2010安保:普天間移設検討委、候補地探しに終始 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
(2010,3,9 毎日新聞)
◇抑止力評価で溝 政府・社民、深入りせず 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先を巡る政府・与党の沖縄基地問題検討委員会(委員長・平野博文官房長官)は8日、社民、国民新両党が移設候補先案を提示したことを受け、米側との交渉を念頭に置いた政府案の絞り込みに入る。
しかし、09年12月末の初会合以降、安全保障論議は深まらず、中でも核心である在沖縄海兵隊の「抑止力」をどう評価するかは連立与党内の事情に配慮し、あえて深入りを避けたとの印象を与えた。【西田進一郎、仙石恭】
「抑止力論議は不十分だったと認めざるを得ない」。社民党から参加した阿部知子政審会長は8日、委員会終了後の記者会見でこう語った。
「(5月末までという)時間があまりにも少ない。(決着期限を)先送りできない」と時間的な制約を理由に挙げたが、社民党と政府の隔たりは当初から大きかった。
米軍再編の過程では「抑止力の維持」と「沖縄の負担軽減」の両立が重視されたが、社民党は負担軽減に軸足を置く。一方、鳩山由紀夫首相は沖縄問題と同時に抑止力にも言及し、社民党の姿勢とは一線を画してきた。
2月15日の衆院予算委員会では北沢俊美防衛相が「沖縄に駐留する海兵隊の抑止力は、アジア太平洋地域で事態が発生したときに、迅速に効果を上げる利点を持っている」と強調した。
沖縄の重要性を認識する政府見解は政権交代後も大きく変わってはいない。これに対し、阿部氏は3月8日に検討委に提出した資料で「在沖縄海兵隊部隊の体制や機能から考え、必要不可欠な『抑止力』とはいえない」と明記して対立。
2月2日の会合では、防衛省が日本周辺の安全保障環境と沖縄海兵隊の意義・役割を説明したが、政府と社民党はそれ以上の議論の深入りは避けた。
「抑止力」とは特定の地域に高い能力の部隊や兵器を置くことで、その地域への侵攻を断念させる機能のことを指す。日米両国は北朝鮮の弾道ミサイル発射や核開発を脅威と位置付け、弾道ミサイル防衛に取り組み、在沖縄海兵隊も朝鮮半島有事が発生すれば派遣されると想定される。
ただ、米国は台湾有事も視野に入れている点で日本と微妙に立場が異なる。台湾海峡と北朝鮮の双方とほぼ等距離にある沖縄に部隊が存在することが重要で、社民党のグアム・テニアン案や日本本土案を米国が受け入れることは考えにくい。米軍嘉手納基地やキャンプ・シュワブ陸上部に移設する国民新党案も、有事の際に空軍と海兵隊が混在したり、近隣住民との摩擦が深まる点などから歓迎できない案となっている。
「沖縄の海兵隊は抑止力として必要か」を正面から問えば、日米安保体制の根本的な見直しに直結しかねない面もある。普天間移設は、96年の普天間返還合意では沖縄の基地負担軽減と同時に日米安保再定義も行い、「在沖米軍の抑止力維持」がセットとなった。
「普天間基地移設」問題で、政府・与党が「迷走」ならぬ「逆走」を始めました。
彼らのやっていることは、普天間基地の行き先探し、つまり米軍基地のための「不動屋さん」の様でなりません。
戦後、65年を経た時期にもかかわらず、外国の軍隊=米軍が沖縄=日本国内にこんなにも沢山存在していること自体が異常なのではないでしょうか。
鳩山内閣は、米軍の代弁者として「海兵隊の抑止力」を語りますが、はたして海兵隊が抑止力たり得るのでしょうか。
沖縄の米海兵隊は、世界中どこへでも飛んでゆく「攻撃部隊」であることは衆知に事実です。
何もこれ以上、沖縄にいる必要もないものです。
日本政府は、アメリカの不動産屋に成り下がらず、日本のこれまでの外交政策のあり方を歴史的に総括し、これからの日本のあり方を検討するなかで、普天間基地を含めて、沖縄はもとより、日本に駐留する米軍のあり方に結論をだすべきではないでしょうか。
これは、とりもなおさず、21世紀の日本外交の基軸を確立することになります。
そうした中で、今回の「普天間基地問題」は、先ずは「無条件基地撤去」の方針でアメリカと交渉を開始すべきです。
これこそが、沖縄県民の皆様が望んでいる事です。
2月の下旬に、学会出席の機会に沖縄を訪れ、普天間はもとより名護市と辺野古まで足をのばしてきました。
現地の人々の確信に満ちた語り口の中で、一番私の胸に堪えた言葉のひとつは、「この基地移設問題で、地域の人々の『心』が分断されてきた」ということでした。
米軍基地の撤去は、単に外交・防衛問題のみならず、沖縄の人々にとっては、「地域の再生」からも切実な問題である事を感じました。
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