無縁社会“無縁死”3万2千人の衝撃
NHKスペシャル 2010年1月31日
これまで、「無縁社会」に関する報道が散見されてきましたが、昨日のNKHスペシャルは衝撃的でした。
家族・友人・地域・会社など、これまでの社会の中で様々な形で重層的に作られてきた“絆”が急速に崩壊していることが実例を通して語られていました。
熟年離婚後に、それまでの家族と関係が切れてしまった元企業戦士。
会社からのリアトラ後に、古里にも帰ることができずに、1人ひっそり都会のアパートの一室で死を迎えていた労働者。
記者たちがやっと遠縁を見つけても、遺体の引き取りを拒否されたり、一緒にお墓にもはいることが出来ない事実。
番組の中で気になったのが、“無縁死”に対する行政の怠慢です。
番組の記者たちが身元や関係性をとことん追求するとそれの判明する例が少なくありませんでした。(行き着く先で、関係性を拒否された例もありますが・・・)
孤独死の人を見つけたときの行政の対応にもう少しの親身さがあれば、“無縁死“された人も少しは救われたかもしれません。
近年の不況と雇用の悪化の中で、リストラされた人々が社会の中で行き場を失ない、容易に“孤立の状態”の落とし込められています。
ワーキングプアなどの経済的貧困が進行する中で増える「生涯未婚」。
これも“無縁死”の原因になることも報じられていました。
経済的な事だけであれば、一時雇用や生活保護などのセーフティネットで社会の中に戻されることも可能ですが、今回示されていた内容は、その人の周囲との関係性が殆ど断ち切られているのでした。
こうした「関係性の切断」は、経済関係が原因のひとつであるとはいえ、その根源は計り知れないほど広く深いものです。
それは、不況や貧困、終身雇用性の崩壊、社会参加への機会を拒否される“人間の孤独化”、家族の崩壊、地域社会の崩壊など、様々な要因が重なって出てきますが、今までは、そうした“危機”に対して、家族や地域・会社・行政からの援助があったように思います。
しかし、特に新自由主義的競争社会がもてはやされたこの10年で、相手を競争の相手=敵と見立ててしまう結果、それまで人々を結びつけてきた様々な“絆”がズタズタに断ち切られてきました。
否、むしろ断ち切らなければ生きて行けない状態に人々が追いつめられてきたのです。
こうした「無縁社会」からの脱却を目指して、様々な取り組みが開始されていますがまだまだ充分ではありません。
「政権交代」を機に、現在は「社会的分断」から「社会的包摂」へ舵を切る時代の分かれ目であると感じています。
家族や友人、会社や職場、地域や職域、行政など様々な場面で“絆”を取り戻し、“絆”を豊かにする地道な活動が今ほど求められているのではないでしょうか。
気さくな挨拶から社会的包摂の第一歩が始まるのかもしれません。
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