(2010年3月12日 朝日新聞)
鳩山内閣は11日、4月に実施予定の「高校無償化」をめぐり、全国の朝鮮学校を制度の対象から除外する方針を固めた。拉致問題が解決しないことから閣内にも除外を求める声があり、日本の高校に準じた教育が行われていることを確認できる国同士の正式なルートがない以上、他の学校と同等に扱うことはできないと判断したという。
鳩山由紀夫首相は11日夕、この問題について、記者団に「客観的に(日本の)高校の課程に類すると言えるか、ということになる。何らかの客観的な基準を作ることが必要だ」「ある程度時間がかかるんじゃないか」と述べた。ただし、世論には「差別的な扱いをすべきではない」という意見も強い。文部科学省には「教育内容を客観的にチェックする第三者機関を設け、そこで認められたら除外を解除できるようにしてはどうか」という案もあり、「永久除外」にはならない可能性もある。だが、その場合でも実現には時間が必要で、制度開始の4月に間に合わせるのは不可能な状況だ。
高校無償化は、民主党がマニフェストの目玉として掲げた。公立の高校生からは授業料を取らず、私立の生徒についても公立の授業料と同等額(年間約12万円・低所得世帯は増額)を支給。「日本の社会全体で広く学びを支える」という理念から、高校段階に該当する外国人学校の生徒についても私立高と同額を支給する考えで、すでに予算も組まれている。
しかし、中井洽・拉致担当相は昨年12月、拉致問題が進展しないことから、朝鮮学校を除外するよう文科省側に要請。鳩山首相も「どんなことを教えているのか見えない」と教育内容に疑問を投げかけ、除外を示唆する発言を重ねてきた。民主党は、高校無償化を夏の参院選のアピールポイントにしたい考えで、そのためには国会審議を早く処理して今月中に法案を成立させ、新年度の当初から実施に移したい事情もある。
文科省は、制度の対象とする学校の基準について、無償化法案には直接盛り込まず、国会の議決が必要ない省令で定めたい考えだ。省令には「母国の教育法制の中で、高校に相当する学校だと位置づけられていること」「外交ルートを通じてそれを本国に問い合わせることが可能であること」という内容の規定を設ける案も出ている。この案に従えば、国交がない北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は自動的に対象から除外されることになる。(青池学、見市紀世子) ◇
長引く不況の下で、経済的困難を理由に高校中退をせざるを得ない高校生が出ている中、鳩山内閣が「高校無償化」を打ち出したことに、私は好感を持っていました。
しかし、朝鮮学校への無償化が除外されることになるとすれば、経済政策とは別な新たな「政治的火だね」を作り出すことになるかもしれません。
日本と北朝鮮の間には、国交が回復されていず、拉致問題など市民感覚からしても一日も早く解決しなければならない問題も横たわっています。
こうした政治情勢を背景に、自民党や政府・民主党のなかで、拉致問題での北朝鮮への制裁と絡めて無償化問題を取り上げようとしているのです。
しかし、朝鮮高校に通学する子供も含めて、すべての子供に教育の機会均等を保障するのは政府の責任です。
それだけではなく、国際人権規約代13条は、中高等教育無償化を定めているのです。
経済的な障害で、高校教育を受けることができない子供を根絶するための第一歩が、今度の高校無償化ではなかったでしょうか。
在日朝鮮人も日本社会の中で働き、生活し、納税義務を果たしているのです。 朝鮮学校には、韓国籍や日本国籍の生徒も在籍しています。
また、朝鮮学校自体が各種学校の認可を受けるとき、その教育課程は必要に応じて提出されているのではありませんか。
鳩山首相は、かつての日韓会談で「過去の歴史を直視する勇気を持っている」と発言しました。
今回は、拉致問題での「北朝鮮制裁論」とリンクさせずに、子供の「教育の機会均等」という理念を実現するために、朝鮮学校への無償化を必ず実現させてほしいものです。
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