混合診療禁止を認めた今回の東京高裁判決は、妥当な判断ではないでしょうか。
混合診療解禁を主張していた「経済財政諮問会議」や「規制改革・民間開放会議」などは、すでに開店休業の状態になっています。
それらを主導していた「小泉構造改革」とそのお手本となっていたアメリカに発した新自由主義的経済政策が、昨年のリーマンショック以来、破綻していることは、衆目の認めるところです。
国内では、それらを引きずっていた自公政権が、先の総選挙で野党に転落し、再生のめどっすら立てることが出来ない状態です。
こうした動きの中での「混合診療禁止」の再確認と考えることが出来ます。
原告となっている清郷氏の病状の改善を心から願いつつも、混合診療解禁が、日本の医療制度に及ぼす否定的影響を考えると、今回の判決は、妥当な判断と考えています。
日本や欧州諸国がこれまで築き上げてきた国民皆保険制度は、世界が目指す、医療保険のスタンダードになっています。
事実、アメリカでは5000万人にも及ぼうとする「無保険者」の解決にオバマ大統領が心血を注いで医療制度改革に取り組んでいるのです。
つまり、「人間の生命と健康の維持に、貧富の差を持ち込んではならない」という人類がこれまでに到達した知恵と倫理の目標を実現する時代になっているのです。
「混合診療解禁」がもたらすものは、こうした時代認識への逆行であり、国民皆保険制度崩壊へ一里塚なのです。
今回の裁判で問題になったような、診断治療に有効な医療技術が開発されてくれば、その安全性を確認の上、直ちに保険診療内での活用を決定すべきではないでしょうか。
原告には、一日も早い回復を祈りつつも、一言申し上げたいのは、「保険診療分を認めよ」というのではなく「保険外診療の保険適応を即座に認めよ」と主張すべきだと思います。
そうなれば、ご自分も含めより多くの患者さんが助かる道が開けてくるのではないでしょうか。
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