9月26日、札幌で、森 達也講演会が「死刑・戦争・憲法」の演題名で開催されました。
現在の社会事象を見るあたり、大変有益なお話を伺うことができました。
私の感想をまとめてみました。
森達也さんといえば、オオム真理教事件に際して、オオム真理教団内部から彼らが引き起こした事件の真相をドキメンタリーで追ったことで知られています。
しかし、TVドキメンタリーとして報道されることはできず、信者の側から日本社会の問題性を捉えたドキメンタリー映画として「A」「A2」として問題提起しています。
1995年3月20日の「オオム真理教事件」・2001年9月11日の「9.11同時多発テロ」・北朝鮮拉致事件などを通して、権力者とマスコミは、国民の中に「疑心暗偽」と「漠然とした不安感」を植えつけてきました.
「オオム真理教事件」では、普段はなんでもない「善良」な若者が、市民の無差別殺傷に走った事件でした。
これは、国民の中に「明日はわが身・・・」とでも言うような不安を巻き起こしました。
9.11同時多発テロ事件でも、もしかしたらわれわれの周りでも起きはしないか・・・、否、起きる前にテロの巣窟を先制攻撃しておこうとアフガン・イラク戦争が開始されました。
もちろん、当時の小泉首相は、直ちに戦争支持を表明し、イラクに自衛隊を海外派兵いたしました。(戦争の正当性の検証もなくです!!)
こうした事件を利用して、国民の中の「不安感」を常にかもし出してきたのが、時の権力者たちでした。
これらの事件を前後して1999年以来、国旗・国歌法、通信傍受法、住民基本法、有事法制、教育基本法改定、防衛省への昇格、そして憲法改正手続き法など、国内的には、基本的人権の侵害を正当化し、自衛隊の海外派兵を容易にする諸制度の整備が行われてきました。
小泉・安倍・福田・麻生と続いた、自公政権は、対外的に、アフガン・イラン戦争や北朝鮮核問題を最大限利用しながら、こうした国内管理体制と自衛隊海外派兵準備を進めてきたのです。
また、こうした中でのマスメディアの果たしてきた役割を見逃すことはできません。政府・権力者が流す、「不安感」を日々の番組の中で、さらに増幅してきました。
しかもそれは、「二項対立」というかたちで叫びたててきたのです。
「オオム真理教は悪であり、その他の市民は善である」、「テロリストは悪であり、アメリカは正義である」、「郵政民営化に賛成か否か、賛成は改革派であり、反対派守旧派」など・・・・・・。
そして、今回の総選挙でも「政権交代か否か」とマスメディアの国民あおりが行われました。
しかし、よく考えてみると、物事の本質は「善と悪」「白か黒」などの二項対立だけでは捉えることができないことは自明です。二項の中間にある移行やまったく異なる接近法があります。
落ち着いて、冷静に考えると容易にわかることですが、国民の多くがまさに熱病にうなされる様に、「二項対立」の構図に落とし込まれることがあります。
この様な状態を作り出すのにマスメディアの果たす責任と役割は、重大ではないでしょうか。
マスメディアは、国民に多面的に問題を提起すること、また、国民は、問題を単純化することなく、縦横無尽に考えをめぐらすことの大切さを再認識させられた講演会でした。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (148)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
| 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
| 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
コメント
コメントはまだありません。
コメントを書く