リハビリは医療保険で対応を―老人の専門医療を考える会・齊藤会長
老人の専門医療を考える会の齊藤正身会長(霞ヶ関南病院理事長)は11月14日、同会のシンポジウムで講演し、地域ケアを進める上でのリハビリテーションの必要性を訴えた。「在宅リハセンター」の設置などを提案したほか、リハビリは医療保険で対応すべきとの考えを示した。
齊藤会長は、「在宅医療、特にリハビリテーションの立場から」をテーマに講演。まず「リハビリは介護負担軽減などのためにも必要なサービスだが、その有効性が評価されていないのではないか」とした。また、要介護度とリハビリの必要度は必ずしも一致しないが、介護保険でリハビリを行う場合、「要介護度による支給限度額があるため、どうしても介護サービスが優先され、リハビリが制限されてしまう」と指摘した。
地域の要介護高齢者の重度化予防や状態改善を進めるための方法としては、▽レベル低下時の短期集中リハ▽リハビリ・サービスの包括的な提供を可能にする「在宅リハセンター」の設置▽リハビリ機能を重視した在宅療養支援診療所の評価-などを提案。「在宅リハセンター」については、「療養病床を『在宅リハセンター』に転換するのも一つの方法ではないか」とした。回復期リハビリテーション病棟を有する病院に短期入院・短期入所の受け入れ機能や、在宅リハビリ機能を付けることなども提案した。
さらに、「リハビリにはさまざまな分類があるが、急性期から回復期、維持期へとつながる流れに関しては、同一の保険制度内で提供されることがサービス受給者、提供者共に理解しやすく整理しやすいのではないか」と指摘。リハビリは医療保険で対応すべきとの見方を示した。
■介護サービスの質の評価、次期改定の課題-厚労省
シンポジウムでは、厚生労働省老健局老人保健課の小林秀幸課長補佐も講演。「介護サービスの質の評価」が介護保険制度の課題の一つだと指摘した。ただ、「福祉の世界は、評価に慣れていない。病院の世界より、さらに評価に対する取り組みが遅れていると認識している」と述べた。その上で、「どういう形で評価をやっていくのかが、次回改定に向けての一つの問いになるのかなと思う」とした。
さらに、地域支援事業の中の介護予防事業が「事業仕分け」の対象になっていることに触れ、「戦々恐々としているが、対策としては非常に重要なものだと考えている」と語った。 更新:2009/11/16 11:23 キャリアブレイン
地域ケアでの在宅リハを介護保険の範囲内で行っていることの矛盾点を提起している今回の発言です。
在宅リハを介護保険下で施行する場合、認定された介護度によって、施行料金総額が算定され、自己負担分を払いながら、その限度額まで利用する事になります。
しかし、それ以上のリハビリは、利用者=患者さんの希望やリハ施行者の必要度にもかかわらず、全額自己負担になってしまいます。
そうなると、経済的負担が増すと同時に、医学上必要なリハビリが行われずに、患者さんの身体状況は悪化してゆくことが多く見られるのです。
これは、介護保険が、医療保険に採用されている「現物給付」ではなく、あらかじめ決められた介護等級に基づく「現金給付」が原理になっているからなのです。
介護保険下での生活支援などは、問題点を含みながらもなんとか機能していますが、医療に重点が置かれる「在宅リハ」においては、途中経過の診断治療を含めて、医療に基づく判断が必要です。
であれば、少なくともリハ部門だけでも介護保険から外して、医療保険下での「現物給付」によって、施行されるべきではないでしょうか。
そうして、初めて、急性期から回復期、維持期へとつなげるリハビリ治療の本来の姿が発揮され、介護そのものにも前進が見られるのですが・・・・。
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