中医協人事、医師会指定ポストを撤廃 厚労相方針
(2009年10月26日 朝日新聞)
長妻昭厚生労働相は26日、医療行為や薬代の公定価格である診療報酬を決める中央社会保険医療協議会(中医協)の委員のうち、日本医師会(日医)役員の指定ポストを撤廃する方針を明らかにした。任期切れの3人を再任せず、地域の医師会代表の2人に置きかえ、病院代表を1人増やす。長妻氏は「病院については、もう少し手厚い対応が必要だ」と説明。開業医の意向が強く反映されがちな日医の影響力をそぎ、勤務医の待遇改善を図る狙いがある。
中医協は厚労相の諮問機関で、健康保険組合などの「支払い側」7人、医師らによる「診療側」7人、有識者による「公益側」6人という3者で構成される。企業役員ら専門委員も含めて計30人で、長妻氏はこのうち任期満了による改選や補充となる16人を公表した。このほとんどは今月1日に任期が満了。後任の選考が遅れたことで、従来なら10月中旬に始まっていた診療報酬改定論議はずれ込んでいるが、長妻氏は「遅れはない、というタイミングで決定した」と強調した。
診療側のうち3人は、これまで日医の副会長や常任理事といった役員の指定ポストだった。今回は京都府医師会の安達秀樹副会長と茨城県医師会の鈴木邦彦理事を医師会枠として内定した。減らした1枠は病院代表に充て、山形大の嘉山孝正医学部長を任命。残る2人の病院代表枠は再任される。
民主党は、来年度の診療報酬改定で、病院の勤務医の就業環境の改善に重点を置く。医師不足の中でとりわけ勤務状況が厳しいとされるためだ。こうした政策の具体化に向け、自民党寄りだった日医の発言力を低下させる必要があると判断した。
先の衆院選で茨城県医師会の政治団体は民主党支持の姿勢を鮮明にし、京都府医師会も日医執行部と距離を置く。長妻氏は両氏を起用した理由について「我々の医療の再生に関して一定の理解をいただいている」と述べた。
日医側は今回の人事を了承していない。25日の日医臨時代議員会ではこれまでの委員である中川俊男常任理事がこうした人事選考を念頭に「報復人事だ」と批判した。
日本の医療を病院経営や医療従事者の労働条件を左右し、さらに国民医療を大枠で規定する「中医協」の人事が決まりました。
そのポイントのひとつは、これまでの「日本医師会」枠の取り扱いでした。
案の定、三人いた委員は全員交代となりました。
つまり、日本医師会は、中医協に直接意見を反映させる手段と権限を奪われたことになました。
これは、「日医崩壊」への外圧と言えないことはありません。
中医協に委員を出せない「日本医師会」の威信低下はまぬがれません。
これまで、日本の医師を「代表」して、中医協への関わりをしてきましたが、それはやはり、自民党とのロビー活動を主な手段として、選挙での「献金と支持票」の見返りに、「日医の要求を多少飲んで貰う」式のやり方でした。
以前、札幌に来た元参議院議員武見敬三氏が、医師会の演説会で「いつも金(献金)は貰っているが、今度は票も出すべきだ」と声高に演説したのを覚えています。
今回の総選挙を迎えるに当たっても、医師会の中から「自民党一党支持の見直し」に声が多数出ていました。
それも自民敗北・民主大勝を見越しての意見でした。
しかし、日医現執行部は、各支部に自民党の個人後援会設立を強要してまで、自民党と心中しょうとしていました。
選挙結果をふまえると、日医執行部のとるべき道は、「即座の会長辞任表明」だったのです。
現在、唐沢会長が「日医のために身命を賭す」と語りました。
それが本当であれば、唐沢氏自身が日医のためを思い辞任すべきが本当の責任取り方であり、ここまで来た日医への「身命の賭し」方ではなかったでしょうか。
さらに、民主党政権のもとで、「全ての政党とのお付き合い、特定政党支持にはならない」ことを表明致しました。
確かにその通りですが、次期参議院選挙での自民党西島参議院への支持は変わりません。
一番の注目すべき点は、以前武見氏は叫んでいた「選挙資金」への日医からの供給問題です。
日医現執行部が、自民党支持を撤回するとしても、その陰で、もし西島参議院議員へ選挙資金が流れたとしたら、重大な背信行為になってしまうのです。
日医は、自ら、唐沢会長を更迭し、西島支持を取り消すべきなのです。
しかし、日医に集まる多くの開業医自体が、日本の医療を底辺から支えているのも事実です。
前述した、これまでの日医に誤りがあったとしても、中医協から全員除外すると言うのも今日の日本の医療実態を無視した鳩山政権の対応ではないでしょうか。
善意に基づき地域医療を支えている多くの開業医の意見を無視していいことにはなりません。
鳩山政権と長妻厚労相は、今ひとつ余裕を持ち、全国の開業医や勤務医、医学研究・教育者からの意志を出来るだけ正確に反映できる仕組みを構築すべきなのです。
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