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 混合診療禁止を是認東京高裁が逆転判決
 保険診療と保険外の自由診療を併用する混合診療の禁止の是非をめぐり、がん患者の男性が、保険診療分を受給できることの確認を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(大谷禎男裁判長)は929日、混合診療を禁止する法的根拠はないとする一審判決を取り消し、原告の請求を棄却する逆転判決を言い渡した。原告側は上告する方針。

 訴えていたのは、神奈川県藤沢市在住の団体職員・清郷伸人さん。
 判決などによると、清郷さんは神奈川県立がんセンターで腎臓がんと診断され、保険診療の「インターフェロン療法」と自由診療の「活性化自己リンパ球移入療法」(LAK療法)の併用を019月から開始した。LAK療法は当初、旧特定療養費制度で「高度先進医療」の承認を受け保険診療との併用が認められていたが、その後「有効性が認められない」として承認が取り消され、064月から保険診療と併用できなくなった。

 このため清郷さんは、保険外診療を併用しても保険診療部分については受給できることの確認を求めて国を相手に提訴。一審の東京地裁は0711月、清郷さんの訴えを認める判決を下し、国が控訴していた。

 この裁判では、インターフェロン療法とLAK療法を併用した場合、インターフェロン療法についても保険給付が認められないと判断すべきかどうかなどが争点になってきた。この日の二審判決では、保険外併用療養費制度が例外的に混合診療を許容するものだとする国側の主張を容認。2つの療法を併用した場合、保険診療のインターフェロン療法についても「保険給付を受けられないと解すべき」との判断を下した。

 混合診療をめぐって国は、医療の平等性が損なわれる安全性が確認できない治療が拡大する懸念があるなどとして原則禁止する一方、厚生労働相が承認した先進医療技術などについては、現行の「保険外併用療養費制度」で、技術ごとに決められた条件を満たす医療機関で実施した場合にのみ併用を認めている。

「保険診療だけですべて治るなら」
 判決を受けて原告側は東京高裁内で同日記者会見し、「国の認めた治療だけですべての病気が治るなら何も文句は言わない」「国は、(混合診療を禁止する)さまざまな理由を言っているが、理由があれば保険受給権を奪う行為が正当化されるのか」などと批判した。
 一方、長妻昭厚生労働相は同日、「現時点では、判決の具体的内容を十分把握したものではありませんが、国のこれまでの主張が認められたものと考えております」との談話を発表した。

混合診療禁止を認めた今回の東京高裁判決は、妥当な判断ではないでしょうか。

 混合診療解禁を主張していた「経済財政諮問会議」や「規制改革・民間開放会議」などは、すでに開店休業の状態になっています。

 それらを主導していた「小泉構造改革」とそのお手本となっていたアメリカに発した新自由主義的経済政策が、昨年のリーマンショック以来、破綻していることは、衆目の認めるところです。

 国内では、それらを引きずっていた自公政権が、先の総選挙で野党に転落し、再生のめどっすら立てることが出来ない状態です。

 こうした動きの中での「混合診療禁止」の再確認と考えることが出来ます。

 原告となっている清郷氏の病状の改善を心から願いつつも、混合診療解禁が、日本の医療制度に及ぼす否定的影響を考えると、今回の判決は、妥当な判断と考えています。

 日本や欧州諸国がこれまで築き上げてきた国民皆保険制度は、世界が目指す、医療保険のスタンダードになっています。

事実、アメリカでは5000万人にも及ぼうとする「無保険者」の解決にオバマ大統領が心血を注いで医療制度改革に取り組んでいるのです。

 つまり、「人間の生命と健康の維持に、貧富の差を持ち込んではならない」という人類がこれまでに到達した知恵と倫理の目標を実現する時代になっているのです。 

「混合診療解禁」がもたらすものは、こうした時代認識への逆行であり、国民皆保険制度崩壊へ一里塚なのです。

 今回の裁判で問題になったような、診断治療に有効な医療技術が開発されてくれば、その安全性を確認の上、直ちに保険診療内での活用を決定すべきではないでしょうか。

 原告には、一日も早い回復を祈りつつも、一言申し上げたいのは、「保険診療分を認めよ」というのではなく「保険外診療の保険適応を即座に認めよ」と主張すべきだと思います。

 そうなれば、ご自分も含めより多くの患者さんが助かる道が開けてくるのではないでしょうか。  

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「保険外診療の保険適応を即座に認めよ」じゃなくて
「正当な保険外診療の保険適応を即座に認めよ」でしょうね。 今の保険外診療は、おまじないみたいな怪しげな物も相当あるんですよね。
written by 元外科医 / 2009.10.07 21:01

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