日本医師会:苦悩する日医 会長選「脱自民」に結論
日本医師会(日医)の政治団体「日本医師連盟」が、年末の診療報酬改定を控え、長年支持してきた自民党と、政権与党の民主党との間合いをどう計るかに苦悩している。
19日には、先の衆院選で民主党候補を支援した茨城県医師会の原中勝征会長が来春の日医会長選への立候補を表明し、3選を目指す唐沢祥人現会長と対決することが固まった。
選挙戦は「自民党か民主党か」が争点になる可能性もあり、来年夏の参院選にも影響しそうだ。【坂口裕彦、佐藤丈一】
日医会長は日医連委員長を兼ねるため、会長選の行方は日医の政治路線を左右する。 小泉内閣時代、診療報酬のうち、医師の収入に直結する治療代など「本体部分」が初めて減額された。また、「骨太の方針06」では社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制することが決まるなど、日医は「煮え湯」を飲まされた。
唐沢氏は、当時の会長が小泉政権に距離を置いたのが原因として、「自民党との関係修復」を訴えて06年の会長選に出馬し、初当選した。 しかし、麻生政権で2200億円の抑制方針こそ見送られたものの、8月の衆院選では丹羽雄哉元厚相ら有力厚生族議員が相次いで敗れた。
07年参院選比例代表では、日医連推薦の自民党現職、武見敬三氏を落選させる悲哀も味わった。
唐沢執行部も政権交代で背に腹は代えられなくなり、20日の日医連執行委員会では従来の自民党支持の見直しを議論する。族議員が減り、自民党とのパイプが細ったことも路線転換を促す一因だ。が、組織内には賛否両論ある。唐沢氏の出馬の経緯もあり、会長選前に結論を出すのは難しい状況だ。
それでも、来年の参院選に向けては既に自民党現職の西島英利氏の推薦を決め、同党も公認済み。西島氏は「『お前は医師の代表だ』と言われている。民主党に移ることは絶対あり得ない」と語る。大島理森幹事長は19日、「(各団体が)与党・政府との付き合いをどうするかというのは、当然お考えになること」と平静を装ったが、支持団体の自民離れが進めば、参院選の勝利はおぼつかない。
一方、民主党は日医に揺さぶりをかける。診療報酬引き上げをマニフェスト(政権公約)に掲げたものの、重視するのは日医の主力構成員の開業医ではなく、勤務医だ。厚生労働省の政務三役は、診療報酬を議論する中央社会保険医療協議会(中医協)で、任期切れを迎えた日医の委員3人を外す動きさえ見せている。 茨城県医師連盟は衆院選全7小選挙区で民主党候補を支援した。
小沢一郎幹事長は5日、原中氏と会い、謝意を伝えている。18日には、横浜市内で記者団に「(各団体の)構成員の民主党政権への期待が大きくなってきた。自民党の旧来の支持基盤は根底から崩れている」と語った。毎日新聞 2009年10月20日 東京朝刊=====================================
「政権交代」が実現したじ点で、こうした日医の「動揺」は十分予想されていました。
しかし、今回の日医の会長選挙に当たり、指摘しておきたいことがあります。
第一に、その時々の「政権政党」への無原則な擦り寄りはすべきではないことです。
唐沢執行部が、自公政権へ、「政権政党」という「理由」で支持を表明しただけではなく、各支部段階にまで自民党支持を強要してきました。
しかし、現場の老巧名支部幹部は、「自公大敗・民主大勝」を感じ取り、「面従腹背」のやり方で、今度の総選挙に関わったところも少なくはありませんでした。
従って、どの政党が政権党になっても「日本医師会」としての要求や方針を打ち立てて、それに基づいて政治課題に取り組むべきではないでしょうか。
第二に、厳しいかもしれませんが、これまで自公政権を支持して様々な矛盾を日医内に持ち込み、日医の団結を妨げてきたこれまでの日医幹部は、それなりの責任を辞任も含めて、明確にすべきではないでしょうか。
唐沢執行部が、これまでの総括をはっきりさせないで、表面上は、現政権に渡りをつけながら、次期参議院選挙では、自民党候補を組織推薦をするようでは、これもまた「逆面従復背」と言わざるをえません。
今回の政権交代を日本医師会の正常化から組織刷新へとつなげる絶好の機会とすべきなのです。
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