トリアージへの診療報酬上の評価は時期尚早日医
  日本医師会の中川俊男常任理事は121日の定例記者会見で、中央社会保険医療協議会(中医協)が取りまとめた「2010年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」に対する日医の見解を発表した。中川常任理事は、トリアージに診療報酬上の評価を加えようとする案などを「時期尚早」とした上で、「包容力のある優しい医療制度でなければならない」と訴えた。
  中川常任理事は、「現時点の骨子」の中で「緊急度の高い患者を優先して治療する体制(院内トリアージ)についての評価を検討する」などと言及されている点について、トリアージの実施基準が確立していない国民にトリアージの概念が浸透していない中で、診療報酬として評価することは難しい医師がトリアージを行った場合は、診療そのものであるため、新たに診療報酬で手当てする必要は少ない看護師がトリアージを実施できるとした場合、ナースプラクティショナーの導入を促進しかねないと指摘。救急病院などを受診した軽症患者に対し、医療保険制度の自己負担とは別の料金の徴収を検討するという項目と共に「(導入や制度化は)時期尚早」と批判した。(2010/01/21 キャリアブレイン)

院内トリアージについて、日医から時期尚早という「疑問」が出されました。

果たして、時期尚早というだけの評価で済ますことが出来るのでしょうか。院内トリアージとは、特に時間外救急患者さんに対して、緊急度の高い患者さんを優先して診療することです。

そもそもの「トリアージ」とは、救急災害医療の現場において、治療・救出患者さんを重傷度や救命への可能性に基づいて取捨選択し、集団としての救出を最大限効果的にしょうとする手法ではないでしょうか。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B8

それには、それを取り仕切る選任の人材・職種が必要であることは言うまでもありません。

さて、今回の「院内トリアージ」とは、結論的に言うと救急時間外患者の中で「軽症」のものに診療報酬として「特別料金」を課して、軽症患者の時間外受診を抑制し、名目上救急医療における医療従事者への負担軽減を図ろうとするものです。

すでに時間外受診の軽症患者への「一部実費負担」を行っている病院もあります。

しかし、「院内トリアージ」が制度化すると、「いったい誰がこのトリアージを判断するのか」、また、「もし軽症と見なされていても実は重症疾患へとすすみ手遅れになる事はないのか」など、災害救急とは別な次元の問題が発生してきます。

一部にある心ない時間外受診に対しては、「院内トリアージ」と実費負担による受診抑制ではなく、行政・自治体が責任を持って患者・住民教育を徹底させることが解決の本筋のはずです。

また、「院内トリアージ」制度が進み、軽症患者の基準が拡大してくると時間外患者の「実費負担」も自動的に増加し、お金のない人にとっては、たとえ軽症ではないとおもっても、受診抑制に走る可能性が十分あります。

それは、現在守り続けている国民皆保険制度を救急医療の面から取り壊し始めることになりまねません。

軽症患者の時間外受診の解決に名を借りた「国民皆保険制度崩壊」へ道筋が」目に見えています。

次に出てくるのは、民間保険会社による「時間外軽症疾患保険」とでも言うような医療の民営化路線であることは、容易に予想されるところです。

日本医師会の「院内トリアージ時期尚早論」などでは、全く不十分で、明確な反対路線を確立すべきではないでしょうか。

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