「医療費増額で税収が倍に」 与謝野馨衆議院議員・小池晃参議院議員

 

2010/03/10() (医療タイムス)

 与謝野馨自民党衆議院議員と小池晃共産党参議院議員は6日、東京都港区医師会が母体である政治団体「医療ネットワークみなと」の発会式に出席し、各党の医療政策を発表した。

自民党「制度の持続可能性を研究する」与謝野議員は「経済と社会保障の問題を同時に考えると、医療、年金、介護などの安心があって国民は消費行動に出る。しかし今は社会保障に不安があるから消費が少ない」と述べ、少子高齢化にともない社会保障費負担が重荷になってきている現在の国民皆保険制度のほころびを危惧した。

医療制度の持続可能性については、10年、20年のスパンで医療費がどのように増えていくのか。税金で賄えるか、実証的な研究をして国民の前にお見せしたい」として、自民党内に自身が会長を務める社会保障研究会を発足させたことを明らかにした。

医師不足問題にも尽力する姿勢を示し、「勤務医、開業医ともに医療に前進できる環境を守ることが大事」と述べた。

共産党「子ども手当より医療費増額を」

 一方、小池議員は2010年度の診療報酬改定について0.19%引き上げで、しかも600億円分の後発品のある先発薬の引き下げ分が改定財源に入っていない。これは実質ゼロ改定。医療を応援する政治に変わったとは言えない」と批判した。

さらに医療費全体の国庫負担額が10兆円であるのに対し、子ども手当が約半分の5兆3000億円と指摘。

「医療費は雇用、経済への波及効果があり、税収を倍にすることができる」と述べ、子ども手当の現金給付より医療費を増額すべきと主張した。

推進すべき医療政策として、

後期高齢者医療制度を今すぐ廃止

医療費窓口負担3割の引き下げ

国民健康保険の破綻を防ぐべく、国民が払える金額の保険制度に変える

大学病院・急性期病院のみならず、民間中小病院や開業医にも配慮した診療報酬改定

を掲げた。

消費税引き上げについては、「来年度の防衛省予算のうち、米軍再編経費だけで480億円も増額している。予算の無駄遣いを止めさせることなくして、増税はない」と述べ、軍事費のみならず政党助成金や大企業への減税にもメスを入れるべきと主張した。

子供手当ての総額、53000億円が、防衛費よりも高額であることは、自民党議員からの質問の中でも触れられていました。

しかし、それは、「福祉・教育・子育て予算」と「アメリカへの思いやり予算も含む防衛費」との比較なのであまり意味がありません。(福祉予算に軍配アリかも)

一方、医療・福祉にかかわる『国民医療費の公費負担10兆円』と『子供手当て5.3兆円』は、充分に比較検討する価値のあるものではないでしょうか。

以前から、子供手当てを「現金給付」とするのか様々な手数料などを無料化する「現物給付」とするのかは議論の分かれるところでした。

また、現金給付としてもそれに所得制限を設けることも提案されていました。

そうなると、現金給付の額を減額しつつ、子供の医療費の「窓口負担」を無料にしたり、子供を育てる親の「医療・福祉的負担」を軽減させることはできないものでしょうか。

医療・福祉への税金の投入により、国民の安心と雇用の確保が生まれ国民の所得が上昇するのと同時に、そこから新たに税収が生まれることにもなります。

小池氏からの指摘は、充分検討に値するものではないでしょうか。   

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プラス改定で「バックギアからフロントギアに」邉見副会長
 全国公私病院連盟(公私連、竹内正也会長)と日本病院会(山本修三会長)は310日、来年度の診療報酬改定の説明会を東京都内で開いた。中央社会保険医療協議会(中医協)で委員を務める公私連の邉見公雄副会長は冒頭、竹内会長の代理としてあいさつし、「バックギアからフロントギアに行って、救援機の爆音が少し聞こえてきた」と10年ぶりのプラス改定を評価した。
  あいさつの後、邉見副会長は「中医協委員としての発言」と題して講演。日本医師会の執行部が外れた昨年秋の中医協人事に関連して、「(診療側は)機関決定がなかった。みんな、現場あるいは患者本位の意見を言ったので、今回の診療側の委員は割とまともな議論をしたと思っている」とする一方、「どちらかと言うと、支払側の委員に新人が多く、バックの機関決定を重視して、柔軟な対応に欠けていたと思う」と苦言を呈した。
 来年度改定については、「急性期看護補助体制加算」の新設と「医師事務作業補助体制加算」の拡充を目玉とし、「この二つは、民主党政権が無資格者を医療に入れようと、医療を雇用の受け皿にしようというのが見て取れる」と述べた。(2010,03,11 キャリアブレイン)

逸見氏が語る、今度の診療報酬改定への評価には、疑問が残ります。

そもそも、「公称0.19%の引き上げが、プラス改定であったのか」と言うことです。

実態は、後発品のある先発薬の600億円の引き下げで、実質0.03%の引き上げ?でしかなかったのです。

これで果たして『引き上げ』と評価してよいものかどうか・・・・。決して『引き上げ』とはいえるものではありません。

従って、アクセルは、フロントギアに入っているのではなく、ニュートラルに戻されている状態で、しかも車は上り坂の坂道にいてブレーキもかけられていません。

このままでは、車は後ずさり、つまり医療崩壊に歯止めはかかっていない状態なのです。

さらに来年度の改定の目玉を「急性期看護補助体制加算」の新設と「医師事務作業補助体制加算」の拡充だと指摘していることです。

そもそも『加算』の拡充を目玉にするより、診療報酬本体の引き上げを目玉にするのが本筋ではないでしょうか。

ちょうど、手当ての増額のみに目を奪われるのではなく、基本給の賃上げを要求するのと同じです。 

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