全国医師ユニオンと全国医師連盟(全医連)は1月24日、第1回医療労働研究会を都内で開き、全医連の黒川衛代表が病院勤務医の労働環境について「非常事態宣言でも出したいような状況」だと指摘した。
その上で黒川氏は、
▽雇用創出や技術革新につながるような医療費の活用
▽医療医学への予算の10%以上アップ
▽病院の適正な集約・分業化による医師の過労死防止
▽患者も医師も救済できる法体系の見直し―の実現を呼び掛けた。
また、過労死弁護団全国連絡会議代表幹事・日本労働弁護団副会長の岡村親宜弁護士は、
▽「特別条項付協定(特別な事情で1か月の残業時間が限度基準を超える場合、臨時に結ばれる協定)」の締結が常態化している
▽全医連と医師ユニオンの調査では、過労死ライン(1か月80時間以上の時間外労働)を超えた協定が、全体の15%に達した―など、勤務医を取り巻く労働環境の劣悪さを提示。
こうした問題の根底には医師不足があると分析した上で、「すぐに裁判に訴えるのではなく、法に違反した現状を“梃子”に、国や病院に労働条件の改善を求めていくべきではないか」と提案した。
研究会に先立ち、医師ユニオンの植山直人代表は「まだ小さな団体だが、着実にさまざまな活動に取り組んでいく」とあいさつ。今後、ユニオンとして国会議員や厚生労働省への働き掛けを強化する方針を示した。
上記の研究会当日は、所用のため出席できず残念でした。
その中で、『医療医学』への予算アップと言う指摘は、大変重要のことだと思いました。
ともすれば、医療現場を中心にした思考方法が優先されがちな中で、医学そのものへの予算を要求したことは、医学の発展への視点がしっかり位置づけられていることでもあります。
さて、黒川衛先生も指摘されているように勤務医の労働環境は、未だに改善の見通しはありません。
それは、医師数の不足だけではなく、医療の「進歩」自体が医師の労働を過密なものにし、「医師不足」に拍車をかけているのではないでしょうか。
自公政権の医療費削減政策のもとで、病床数削減と在院日数の短縮化が極端に進められ、これに伴う患者さんへの充分な説明(これ自体は大変重要なことです!!)と同意書作りなどが日常業務を過重なことにしている事も見逃せません。
また、医療現場へのIT導入でも、我が国ではデーター打ち込みも医師の業務にされているところが多い様です。
この点でも厚労省の政策が、医療現場での医師の事務作業を軽減させる方向へ向かわなくてはなりません。
「業務拡大」に期待感 各団体から要望相次ぐ
(日刊薬業 2010/01/26)
厚生労働省の「チーム医療の推進に関する検討会」で、看護師や薬剤師らの業務拡大の議論が進められているのに併せ、各団体や学会は、業務拡大や法整備などを求める要望書を厚労省に相次いで提出している。
●「NP導入の時期来ている」NP協議会 日本NP協議会は18日に「ナースプラクティショナー(NP、診療看護師)に関する要望」を厚労省医政局長に提出した。
「看護師の業務範囲を拡大したNPを、チーム医療を担う職種として日本でも導入する時期に来ている」とし、積極的な取り組みを求めた。
具体的には
▽NPの制度化に向けたモデル事業を早急に開始する
▽NPが実施可能な業務範囲を明確にし、実行を保証する方策(通知、通達の発信、法令改正)を講じる
▽NPに対して必要とされる教育方法、教育内容などを明確にする
▽所定の教育を受けた者をNPとして認め(国家資格の付与など)制度の中で活用する─の4点を求めた。
●「非医師高度診療師」の評価認定機構を 外科系4学会
一方、日本外科学会など外科系の4学会は18日に医政局医事課長に要望書を提出した。NPに加えて「フィジシャン・アシスタント(PA)」の養成にも言及。
「現場の外科医の窮状はますます顕著になっている」とし、「医師と看護師の中間レベルの非医師高度診療師であるNPやPAの養成は喫緊の課題」と指摘した。その上で、非医師高度診療師評価認定機構(仮称)の設立を求めた。
さらに特定の教育を受けた非医師が行うことができる行為として
▽限定患者の手術の第1助手(吻合や切開などをまったく必要としない症例に限る)
▽皮膚や軟部組織の縫合閉鎖(感染創や縫合不全の再縫合を除く)─などを提示。非医師がこうした行為を行うことができる法整備について、検討会の報告書に盛り込むことを求めた。
専門看護師の教育を担っている日本看護系大学協議会の高度実践看護師制度推進委員会も今月、「高度専門看護師資格制度の創設の提案に関する声明」を発表。「ケア」と「キュア」を統合させ治療過程を管理・推進する看護師の名称を「
しかし、「医師不足」から医師増加へのベクトルが出きらないうちに、不足する医師の補完としての構想(代用医師制度)であれば、「医師不足」の固定化につながる恐れも否定できません。
さて、これらに対する全医連の見解はいかがなのでしょうか?
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