に2~3人が腰かかけてワンカップで酒盛り、まだ外は明るいというのに・・・・。
今日の不景気と経済政策の失敗からか、失業者の著しい増大。元気そうな体格のいい中年失業者?も多い。足元を見るとサンダル履きが圧倒的、靴を節約しているためなのか。
職安の一階、二階へと足を進めた。すると床に横たわっている人々が結構いる。室内は暗く寒い。たまにはゴミ箱を覗く人も・・・。
午後3時過ぎに、人々がならび始める。道行く人に尋ねると、「今日はパンの配布がある」とのこと。
山王シロアム教会の安田正幸牧師らが中心の「食料配布」が始まった。
ロールパンとスパイスカレー(カレーの香辛料は、安田氏がインドで購入した体に良いもの)月2回実施、12年前から続けているとのこと。
3時過ぎから並び始め、日陰の寒風の中でおよそ200人、4時から1時間かけて1000個のロールパンと200個のスパイスカレーを配布。
配布するメンバーにも失業者が手伝い、教会メンバーと一緒に配布。2回目を並ぶ人たちもいる。(配布者はこれも知っていて配布)
彼は言う「栄養が悪く、抵抗力がない」「アルコールを飲んで気持ちよく逝く」昔はホームレス、今は失業者が多くなったとのこと、身なりは割合良い。
安田正幸氏が私に尋ねてきた。
「このあたりで仕事をいているのですか?」
「こうした配布で彼らに喜んでもらえるのが嬉しい、やりがいを感じている」
「札幌でもやっていますか?」
「全てをあるがままに受け入れることが必要」
「何時間も話をしてくれないこともあり」「話は、はじめは過去のことばかりですが・・・」
「その中から全てを受け入れて、明日への希望を少しもてる様にする」
「最近は失業者が多い」
こうしたやりとりにも何ら気負う様子もなく、淡々と「食料配布」を続けてゆく。
左小指を骨折し、大腸ポリープのある方が、私に話しかけてくる。
「骨折はいつごろ治るのか?」
「ポリープはとったほうがいいのだろうか」など、実に人懐こい!!!
そうしたら別の人が
「今度の冬は、このあたりの路上で凍死した人が12人いたよ」とあっさりと言っていた。
そんなやりとりをしているうちに、食料配布が終わった。
すると、今度は、別の列が待っていた。
その日の無料ベットを確保するためのチケット配布。
みんなが歩き進む方に一緒についてゆくと・・・その行き先は、粗末なプレハブ制の「簡易ベット施設」。その日その日の寝床を矢と確保しているのだ。
そこへ行く途中、アパートの軒下ではすでに野宿を開始?した人が毛布に包まっていた。「簡易ベット」のチケットにあぶれた人なのか・・・。
時刻は、すでに午後6時を過ぎ、異常気象下で急速に外気が下がっていた。
経済不況と政治の自壊が進行する日本とはいえ、夕食用の4~5個のロールパンとスパイスカレーのために寒風下に2時間近くも列を作る失業者。
一冬に12人も凍死してしまう路上生活者たち。
今日の日本の貧困状態とそれを解決出来ない政治のあり方に腹の底からの怒りを禁じることが出来なかった。
たった数時間の「釜が崎」だったが、その実態とそれが発する「意味」をこれからもっともっと考え行動することを誓って、そこを後にした。
次回の大阪行でも必ず「釜が崎」へ来ることを考え、新今宮駅をたった環状線の中で関西行の予定を立て始めていた。
そして、今度は平日の朝から晩まで・・・そして、宿泊も「釜が崎」、医療センターへの訪問など・・・・。
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