「戦争は地獄だ」。銀幕からそんな声がほとばしるように伝わってくる。ベトナム戦争の内実を描いた2本のドキュメンタリー映画の試写を見た
▼「ハーツ・アンド・マインズ」と、「ウインター・ソルジャー」。いずれもベトナムで戦火が燃えさかった1970年代前半の米作品だ。爆撃で村を焼かれ、家族を殺された人々。前者はその叫びを見る者に突き付ける。後者は、ベトナム帰還兵の証言集会の記録だ
▼共通するのは、生の映像や言葉を通して真実に迫ろうとする姿勢だ。なぜこの戦争が起き、米軍はなんのために戦ったのか。集会で元兵士たちが語る
▼「戦場では人間性のかけらも失っていた」「国に帰ってやっと気付いた。自分は政府の戦争宣伝に洗脳され敵を殺し続けた」と。当時、作品は米国内で無視されたり、上映妨害が相次いだりした
▼だが三十数年の時を経て再評価され、リバイバル上映が実現したという。興味深いことだ。イラク、アフガンの二つの戦争で行き詰まった米国がベトナムの教訓に目を向け始めたのだろうか
現在アメリカが続けているイラク・アフガン戦争に対する米国内の批判は、遠いベトナム戦争にまで遡ってその総括を始めようとしています。
前線に送られた兵士の死や生きて帰国した帰還兵の模様は、これまでもいくつかの映画が作成されました。
PTSDに悩まされる帰還兵、夫や息子を失い茫然自失の家族、生涯回復することのない身体障害、そして「帰還兵ホームレス」の増加など・・・・・。
最近のものでは、オスカー賞を受賞した「ハートロッカー」が有名ですが、3D映画としても評価された「アバター」もアフガン・イラク戦争から題材を得たものだと言うことです。日本では、未だ不十分ですが、欧州を中心に「イラク戦争とは何だったのか」という「イラク戦争検証」活動も進められています。
こうしたときに、アメリカの侵略戦争とそれによる多大な被害をベトナム戦争にまで遡り検証することは歴史に立ち返る意味でも大変重要なことではないでしょうか。
イラクでは、アメリカを中心に大量の劣化ウランが使用され、それによる現地中みの健康被害が噴出しています。
しかもそれは、子供に集中的に現れているとのことです。
日本でも 坂田雅子さんが従軍カメラマンでご主人を通して、ベトナム戦争と枯れ葉剤について告発する秀作を発表しています。
坂田 雅子 (著) http://www.amazon.co.jp/gp/product/4901510681/ref=sib_rdr_dp
私が、昨年訪問したベトナムでも、戦争当時アメリカによって大量に散布された「枯れ葉剤被害」が世代をわたって「受け継がれ」、現在は、第3世代問題として社会問題化していました。
これと同じ事が、イラクやアフガンで「劣化ウラン弾」による健康被害がこれから世代を経るごとに拡大してゆくことが推測できます。
「枯れ葉剤」も「劣化ウラン弾」もともに悪魔の兵器といえるものではないでしょうか。
イラク戦争を検証する上で、「ベトナム戦争の教訓」を充分学ぶべきものであることは疑いありません。
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